4.FAQ/用語集
カーライフを送るに当たり、タイヤに関する素朴な質問とその答えを紹介します。知らなかったり、勘違いしたりしたままでは思わぬトラブルを招くことがあるのでご一読ください。
Aスリップサインと経過した年月で判断します
一番太い溝の中にスリップサインという凸状部分が見えるようになったら要交換です。スリップサインのある場所は、タイヤの側面に△マークで示されており、3〜4か所あります。また、タイヤは摩耗していなくてもゴム成分が硬化すると本来の性能を発揮しなくなるので、製造から4〜5年たったタイヤは賞味期限切れと認識して、速やかな交換を推奨します。製造年月もタイヤの側面に記されているので、中古車では買う際に必ずチェックしてください。
Aホイールの直径を大きくすることです
ホイールの径を大きくするとホイールのデザインが目立つようになり、見栄えがよくなります。また、タイヤの外径を変えずにホイール径を大きくすると、偏平率は低くなります。タイヤの偏平率を低くするとタイヤのたわむ量が減るので剛性が高くなり、操縦安定性がよくなる効果が期待できますが、乗り心地が悪化する恐れがあります。
A純正サイズから2インチ程度です
車種や元のインチ数にもよりますが、基本的には純正サイズの2インチまでがおおむね問題なくインチアップできる範囲といえます。それでも2インチアップの場合、見た目には問題がなくても、カーブなどで車体が傾いたときにタイヤがタイヤハウスの内側(インナーフェンダーと呼ばれる部分)と干渉する場合があり、タイヤを痛めたり車の挙動を乱したりする恐れがあります。その車の純正オプションで設定されている範囲なら安心です。
A滑りやすくなり大変危険です
スリップサインが出たら、タイヤの性能はかなり低下していると認識してください。特に雨の日は滑りやすくなり大変危険です。車種や運転の仕方にもよりますが、おおむね3万キロ走ったタイヤはかなり摩耗が進んでいると認識すべきです。溝の深さが1.6mm以下になると道路交通法違反にもなり、きわめて危険な状態に。タイヤの溝がなくなってもドライグリップは問題ないと考える人もいますが、もちろんドライ路面でもすべての性能が低下し危険です。
A速やかに交換してください
パンクの原因で最も多いのは釘やボルト類が刺さることです。刺さった釘などが小さい場合は直ちに空気圧が下がることもなく、普通に走れたりするので、整備や点検の際に気がつくことが多いです。その時点では普通に走れていたとしても、やがて内部の空気は抜け始め、高速走行などでタイヤへの負荷が大きくなれば急激に状態が悪化したりするので速やかに交換してください。刺さった釘などは抜かないほうが状態は悪化しづらいです。
A車の挙動や燃費などの性能も変化します
規定値から高くすると燃費はよくなりますが、乗り心地は悪化します。一方、低くすると接地面が増えてグリップがよくなる半面、ふらつき量も増える傾向に。いずれも耐久性が悪化するなど弊害もあり、総合的には規定値から変えることのメリットはほとんどありません。変えるなら上下0.1〜0.2kgf/cm2の範囲で。また空気圧は自然に下がるものなので、パンクなどの異常を発見するためにも2週間に一度程度はチェックしたいところ。無料で実施してくれる給油所もあります。
A最新モデルならおおむね問題ありません
日欧米のタイヤメーカー大手が発売している最新モデルのスタッドレスタイヤなら、真夏でもおおむね問題なく走行可能です。ただし、ノーマルタイヤよりもグリップ性能、特にブレーキ性能やウエットグリップは低い状態のままであることを忘れずに。スタッドレスタイヤを通年履き続けることは推奨できませんが、最新モデルはドライ路面でも摩耗が進みにくい構造なので、早めの時期から履き始めてください。
Aなるべく早めがオススメです
日欧米のタイヤメーカー大手が発売している最新モデルのスタッドレスタイヤは、いずれもドライ路面での耐摩耗性が高くなっているので、なるべく早めの交換を推奨します。関東甲信越地方でも11月末にまとまった積雪を記録するなど、近年は気候の変動が激しいので、関東、東海、関西の都市部でも11月下旬ごろから履き替えておけば安心でしょう。雪が降ったり、積雪の予報が出たりすると整備工場はタイヤ交換客で大混雑します。
A安全性が損なわれる場合も
燃費がよくなる効果は得られますが、実用車向けの低燃費タイヤを装着した場合は、スポーツカーらしい走行性能が損なわれます。スポーツカーは高出力である場合が多いので、スポーツ性能の低いタイヤではグリップ力が追いつかず安全性が損なわれる恐れもあるので、できれば避けたい組み合わせです。スポーツカーはタイヤ幅、インチ数とも大きくなっており、低燃費タイヤではサイズ設定がない場合が多いことも含め、あまり現実的ではありません。
Aおおむね安心できますが、低価格品の性能はそれなりです
ひと昔前までは不安要素が多々ありましたが、最近は技術力が向上し、日本市場で普通に流通しているものに限れば、危険性を伴うような粗悪品はほぼなくなりました。韓国のハンコックは日欧米並みの性能と品質になったといえるでしょう(値段も上がりました)。低価格品は、燃費や極限域での限界性能、摩耗が進んだ後の性能の落ち幅の大きさなどに関する品質がまだ日欧米製タイヤに及ばないものが多く、それらの性能が気になる人は避けたほうが気分よく乗れます。