タイヤの選び方
タイヤは、車と路面の唯一の接点となる重要なパーツです。ゴムの弾力性と空気の収縮性により路面からのショックを緩和し、路面との摩擦力により車の「走る」「止まる」「曲がる」といった基本性能をつかさどる役割を果たします。正しい選び方を知ることで、より安全で経済的な充実のカーライフを送りましょう。
2026/6/1 更新
これがタイヤ選びのポイントです。最近のタイヤは、多様化する車のジャンルやユーザーの嗜好に幅広く対応するため、各社ともラインアップが多彩になっています。まず、自分の車に適合するサイズを確認したうえで、自分の求める性能を備えた製品を探しましょう。
サイドウォールと呼ばれる側面部分にタイヤのメーカー名や製品名、製造番号とともにサイズが表示されています。一般的なユーザーが選ぶ際に重要となるのは、タイヤ幅と偏平率、そしてホイールサイズの3つといえるでしょう。ラジアル構造を示す「R」や荷重指数、速度記号などは、一般的な乗用車ではあまり気にする必要はありません。
ご使用の車の [メーカー] [車種] [モデル] [グレード] を選択すると、タイヤサイズを調べることができます。
※新車カタログに記載されているタイヤサイズになります。ご購入の前に必ず車両に適合するタイヤの情報をご確認ください。
最近のタイヤは総合的な性能が高くなっています。たとえば低燃費志向のタイヤでもしっかりとしたグリップ性能を備えていたり、スポーツ志向のタイヤでも乗り心地がよくなっていたりしますが、その一方で車の特性やユーザーの志向に対して最適となる性能分布がなされた製品も増えています。愛車の特性に適したタイヤを選ぶためにも、タイヤの個性を知っておきましょう。
転がり抵抗の少なさを際立たせた低燃費志向タイヤ。ひと昔前までの低燃費タイヤはウェットグリップが低いなどの弱点がありましたが、最新モデルは燃費以外の性能も満足度の高いレベルにあり、売れ筋のタイヤとなっています。
雨の日に路面とタイヤの間にできる水膜をはじき飛ばしたり、水を効率よく溝にため込んだりするなど、なるべく路面とタイヤを密着させる作用を働かせるのがウェットグリップ性能。スポーツ系と低燃費系タイヤで特に進化が著しく、最新モデルでは驚異的な性能を発揮します。
一定の柔軟性を維持しながらも摩耗しにくいこと、そして摩耗しても性能の低下が緩やかであることを追求したタイプ。その技術は多くのタイヤに採用されていますが、とりわけ経済性が重視される低燃費タイヤではこのロングライフ性が高くなっています。
最近の車はエンジン性能の向上やハイブリッド車の登場により走行時の静粛性が上がっていますが、その分タイヤを原因とするノイズが気になる傾向にあります。そこで各社とも上級車向けのコンフォートタイヤでは驚異的な静粛性の高さを確保。絶対的な静かさに加え、特に耳障りとなる音質が気になりにくい工夫が凝らされています。
スポーツカーなどの高性能車で求められる絶対的なグリップ性能を第一に追求したモデル。いずれのブランドもレースなどのモータースポーツで培われた技術がフィードバックされており、ドライ路面だけでなくウェット性能も高いレベルにあるのが特長です。
サイドウォールの内側に補強材を入れることで、パンクをしてもタイヤの高さを維持してある程度の走行を可能とする特殊な構造のタイヤ。「ランフラットタイヤ」と呼ばれ、ISO規格で空気圧0kPa時に80km/hの速度で80km走行可能なものと定められています。スペアタイヤが不要となり、車内の空間的なロスを減らすことにも貢献。乗り心地が少し硬くなる傾向が見られます。
スタッドレスタイヤほどの本格的な雪上/氷上走行性能は備えていませんが、ある程度は雪上走行に対応できる性能を備えたタイヤです。そのため、多少の積雪に遭遇してもノーマルタイヤのように走行不可能になるリスクは少なくなります。しかし、総合性能がやや落ちることも覚えておきましょう。
冬場の滑り止めにはタイヤチェーンも有効ですが、取り付けがわずらわしく装着後の乗り心地の悪化などがネックになり、スタッドレスタイヤのほうが簡単で安心といえます。最新モデルはほぼノーマルタイヤに近い基本性能を備えながら雪上/氷上性能が高く、万能性の高さに感心させられます。
タイヤの性能や個性の細分化は年々進み、分類されるカテゴリも増えています。愛車の性能と自分の志向から最適なタイヤを選ぶために、車とタイヤのタイプを見極めましょう。
タイヤにはさまざまなタイプがありますが、車のタイプによって対応するタイヤタイプの分類は異なってきます。車のタイプ別にタイヤタイプの分布を図示しましたので、これを参考に自分の車に対応するタイヤにはどんなタイプがあるのかを把握し、そこから希望のタイヤタイプを選ぶとよいでしょう。
トータルバランスに優れたタイヤが適しています。軽自動車から300馬力級の高出力車まで、性能の幅はかなり広く対応。ミニバン専用などピンポイントでジャンルを絞ったタイヤも人気です。また、大衆車ではタイヤがよくなると車の性能や質感が補える効果も。

乗り心地や静粛性を重視しながら、ウエット性能やハンドリング性能も高い次元にあり、大衆車に履かせると車格が上がったかのように感じます。
走行性能に加え、それ以外の要素も高めたタイヤ。一部の実用車に設定される、スポーツカー並みの走行性能を発揮するグレードなどに適しています。
スタンダードなタイヤよりもワンランク上のコンフォート性を備えたタイヤ。大衆車クラスの車などで乗り心地の向上効果が期待できます。
ストリート向けとしては最高レベルのスポーツ性を発揮しながら、コンフォート面でも優れた性能を備える高性能タイヤです。
スポーツタイヤとしての性能はトップクラスではありませんが、低価格で耐摩耗性が強く、気兼ねなくスポーツ走行に興じることができます。
燃費性能を最重視したエコタイヤ。昔の製品と異なり、ウエット性能も十分なレベルにあります。エコカーやハイブリッドカーに最適。
経済性を最重視したタイヤです。最近では基本的な性能はしっかりしているので、コンパクトカーに最適です。
コストパフォーマンスに優れながら、負荷の高いスポーツ走行にも対応。コンフォート性は期待できませんが、低予算で走りを重視する人にオススメ。
SUV向けのタイヤもかなり多様化が進みました。大別するとオンロード型とオフロード型に分かれますが、基本はオンロードでいざという時はオフロードを走るといった使い方に応えるタイヤもあります。自分の車の走破性能とも照らし合わせながら選ぶのがよいでしょう。

泥や砂地などの不整地でもグリップ力を発揮。オフロードに強い半面、アスファルト上でのハンドリングや燃費性能は多少犠牲となります。
ある程度の積雪路にも対応可能で、通年使用できるタイヤです。ただし、氷上グリップ性能はノーマルタイヤと変わらないことを忘れずに。
アスファルトなどのオンロード走行を重視したSUV用タイヤ。泥濘地や雪上路でのグリップはほとんど期待できません。
泥濘地と雪上路もある程度は走行可能。タイヤのサイド部分に「M+S」の表示があればマッド&スノータイヤであることを意味します。
舗装路での走行性能が高いハイパフォーマンスタイヤ。高重量・高荷重・高出力のSUVに合わせたセッティングが施されています。
比較的高価格なスポーツタイヤですが、最近のホイール径大型化傾向に伴いますます高額になっています。それだけに求める性能にぴったりと合うタイヤを選びたいもの。まずサーキットを走るか否か、加えてウエット性能や静粛性が選ぶポイントとなります。また、耐摩耗性の幅も大きく、その見極めも重要です。

基本は一般の舗装路向けながら、サーキット走行時にラップタイムの向上を狙うための性能も重視。燃費や耐摩耗性は二の次となる場合も。
ラグジュアリーカーに適した静粛性や乗り心地のよさを追求しつつ、ハンドリングやウエット性能も高い次元を追求しています。
運動性能に第一のプライオリティを置きながら、サーキットでのラップタイム向上のようなとがった性能よりも上質感を重視しています。
軽めにスポーツ性を高めながら、トータルバランスのよさを追求。本格的なスポーツタイヤほどの性能は不要という走り好きの人に選ばれています。
モータースポーツ競技で使うことを前提としたタイヤで、耐摩耗性などの日常性は考慮されていないなど、公道で乗るには注意が必要です。

対象車種例
トヨタ・クラウン、ホンダ・アコード、日産・フェアレディZなど
セダンでは快適な移動を実現するための静粛性やコンフォート性が、クーペではスポーティな走りを実現するための高いグリップ力や剛性、ハンドリングレスポンスの高さなどが求められます。自分の車に求める性能として何を重視するかでタイヤの方向性を選択するとよいでしょう。

対象車種例
ホンダ・N-BOX、スズキ・ワゴンR、ダイハツ・タントなど
多くの軽自動車ユーザーにとって、最優先すべきは経済性。とりわけ低価格と燃費性能を重視したタイヤ選びが求められます。上級車種用に開発された技術が応用された製品が多く、高性能化と高品質化が著しく向上しているジャンルといえます。

対象車種例
トヨタ・ノア/ヴォクシー、日産・セレナ、ホンダ・フリードなど
高重心、高重量、高荷重など、運動性能面で不利な要素が多いことで専用開発のタイヤが求められます。広い室内空間を確保することで車内の反響が大きくノイズ面でも不利となるだけに、タイヤへの期待度が大きくなるジャンルであるといえるでしょう。

対象車種例
トヨタ・RAV4、マツダ・CX-5、スバル・XVなど
高重心で高重量、室内空間が広いなど、ミニバンに近い条件が揃いますが、ミニバンよりもさらに多目的な用途で使われるため、タイヤにとってはさらに厳しい性能が要求されます。基本的にはオンロードでの走行を前提としたタイヤを中心に選びました。

対象車種例
トヨタ・86、マツダ・ロードスター、レクサスLCなど
スポーツモデル向けのタイヤは、たとえばドライグリップはほかのジャンルよりも高い次元が求められる一方、燃費や静粛性などはあまり重視されないというとがった性能分布となる傾向にあるので注意が必要です。中にはコンフォート性も考慮したモデルもあります。
サイド部分の硬度を高くするなどの特殊な構造により、パンクをして空気圧が低下しても80km/hを上限にそのまま走行可能となるタイヤのこと。
転がり抵抗の低減などにより低燃費をもたらす性能を備えたタイヤのこと。相反するウエットグリップも年々向上し高性能化しています。

ホイールの外径を示し、リム径と呼ばれます。ホイールのリムはタイヤとホイールが外れないように押さえる役割を果たすため、ホイールに適合するタイヤを選ぶ必要があります。
リム径(インチ)から探す
タイヤを前後方向から見たときの幅の数値で、サイド部にあるもようや文字などは含みません。太いとハイグリップ、細いと低燃費傾向になります。
タイヤ幅から探す
負荷を加えていない状態のタイヤの直径のこと。外径を変更すると速度計が狂ったり、ギヤ比が変わることで駆動系を痛めたりすることも。
外径から探す
タイヤをリムに装着して空気圧を規定値に満たし、接地しない状態にして計測した幅のことをいいます。サイド部の文字や飾りも含みます。
総幅から探す

タイヤの幅に対する断面の高さを示したもので、単位は%。数値が低いほど横から力を受けても接地面積が減少しにくく走行性能が高くなり、高いとタイヤのたわむ量が増えるので、乗り心地がよくなる傾向に。タイヤの断面幅をタイヤの高さ(mm)で割った数字に100をかけると算出できます。現在の感覚では50%以下になるとスポーツ寄りといえます。
偏平率から探す
荷重指数とも呼ばれ、そのタイヤが1本で支えられる最大の負荷能力を示します。一般的な乗用車では選ぶ際に気にする必要はありません。
そのタイヤが走行可能な速度の上限を示す記号。アルファベットで表示され、Lなら120km/h、Hなら210km/hなど上限速度が定められています。最高速度に余裕があるとそれだけ性能にも余裕があるといえます。
インターネットで購入したタイヤは、以下のような店や整備工場などで交換できます。

1.タイヤを購入した販売店で交換する
もし、タイヤを購入した販売店が交換サービスを行っているのであれば、購入と一緒に交換を依頼するのがいいでしょう。なお、「自宅から店舗までの距離が遠い」場合もあるため、依頼する前に店舗の場所をしっかりと確認しておきましょう。
2.タイヤ専門店で交換する
インターネットで購入したタイヤを持ち込んで、取り付けてくれるタイヤ(交換)専門店があります。もし、自宅の近くにそのような店舗があれば利用するとよいでしょう。専門店は、インターネットで「タイヤ 持ち込み 〇〇(地域名)」などで検索できます。
3.自動車整備工場で交換する
持ち込みでのタイヤ交換は、地元の自動車整備工場などでも行ってくれることがあります。インターネットで、「自動車整備 〇〇(地域名)」などと入れて検索してみましょう。自宅近くに整備工場があるようなら、電話などで問い合わせてみましょう。
持ち込みタイヤ交換の費用は、どのくらいかかる?
タイヤ交換の費用は店舗や車種によってまちまちですが、たとえば軽自動車など小さなタイヤを交換する場合、タイヤ組み換え、ホイールバランス調整、タイヤバルブの交換、タイヤの廃棄などを含み、1台(4本)あたりおよそ2〜4万円ほどになります。
タイヤ交換を依頼する際のポイントは?
タイヤ交換を依頼する前には、「工賃は総額でいくらかかるのか」「持ち込みタイヤをお店に直送できるのか(タイヤを購入した販売店以外の場合)」を事前に確認しておきましょう。また、依頼時には自動車の「型式」「年式」を聞かれることがあります。「型式」「年式」は、自動車の車検証に記載されていますので、事前に準備しておくとスムーズです。
カー用品店での持ち込みタイヤ交換は「工賃」に注意!
タイヤ交換は、カー用品店などでも行ってくれます。しかし、カー用品店での持ち込みタイヤの交換は工賃が高くなることが多いほか、店舗によっては交換を断られることもあるので、注意しましょう。
夏タイヤと冬タイヤの交換は、タイヤ専門店や自動車ディーラー、ガソリンスタンド、自動車整備工場などに依頼できますが、必要な工具と安全なスペースがあれば、自分で行うこともできます。自分で行う場合は、適切な工具類を揃え、安全な作業場所を確保し、正しい手順で行いましょう。ケガや事故を防ぐためにも、作業手順をあらかじめ把握しておくことが大切です。
ジャッキ・パンタグラフジャッキ

車体を持ち上げるための道具で、車によっては車載してあります。コンパクトなパンタグラフジャッキと、本格的なフロアジャッキがあり、タイヤ交換のみであればパンタグラフジャッキで十分ですが、その他の整備なども自分で行う場合はフロアジャッキがあると作業の幅が広がります。
輪止め・タイヤ止め

タイヤの下に噛ませて、車体が動かないようにするもの。ゴム製や木製、プラスチック製のほか、コンパクトにたためる鉄製やアルミ製などのタイプもあります。
ホイールレンチ

ナットを締めたり緩めたりするために使う工具。十字になっていて力を入れやすいクロスレンチや、どのくらいの力で締めているか測定できるトルクレンチもあります。
マイナスドライバー

ホイールカバーを外すために使います。レンチの後ろの平らな部分などでも代用が可能です。
リジットラック

ジャッキアップした車体を支えるもので、ウマとも呼ばれます。使用すると車体をより安定させることができますが、なくてもタイヤ交換は可能です。
1.交換するタイヤを確認する

交換するタイヤにひび割れなどがないか、空気が減っていないかを確認します。特に長期間保管されていたタイヤは空気圧不足になっていることがあるので、交換前に空気を入れておくと作業がスムーズです。また、タイヤによっては回転方向が決まっているものがあるので、どの位置にどのタイヤを装着するか、事前に決めておきます。
2.車体が安定する場所を確保する

交通の妨げにならず、安全にタイヤ交換ができる場所に停車し、エンジンを切り、サイドブレーキがかかっていることを確認します。タイヤ交換をする際はジャッキアップ(車を持ち上げる)する必要があるため、平らで舗装されている場所を選びます。また、交換する作業を行うために、車両の周囲にある程度のスペースも必要になります。安全な場所が確保できない場合は、無理に自分で交換するのではなく、ガソリンスタンドやタイヤ専門店などで交換してもらいましょう。
3.輪止めをかける

ケガや汚れを予防するために軍手または手袋を装着します。交換するタイヤと対角線上にあるタイヤに輪止めをかけて、車体が動かないようにします。たとえば左前輪のタイヤを交換する際は、右後輪のタイヤに輪止めをかけておきます。
4.ホイールナットを少し緩める

ホイールカバーが付いている場合は、マイナスドライバーなどの平らなものを隙間に差し込んで外します。交換するタイヤは車体の下に置きましょう。続いて、ホイールレンチを使い、ホイールを止めているナットを反時計回りに回し、少しだけ緩めます。
5.ジャッキアップする

車体の下にあるジャッキアップポイントを探します。ジャッキアップポイントは凹みや三角の印が目印です。ジャッキアップポイントの溝に合わせてジャッキを当て、タイヤが路面から少し浮くくらいまで持ち上げます。高く上げすぎると車体が不安定になるので、上げすぎないように気をつけましょう。また、車体を破損する恐れがあるので、ジャッキアップポイント以外の場所にジャッキをかけてはいけません。ジャッキアップ後の車体を支えておくリジットラック(ウマ)を使用すると、より安定した状態で作業ができるようになります。
6.タイヤを外す

車体を持ち上げたら、少し緩めておいたナットをすべて外し、タイヤを外します。タイヤは重いので、しっかりと手で押さえ、足の上に落とさないように注意して地面に下ろします。外したタイヤは車体の下に置くと、万一ジャッキが緩んだ場合に車体が落ちてくるのを防げます。外したナットはなくさないように気をつけましょう。
7.交換するタイヤを取り付ける

タイヤを取り付ける前に、車体側やホイールの裏側が汚れていたら雑巾で拭き取りきれいにします。ホイールと車体側の取り付け位置を合わせたら、しっかりと奥へ装着します。曲がったり傾いたりしたまま装着すると脱落する危険があるので、まっすぐ装着します。
8.ナットを仮締めする

すべてのナットを差し込み、軽く止めたら、ホイールレンチで締めていきます。1か所を最後まで締めるのではなく、すべてのナットが均等に締まるように、対角線の順番で少しずつ締めるのがポイントです。締める順番は図を参考にしてください。
9.ジャッキを下ろして、ナットを本締めする

ジャッキを下ろし、タイヤを地面に接地させます。完全に車体が下りたことを確認したら、ジャッキを取り外します。最後に、ナットを本締めします。このときも仮締めと同じように、対角線の順番で均等に締めましょう。この手順をすべてのタイヤで行ったら、タイヤ交換は終了です。
10.異常がないか試運転をする
タイヤをすべて交換したら、車体の周囲や下に工具が残っていないか確認し、試運転を行います。ゆっくりとしたスピードで走行し、異音や異常な振動がないか確認しましょう。
スリップサインと経過した年月で判断します。
一番太い溝の中にスリップサインという凸状部分が見えるようになったら要交換です。スリップサインのある場所は、タイヤの側面に△マークで示されており、3〜4か所あります。また、タイヤは摩耗していなくてもゴム成分が硬化すると本来の性能を発揮しなくなるので、製造から4〜5年たったタイヤは賞味期限切れと認識して、速やかな交換を推奨します。製造年月もタイヤの側面に記されているので、中古車では買う際に必ずチェックしてください。
ホイールの直径を大きくすることです。
ホイールの径を大きくするとホイールのデザインが目立つようになり、見栄えがよくなります。また、タイヤの外径を変えずにホイール径を大きくすると、偏平率は低くなります。タイヤの偏平率を低くするとタイヤのたわむ量が減るので剛性が高くなり、操縦安定性がよくなる効果が期待できますが、乗り心地が悪化する恐れがあります。
純正サイズから2インチ程度です。
車種や元のインチ数にもよりますが、基本的には純正サイズの2インチまでがおおむね問題なくインチアップできる範囲といえます。それでも2インチアップの場合、見た目には問題がなくても、カーブなどで車体が傾いたときにタイヤがタイヤハウスの内側(インナーフェンダーと呼ばれる部分)と干渉する場合があり、タイヤを痛めたり車の挙動を乱したりする恐れがあります。その車の純正オプションで設定されている範囲なら安心です。
滑りやすくなり大変危険です。
スリップサインが出たら、タイヤの性能はかなり低下していると認識してください。特に雨の日は滑りやすくなり大変危険です。車種や運転の仕方にもよりますが、おおむね3万キロ走ったタイヤはかなり摩耗が進んでいると認識すべきです。溝の深さが1.6mm以下になると道路交通法違反にもなり、きわめて危険な状態に。タイヤの溝がなくなってもドライグリップは問題ないと考える人もいますが、もちろんドライ路面でもすべての性能が低下し危険です。
速やかに交換してください。
パンクの原因で最も多いのは釘やボルト類が刺さることです。刺さった釘などが小さい場合は直ちに空気圧が下がることもなく、普通に走れたりするので、整備や点検の際に気がつくことが多いです。その時点では普通に走れていたとしても、やがて内部の空気は抜け始め、高速走行などでタイヤへの負荷が大きくなれば急激に状態が悪化したりするので速やかに交換してください。刺さった釘などは抜かないほうが状態は悪化しづらいです。
車の挙動や燃費などの性能も変化します。
規定値から高くすると燃費はよくなりますが、乗り心地は悪化します。一方、低くすると接地面が増えてグリップがよくなる半面、ふらつき量も増える傾向に。いずれも耐久性が悪化するなど弊害もあり、総合的には規定値から変えることのメリットはほとんどありません。変えるなら上下0.1〜0.2kgf/cm2の範囲で。また空気圧は自然に下がるものなので、パンクなどの異常を発見するためにも2週間に一度程度はチェックしたいところ。無料で実施してくれる給油所もあります。
最新モデルならおおむね問題ありません。
日欧米のタイヤメーカー大手が発売している最新モデルのスタッドレスタイヤなら、真夏でもおおむね問題なく走行可能です。ただし、ノーマルタイヤよりもグリップ性能、特にブレーキ性能やウエットグリップは低い状態のままであることを忘れずに。スタッドレスタイヤを通年履き続けることは推奨できませんが、最新モデルはドライ路面でも摩耗が進みにくい構造なので、早めの時期から履き始めてください。
なるべく早めがオススメです。
日欧米のタイヤメーカー大手が発売している最新モデルのスタッドレスタイヤは、いずれもドライ路面での耐摩耗性が高くなっているので、なるべく早めの交換を推奨します。関東甲信越地方でも11月末にまとまった積雪を記録するなど、近年は気候の変動が激しいので、関東、東海、関西の都市部でも11月下旬ごろから履き替えておけば安心でしょう。雪が降ったり、積雪の予報が出たりすると整備工場はタイヤ交換客で大混雑します。
安全性が損なわれる場合も。
燃費がよくなる効果は得られますが、実用車向けの低燃費タイヤを装着した場合は、スポーツカーらしい走行性能が損なわれます。スポーツカーは高出力である場合が多いので、スポーツ性能の低いタイヤではグリップ力が追いつかず安全性が損なわれる恐れもあるので、できれば避けたい組み合わせです。スポーツカーはタイヤ幅、インチ数とも大きくなっており、低燃費タイヤではサイズ設定がない場合が多いことも含め、あまり現実的ではありません。
おおむね安心できますが、低価格品の性能はそれなりです。
ひと昔前までは不安要素が多々ありましたが、最近は技術力が向上し、日本市場で普通に流通しているものに限れば、危険性を伴うような粗悪品はほぼなくなりました。韓国のハンコックは日欧米並みの性能と品質になったといえるでしょう(値段も上がりました)。低価格品は、燃費や極限域での限界性能、摩耗が進んだ後の性能の落ち幅の大きさなどに関する品質がまだ日欧米製タイヤに及ばないものが多く、それらの性能が気になる人は避けたほうが気分よく乗れます。
片減り
左右、またはタイヤの内側と外側で極端に摩耗の進み具合が異なっている状態のこと。タイヤは駆動方式や車体の重量配分、車輪の位置により摩耗の仕方が変わってきますが、アライメントが狂っていたり、乱暴な運転をしたりすると片減りしやすくなるので、点検や調整が必要となります。
更生タイヤ
再利用タイヤのこと。トレッド面の摩耗が進んでも、骨組みや側面部分などに損傷がなく強度が保たれていれば、摩耗したトレッド面をはがして新しいトレッド面を貼り付け、再び新品に近い状態にすることができます。資源の有効活用になりますが、すべてのタイヤで実施できるわけではありません。
スリックタイヤ
トレッド面に排水用の溝がないタイヤのこと。路面との接地面が最大限に大きくなるのでドライ路面では強力なグリップ力を発揮しますが、ぬれた路面ではきわめて滑りやすくなり、著しく安定性が損なわれるため公道での使用が禁止されています。レースやサーキット走行専用のタイヤです。
製造年週
タイヤのサイドウォールと呼ばれる側面部分には、「製造番号」以外に「製造年週」が刻印されています。この「製造年週」によって、そのタイヤが何年の何週目に製造されたものかが分かります。製造年週は、タイヤメーカーによって表示方法に細かな違いはありますが、基本的には製造番号の隣にある4桁の数字が製造年週となります。最初の2桁は製造された「週」を表し、最後の2桁は製造された「年」を表します。
例)4桁が「1219」だった場合
最初の2桁「12」⇒12週目
最後の2桁「19」⇒2019年
つまり2019年の3月頃に製造されたタイヤとなります。なお、製造年週に関して、メーカーによって適正に保管されたタイヤであれば製造から3年前後は一定の性能を保っているといわれています。
タイヤバランス
どんなタイヤもホイールも厳密には完全な真円ではなく、ごくわずかながら各部の重さにバラつきがあるため、ホイールの内側にバランスウエイトと呼ばれる小さな重りを装着して回転時のバランスを調整する必要があります。
テンパータイヤ
パンクしたときに備えた応急用のタイヤのこと。正式にはテンポラリータイヤと呼ばれ、トランクルーム内の省スペース化や軽量化のため、標準装着されているタイヤよりも小さくて細くなっています。あくまで応急用のため、速度は最高でも80km/hまでに抑える必要があるなど制約があります。
トレッドパターン
タイヤが路面と接する面にある溝の模様やデザインのことで、駆動力を伝えたり、衝撃を吸収したりします。進行方向に対して縦の溝をリブと呼び、主にぬれた路面の排水を担い、ラグと呼ばれる横の溝は路面をかむ役割を果たします。これらの溝とゴムの材質がタイヤの性能を左右します。
ハイドロプレーニング現象
走行中、タイヤが水たまりの上に乗ってしまい、路面との密着性を完全に失った状態のことで、すべての操作が効かなくなる危険な状態です。ステアリングの手応えがなくなることで気がつきますが、グリップが回復するのを待つしかありません。摩耗が進んだタイヤで起こりやすくなります。
非対称パターン
トレッドパターンの形状が内側と外側で異なるタイヤのこと。旋回状態になるとタイヤは内側と外側で掛かる負荷の質が異なるため、それに合わせた性能を与えると効果的です。たとえば外側は踏ん張るためのグリップ重視のパターン、内側は排水性をよくするためのパターンを採用します。
並行輸入品
海外メーカーの製品では、「正規輸入品」の他に「並行輸入品」が存在します。「正規輸入品」とは、日本国内で「国内正規品」と呼ばれるものです。一方で、「並行輸入品」とは、販売店が国内の正規代理店を介さず、海外で販売されている正規品を海外で直接仕入れた製品を指します。「国内正規品」と「並行輸入品」は、流通経路が異なるだけで、同じメーカーが製造した同一の製品となります。国内正規品も並行輸入品も共に同じメーカーが製造した同一の製品ですが、販売されていた国の交通事情(走行車線など)に合わせた仕様となっている場合があります。
ラジアルタイヤ
タイヤの骨格部分に当たるカーカスをタイヤの進行方向と直角に、タイヤを横から見ると中心から放射状に重ねて構成し、その上に進行方向の向きにベルトを巻きつけて作られるタイヤのこと。乗用車向けタイヤの主流ですが、かつてはカーカスを斜めに交差して構成するバイアスタイヤも使われました。
ローテーション
たとえばFF車(フロントエンジン・フロントドライブ方式の車)はフロント部分が重く、タイヤに掛かる負荷が大きいのでフロントタイヤのほうがリアタイヤよりも早く摩耗が進みます。多くの車は前後でタイヤの摩耗速度が異なるので、定期的に前後タイヤの位置を入れ替えることで四輪の摩耗を均一化させる必要があります。