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カメラ

ニコンFマウント用50mm単焦点レンズ定番製品比較テスト

ニコン Fマウント用 50mm単焦点レンズ 定番製品 比較テスト

扱いやすさと写りの良さで多くの人が購入するのが50mmの標準レンズ。今回はニコンFマウントに装着できる50mm周辺の単焦点レンズを売れ筋から5本ピックアップ。同じ被写体を限りなく同条件でテストし、並列比較を通じてそれぞれの特徴をチェック。予算や被写体に適した1本を見つけ出す。

比較する定番単焦点レンズ5選の概要

比較検証を行うレンズは全5本。ニコン純正レンズ3本(AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G、50mm f/1.4G、58mm f/1.4G)とシグマ50mm F1.4 DG HSM [ニコン用]、カールツァイスMilvus 1.4/50 ZF.2 [ニコン用]の5本を検証した。純正レンズ3本は比較的コンパクトで、サードパーティー2社のレンズはやや大柄な鏡筒という第一印象。

AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G AF-S NIKKOR 50mm f/1.4G AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G Milvus 1.4/50 ZF.2 [ニコン用] 50mm F1.4 DG HSM [ニコン用]
メーカー名 ニコン ニコン ニコン カールツァイス シグマ
製品名 AF-S NIKKOR
50mm f/1.8G
AF-S NIKKOR
50mm f/1.4G
AF-S NIKKOR
58mm f/1.4G
Milvus
1.4/50 ZF.2
[ニコン用]
50mm F1.4
DG HSM
[ニコン用]
最安価格
焦点距離 50 mm 50 mm 58 mm 50 mm 50 mm
開放F値 F1.8 F1.4 F1.4 F1.4 F1.4
フォーカス AF/MF AF/MF AF/MF MF AF/MF
発売日 2011/6/2 2008/12/5 2013/10/31 2016/2/18 2014/5/16
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メーカー名 製品名 最安価格 焦点距離 開放F値 フォーカス 発売日
AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G ニコン AF-S NIKKOR
50mm f/1.8G
50 mm F1.8 AF/MF 2011/6/2 製品ページへ
AF-S NIKKOR 50mm f/1.4G ニコン AF-S NIKKOR
50mm f/1.4G
50 mm F1.4 AF/MF 2008/12/5 製品ページへ
AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G ニコン AF-S NIKKOR
58mm f/1.4G
58 mm F1.4 AF/MF 2013/10/31 製品ページへ
Milvus 1.4/50 ZF.2 [ニコン用] カールツァイス Milvus
1.4/50 ZF.2
[ニコン用]
50 mm F1.4 MF 2016/7/27 製品ページへ
50mm F1.4 DG HSM [ニコン用] シグマ 50mm F1.4
DG HSM
[ニコン用]
50 mm F1.4 AF/MF 2014/5/16 製品ページへ

人物ポートレート・スナップなどでレンズ性能を徹底比較

ポートレート (ボケ、中心解像感)

サードパーティーながらピント面の解像、ボケともにシグマが抜きん出た写り
カールツァイスもシャープな描写で好印象

50mm単焦点レンズといえばポートレートの基本レンズ、ということでまずは人物撮影におけるピント位置の解像力と、周辺のボケをチェックした。ピント合わせはD850のライブビューAFにて瞳にピントを合わせるようにしている(作例モデルの右目)。Milvus 1.4/50 ZF.2はMFレンズのためピント合わせは液晶拡大によるマニュアルで合わせた。各レンズ開放絞りとなるF1.4(F1.8)で撮影してピント面の解像力や周辺のボケの変化をチェックしている。その結果、まず優秀だったのはシグマ。ピント面の解像もボケも文句なしだ。それ以外の製品の写りは好みが分かれるところだが、カールツァイスのピント面のシャープさが印象に残った。

全体

  • セッティング:絞り優先オート F1.8 1/125秒 露出補正なし ISO200

  • セッティング:絞り優先オート F1.4 1/200秒 露出補正なし ISO200

  • セッティング:絞り優先オート F1.4 1/200秒 露出補正なし ISO200

  • セッティング:絞り優先オート F1.4 1/160秒 露出補正なし ISO200

  • セッティング:絞り優先オート F1.4 1/160秒 露出補正なし ISO200

  • ニコン
    AF-S NIKKOR
    50mm f/1.8G

  • ニコン
    AF-S NIKKOR
    50mm f/1.4G

  • ニコン
    AF-S NIKKOR
    58mm f/1.4G

  • カールツァイス
    Milvus
    1.4/50 ZF.2 [ニコン用]

  • シグマ
    50mm
    F1.4 DG HSM [ニコン用]

  • AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G

    しっかりとしたピント面の描写。開放F1.8らしく程よいボケ感に好感が持てる。ただし、開放F1.4のレンズに比べると前ボケは芯が残るため、若干うるさめに感じる。前ボケを入れるならより被写体から離した位置に入れるべきだろう。

  • AF-S NIKKOR 50mm f/1.4G

    ピント面を含め全体的に柔らかな印象。前ボケはナチュラルでクセはないが、遠景のボケはざわついた感じで少しうるさく見える。ライブビューAFによるピント合わせは標準的な速度、静粛性であった。

  • AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G

    程よい解像力と独特のボケ感が魅力。ほかのレンズより焦点距離が長いため、全体のボケは大きくなり、それにより立体感が生まれるように感じる。遠景のボケは少し渦を巻いているような独特のボケとなっているのが特徴的。

  • Milvus 1.4/50 ZF.2 [ニコン用]

    MFでのピント合わせのためライブビュー画面で拡大してピントを合わせている。ピント面は非常にシャープで切れがいい印象。遠景のボケも悪くないが、少し渦巻き状のボケとなっている。前ボケは柔らかく特に不満はない。

  • 50mm F1.4 DG HSM [ニコン用]

    ピント面の解像力、ボケの美しさなどほかのレンズよりも抜きん出た描写となっている。特に遠景のボケが素直で2線ボケのようなものが一切見られないのがすばらしい。サードパーティー製レンズだが、AFの速度、精度にも一切不満はなかった。

部分拡大(中央部の解像度)

  • セッティング:絞り優先オート F1.8 1/125秒 露出補正なし ISO200

  • セッティング:絞り優先オート F1.4 1/200秒 露出補正なし ISO200

  • セッティング:絞り優先オート F1.4 1/200秒 露出補正なし ISO200

  • セッティング:絞り優先オート F1.4 1/160秒 露出補正なし ISO200

  • セッティング:絞り優先オート F1.4 1/160秒 露出補正なし ISO200

  • ニコン
    AF-S NIKKOR
    50mm f/1.8G

  • ニコン
    AF-S NIKKOR
    50mm f/1.4G

  • ニコン
    AF-S NIKKOR
    58mm f/1.4G

  • カールツァイス
    Milvus
    1.4/50 ZF.2 [ニコン用]

  • シグマ
    50mm
    F1.4 DG HSM [ニコン用]

  • AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G

    開放のF1.8から非常にシャープ。もともとほかのレンズよりも開放F値が2/3段暗いレンズのため、開放からシャープな描写が得られるのが特徴といえる。

  • AF-S NIKKOR 50mm f/1.4G

    開放のF1.4はピント面の解像力が甘めピント面のシャープさとボケ味を両立すなら、少し絞って使うのがベストといえるかもしれない。

  • AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G

    開放のF1.4では若干柔らかめの描写となるが、甘いというほどではない。むしろポートレートにおいてはプラスといえる柔らかさではないだろうか。

  • Milvus 1.4/50 ZF.2 [ニコン用]

    開放のF1.4でも十分にシャープといえる描写となっている。MFレンズだけに性能をフルに発揮するためにはライブビューの拡大表示によるピント合わせが必要だ。

  • 50mm F1.4 DG HSM [ニコン用]

    開放のF1.4からピント面は驚くほどシャープで解像感が高い。今回テストしたレンズの中でピント面の解像力に関しては群を抜いた性能といっていいだろう

部分拡大(背景のボケ)

  • セッティング:絞り優先オート F1.8 1/125秒 露出補正なし ISO200

  • セッティング:絞り優先オート F1.4 1/200秒 露出補正なし ISO200

  • セッティング:絞り優先オート F1.4 1/200秒 露出補正なし ISO200

  • セッティング:絞り優先オート F1.4 1/160秒 露出補正なし ISO200

  • セッティング:絞り優先オート F1.4 1/160秒 露出補正なし ISO200

  • ニコン
    AF-S NIKKOR
    50mm f/1.8G

  • ニコン
    AF-S NIKKOR
    50mm f/1.4G

  • ニコン
    AF-S NIKKOR
    58mm f/1.4G

  • カールツァイス
    Milvus
    1.4/50 ZF.2 [ニコン用]

  • シグマ
    50mm
    F1.4 DG HSM [ニコン用]

  • AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G

    開放のF1.8では遠景のボケがややうるさい印象を受ける。ピント面に近い部分も少しボケ感が唐突に見える。

  • AF-S NIKKOR 50mm f/1.4G

    ボケの質は全体的にややうるさめ。特に遠景のボケががちゃがちゃした感じなのが気になった。ピント面からわずかに離れた場所のボケも同様の傾向が見られるのであまりボケがきれいなレンズとはいえない印象だ。

  • AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G

    F1.4では背景部分のボケが渦を巻いたように見えるクセのあるボケとなる。ただ、クセのあるボケが好みという人もいるだろうから、そこは個々人の判断というところだろう。

  • Milvus 1.4/50 ZF.2 [ニコン用]

    ピント面からわずかに離れた場所のボケは滑らかで秀逸。開放F1.4でのボケは少し渦を巻くような傾向がある。ポートレートで寄りの写真を撮ったときに一番ボケがきれいに出そうだ。

  • 50mm F1.4 DG HSM [ニコン用]

    ピント面からわずかに離れた場所のボケ始めはとてもきれい。全体的に2線ボケのようなものは見られず、とても素直なボケだと感じる。

遠景 (周辺解像感)

最も解像力が高いのはツァイス、次いでシグマ
また、ニコンの50mm f/1.8Gは中央と周辺の描写のバランスがよく好印象

絞り開放で遠景風景を撮影して、周辺部と中央部の解像力をチェック。遠景風景はあまり絞り開放で撮らないかもしれないが、描写力のテストと割り切ってほしい。結果、中央部がシャープなのがツァイスとシグマ、中央部と周辺部の解像力の差が小さくバランスが良かったのはニコンの50mm f/1.8Gだった。ただし、ツァイス以外の4本は輪郭部にパープルフリンジが発生した。

全体

  • セッティング:絞り優先オート F1.8 1/500秒 +0.7補正 ISO100

  • セッティング:絞り優先オート F1.4 1/800秒 +0.7補正 ISO100

  • セッティング:絞り優先オート F1.4 1/1600秒 +0.7補正 ISO100

  • セッティング:絞り優先オート F1.4 1/2000秒 +0.7補正 ISO100

  • セッティング:絞り優先オート F1.4 1/800秒 +0.7補正 ISO100

  • ニコン
    AF-S NIKKOR
    50mm f/1.8G

  • ニコン
    AF-S NIKKOR
    50mm f/1.4G

  • ニコン
    AF-S NIKKOR
    58mm f/1.4G

  • カールツァイス
    Milvus
    1.4/50 ZF.2 [ニコン用]

  • シグマ
    50mm
    F1.4 DG HSM [ニコン用]

  • AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G

    開放のF1.8からとてもシャープ。特筆すべきは中央部だけでなく周辺部でも同じように開放からシャープであること。中央部と周辺部の差が最も少ないのがこのレンズだ。

  • AF-S NIKKOR 50mm f/1.4G

    F1.4の開放はとにかく甘い。ポートレートでも甘めの傾向はあったが、遠景の描写に関してはその甘さが顕著に見られた。スナップなどでは基本的に少し絞って使うレンズと思っておいたほうがいい。

  • AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G

    遠景に関しては開放のF1.4からシャープな写り。参考までに中央部に関しては絞りを絞るごとにシャープさは増していくが、周辺部はあまり変化が見られない感じだ。

  • Milvus 1.4/50 ZF.2 [ニコン用]

    開放のF1.4から十分にシャープ。ちなみに、絞り優先AEでの撮影なのだが、開放F1.4の写真だけなぜかほかのレンズに比べて1段以上も暗い仕上がりとなってしまった。

  • 50mm F1.4 DG HSM [ニコン用]

    開放のF1.4から非常に高い解像力を発揮してくれる。

部分拡大(周辺部の描写)

  • セッティング:絞り優先オート F1.8 1/500秒 +0.7補正 ISO100

  • セッティング:絞り優先オート F1.4 1/800秒 +0.7補正 ISO100

  • セッティング:絞り優先オート F1.4 1/1600秒 +0.7補正 ISO100

  • セッティング:絞り優先オート F1.4 1/2000秒 +0.7補正 ISO100

  • セッティング:絞り優先オート F1.4 1/800秒 +0.7補正 ISO100

  • ニコン
    AF-S NIKKOR
    50mm f/1.8G

  • ニコン
    AF-S NIKKOR
    50mm f/1.4G

  • ニコン
    AF-S NIKKOR
    58mm f/1.4G

  • カールツァイス
    Milvus
    1.4/50 ZF.2 [ニコン用]

  • シグマ
    50mm
    F1.4 DG HSM [ニコン用]

  • AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G

    周辺部も開放F1.8からそこそこの解像力がある。フリンジが発生するが、ほかのレンズに比べるとほとんど気にならないレベルといっていいだろう。

  • AF-S NIKKOR 50mm f/1.4G

    開放のF1.4は非常に甘い描写で輪郭部にはフリンジも多く発生する。

  • AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G

    開放F1.4から周辺部もそこそこシャープに写るが、フリンジの発生も見られる。

  • Milvus 1.4/50 ZF.2 [ニコン用]

    周辺部の描写も開放F1.4から比較的優秀といえる。開放からフリンジの発生が見られない点は高く評価できる。

  • 50mm F1.4 DG HSM [ニコン用]

    中央部では開放F1.4から非常にシャープであったが、周辺部になると描写は甘く、フリンジも発生する。

夜景 (点光源の形)

周辺部の丸ボケが美しいのはシグマでニコン58mm f1.4も善戦
ツァイス、50mm f/1.4、50mm f/1.8はレモン型のボケに

街灯とビルのライトがある夜景を三脚使用で撮影した。画面中央部と周辺部のボケを確認するため、ピント位置はあえて1.5mくらい先の歩道に合わせている。また、点光源ボケに関しては単に形(丸さ)だけでなく、ボケの内側に出る模様の有無についても見ていく。結果、ボケが丸く美しかったのはシグマとニコンの58mm f/1.4だった

全体

  • セッティング:絞り優先オート F1.8 1/40秒 露出補正なし ISO400

  • セッティング:絞り優先オート F1.4 1/60秒 露出補正なし ISO400

  • セッティング:絞り優先オート F1.4 1/80秒 露出補正なし ISO400

  • セッティング:絞り優先オート F1.4 1/60秒 露出補正なし ISO400

  • セッティング:絞り優先オート F1.4 1/60秒 露出補正なし ISO400

  • ニコン
    AF-S NIKKOR
    50mm f/1.8G

  • ニコン
    AF-S NIKKOR
    50mm f/1.4G

  • ニコン
    AF-S NIKKOR
    58mm f/1.4G

  • カールツァイス
    Milvus
    1.4/50 ZF.2 [ニコン用]

  • シグマ
    50mm
    F1.4 DG HSM [ニコン用]

  • AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G

    ほかの開放F1.4のレンズに比べると、開放値がF1.8となるため、全体のボケ感は少し固くなる。ただし、しっかりとしたコントラストがあり締まりがあって見栄えの良い仕上がりとなっている。同社のF1.4よりも階調の再現性は良いように感じる。

  • AF-S NIKKOR 50mm f/1.4G

    開放F1.4における光源以外の円形ボケは、やや二線ボケっぽさがあり、少しざわついた印象を受ける。

  • AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G

    わずかとはいえほかのレンズよりも焦点距離が長いため、開放F1.4でのボケ量は大きい。周辺部のボケはやや流れるような感じでクセのあるボケといえる。このボケがこのレンズの魅力のひとつともいえるので、あえて開放F1.4で撮るのが面白いだろう。

  • Milvus 1.4/50 ZF.2 [ニコン用]

    開放F1.4から点光源以外のボケは滑らかで秀逸。シャドーのトーンも厚く、夜の街をうまく再現してくれている。

  • 50mm F1.4 DG HSM [ニコン用]

    開放F1.4からボケは滑らかで点光源以外のボケも自然。シャドー部のコントラストが滑らかで情報量が多く、独特の立体感が感じられる仕上がりとなっている。

周辺部分拡大(点光源のボケ)

  • セッティング:絞り優先オート F1.8 1/40秒 露出補正なし ISO400

  • セッティング:絞り優先オート F1.4 1/60秒 露出補正なし ISO400

  • セッティング:絞り優先オート F1.4 1/80秒 補正 ISO400

  • セッティング:絞り優先オート F1.4 1/60秒 露出補正なし ISO400

  • セッティング:絞り優先オート F1.4 1/60秒 露出補正なし ISO400

  • ニコン
    AF-S NIKKOR
    50mm f/1.8G

  • ニコン
    AF-S NIKKOR
    50mm f/1.4G

  • ニコン
    AF-S NIKKOR
    58mm f/1.4G

  • カールツァイス
    Milvus
    1.4/50 ZF.2 [ニコン用]

  • シグマ
    50mm
    F1.4 DG HSM [ニコン用]

  • AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G

    開放F1.8では中心で丸、周辺部でレモン型のボケとなる。ボケの内側はレンズ内部の模様も写らずきれい。

  • AF-S NIKKOR 50mm f/1.4G

    開放F1.4では中心部はほぼ丸形のボケで、端っこになるとラグビーボール程度の口径食が見られる。ボケの内側の描写はきれいで年輪のような模様はほとんど見られない。

  • AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G

    中央部はもちろんのこと周辺部分の点光源ボケも最も変形が少なく丸に近い形状をしている。ただし、ボケの内側はレンズ内部の凹凸が写る年輪状の模様が目立つ。

  • Milvus 1.4/50 ZF.2 [ニコン用]

    開放F1.4では周辺部にいくに従いレモン型のボケとなる。年輪状の模様も比較的強めに見られる。

  • 50mm F1.4 DG HSM [ニコン用]

    開放F1.4では画面中央は丸形、周辺部にいくに従いレモン型のボケとなる。ボケの内側はレンズ模様もほぼ写っておらず、ボケ自体はきれいなものだと感じる。

さまざまな被写体で徹底比較

さらに多くの被写体で撮り比べ、逆光下のコントラスト・わい曲収差・周辺減光などのレンズ性能を徹底比較!じっくり確認したい人用に作例のダウンロードも用意

今回、ここまでで紹介した以外にもさまざまな検証を行っています。下のリンク先ではそれらの検証の結果を提示。このページの内容と合わせて確認することでより詳細なレンズの特徴を理解でき、最高の1本に近づきます。

次ページで検証している項目

  • ・逆光でのコントラスト、ゴースト
  • ・わい曲収差
  • ・周辺減光
  • ・近距離での解像度
徹底比較&ダウンロードページへ

撮影機材紹介

ニコン D850 ボディ

ニコン

D850 ボディ

最安価格

ニコンのミドルクラス一眼レフカメラD850を使用。4575万画素の高解像度データはレンズテストにも最適。ただし、一眼レフカメラの場合、AFによるピント合わせは精度の問題もあるため、比較テストの作例はすべてライブビューによるコントラストAFを使用している。

ニコン D850 ボディを探す

[結論!]定番レンズ5本選び分けのポイント

  • AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G

    開放F値はF1.8とほかのレンズより暗めだが、価格が安く描写のバランスがいいので最初の1本として気軽に使いたい人に向く
    方には [ ニコン AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G ]

  • f/1.8G AF-S NIKKOR 50mm f/1.4G

    全体的に甘めの描写なので柔らかなポートレートを撮りたいときにチョイスしたい
    方には [ニコン AF-S NIKKOR 50mm f/1.4G]

  • AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G

    ボケ味は特徴的だが開放でのボケは大きいのでポートレートなど立体感を出したい被写体に最適
    方には [ニコン AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G]

  • Milvus 1.4/50 ZF.2 [ニコン用]

    開放絞りから安定した描写が得られるマニュアルフォーカスレンズなので風景など静物をじっくり撮る人にいい
    方には [カールツァイス Milvus 1.4/50 ZF.2 [ニコン用]]

  • 50mm F1.4 DG HSM [ニコン用]

    解像力からボケ味まで欠点の見当たらないオールマイティーレンズ。サイズは大きいがそれが気にならない人はまずこれが選択肢に入る
    方には [シグマ 50mm F1.4 DG HSM [ニコン用]]

標準レンズと呼ばれる50mm(58mm含む)だが、価格も重さもまちまちで発売時期もAF-S NIKKOR 50mm f/1.4Gは2008年、Milvus 1.4/50 ZF.2は2016年と開きがあるため、同じようなスペックとはいえ特徴、性能はさまざま。解像力重視で選ぶか、大きさ重さでチョイするか、ボケ味はどうかなど撮り手が求める性能で買い求めるのがいいだろう。

製品別レビュー

ニコン AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G

ニコン
AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G

最安価格

発売日2011/6/2

  • 焦点距離:50mm
  • 開放F値:F1.8
  • サイズ:72×52.5mm
  • 重量:185g

2011年6月に発売された開放F値、F1.8の単焦点レンズ。6群7枚のレンズ構成で非球面レンズ1枚を採用する。絞り羽根は7枚、鏡筒の最大径は72mmで重さも約185gと非常に軽量コンパクトなのが特徴だ。価格も手頃なので、「とりあえず50mmの単焦点を」という人には魅力的な1本といえる。

[ 作例 ]

作例写真

セッティング:絞り優先オート F1.8 1/160秒 露出補正なし ISO200

開放でもF1.8とほかのレンズに比べると被写界深度が深いこと、ピント面のシャープさがあることから積極的に開放絞りを使いたくなるレンズ。遠景の風景を撮っても十分にシャープなのがいい。夜の撮影でも丸ボケの中心部分もきれいに写ってくれる。

総論:開放F値はF1.8とほかのレンズより暗めだが、価格が安く描写のバランスがいいので最初の1本として気軽に使いたい人に向く

ほかのレンズに比べると開放絞りが2/3段暗めとなるため、ボケの絶対量は少なくなる。このため、ポートレートなどで背景を大きくぼかしたいというニーズには向かないかもしれない。だが、開放から比較的シャープな描写で解像力が高い点は価格以上の性能と感じる。

ニコン AF-S NIKKOR 50mm f/1.4G

ニコン
AF-S NIKKOR 50mm f/1.4G

最安価格

発売日2008/12/5

  • 焦点距離:50mm
  • 開放F値:F1.4
  • サイズ:73.5×54mm
  • 重量:280g

開放F1.4のオーソドックスな標準レンズだが、発売は2008年12月で今となってはやや設計の古さが感じられる。レンズ構成は7群8枚で非球面レンズは採用されていない。純正レンズで明るいF1.4のレンズが欲しいとなると一番買いやすいレンズといえるだろう。

[ 作例 ]

作例写真

セッティング:絞り優先オート F1.4 1/80秒 露出補正なし ISO100

街スナップにおいてF1.4の開放で撮影。少しうるさく感じられるボケとピント面の甘さがかえってオールドレンズで撮ったような楽しさに感じた。D850は比較的大柄なカメラだが、レンズ本体が小さくて軽いため街歩きにはちょうど良いサイズ感に思える。

総論:全体的に甘めの描写なので柔らかなポートレートを撮りたいときにチョイスしたい

開放F1.4での描写は全体的に甘め。ピントを合わせた中央部でもややシャープ感に欠ける描写となるので、解像力を求める人には不向きかもしれない。逆に、甘さを生かして柔らかなポートレートを撮るなどには向いているだろう。

ニコン AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G

ニコン
AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G

最安価格

発売日2013/10/31

  • 焦点距離:50mm
  • 開放F値:F1.4
  • サイズ:85×70mm
  • 重量:385g

発売は2013年10月と一眼レフ用(Fマウント)の標準単焦点レンズとしては新しめ。レンズ構成は6群9枚で非球面レンズ2枚が採用される。設計の新しいレンズらしくナノクリスタルコートが施されているのも特徴だ。最短撮影距離は0.58mとやや長く、最大撮影倍率も0.12倍にとどまっている。

[ 作例 ]

作例写真

セッティング:絞り優先オート F1.4 1/640秒 露出補正なし ISO400

花屋の店先のひまわりを撮らせてもらった。こういうシーンではクセのあるボケが被写体を浮かび上がらせてくれる。58mmという焦点距離は通常の50mmよりも被写体を切り取る感じが強くなるので、街のオブジェを撮るのが楽しくなる。

総論:ボケ味は特徴的だが開放でのボケは大きいのでポートレートなど立体感を出したい被写体に最適

開放F1.4からほどほどの解像感が得られることと、ややクセのあるボケが特徴的。遠景の解像力に関しては期待以上の実力だと感じた。クセのあるボケもF2.0くらいからは落ち着いてくるので、絞りをうまくコントロールすることで写真表現を楽しむことができるレンズといえるかもしれない。

カールツァイス Milvus 1.4/50 ZF.2 [ニコン用]

カールツァイス
Milvus 1.4/50 ZF.2 [ニコン用]

最安価格

発売日2016/2/18

  • 焦点距離:50mm
  • 開放F値:F1.4
  • サイズ:94×83mm
  • 重量:875g

2016年2月発売と今回テストした5本の中では最も新しいレンズ。レンズ構成は8群10枚でフィルター径は67mm。重さは約790gと純正レンズ群と比べるとかなり重たい。AF機構は持たずピント合わせはMFのみとなる。金属を多用した鏡筒は高級感のあるもとなっている。

[ 作例 ]

作例写真

セッティング:絞り優先オート F1.4 1/80秒 露出補正なし ISO100

ファインダーをのぞきながらD850のフォーカスエイド機能を用いてピント合わせを行っている。F1.4の開放なら背景の人たちも大きくぼかせるので、プライバシーの観点でも使い勝手がいい。

総論:開放絞りから安定した描写が得られるマニュアルフォーカスレンズなので風景など静物をじっくり撮る人に向く

開放絞りから安定した描写が得られるのが魅力。中央部だけでなく周辺部での描写力にも優れ、絞り値を変えたことによる変化も少ないため、風景などを撮るにも向く。ただし、ピント合わせはMFとなるため、開放絞りでのピント合わせには気を遣う。正確にピントを合わせるにはライブビューで拡大表示をすることが必要となるため、できれば三脚を使って撮りたい。

ニコン 50mm F1.4 DG HSM [ニコン用

シグマ
50mm F1.4 DG HSM [ニコン用]

最安価格

発売日2014/5/16

  • 焦点距離:50mm
  • 開放F値:F1.4
  • サイズ:85.4×99.9mm
  • 重量:810g

発売は2014年5月。性能に妥協のないレンズとうたっているがその分、最大径85.4mm、長さ99.9mm、重さ810gと、ほかのレンズとは比較にならないほど大きくて重たい。最短撮影距離は0.4mと50mmレンズにしては短いのも特徴。最高の描写力を得るためにこの大きさ、重さを我慢できるかどうかだ。

[ 作例 ]

作例写真

セッティング:絞り優先オート F1.4 1/60秒 露出補正なし ISO100

雨にぬれたモミジの葉っぱにピントを合わせたが、遠景のボケはもはや被写体が何かわからないほど。ボケが滑らかで上品なため、画面の大半がボケていてもうるさく感じないのがいい。ガマの穂を撮った作例も開放F1.4だが、ピント面とその前後のボケがとてもなだらかで好感が持てる。

総論:解像力からボケ味まで欠点の見当たらないオールマイティーレンズ。サイズは大きいがそれが気にならない人はまずこれが選択肢に入る

開放F1.4からダントツの解像力を見せる。遠景の周辺部に関してはやや甘めの描写となったが、それ以外はすべてにおいて高い解像力が得られた。ボケの滑らかさも秀逸で、D850のような高画素カメラでも解像力やボケ味の良さが楽しめる。

検証・監修

塙真一

塙真一 Shinichi Hanawa

東京都出身。
人物をメインの被写体とするフリーランスのフォトグラファー。
カメラ誌に写真や記事を寄稿するほか、役者、タレント、政治家などの撮影も行う。
また、海外での肖像写真撮影、街風景のスナップ、夜の街を撮る「夜スナ!」をライフワークとする。
写真展の開催も多数。

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