3.機能・スペックをチェック
タイヤの性能や個性の細分化は年々進み、分類されるカテゴリも増えています。愛車の性能と自分の志向から最適なタイヤを選ぶために、車とタイヤのタイプを見極めましょう。
タイヤにはさまざまなタイプがありますが、車のタイプによって対応するタイヤタイプの分類は異なってきます。車のタイプ別にタイヤタイプの分布を図示しましたので、これを参考に自分の車に対応するタイヤにはどんなタイプがあるのかを把握し、そこから希望のタイヤタイプを選ぶとよいでしょう。
「詳しいタイヤのタイプ」一覧
トータルバランスに優れたタイヤが適しています。軽自動車から300馬力級の高出力車まで、性能の幅はかなり広く対応。ミニバン専用などピンポイントでジャンルを絞ったタイヤも人気です。また、大衆車ではタイヤがよくなると車の性能や質感が補える効果も。
乗り心地や静粛性を重視しながら、ウエット性能やハンドリング性能も高い次元にあり、大衆車に履かせると車格が上がったかのように感じます。
ただ静かなだけではなく、人間の耳に心地よく聞こえる音を追求。乗り心地のよさに加え、ハンドリングも高いレベルに達しています。
上級志向の車にふさわしい静粛性と乗り心地のよさを確保しつつ、耐摩耗性や高速域での操縦性の高さも際立ちます。
高級車向けとして定評のあるコンフォート性に加え、操縦安定性とブレーキング性能、運動性能が高く安全性に優れています。
走行性能に加え、それ以外の要素も高めたタイヤ。一部の実用車に設定される、スポーツカー並みの走行性能を発揮するグレードなどに適しています。
高性能セダンから軽自動車まで幅広いジャンルに対応するスポーツタイヤ。ポテンザの名に恥じないグリップ感と日常性を両立しています。
ダンロップのストリートタイヤとしては最高レベルのグリップ性能でサーキット走行の強い武器に。コントロール性が抜群で走りやすいタイヤです。
アドバンシリーズの中でも最強レベルのグリップ性能を発揮。雨でも強さは変わりませんが、燃費やコンフォート性は期待できません。
ドライ、ウエットのいずれでも強力なグリップ力を発揮。限界領域での粘り強さとブレーキング時の頼もしさは感動レベルにあります。
スタンダードなタイヤよりもワンランク上のコンフォート性を備えたタイヤ。大衆車クラスの車などで乗り心地の向上効果が期待できます。
運転中の疲労の原因となる車両のふらつきを抑え、疲れにくいことで定評があります。セダン用などジャンルごとの専用設計品を用意。
ロングライフの低燃費タイヤに快適性をプラス。特に静粛性に優れ、大衆車をワンクラス上の車格感に仕立てる効果が得られます。
最高レベルの低燃費性能に、ラベリング表示aのウエット性能と優れたコンフォート性をプラスしています。
ストリート向けとしては最高レベルのスポーツ性を発揮しながら、コンフォート面でも優れた性能を備える高性能タイヤです。
高度なグリップ性能を備えながら、快適なクルージングのためのコンフォート性も確保。軽量化や転がり抵抗の低減も図っています。
世界の超高性能車にも採用される高次元の総合性能が魅力。300km/h対応の高速性能と快適性を両立させています。
欧州ブランドらしく高速性能とウエット性能の高さが際立ち、耐摩耗性の高さもハイレベルに。限界量領域での扱いやすさも魅力です。
高速コーナリング時の安定感とハンドリング性能が秀逸。ウエット性能はもちろん、低燃費やロングライフ性能も配慮されています。
スポーツタイヤとしての性能はトップクラスではありませんが、低価格で耐摩耗性が強く、気兼ねなくスポーツ走行に興じることができます。
伝統と実績のあるスポーツタイヤP Zeroシリーズの中でも比較的安価で長持ち。熱ダレにも強く高出力車にも十分対応できます。
設計年次はやや古めながら、耐摩耗性の高さと安さが魅力のスポーツタイヤ。2リッター以下の小型車クラスに最適です。
燃費性能を最重視したエコタイヤ。昔の製品と異なり、ウエット性能も十分なレベルにあります。エコカーやハイブリッドカーに最適。
低燃費とロングライフに重点を置いた定番エコタイヤ。純正装着が多いことでも確かな性能を証明。特に小型車との相性が抜群です。
転がり抵抗のラベリング表示でAAAを獲得。スタンダードなエコタイヤですが乗り心地や静粛性、耐摩耗性の高さにも注目です。
高い接地面により、低燃費タイヤとしては優れたウエットブレーキ性能を実現。ロングライフ性やドライグリップも高いレベルに。
経済性を最重視したタイヤです。最近では基本的な性能はしっかりしているので、コンパクトカーに最適です。
タイヤメーカー最大手のベーシックタイヤということで、低価格ながら優れた総合性能が魅力。コンパクトカーや軽自動車に最適です。
廉価なベーシックタイヤながら静粛性と乗り心地もユーザーの満足度が高くなっています。ウエット性能と偏摩耗抑制性能も高い実力派。
コストパフォーマンスに優れながら、負荷の高いスポーツ走行にも対応。コンフォート性は期待できませんが、低予算で走りを重視する人にオススメ。
スポーツタイヤでありながら、1世代古くなったことで低価格化。強靭な耐摩耗性能を誇り、幅広いジャンルにオススメできます。
サーキット走行でも驚きのグリップ力を発揮できるタイヤとしてはかなりお値打ち。大径サイズでも手が出しやすい国産タイヤです。
SUV向けのタイヤもかなり多様化が進みました。大別するとオンロード型とオフロード型に分かれますが、基本はオンロードでいざという時はオフロードを走るといった使い方に応えるタイヤもあります。自分の車の走破性能とも照らし合わせながら選ぶのがよいでしょう。
泥や砂地などの不整地でもグリップ力を発揮。オフロードに強い半面、アスファルト上でのハンドリングや燃費性能は多少犠牲となります。
SUV向けデューラーシリーズで最もタフでワイルドな仕様。泥濘地での優れたトラクションを発揮し、耐摩耗性や静粛性にも配慮しています。
悪路走破性の高さもさることながら、大胆なトレッドデザインはビジュアル面でも威力を発揮。オンロード性能も比較的高くなりました。
全天候型オフロードタイヤ。オンロードを考慮したWIDEとさらに泥濘地性能に特化したNARROWの2種類が設定されています。
JEEPブランドなどアメリカの本格派SUVでは定番のオフロードタイヤ。迫力あるトレッドパターンも人気で、意外とオンロード性能も高いのが魅力です。
ある程度の積雪路にも対応可能で、通年使用できるタイヤです。ただし、氷上グリップ性能はノーマルタイヤと変わらないことを忘れずに。
泥濘地や雪上でも安定したグリップ力を発揮。アスファルトでの高速走行も痛痒感なく行えますが、凍結路は得意としないので要注意。
耐ハイドロプレーン性能やウエットグリップなど、アスファルト上での性能も確かなオフロードタイヤ。降雪にも対応可能です。
アスファルトなどのオンロード走行を重視したSUV用タイヤ。泥濘地や雪上路でのグリップはほとんど期待できません。
SUVとして求められるウエット性能や静粛性、低燃費性能など、一般的なサマータイヤと同じ性能に加え、コンフォート性も追求。
従来品と比べてオンロードでの静粛性をはじめとする快適性と耐摩耗性を大幅にアップして商品性を向上させた中〜大型SUV用タイヤ。
オンロード向けSUV用タイヤ。アスファルト上での操縦安定性やウエット性能、低燃費性能もハイレベルに仕上げられています。
高重量の高性能SUV向けとしながら、ブレーキ性能やハンドリング、低燃費性能を妥協することなく高められています。
泥濘地と雪上路もある程度は走行可能。タイヤのサイド部分に「M+S」の表示があればマッド&スノータイヤであることを意味します。
オンロード性能を高めながらもM+S性能を維持。過信は禁物ながら、SUVならではの行動範囲の広さに制限を受けにくくなります。
アスファルト上ではおおむねノーマルタイヤと同様の走りを実現しつつ、M+S性能を備えます。オールシーズン的に使えますが過信は禁物。
舗装路での走行性能が高いハイパフォーマンスタイヤ。高重量・高荷重・高出力のSUVに合わせたセッティングが施されています。
SUVでありながら本格的なスポーツ性能を備え、アドバンの名に恥じないハイグリップを発揮。ステアリングフィールも秀逸です。
オンロードでの運動性能を重視。制動時の接地性最適化で重量級SUVでは不利となるウエットブレーキ性能も高い次元に達しました。
比較的高価格なスポータイヤですが、最近のホイール径大型化傾向に伴いますます高額になっています。それだけに求める性能にぴったりと合うタイヤを選びたいもの。まずサーキットを走るか否か、加えてウエット性能や静粛性が選ぶポイントとなります。また、耐摩耗性の幅も大きく、その見極めも重要です。
基本は一般の舗装路向けながら、サーキット走行時にラップタイムの向上を狙うための性能も重視。燃費や耐摩耗性は二の次となる場合も。
ストリート最強レベルのハイグリップを発揮。ウエット性能を犠牲としてまでドライ路でのグリップとコントロール性を極めました。
サーキット走行での性能を重視しながら、ウエット性能も両立。絶対的なグリップよりもコントロール性を重視したセッティングです。
プレミアムカーメーカーとの共同開発により、ハイグリップのみならず乗り心地や静粛性も高次元で両立。ウエット性能も劇的に向上しました。
ルマン24時間レースなどで培われたテクノロジーをフィードバックし、超高速走行でも抜群の安定感を発揮。コントロール性も秀逸です。
ラグジュアリーカーに適した静粛性や乗り心地のよさを追求しつつ、ハンドリングやウエット性能も高い次元を追求しています。
静粛性の高さで定評のあるレグノですが、最新モデルはスポーツ性能も十分以上に高く、スポーツコンフォートと呼べる域に達しました。
持ち前の秀逸なコンフォート性能に加え、欧州の高性能車でサーキット走行を行ってもしっかり応えるスポーツ性も兼備しています。
超高速移動からサーキットレベルの高いG(重力加速度)にも対応しながら、ハイレベルなコンフォート性能を兼備。耐摩耗性も高く万能的なタイヤです。
運動性能に第一のプライオリティを置きながら、サーキットでのラップタイム向上のようなとがった性能よりも上質感を重視しています。
その卓越した性能と品質は、フェラーリ458イタリアなど超高性能車の純正装着実績が証明。軽量化など環境性能にも配慮しています。
高次元のグリップ性能を誇りながら、路面からのハーシュネスも巧みに遮断することなどでプレミアム感の高さも随所で実感できます。
ドライバーが感じる官能評価の部分を極めたスポーツタイヤ。路面からのインフォメーションも濃厚で扱いやすさもきわめて高次元です。
乗り心地のよさなどにより、スポーツタイヤではつらくなりがちな長時間・長距離ドライブ時における疲労低減効果も高いことで好評です。
軽めにスポーツ性を高めながら、トータルバランスのよさを追求。本格的なスポーツタイヤほどの性能は不要という走り好きの人に選ばれています。
アドバンほどのスポーツ性能はありませんが、運転好きのドライバーが日常域でも十分に満足できるハンドリング性能を備えています。
基本はコンフォートタイヤながら、最新モデルの「3」は驚くほどスポーティー。キビキビとした応答性のよさが硬派なドライバーからも好評です。
モータースポーツ競技で使うことを前提としたタイヤで、耐摩耗性などの日常性は考慮されていないなど、公道で乗るには注意が必要です。
サーキットでのラップタイム向上を追及。サーキット上でのあらゆる場面に対応します。86/BRZのワンメイクレースでも使用されました。
サーキット走行やジムカーナなどの競技専用タイヤ。あらゆる路面に対応する能力を備えます。低温向け、高温向けなど仕様違いが設定。
サイド部分の硬度を高くするなどの特殊な構造により、パンクをして空気圧が低下しても80km/hを上限にそのまま走行可能となるタイヤのこと。
転がり抵抗の低減などにより低燃費をもたらす性能を備えたタイヤのこと。相反するウエットグリップも年々向上し高性能化しています。
ホイールの外径を示し、リム径とも呼ばれます。ホイールのリムはタイヤとホイールが外れないように押さえる役割を果たすため、ホイールに適合するタイヤを選ぶ必要があります。
タイヤを前後方向から見たときの幅の数値で、サイド部にあるもようや文字などは含みません。太いとハイグリップ、細いと低燃費傾向になります。
負荷を加えていない状態のタイヤの直径のこと。外径を変更すると速度計が狂ったり、ギヤ比が変わることで駆動系を痛めたりすることも。
タイヤをリムに装着して空気圧を規定値に満たし、接地しない状態にして計測した幅のことをいいます。サイド部の文字や飾りも含みます。
タイヤの幅に対する断面の高さを示したもので、単位は%。数値が低いほど横から力を受けても接地面積が減少しにくく走行性能が高くなり、高いとタイヤのたわむ量が増えるので、乗り心地がよくなる傾向に。タイヤの断面幅をタイヤの高さ(mm)で割った数字に100をかけると算出できます。現在の感覚では50%以下になるとスポーツ寄りといえます。
荷重指数とも呼ばれ、そのタイヤが1本で支えられる最大の負荷能力を示します。一般的な乗用車では選ぶ際に気にする必要はありません。
そのタイヤが走行可能な速度の上限を示す記号。アルファベットで表示され、Lなら120km/h、Hなら210km/hなど上限速度が定められています。最高速度に余裕があるとそれだけ性能にも余裕があるといえます。