多くの人が使用しているソフトコンタクトは、気軽に使えて扱いやすく、製品の種類も豊富です。 柔らかい素材でできているため目になじみやすく快適ですが、その一方で目を覆う面積が大きいことから長時間つけていると乾燥しやすいというデメリットもあります。 自分の目や用途にあったスペックの製品を選ぶことが重要です。
いつでも新品が使えて衛生的。気軽さも人気です。面倒なレンズのお手入れが不要なのもポイント。
コスパと衛生面のバランスがよいのが2week。製品数もワンデーに次いで豊富です。
毎日使う方やコスパ重視派の方には1month。製品数はやや限られます。
物が二重に見えたりにじんで見えたりする乱視は、疲れ目の原因にもなります。乱視用コンタクトで適切に視力をサポートしましょう。1dayが主流ですが、2weekの製品も選べます。
近くを見やすくする度数と遠くを見やすくする度数が1つのレンズに入っているのが遠近両用コンタクトです。老眼など、近くのものが見えにくい場合に役立ちます。
従来素材に比べて酸素透過率が高く、目に酸素がしっかり届きます。乾燥や目の負担が気になる方に。
含水率50%以上の高含水レンズ。レンズが水を含み柔らかく、付け心地がよい傾向にあります。
含水率50%未満の低含水レンズ。レンズから蒸発する水分が少なく、目が乾きにくい傾向にあります。
目に入る紫外線をカットする効果のあるレンズ。
瞳を大きく見せたり、瞳の色や印象を変えられるカラーコンタクト(カラコン)。
視力矯正だけでなくファッション目的でも楽しめることから、さまざまな色やデザインが発売されています。
人気タレントがプロデュースする製品も多く、系統もナチュラル系からギャル系まで幅広くラインアップ。
使用期間はワンデーが主流ですが、コスパに優れた1ヶ月タイプも多数展開されています。
瞳をくっきり際立たせて目力アップ。フチが太めならデカ目効果、細めなら自然な立体感を演出。
レンズの境界線を目立たせないデザイン。瞳に色をプラスし、ナチュラルに印象を変えられます。
瞳はクリアで、フチだけ着色のあるデザイン。さりげなく瞳を強調&サイズアップできます。
特別なイベントの日や、デザインを試してみたい場合には、1日使い捨てが便利です。
コスパと衛生面のバランスがよい2weekは普段使いにぴったり。
毎日カラコンを使うなら、マンスリーが一番お得。
メガネに代わる視力矯正ツールとして、多くの人が使用するコンタクトレンズ。日々さまざまな新製品が登場し、その機能性や付け心地は進化を続けています。
しかし、だからこそ「たくさん製品がありすぎて何を選べばよいのかわからない」と感じている方もいるのではないでしょうか?
ここではコンタクトレンズの基礎知識や購入方法、種類、選び方、最近のトレンドなどを紹介し、自分にあったコンタクトレンズ選びをサポートします。
コンタクトレンズは、目の角膜に直接装着して視力を矯正する医療機器です。メガネと同様に近視、遠視、乱視などを矯正でき、レンズの素材や用途、使用期間などによって、さまざまな種類があります。
メガネに比べて装着時の見た目が自然であること、視野が広いことなどが特徴で、近年では瞳の色や印象を変えるカラーコンタクトレンズも広く使用されています。
コンタクトレンズは、角膜に直接付けて使うことから高度管理医療機器として取り扱われます。衛生管理を怠ると感染症などのリスクもあることから、定期的な眼科の受診や処方箋に沿った製品選び、適切なメンテナンスなどが必要です。
コンタクトレンズのメリットとしては、使用時の外見が自然に近いこと、視野が広いことがあげられます。また、体を動かしてもズレにくいこと、メガネのように曇ることがないことから、スポーツや温泉などの場面でも快適に使用できます。さらに、メガネと違って耳や鼻にひっかけないため、耳や鼻が痛くならないこと、マスクやヘッドホンをすっきりと装着できることも特長です。
デメリットとしては、毎日の着脱や専用ケア用品でのメンテナンスに手間がかかる点があります。さらに、目の乾燥や異物感がある場合があり、不適切な使用は角膜炎などの感染症リスクにつながることもあります。加えて、メガネと比較すると初期費用は安いものの、日々のケア用品代や定期的なレンズ購入費といった維持費用がかかるため、全体的なコストは高くなる傾向があります。
コンタクトレンズはメガネに比べて広い視野と自然な見た目が得られるほか、レンズがズレない・曇らない・耳と鼻に負担がかからないといった点でも優れています。一方、メガネは付け外しが楽でケアの手間もかからず、目への負担が少ないことから長時間の使用にも適しています。コスト面では、メガネは初期費用が高めで、コンタクトレンズは継続的な購入やケア用品の費用が必要です。
コンタクトレンズとメガネ、どちらが適しているかは、個人のライフスタイルや目の状態によって異なります。眼科医にも相談し、それぞれの特徴を理解したうえで選びましょう。シーンに応じて両者を併用するのも有効です。
1レンズを付ける
コンタクトレンズを使う際は、まず手を清潔にし、レンズに傷や汚れがないことと目に異常がないことを確認します。装着時は、レンズを傷付けないように丁寧に指の腹にのせ、まぶたをしっかり開いて黒目の中央にのせるように装着します。
2レンズを外す
取り外す際も同様に、手を清潔にし、レンズや瞳を傷付けないよう指の腹でレンズをつまみ丁寧に取り外してください。
3使用後のレンズケア
使用後、使い捨てではないレンズでは、専用の洗浄液を使ってケアし清潔なケースで保管します。
初めてコンタクトレンズを使用する際は、眼科で正しい付け方と取り扱い方法について指導を受けましょう。また、コンタクトを付けていて痛みや異物感がある場合は直ちに外し、眼科医に相談するようにしましょう。
コンタクトレンズは、目に直接装着するため、衛生管理がとても重要です。着脱時は必ず手を洗うほか、レンズやケースは常に清潔を保ち、洗浄液の交換を忘れないようにしましょう。また、交換式のレンズでは、使用期間を必ず守り、期限切れのレンズは絶対に使わないようにしましょう。万が一、期限切れで破損したレンズを装着すると、角膜を傷付けるなど、トラブルの原因になる可能性があります。
瞳に負担をかけないため、乾燥を感じるときはコンタクトレンズ対応の目薬を使い、長時間の装用を避けることも重要です。特殊なレンズを除いて、就寝時には必ず外すようにしましょう。
コンタクトレンズ使用中に、目の異常(充血、痛み、視力低下など)が現れた場合は、直ちに使用を中止し、眼科医に相談しましょう。また、異常がなくても定期的な眼科検診を受け、自身の目の状態を把握することも大切です。
1眼科で視力検査・フィッティング
コンタクトレンズを購入する際は、まず眼科を受診し検査を受けます。検査では目の形状や視力を測定するとともに、目の健康状態なども確認します。そしてメガネを作る場合と同様に「どんな場面で利用するのか」「どれくらい視力を矯正する必要があるのか」といった点を相談しながら、レンズの度数を決めていきます。初めてコンタクトレンズを使う場合には、眼科で実際にフィッティングの指導を受けます。自分でレンズを付けられるか、付けてみて見え方はどうかを確認していきます。
2処方箋を受け取る
検査後、眼科で処方箋を受け取ります。コンタクトレンズの処方箋には、度数やベースカーブ、直径といったレンズのスペック情報が記載されています。自分の目にあったレンズを購入するために、処方箋の内容をしっかりと理解しましょう。処方箋の読み方などで不明な点があれば、眼科医や販売店に確認することが大切です。
3販売店やインターネットで購入
処方箋があれば、自分がどんなレンズを購入すればよいかがわかるため、自由にレンズを購入できます。処方箋を出してもらった眼科でそのまま購入できるケースもありますし、街のメガネ店やコンタクトレンズ専門店、家電量販店、インターネットなどでも購入できます。処方箋の提示が必要かどうかは販売店や製品により異なります。
処方箋には、主に以下のようなレンズのスペック情報が記載されます(図:乱視の場合の処方箋)。
度数については、製品ごとに幅広く用意されているため、その中から自分に合った度数を選んで購入します。
ベースカーブは、製品ごとに決まっている場合もあれば、1つの製品が複数のベースカーブを提供していることもあります。目にあっていない形状のレンズを付けると違和感が生じたり外れやすくなったりするため、極力自分の目の形状に合っている、もしくは近いベースカーブの製品を選択することが重要です。
直径は、ソフトコンタクトは大体14mm前後のものが多く、製品ごとに決まっているケースが多いため、あまり自由に選ぶことはできません。
購入時に処方箋は必須?
日本ではコンタクトレンズは高度管理医療機器に指定されており、原則として購入には眼科医の処方箋が必要です。処方箋なしで購入できる販売店も多くありますが、安全にコンタクトレンズを使用するためには、眼科医の診察を受け、処方箋に基づいて購入しましょう。また、視力や目の形状は時間の経過とともに変化することもあるため、初回購入時だけでなく、定期的に眼科医での検査を受ける必要があります。
コンタクトレンズは、インターネット通販でも購入できます。ネット通販では、実店舗に行くことなく自宅で手軽に購入できること、価格が比較的安いことがメリットです。
毎日コンタクトレンズを使う場合は、定期購入を申し込むことで手間やコストをカットできる点も魅力です。ただし、実際の販売店のように相談しながら選ぶことができないため、自分自身の判断でしっかりと正しいレンズを選ぶ必要があります。また、実物を確認できないため、正規品なのか・使用期限切れでないか…などが届くまでわからないというデメリットもあります。インターネットで購入する際は、返品条件なども確認のうえ、できるだけ信頼できる販売業者を選びましょう。
コンタクトレンズは、レンズの種類や用途などにより、さまざまな種類があります。眼科医とも相談しながら、自分の目の状態やライフスタイルに合わせてレンズを選びましょう。
コンタクトレンズは、レンズの種類によって大きく「ソフトコンタクト」と「ハードコンタクト」の2つに分類されます。
ソフトコンタクトは名前の通りやわらかく装着感が良く、コンタクト初心者にも向いています。ハードコンタクトは耐久性があり、汚れに強いため、長期間の使用も可能です。ソフトコンタクトの中には、視力矯正だけでなく瞳の印象を変えられるカラーコンタクト(カラコン)もあります。
ソフトコンタクト
やわらかく装着感が良く、初心者向け。安価なので手軽に使い始められます。使い捨ての製品がメインなので、毎日使うには維持費がかかります。
低い(1日〜1ヶ月交換)
初期費用は安いが、維持費はやや高め
ハードコンタクト
耐久性があり、高額ですが1度購入すれば長く使えます。汚れに強く耐久性があるため、長期間の使用も可能です。
高い(約2〜3年)
初期費用は高いが、維持費は安い
カラーコンタクト
瞳を大きく見せたり、色や印象を変えたりと、コスメ感覚で楽しめます。度なしの製品や、乱視に対応した製品などもあります。
製品によりさまざま(1日〜1年)
製品によりさまざま
コンタクトレンズは、視力矯正の用途ごとにさまざまな種類があります。一般的なのは近視/遠視用で、メガネと同様に遠くの見えにくさや近くの見えにくさを矯正します。近視用と遠視用は、同じ製品の中で度数違いとして販売され、度数がマイナスであれば近視用、度数がプラスであれば遠視用となります。近視/遠視用ほどバリエーション豊富でないものの、乱視用や遠近両用レンズも多数展開されています。また、特殊なパターンとして、目に入る光を調整する「調光用」や、スマホの見やすさに着目した「スマホ用」などもあります。
近視用
遠くがぼやける近視を補正する。網膜の手前にある焦点を、正しく網膜上に合わせます。
遠視用
遠くも近くも見づらく、目が疲れやすい遠視を補正する。網膜の後ろにある焦点を、正しく網膜上に合わせます。
乱視用
乱視による視界のにじみやゆがみを補正するため、特殊な設計になっています。
遠近両用
主に老眼の方向け。
1枚のレンズに、遠くを見やすくする度数と近くを見やすくする度数が両方入っています。
ソフトコンタクトは一定期間で使い捨てるタイプがほとんどで、使用期間は1日(ワンデー)、2週間(ツーウィーク)、1ヶ月(マンスリー/ワンマンス)が主流です。使用期間が短いほど衛生的でケアの手間もかかりませんが、その分コストはかさみます。マンスリーなど長い期間を使う製品は、1日あたりのコストは抑えられる一方、専用の洗浄液でレンズを清潔に保つなどの手間がかかります。カラコンでは6ヶ月タイプや1年タイプなども販売されています。
1day (1日使い捨て)
いつでも新品のレンズを使えるため清潔でお手軽。人気が高く、製品のバリエーションも豊富です。
2week (2週間使い捨て)
2週間に1回レンズを交換するタイプ。コストと衛生面のバランスに優れます。
1month (1ヶ月使い捨て)
1日あたりのコストが抑えられるマンスリーはコスパ重視の方向け。丁寧なケアが必要です。
コンタクトレンズをどのような場面で活用したいかによって、選択すべきレンズのタイプや機能は大きく異なります。毎日の生活、アクティブな趣味、特別な一日など、あなたの利用シーンに最適なレンズを見つけましょう。
日常使い・長時間装用
毎日、学校やオフィスで長時間装用する場合は、目の負担が少ない「酸素透過率」が高いレンズが選択肢になります。
スポーツ・アウトドア
ズレにくいとされるソフトコンタクトが一般的に選ばれます。汗やほこりが気になる場合、1dayタイプを選ぶと衛生的に使いやすいです。
イベント・旅行
特定の日や旅行時のみ装用する場合、1dayタイプを選ぶとケア不要で持ち運びも楽なため便利です。
普段はメガネ。時々コンタクトを使いたい場合は?
「普段はメガネを使用し、コンタクトレンズは時々使いたい」という方は、ワンデータイプのソフトコンタクトが便利です。必要なときだけ使用し、使用後はそのまま捨てるだけのため、ケアの手間が省けます。スポーツや旅行、結婚式などのイベントで使う場合は、実際に使用するシーンを想像し、装着感や視力矯正の精度も考慮しておきましょう。「この日しか使わないから」と適当なものを購入してしまうと、イベント当日に目が疲れたり違和感があったりする可能性があるので、注意が必要です。
コストパフォーマンスを重視するなら、1度の購入で長く利用できるハードコンタクトや、使い捨てでないソフトコンタクト、マンスリータイプのソフトコンタクトなどがお得と言えます。ただ、繰り返し使うレンズは、洗浄液などのケア用品も必要なため維持費もかかります。
ケア用品代込み!年間コスト試算
目の乾燥やゴロゴロ感は、コンタクトレンズ選びの重要なお悩みポイントです。快適さを重視する場合、レンズが含む水分量を示す「含水率」や、目にどれだけ酸素を届けられるかを示す「酸素透過率」に注目しましょう。また、レンズのカーブやエッジのデザインなども、付け心地に影響を与えるとされており、エッジ周辺を薄くしてまばたき時の負担を軽減したコンタクトレンズなども多数展開されています。
含水率で選ぶ
含水率が高いレンズは、レンズがたっぷりと水を含むためやわらかく、付け心地が良いとされています。ただしレンズの水分が蒸発した際に瞳の水分をレンズが奪ってしまうことから乾燥を感じやすいという側面もあるため注意が必要です。
酸素透過率で選ぶ
長時間付けたまま過ごすのであれば、酸素透過率が高く、目にしっかり酸素が届くものを選ぶのがよいでしょう。近年では、酸素透過率の高いシリコーンハイドロゲル素材のレンズが特に人気を集めています。
瞳の大きさや色合いを変えられるカラコンは、ファッションアイテムとして広く使われています。カラコンは、人気モデルやアイドルなどがプロデュースする製品も多く、多彩な色味とデザインから気分で選んだり使い分けたりできます。ただし、高度管理医療機器であることには変わりなく、誤った使い方をすれば目の健康を損なうリスクがあります。カラコンを使う際は、デザインだけでなく安全性に配慮したものを選ぶこと、清潔に使うこと、正しい使い方や使用期間を守ることが大切です。
自然派ナチュラル系カラコン
ナチュラルな見た目のまま印象を変えたい場合、瞳を大きく見せられるサークルレンズやブラック系、ブラウン系のカラコンを選ぶと、ナチュラルな印象のまま目もとを強調することができます。
印象を変えられるカラーレンズ
雰囲気を変えたい場合、グレーやグリーン、ブルーなどのカラーレンズを選ぶと、普段と違った印象にすることができます。
近年、コンタクトレンズの素材として主流になっているシリコーンハイドロゲル素材。従来のHEMA素材に比べて酸素透過性が非常に高く、目にたっぷりと酸素を届けられるため、乾燥や角膜への負担を軽減できるとされています。長時間付けたまま過ごす方や、目の乾燥が気になる方は、シリコーンハイドロゲル素材が向いていると言えるでしょう。シリコーンハイドロゲル素材のデメリットとしては、素材自体がやや硬質であるため目にとって刺激になる場合があること、レンズの種類によっては脂質汚れが付きやすいことなどがあげられます。実際のところ自分にとってどのレンズが最も付け心地が良いのかは装着してみなくてはわからないため、まずはワンデーコンタクトなどで試してみるのがよいでしょう。
コンタクトレンズは、基本的には長時間装着することが目の負担になるため、「長時間付けたままにしない・寝るときには外すもの」とされています。しかし、一部のレンズでは、眼科医の許可のもとであれば1週間程度の連続装用が可能とされています。とはいえ、連続装用ができるかどうかは個々人の目の状態次第であり、眼科医の許可がなければ連続装用はできません。また、許可を受けて使用する場合も、目の健康を守るために連続装用は最小限に抑え、定期的な眼科受診や適切なケアをしっかりと行う必要があります。
まだ数は少ないものの、最近ではスマートフォンなどのデジタルデバイスを長時間使う方向けに"スマホ用コンタクトレンズ"も登場しています。仕組みはメーカーごとに異なりますが、いずれも近距離で画面を見続ける際の目の負担の軽減などに役立つとされています。
コンタクトレンズを選ぶ際、パッと目に飛び込んでくる専門用語の数々に戸惑う方も多いのではないでしょうか?これらの用語は、処方箋に沿って製品を選ぶ際に必要になるほか、レンズの特徴や付け心地を知るうえでも重要な手がかりになります。ここでは、コンタクトレンズ選びで押さえておきたいキーワードを、わかりやすく解説します。

視力を矯正する力。
度数は「POWER/PWR/P/D/SPH」のいずれかで記載されます。近視用のレンズは「-(マイナス)」、遠視用のレンズは「+(プラス)」の数値で度数を表します(例:-2.00)。数値が0から離れるほど矯正力が強くなり、度なしの場合は±0.00となります。また、乱視用レンズには「乱視度数(C/CY)」、遠近両用レンズには「加入度数(ADD)」などが別途記載されることもあります。

乱視を矯正する力。
度数は「CYL/C/CY」で記載され、「-(マイナス)」で表される数値が大きいほど矯正力が強くなります。乱視用コンタクトレンズは、自身に合った製品選びが難しいため、眼科で検査を受けましょう。

乱視のゆがみを矯正する角度。
「中心軸/円柱軸」と記載されることもあります。角度は「AXIS/AX」0〜180°で表され、乱視の種類に合わせて適切な角度を選ぶ必要があります。乱視用コンタクトレンズは、自身に合った製品選びが難しいため、眼科で検査を受けましょう。

遠近両用コンタクトレンズで、近くの物の見えにくさを矯正する力。
度数は「ADD」で記載され、数値が高いほど近くの物が見えやすくなりますが、その一方で遠くの物の見え方が不自然になる可能性があります。個人によって適切な加入度数は異なるため、眼科で検査を受けましょう。

レンズ内側の曲がり具合。
8.5mm、9.0mmなどで表し、数字が大きいほどカーブがゆるくなります。ベースカーブが合っていないと付け心地に違和感があったりレンズが外れたりする原因になるため、しっかりと眼科で測定してもらい、自身の目に合ったベースカーブの製品を選ぶ必要があります。ハードコンタクトでは0.05mm刻みでベースカーブを選択できる商品が主流ですが、ソフトコンタクトはレンズが柔らかく目にフィットしやすい素材ということもあり、1商品につき1〜3パターン展開であることが多いです。ベースカーブは年齢とともに変化する場合もあるため、定期的な眼科の受診が必要です。

レンズの直径。
mm単位で表し、ハードコンタクトレンズは9.0mm前後、ソフトコンタクトレンズは14.0mm前後のサイズが主流です。直径は製品ごとに固定されていて、購入の際に選べないことが多いです。

レンズ中心部の厚み。
0.08mm、0.125mmなどで表し、数字が大きいほど厚くなります。レンズが厚いほど頑丈になり、形状が安定したり破れにくくなったりするメリットがあります。反対に、レンズが薄いほど付け心地や酸素透過率が向上します。中心厚はレンズや度数によって決まっていることが多く、度数が高いほどレンズは厚くなります。

ソフトコンタクトレンズが含む水分の割合。
ソフトコンタクトレンズは、水分を含むことで柔らかくなる素材が使われています。そのため、含水率が高いレンズは付け心地が良くなるメリットがあります。一方で、含水率が高くなることで目が乾きやすくなるデメリットもあります。これは、レンズから蒸発する水分量が増えてしまい、その補填が瞳の水分から行われるためです。ただし、含水率だけでレンズ全体の特性が決まるわけではありません。同じ含水率の商品でも、素材のタイプや保湿成分などによって付け心地や乾燥感は異なります。

ソフトコンタクトレンズを含水率で分類したタイプ。
含水率によって2つに分けられ、50%以上の「高含水コンタクトレンズ」、50%未満の「低含水コンタクトレンズ」に大別されます。
高含水コンタクトレンズは、水分を多く含むためレンズが柔らかく装用感が良い特徴がありますが、レンズから蒸発する水分量が多く、目が乾きやすいというデメリットがあります。一方、低含水コンタクトレンズは、含まれる水分が少ないため装用感は高含水レンズに劣るものの、レンズから蒸発する水分が少なく、目が乾きにくいメリットもあります。ただし、これらはあくまで一般的な傾向であり、レンズの特性は含水率以外に素材の違いなどでも左右されます。そのため、含水率だけで一概にレンズの特性は判断できません。
ソフトコンタクトレンズを素材の違いで4つに分類したグループ。
「イオン性/非イオン性」と「高含水/低含水」の組み合わせで、グループI〜IVに分けられ、それぞれ、汚れにくさ・乾燥のしやすさ・酸素透過性などの特性に違いがあります。
| 低含水レンズ (含水率50%未満) |
高含水レンズ (含水率50%以上) | |
|---|---|---|
| 非イオン性 | グループI ・汚れに強い ・乾燥しにくい ・酸素透過性低め |
グループII ・汚れに強い ・高酸素透過性 ・柔らかく快適 |
| イオン性 | グループIII ・乾燥しにくい ・タンパク吸着多い ・酸素透過性低め |
グループIV ・高酸素透過性 ・装用感良好 ・タンパク吸着多い |

ソフトコンタクトレンズの素材。
大きく2つに分けられ、従来型の「HEMA素材」と比較的新しい「シリコーンハイドロゲル素材」があります。
HEMA素材は、レンズが含む水分を介して目に酸素を届ける仕組みです。そのため、酸素透過率を上げるためには含水率を高くする必要がありますが、含水率が高いと目が乾燥しやすくなる特性があるため、長時間の装用は目に負担がかかります。
一方、近年登場したシリコーンハイドロゲル素材は、酸素が水分を介さず直接レンズ素材を通る仕組みです。そのため、HEMA素材よりも大幅に高い酸素透過性を持ち、長時間の装用でも目への負担が軽減できます。その他の特性として、タンパク質性の汚れが付きにくい半面、脂質性の汚れが付きやすい性質があります。使用時は皮脂や化粧品などの油分が付着しないよう注意が必要です。また、相性が悪いケア用品もあるので、使用前に確認することをおすすめします。シリコーンハイドロゲル素材はHEMA素材に比べて低含水率で硬質な素材ですが、付け心地を向上させる研究が進んでおり、装着感が改善された商品も増えています。

コンタクトレンズ素材自体の酸素の通しやすさ。
数値が高いほど酸素を通しやすい素材であることを示し、拡散係数と溶解度係数を用いて算出されます。拡散係数は、素材の中での酸素の移動のしやすさを示し、溶解度係数は素材への酸素の入りやすさを示します。ただし、この酸素透過係数はあくまで「素材自体」の性質を示しています。実際にコンタクトレンズに加工されたときの酸素の通しやすさを示す指標は、「酸素透過率」で表されます。

コンタクトレンズの酸素の通しやすさ。
160、100などで表され、数字が大きいほどレンズが酸素を多く通すことを示します。そのため、酸素透過率が高いレンズほど瞳により多くの酸素を届けられ、目の負担が軽減されます。この酸素透過率は、レンズ素材自体の酸素の通しやすさを表す「酸素透過係数」とコンタクトレンズの中心厚から算出されるため、同じ材質でもレンズの厚みによって酸素透過率は変動します。

紫外線をブロックする機能。
UVカット機能が付いたコンタクトレンズには紫外線吸収剤が配合されており、通常のコンタクトレンズと同じように装用することで、有害な紫外線から瞳を保護します。ただし、レンズに覆われていない部分への紫外線は防げないため、サングラスや帽子、日傘などと併用するとより効果的です。

ブルーライトをブロックする機能。
ブルーライトは、パソコンやスマートフォンなどの電子機器から発せられる光の一種で、長時間見ることで体内時計や視力に悪影響を与える可能性があるとされます。
ブルーライトカット機能が付いたコンタクトレンズには薄い着色がされており、通常のコンタクトレンズと同じように装用することで、ブルーライトを軽減する効果があります。見え方や装用感は通常のコンタクトレンズとほとんど変わりませんが、着色による微妙な色の見え方の違いによって、色彩感覚や目の疲労感に影響が出る恐れがあります。そのため、見え方の変化に敏感な方や、色彩感覚が重要な作業をする際には注意が必要です。また、レンズに薄い着色があるため、装用中は瞳に若干色がかかりますが、ほとんど目立たないことが一般的です。

コンタクトレンズの表裏が判別できるマーク。
コンタクトレンズには表裏があり、逆に装着してしまうと装着感や見え方に悪影響が出たり、目のトラブルにつながったりする恐れがあります。レンズに表裏の判別マークが入っている製品であれば、レンズの表裏に迷うことなく装用できます。

長期間レンズを付けたままにできる機能。
一般的なコンタクトレンズは終日装用と呼ばれ、起きている間のみ装用できます。一方、連続装用コンタクトレンズは、長期間着けたままで生活可能で、就寝時もレンズを付けたままで眠れます。製品によって連続装用できる期間は異なり、数週間のものから最長1ヶ月間使えるものもあります。ただし、目の状態によって連続装用コンタクトレンズが使えるかどうかや、連続装用が可能な期間が変わるため、必ず眼科医の指示のもとで使用しましょう。

液体中のレンズを見つけやすくするためにレンズに施された薄い色付け。
コンタクトレンズは、レンズ自体が透明であるため、保存液などの液体に入れたときに見失いやすいです。そのため、レンズに薄く着色しておくことで見つけやすくしています。なお、この着色は薄いため、装用時の見た目や視界への影響はほとんどありません。

カラーコンタクトレンズの着色部分の構造。
おもに「サンドイッチ構造」「プリント方式」「ラップイン構造」の3つに分けられ、構造の違いによって色素が目に触れるリスクやレンズの特性が変わります。
サンドイッチ構造は、2層のレンズ素材の間に着色色素を挟み込む方式です。レンズに厚みがあるため、頑丈でお手入れが容易です。ただし、厚みによって装用感は低い傾向があります。
プリント方式は、レンズ素材でコーティングした色素を直接レンズにプリントする方式です。色素がレンズ表面に露出する構造になっており、コーティングが剥がれると色素が目に触れてしまう危険性があります。
ラップイン構造は、レンズ内にコーティングした色素を浸透させて着色する方式です。レンズ内部に色素を浸透させるため、プリント方式よりも色素の内包性は高いです。サンドイッチ構造と比較すると色素内包性は不安定ですが、レンズが厚くならないため付け心地が良いのが特徴です。

カラーコンタクトの製造方法。
カラーコンタクトレンズはおもに「キャストモールド製法」と呼ばれる方法で作られ、レンズ素材と色素をモールド(鋳型)に流し込みプレスして成型されます。キャストモールド製法のみで作られる場合は「フルキャストモールド製法」、追加で加工を施す場合は「セミキャストモールド製法」と呼ばれます。

カラーコンタクトレンズの着色部の直径。
mm単位で表示され、12.5〜14.6mm前後のサイズが主流となっています。サイズの違いによって付けたときの見た目の印象が変わります。着色直径が大きいほど瞳の印象が強くなり、小さいほどナチュラルな印象になります。

カラーコンタクトレンズの外側にある色のついたライン。
フチの有無で、フチありとフチなしの2種類に分けられます。フチありのカラコンは瞳の輪郭を強調するため瞳がよりハッキリとした印象になります。フチなしは、外側にラインがないデザインで、ナチュラルに瞳の印象を変えやすくなります。フチありのなかでも、ラインの太さが違うものや、ぼかし加工されたもの、瞳に着色がなくフチだけのもの(サークルレンズ)などさまざまなデザインがあります。

カラーコンタクトレンズに使われる色の数。
「1トーン」や「2トーン」、「3トーン」といった表現で用いられ、1トーンだと1色、2トーンであれば2色使用されたデザインのことを指します。