電動ドリル・ドライバードリルの選び方
「タイプによって何が違うの?」「どういった機能を選べばいいの?」など、電動ドリル・ドライバードリル選びの際に浮かぶ疑問を解決できるのが選び方ガイドです。電動ドリル・ドライバードリルに必要な基礎知識、用語解説はこちらでチェックしましょう!
2022/6/30 更新
目次
電動ドリル・ドライバードリルとは、ビット(先端工具)を回転させて穴あけ加工やネジ締め作業を行うための電動工具です。3タイプに大別され、ドリルビットで穴をあける「電動ドリル」、ドライバービットでネジ締めを行う「電動ドライバー」、どちらも取り付け可能で、穴あけ・ネジ締めの両方をこなせる「ドライバードリル」があります。まずは各タイプの違いを確認して自分の用途に適したタイプを把握しましょう。
穴あけ加工専用のハイパワータイプで、木工または鉄工専用のドリルビットを装着して使用します。バッテリーではなく、AC電源に挿して使うコード式が多いです。中には、コンクリートに穴をあけられる振動ドリルタイプなどもあります。
組み立て家具や電子工作などの軽作業を行うのに向くタイプで、ドライバービットを装着して使用します。バッテリー式で小型のタイプやペン型のタイプなどは、狭い場所での作業や精密な作業に向きます。コーススレッドなど長いネジを締めるのは苦手です。
安価なモデルの「電ドラボール」シリーズが人気です。いつものドライバー感覚で本締め作業も行える点が魅力。USBで簡単充電できるモデルや、薄暗い現場で便利に使えるLEDライトがついたモデルを展開しています。
1861年にドイツで誕生した電動工具メーカー「ボッシュ」。ブランド名は、創業者のロバート・ボッシュに由来しています。エルゴノミクス(人間工学による設計)デザインによる使いやすさが特徴のひとつ。本体の色がグリーンのものを「DIY用」、ブルーのものを「プロ用」として区分けされている点も魅力です。
製品はそれぞれ締め付ける“強さ”=締め付け“トルク”が異なります。締め付け力(トルク)の単位は、「N・m(ニュートンメートル)」で表します。組み立て家具のネジ締めや、電子工作に使用するのなら、30N・m程度のトルクで十分でしょう。逆に、硬い素材にネジを締めたり、穴あけ加工を行ったりするには、より高いトルクが必要です。ウッドデッキ作成などの本格的なDIYが目的ならば、50N・m以上の製品が便利です。
最大締め付けトルクをチェック
多くのドライバードリルや電動ドライバーには、ネジを強く締めすぎてネジ山をつぶしてしまわないように、設定したトルクに達するとモーターの力が遮断されるクラッチが搭載されています。トルクの強弱を段階的に調節できる機構がついていることが多く、何段階でトルク調節が可能なのかも製品選びの基準となります。
充電式の製品はコードレスのため取り回しが容易で、場所を選ばず手軽に使用できます。それに対してAC電源式は、電池切れの心配がなく、長時間の作業に向きます。充電式は、バッテリーの電圧が高いほどハイパワーになる傾向があるため、穴あけ加工を多く行ったり、より太くて長いネジを締めたりするには、電圧36V以上の高電圧タイプを選ぶとよいでしょう。なお、充電池はリチウムイオン電池が主流です。一般的に、リチウムイオン電池は「長寿命」「放電が少ない」「軽量」などの特徴があります。
バッテリー式の製品は、充電池の種類や容量によってフル充電で使用できる時間の長さが異なります。作業内容によっては電池切れしてしまう可能性もあります。また、フル充電されるまでの所要時間も製品によってまちまちです。そのほか、急速充電機能を搭載したモデルもあります。
最大使用時間で選ぶ
スリーブ部にビットを差し込むワンタッチ操作でビットを装着できる「スリーブ式」は、ビットの着脱・交換が手軽に行えます。ただし、ビットの軸の形状が決まった形のものでないと装着できません。なお、ほとんどの製品が六角形の軸形状に対応しています。
「ドリルチャック式」は、ビットを爪で挟んで固定する方式です。そのため、六角形のほか、丸型の軸形状をしたビットにも対応します。
「ドリルチャック式」には、ドリルチャック部を回転させて固定するキーレス方式と、専用のチャックキーを使って固定する方式の2種類があります。電動ドライバードリルと電動ドライバーでは、手で回すだけで手間なくビットを着脱できる「キーレスチャック方式」が主流。電動ドリルでは、ビットの緩みによる空回りが起きにくい「チャックキー方式」が多く採用されています。
パワーや耐久性が異なるため、用途や使用頻度を加味して選びましょう。
価格帯が異なると、締め付けトルクや電圧、充電容量、耐久性などに違いがでてきます。2,000〜3,000円クラスだと締め付けトルクが小さく、バッテリー式の場合には電圧が低めだったり充電容量が小さかったりする傾向があります。組み立て式の家具など、ライトなDIY用途であればその価格帯の製品でも問題ありませんが、板から本棚を作成するなどの用途になってくると求められるパワーも大きくなりますので、5,000円〜1万数千円程度を視野に入れるとよいでしょう。数万円以上の高価なモデルでは前述の項目がより強化されるほか、高出力・高耐久なブラシレスモーターを搭載した製品などもあり、業務用の高頻度な使用にも応えるラインアップとなります。