スタッドレスタイヤの選び方
真冬でも硬化しにくいゴムを使用し、凍結路や積雪路で威力を発揮するばかりでなく、普通路でも快適に走行できる近年のスタッドレスタイヤ。今や寒冷地だけではなく、非降雪地域でも装着率が高まっています。ここでは、使用環境や目的に合ったスタッドレスタイヤの選び方を解説します。
2022/6/17 更新
タイヤのスペックや性能をチェックする前に、まずは自分の車に合うスタッドレスタイヤのサイズをしっかりと確認しましょう。ここではタイヤに記載されている数字や記号の見方など、タイヤサイズの確認方法について解説します。
サイドウォールと呼ばれる側面部分にタイヤのメーカー名や製品名、製造番号とともにサイズが表示されています。ユーザーが選ぶ際に重要となるのは、タイヤ幅と偏平率、そしてホイールサイズの3つです。ラジアル構造を示す「R」や荷重指数、速度記号などは、一般的な乗用車ではあまり気にする必要はありません。たとえば、"205/ 65 R 15 94H"の場合、205はタイヤ幅、65は偏平率、Rはラジアルタイヤ、15はリム径、94は荷重指数(ロードインデックス/タイヤが支えられる重量)、Hは走行できる最高速度(Hは210km/h)を表します。
ご使用の車の [メーカー] [車種] [モデル] [グレード] を選択すると、タイヤサイズを調べることができます。
※新車カタログに記載されているタイヤサイズになります。ご購入の前に必ず車両に適合するタイヤの情報をご確認ください。
冬の間は「毎日のように雪が降り積もる」地域もあれば、「夜間や早朝だけ路面が凍結し、日中は路面が乾く」という地域もあります。すなわち、居住エリアによって遭遇する路面状況は異なります。ここでは、車の使用環境に応じて重視すべき性能について解説します。
路上に積もった雪が溶け、夜間に気温が下がることで凍結した路面をアイスバーンといいます。このような凍結路面が多い地域で使用する場合には「氷上性能」に注目しましょう。氷上性能とは氷の上で滑らないようにするための性能で、柔らかい特殊なゴムを用いた路面への「密着」、滑りの原因となる水膜を取り除くための「除水性能」、ブロックやサイプ(細かな溝)の角で路面を引っかいて抵抗を生む「エッジ効果」の3つがあります。製品を選ぶ際には、これらを重点的にチェックしましょう。
雪道でタイヤが滑らないようにするための性能を「雪上性能」といいます。積雪の多いエリアでは、この「雪上性能」を重視しましょう。特に、雪深い路面ではタイヤの空回りなどのトラブルが発生しやすくなるため、ふかふかの雪の上でも、雪をしっかりとつかんで前に進む駆動力が重要です。そのほか、寒冷地に強い「ゴム素材」、凹凸のあるブロックで雪をひっかくことで生じる「エッジ効果」、雪を踏み固めて雪の柱を作ることによって駆動力を得る「雪柱せん断力」などに注目して製品を選ぶとよいでしょう。
非降雪地域在住で、年に数回ある降雪に備えたいという場合は、氷上・雪上性能に特化したタイヤではなく、普通路を走行する際に必要な性能も兼ね備えたモデルを選びましょう。特に、乾いた路面での高速安定性を発揮する「ドライ性能」、降雨でぬれた路面での制動性能「ウェット性能」、ノイズを抑え、静かな車内空間を維持する「静粛性能」をバランスよく備えているかをチェックしましょう。
首都圏からスキー場などの雪山へ行く場合には、前述した「年に数回降雪のある首都圏で使用する」場合と同様に、氷上・雪上性能はもちろん、ドライ性能、ウェット性能、静粛性などのトータルバランスに注目してタイヤを選びましょう。また、高速道路でのロングドライブを想定し、高速安定性を重視して製品を選ぶのもよいでしょう。
スタッドレスタイヤは、氷上や雪上で「しっかり止まり、曲がる」という氷上性能や雪上性能が重要です。しかし、近年はそれらの性能を備えつつ、さらに省エネ性能も追求したタイヤが登場しています。スタッドレスタイヤは決して安価ではないため、経済性も考慮し自分のカーライフに適した製品を選びましょう。
一般社団法人日本自動車タイヤ協会(JATMA)が定める「低燃費タイヤラベリング制度」において、「転がり抵抗係数」や「ウェットグリップ性能」の基準を満たしたタイヤが「低燃費タイヤ」と定義されます(※詳細はJATMAのサイトでご確認ください)。スタッドレスタイヤはノーマルタイヤと比較すると燃費は悪くなりますが、近年では運動性能はそのままに転がり抵抗を減らし、省エネ性能を向上させたモデルが増えています。また、スタッドレスタイヤの中でも「低燃費タイヤ」として認可されているモデルもあります。
スタッドレスタイヤには、路面へのグリップ力などを高めるために柔らかいゴムが採用されています。使用状況や保管状態にもよりますが、約3年でゴムの硬化が始まるため、スタッドレスタイヤの寿命はおよそ3〜4年といわれています。しかし、近年ではゴムの配合を工夫したり、新素材を開発したりすることで、ロングライフ性能を高めた製品が増加しています。
北海道・北東北の主要5都市での装着率No.1を誇るBLIZZAK(ブリザック)シリーズ。凍結路や雪道でしっかりと車を止める、高い氷上性能と雪上性能が特徴です。氷上でのグリップ力を高める「アクティブ発泡ゴム」を採用した「BLIZZAK VRX」をブラッシュアップした「BLIZZAK VRX2」は、高い氷上性能はもちろん、ロングライフ性能、静粛性能も兼備したモデルとして人気です。
凍結路面の「水膜」を除去する吸水ゴムを採用し、高い氷上性能を実現する「ice GUARD(アイス ガード)」シリーズ。ヨコハマスタッドレスタイヤ史上最高傑作とうたう「ice GUARD 6」は、非対称パターンを採用し、氷上性能と省燃費性能を向上。さらに、ウェット性能、静粛性もアップさせたトータルバランスのすぐれたモデルとして注目されています。
日本で初めてスタッドレスタイヤを販売したメーカー。「走る」以上に「止まる」ことに重点を置き、北海道士別市を拠点に開発した「X-ICE(エックス アイス)」シリーズは、力強い氷上性能・雪上性能に加え、ドライ路面での安定性やロングライフ性能でも高評価を得ています。新開発のEverWInterGripコンパウンドを採用した「X-ICE SNOW」シリーズは、従来品比でアイスブレーキング性能が約9%向上、雪上でのブレーキング性能も約4%向上しています。
低温下での氷上性能と、ロングライフ性能で高評価を得ている「WINTER MAXX(ウィンター マックス)」シリーズ。滑りにくく密着性にすぐれたナノ凹凸ゴムを採用した「WINTER MAXX03」は、滑りの原因となる水膜の除去スピードをアップ。さらに、氷との密着面を最大化させることで、氷上性能を大幅に向上させたハイスペックモデルです。
乗用車、SUV/CCV用のOBSERVE(オブザーブ)シリーズ、ハイト系専用のWinter TRANPATHシリーズなど、車種に合わせた設計が特長。水膜を瞬時に吸水・除去するという「NEO吸着ナノゲルゴム」を採用したハイト系専用プレミアムスタッドレスタイヤ「Winter TRANPATH TX」は、吸水、密着、ひっかきの3つの効果で、高い氷上性能とふらつき低減を実現した注目モデルです。
120年の歴史を有する世界屈指のタイヤメーカー。氷上・雪上性能を追求したプレミアムスタッドレスタイヤ「ICE NAVI(アイス ナビ)」シリーズは、摩耗の激しいドライ路面や滑りやすいウェット路面でも安定した走りを実現。シリーズ7代目の「ICE NAVI 7」は、氷上性能・雪上性能をさらに向上させた20年の集大成モデルで、SUVやカーゴ用のラインアップも豊富です。
イタリアが誇る世界的タイヤメーカーです。欧州ブランドのDNAを踏襲しつつ、日本のニーズに対応するように開発された「ICE ASIMMETRICO(アイス アシメトリコ)」シリーズが人気です。雪上性能、ドライ性能の高さが特長の「ICE ASIMMETRICO」を進化させた「ICE ASIMMETRICO PLUS」は、新開発のデュラブルソフトコンパウンド採用により、効果の持続性とトータルバランスが向上しています。
タイヤの幅や総幅、ホイールサイズ、偏平率など、タイヤの基本的な仕様について解説します。
タイヤを前後方向から見たときの幅の数値で、サイド部にある模様や文字などは含みません。太いとハイグリップ、細いと低燃費傾向になります。
ホイールの外径を示し、リム径とも呼ばれます。ホイールのリムはタイヤとホイールが外れないように押さえる役割を果たすため、ホイールに適合するタイヤを選ぶ必要があります。
タイヤをリムに装着して空気圧を規定値に満たし、接地しない状態にして計測した幅のことをいいます。サイド部の文字や飾りも含みます。
タイヤの幅に対する断面の高さを示したもので、単位は%です。数値が低いほど横から力を受けても接地面積が減少しにくく、走行性能が高くなります。反対に数値が高いと、タイヤのたわむ量が増えるので乗り心地がよくなります。タイヤの断面幅をタイヤの高さ(mm)で割った数字に100をかけると算出できます。現在の感覚では、偏平率が50%以下になるとスポーツ寄りのタイヤといえます。偏平率は、以下の計算式で算出できます。
タイヤの高さ÷断面幅×100=偏平率(%)
タイヤが製造された時期を表すもので、製造年とその年の第何週に製造されたかを示しています。タイヤ側面に1218などと表示されており、この場合は2018年の12週目に製造されたという意味になります。
タイヤは構造の違いによって、発揮する性能が異なります。ここでは代表的なタイヤの構造を解説します。
サイドウォールの内側に補強材を入れることで、パンクをしてもタイヤの高さを維持してある程度の走行を可能とする特殊な構造のタイヤ。ISO規格で空気圧0kPa時に80km/hの速度で80km走行可能なものと定められています。スペアタイヤが不要となり、車内の空間的なロスを減らすことにも貢献。乗り心地が少し硬くなる傾向が見られます。
その名のとおりタイヤの中に「チューブ」が入っていないタイヤで、現在の(乗用車のタイヤの)主流です。パンクを起こしても空気が漏れにくい構造で、リムとタイヤの空気がじかに接していることから、放熱性が高まり、タイヤ自体の温度の上昇を抑えてくれるという特長があります。
1本のタイヤの内側(INSIDE)と外側(OUTSIDE)のトレッドパターンが異なるタイヤです。左右非対称にすることで、氷上性能や雪上性能の向上を目指しています。非対称パターンを採用しているスタッドレスタイヤは、サイドウォールに「INSIDE」「OUTSIDE」という表示があります。
回転する方向が決められたトレッドパターンを持つタイヤです。回転する方向を指定することで、排水性能、運動性能、グリップ性能などを高めています。サイドウォールに「ROTATION」という文字と回転方向を指示する矢印「→」が表示されています。
ホイールやタイヤの構造を損傷から守るゴム製のプロテクターです。低偏平率のタイヤにリムガード付きのタイヤが多い傾向にありますが、リムガードの重量が燃費に影響を与えると考えるメーカーもあります。また、ドレスアップ効果を主な目的としたカラフルなリムガードの単体販売もあります。
車の性能を十分に引き出すためには、その車のタイプに合ったタイヤをセレクトするのがベストです。スタッドレスタイヤのラインアップの中にも、「SUV/4×4専用」や「ミニバン専用」というように「専用」モデルがあります。
タイヤはゴムを固めただけでなく、ゴムの層と金属や繊維材料で作られた補強用の層を複数重ね合わせた構造で作られています。中でも、タイヤの強度を高め、骨格ともいえるカーカスと呼ばれる繊維層の構造が、進行方向に対して垂直に編み込まれているものをラジアルタイヤ、斜め方向になっているものをバイアスタイヤといいます。最近の製品はほとんどがラジアルタイヤになっています。
そのタイヤが1本で支えられる最大の負荷能力を示す数値です。タイヤがバーストしないところまで最大に空気を充填した場合の最大の負荷能力ということです。一般的な乗用車ではタイヤを選ぶ際に、この数値を気にする必要はありません。
タイヤを保管する際には、染み込んだ油や汚れを落とし、よく乾かしてからカバーで覆います。タイヤのゴム内の薬品がにじみ出る場合があるので、厚手のダンボールなどを敷いた上にタイヤを置くとよいでしょう。ホイールなしの場合は、タイヤを寝かせた状態で積み重ねると変形してしまうため、縦置で(タイヤを立てた状態)で保管しましょう。タイヤの主材料のゴムが苦手とする、雨、湿気、直射日光、高温、油などを避ける環境下に保管することで、劣化を最小限に食い止めることができます。
タイヤを移動する際に便利なアイテム。タイヤを移動し、そのまま保管できるタイプが多く、タイヤサイズに合わせて、サイズを調整できるものもあります。
タイヤを収納する専用のアイテムです。屋外や車庫などへの設置を想定した物置タイプや室内のデッドスペースを活用できるラックタイプがあります。
プラットフォームが現れたときです。
夏タイヤでは、タイヤの溝の残りが1.6mmになったら現れるスリップサインがタイヤ交換の目安ですが、スタッドレスタイヤでは、溝の深さが50%以下になったら現れるプラットフォームと呼ばれるマークが交換の目安です。プラットフォームは1本のタイヤに数か所あり、タイヤ側面にある矢印が目印です。このマークが現れると冬タイヤとして使うことはできませんが、夏タイヤとしては使うことができます。ただし、夏タイヤと比べるとグリップ性能やブレーキ性能が悪くなるうえ、運転時の感覚が夏タイヤとは異なるので注意しましょう。
できるだけ早く夏タイヤに交換しましょう。
スタッドレスタイヤは、マイナス20度といった冬の寒さでも硬くならないようなゴムを使用しています。気温の高い夏場ではゴムは柔らかくなり、タイヤ表面に細かく入った切れ込み(サイプ)が変形してしまうため、ぬれた路面では摩擦力が低下します。また、乾いた路面でもブレーキをかけたときに同じように切れ込みが変形するので、車が止まりにくくなります。通常の路面での操縦性能も高まっていますが、やはり夏タイヤにはかないません。タイミングを見て、早めに交換したほうがよいでしょう。
4輪ともすべて交換するようにしましょう。
スタッドレスタイヤは、駆動方式に関わらず4輪すべてに装着することを想定しています。タイヤチェーンは駆動輪に装着するのが基本ですが、スタッドレスタイヤで同じようなことをすると十分な性能が発揮できないので、4輪ともすべて交換するようにしてください。
文字通り数日間だけスタッドレスタイヤをレンタルできるサービスです。
冬場に雪が降り積もる地域であれば、スタッドレスタイヤは必須ともいえますが、あまり雪が降らない地域に住んでいて、スタッドレスタイヤは年に数回しか使わないという場合はレンタルという方法も選択肢になるでしょう。3〜4年程度といわれているスタッドレスタイヤの寿命も勘案したうえで、購入するコストとレンタル料金を比較するのもよいでしょう。
スタッドレスタイヤに限らず新品のタイヤは慣らし運転をしましょう。
スタッドレスタイヤに限らず、新品のタイヤ表面にはタイヤ製造時に金型から取り出しやすくするための離型剤というものが付着しており、表面がコーティングされたような状態にあります。そのため、慣らし運転をすることで、タイヤの表面が一皮剥けて本来のグリップ性能が引き出されます。また、タイヤは使用するうちに若干膨らんできます(寸法成長)。慣らし運転でタイヤの成長とリム(ホイール)とがなじみ、故障しにくくなります。さらに、慣らし運転には、交換前のタイヤとの性能差に慣れるという意味もあります。ノーマルタイヤは時速80km以下で100km以上、スタッドレスタイヤは時速60km以下で200km以上が慣らし運転する目安になります。
雪が降る1か月前にスタッドレスに、雪がやんでから1〜2か月後に夏タイヤに。
住んでいる地域や使用目的によって変わりますが、雪が降る1か月前を目安に履き替えれば、新品の場合の慣らし運転期間が設けられ、よい状態で走ることができます。また、新品でなくても、保管中に付いたゴミや汚れなどを取る意味でも慣らし運転は有効です。夏タイヤに戻す時期は、雪が降らなくなってから1〜2か月後を目安に。多くの人たちが新品購入を検討するのは、履き替え時期よりもさらに1〜2か月前。ピーク時には品薄になることも予想されますので、希望の製品を手に入れるためにも早めの行動をおすすめします。
「チェーン装着車以外通行止め」という規制が出る場合があります。
「チェーン規制」があって、スタッドレスタイヤなら通行できる場合とチェーン装着が必須になる場合があります。スタッドレスタイヤを履いていても、チェーンを装着しないと通行できない規制は「チェーン装着車以外通行止め」。これは一部の地域で大雪の危険性が高まった場合に実施される規制です。
必ずしもそうではありません。
必ずしもセットで購入する必要はありませんが、タイヤとホイールのセットは保管の際、変形しにくいというメリットがあり、交換時の作業工程が少なく、工賃が安く上がります。とはいえ、スタッドレスタイヤの料金にホイールの料金も加わるので購入金額はそれだけ高くなります。スタッドレスタイヤのみを購入する場合、タイヤとホイールを外して付け替えるという工程が増える分、工賃は高くなります。また、バランスを調整する特殊な工具なども必要になるため、自分で交換したいという人はセットがおすすめです。購入時の金額、交換の工賃、自分で作業するかしないかなどを考えたうえで検討してみてください。
転がり抵抗
球体や円筒状のものが転がるときに進行方向とは逆向きに生じる抵抗力のことをいい、転がり抵抗が大きくなるほど燃費が悪くなってしまいます。燃費を意識する近年はタイヤの転がり抵抗を減らす方向にあります。ただし、転がり抵抗を減らすとタイヤのグリップ力が下がるため、最近のタイヤは燃費を向上させながら、同時に高いグリップを確保するようさまざまな工夫をこらしています。
シー(Sea)ランド(Land)比
タイヤのトレッド面(地面に接する面)で、溝を刻んだ部分がどれだけ占めるかを表す数値です。溝の部分をSea(海)、ブロックやリブをLand(陸)にたとえています。ノーマルタイヤはシーランド比30〜40%ですが、スタッドレスタイヤは同50%前後と高くなっています。
バルジデント
タイヤの側面にできる、帯状の凹凸のことをいいます。タイヤの内部構造に起因するもので不良品ではありません。
ピンチカット
タイヤの側面の一部にできる、盛り上がったような変形のことをいいます。縁石に乗り上げたときなどの衝撃でできることがあります。内部のコードが切れている非常に危険な状態なので、速やかにタイヤ交換を行う必要があります。
並行輸入品
海外メーカーの製品では、「正規輸入品」のほかに「並行輸入品」が存在します。「正規輸入品」とは、日本国内で「国内正規品」と呼ばれるものです。一方で、「並行輸入品」とは、販売店が国内の正規代理店を介さず、海外で販売されている正規品を海外で直接仕入れた製品を指します。「国内正規品」と「並行輸入品」は、流通経路が異なるだけで、同じメーカーが製造した同一の製品となります。国内正規品も並行輸入品も共に同じメーカーが製造した同一の製品ですが、販売されていた国の交通事情(走行車線など)に合わせた仕様となっている場合があります。
M+S(マッド・アンド・スノー)
MがMud(泥、ぬかるみ)、SがSnow(雪、積雪)を意味します。オールシーズンタイヤの一種で、ぬかるみなどのオフロードや積雪路面でも走行できるように開発されています。冬場の絶対的な性能はスタッドレスタイヤよりも劣りますが、使い勝手がよいので積雪の少ない地域で全天候型タイヤとして活用されており、特にアメリカの新車装着用タイヤに多く使われています。