WEBカメラの選び方
テレワークでのWEB会議や動画のライブ配信などで活躍するWEBカメラ。使用するシーンによって重視するポイントが異なるため、用途に合わせて必要な機能、スペックを選ぶことが大切です。ここでは、WEBカメラの活用シーンや選び方のポイントについて紹介します。
2022/5/11 更新
目次
WEBカメラとは、パソコンに接続してリアルタイムで映像を転送・配信できるカメラのことです。パソコンに入っているソフトを通じてインターネットにつながっているため、単体では機能しません。多くのノートパソコンには、はじめからWEBカメラが付属していますが、高性能のカメラが必要な場合や、WEBカメラが付いていないパソコンの場合は、外付けのWEBカメラが必要になります。
「Microsoft Teams」「Zoom」「Skype」などのシステムを使って、ビデオ通話やWEB会議を行うことができます。1対1の打ち合わせや英会話レッスンなどでは、パソコン付属のカメラでも問題はありませんが、参加人数が多い場合には、画角の広いWEBカメラが必要です。なお、頻繁に使用するビデオ会議用のソフトウェアが決まっている場合は、それに対応したWEBカメラを選びましょう。
対応するソフトウェアから探す
WEBカメラを使えば、YouTubeなどの動画投稿(配信)サイトで、簡単にライブ配信などを行うことができます。また、撮影した映像はパソコンに保存されるため、ビデオカメラのように撮影した映像をパソコンに取り込む手間もなく、すぐに編集を行うことができます。
テレワークや在宅勤務でのビデオ通話やWEB会議で使用する場合は、参加する人数によって必要な性能が異なります。快適なテレワーク環境を実現するために、購入前に次の項目をチェックしましょう。
ビデオ通話・WEB会議で使用する際には、「WEBカメラがどのソフトウェアに対応しているか」を確認することが大切です。「Zoom」や「Microsoft Teams」「Skype」など、ひと口にWEB会議用のソフトウェアといってもさまざまなものがあります。自身で頻繁に利用するものや、会社の規定で特定のソフトウェアを利用しなければならない場合には、それに対応した製品を選びましょう。
対応するソフトウェアで選ぶ
ビデオ通話・WEB会議でWEBカメラを使用する際は、マイクとスピーカーが必要ですが、マイク内蔵型の製品を選べば別途用意する必要はありません。マイクが内蔵されていない場合は、ヘッドセットやスピーカーホンなどを用意しましょう。
ヘッドセットをお探しの方はこちらをチェック
ヘッドセットは、音声や相手の声を聞くためのヘッドホンやイヤホンと、自分の声を相手に届けるマイク機能が1つになった音響機器です。テレワークでは、ノイズキャンセリング機能が搭載された製品やパソコンに接続しやすいUSB対応モデル、Bluetooth対応モデルを選ぶとよいでしょう。
WEB会議は、相手の顔を見ながら話せることが大きな特長です。そのため、画質のよさ(鮮明さ)は製品選びの重要なポイント。画質がよければ、画面越しに資料を共有することもできます。ただし、ビデオ通話やWEB会議で使用する場合には、「画質がよすぎる製品」に注意しなければなりません。なぜならば、テレワークなどで広く利用されている「Zoom」や「Meet」などのシステムでは、送信可能なビデオの画質は720p(HD)、「Teams」は1080p(フルHD)までだからです。WEBカメラの中には、4K対応モデルもラインアップされていますが、先に挙げたようなWEB会議システムでは、高画質すぎる動画などは送信することができないこともあるということを覚えておきましょう。
画質(解像度)で選ぶ
最短撮影距離とは、被写体にピントを合わせることができる最も短い距離のことです。最短撮影距離が短いと、書類を接写して拡大することができたり、商品の素材感などを確認したりすることができます。
最短撮影距離で選ぶ
プレゼン資料の拡大に適した「書画カメラ」
YouTubeなどの動画投稿(配信)サイトの人気の高まりを受け、最近では、より高画質な動画を配信するための専用のWEBカメラも登場しています。動画配信用のWEBカメラを選ぶ際には、以下の3項目をチェックしましょう。
動画コンテンツの撮影(配信)には、マイクが内蔵されたWEBカメラが便利です。よりクリアな音声にこだわりたい人は、ノイズキャンセリング機能付きのマイクを搭載した製品を選びましょう。
ゲーム実況には、ゲーミングヘッドセットが便利!
ゲーム実況とは、ゲームをプレイしている動画に対してリスナーが実況コメントをしたり、プレイヤーがしゃべりながらゲームをプレイしたりすることを指します。ゲーム実況には、遮音性が高いゲーミングヘッドセットを使用するとよいでしょう。マイクの性能が優れたモデルが多く、自分の声だけを確実に届けることができ、ストレスなく実況動画を撮影(配信)することができます。
動画配信に使用する場合は、フレームレート(fps)も確認しましょう。フレームレートとは1秒間あたりのフレーム数のことで、数値が大きいほどカクつきが少なく映像が滑らかになります。ただし、映し出すモニターが撮影したカメラのフレームレートに対応していなければ、滑らかな映像を再現することができません。 テレビ会議なら15fps以上、ライブ配信の場合は細部まで滑らかに表示する30fps以上のモデルを選びましょう。
フレームレートで選ぶ
配信用のWEBカメラを選ぶときは、高画質なタイプを選びましょう。画質が悪くて見にくいと、視聴してもらえなくなる可能性があります。100万画素以上あれば滑らかな映像を送信できるといわれており、200万画素以上だと細部もはっきりと表示できます。ビデオ解像度は720p(HD)や1080p(フルHD)のものが主流ですが、より鮮明に映したいときは1080p(フルHD)のモデルを選びましょう。
WEBカメラの設置タイプは主にクリップ式とスタンド式の2つに分かれます。クリップ式とスタンド式の両方に対応するタイプもあります。どのようなスタイルで使用するのかを考えて、最適なタイプを選びましょう。
デジタルデバイスメーカーとして人気の高いロジクール。本格的なストリーマー(ライブストリーミングの形式で動画コンテンツを配信する人)向けに設計された「Pro Stream Webcam C922n」は、フルHD 1080p(30fps)と高速HD 720p(60fps)のストリーミングが可能で、独自のHD光調整機能により、暗い環境下での使用にも適しています。
ネットワーク機器をはじめ、幅広い分野で人気の高いエレコム。「UCAM-C750FBBK」はフルHD対応の500万画素WEBカメラで、高品質なチャットや動画配信が楽しめるモデルです。パソコンに取り付けられるのはもちろん、平面にも設置可能なマルチスタンドを採用しています。
幅広い商品を展開するパソコン周辺機器メーカーです。マイク内蔵のWEBカメラ「BSW300MBK」は、盗撮を防止できるプライバシーシャッターを搭載。開閉自在のシャッターにより、ハッキングによる盗撮や消し忘れによる画像流出を防止し、プライバシーを保護できるほか、レンズの汚れや傷も防ぐことができます。
ビデオ通話でも動画配信でも、自分の姿を映すなら、きれいに映るWEBカメラを選びたいものです。とはいえ、画質が高いと回線に負担をかけてしまうことも……。では実際には、どの程度の画質を選べばよいのでしょうか。ここでは、画質を決めるカギとなる画素数とビデオ解像度について詳しく解説します。
※この画像は画素数のイメージです
パソコンやテレビなどの画面に映し出される映像は、たくさんの小さな点(ドット)で構成されています。この点を画素(ピクセル)といいます。画素数はピクセル総数のことで、「100万画素」なら画面の中に100万個の点があるということです。画素数は「数が多い=高密度」なほど鮮やかな映像になります。500個の点で描かれた絵と5000個の点で描かれた絵では、5000個のほうがきれいに見えるというわけです。あくまでも目安ですが、WEB会議などで表情が伝わる程度であれば100万画素以上の製品を、資料などの文字や細かい物を表示したい場合には200万画素以上の製品を選ぶとよいでしょう。
画素数から探す
画面の縦横のピクセル数をビデオ解像度といいます。このビデオ解像度は、「1280×720」や「720p」「4K」などと表します。「1280×720」は、画面に1280個×720個のドットが並んでいるという意味で、画素数は計算どおり「921600」になります。「720p」の「p」は「プログレッシブスキャン」の略で、縦方向のドットの数を表しています。
「4K」の「K」は、kmやkgと同様に「1000倍の○○」を意味しており、横方向の画素数が約4000画素の映像を「4K」と呼びます。また、画質の水準を表すのが、「SD」「HD」「FHD」「UHD」という表記です。
名称 | 意味/画質の目安 | 解像度 | 画素数 |
---|---|---|---|
SD (エスディー) |
Standard definition =標準解像度/DVD画質 |
480p (720×480) |
約35万画素 |
HD (エイチディー) |
High definition video =高精細度ビデオ/地デジ画質 |
720p (1280×720) |
約100万画素 |
FHD (フルエイチディー) |
Full High definition video =高精細度ビデオ/ブルーレイ画質 |
1080p (1920×1080) |
約200万画素 |
UHD/4K (ウルトラエイチディー) |
Ultra High definition =超高精細/4Kテレビ画質 |
2160p (3840×2160) |
約800万画素 |
高解像度になるほど、映像はきめ細かくきれいになります。ただし、動画を再生する画面(ディスプレイ)で表示可能な解像度よりも、動画の解像度が高い場合、ディスプレイの画素数が足りないため、本来の画質を再現することができません。また、解像度が高くなるほどファイルサイズが大きくなるため、動画データの転送速度が遅くなるなどの問題も発生します。
現在、WEBカメラのビデオ解像度はHDやフルHD(FHD)が主流です。ビデオ通話ではHD画質、動画配信で細かいものまで表示したい場合はフルHD画質のモデルを選びましょう。
ビデオ解像度から探す
被写体にピントを合わせる機能を「フォーカス」といいます。「オートフォーカス」は、カメラが自動でピントを合わせてくれます。「オートフォーカス」機能を搭載した製品であれば、カメラや写したい物を前後や上下に動かす必要がないので便利です。それに対して手動でピントを合わせるものを「マニュアルフォーカス」といいます。数は少ないですが、オートフォーカスとマニュアルフォーカスの双方に対応した製品もあります。また、ピントの合う範囲が決まっている「固定フォーカス」タイプの製品もあります。WEBカメラの場合、上位モデルにはオートフォーカス機能を搭載したものが多く、比較的リーズナブルな価格帯の製品には「固定フォーカス」が採用されています。
フォーカスタイプで選ぶ
マイクとスピーカーが必要です。
1人で参加する場合は、ヘッドホン(またはイヤホン)とマイク機能が1つになったヘッドセットを使用しましょう。大人数が参加する会議の場合は、スピーカーと集音マイクを内蔵したスピーカーホンが最適です。
UVC対応
USBビデオクラス(UVC)に対応していれば、パソコンへの接続を簡単に行うことができます。わずらわしいドライバインストール作業が不要なため、パソコン操作に不慣れな人に最適な機能です。