高圧洗浄機の選び方
「家庭用と業務用の違いは何?」「洗浄機能のポイントは?」など、高圧洗浄機選びの際に浮かぶ疑問を解決できるのが選び方ガイドです。高圧洗浄機選びに必要な基礎知識、用語解説はこちらでチェックしましょう!
2025/2/6 更新
目次
高圧洗浄機選びのポイントは、主に次の3点になります。作業時の持ち運びや耐久性などが異なる「タイプ」、高圧洗浄機の洗浄力を左右する水の「吐出圧力・吐出水量」、そして使用可能地域や駆動音が異なる「動力」です。これら3つの要素をポイントに製品選びを進めましょう。
高圧洗浄機は、自宅での洗車や家屋の外壁・網戸などの洗浄で使う家庭用と、工場や農業などで使用する業務用の2タイプに分かれます。家庭用は小型で扱いやすく、駆動音があまり大きくない製品が多くなっています。一方の業務用は、本体のほか、ホースやポンプなどに高強度の部品が採用されているので耐久性が高いのが特徴です。

家庭用は重量が5s前後と軽く、手で持ち運べるものが多く、駆動音もあまり大きくないのが特徴です。ボディや各部品の素材にプラスチックなどが多く使われているため、業務用と比べて耐久性がやや劣ります。ボディタイプは、軽量・コンパクトで持ち上げて運びやすいものや、タイヤとハンドルを備えて移動しやすいものなどがあります。

業務用はボディやホース、ポンプなど各部品の強度が高く、耐久性に富んだ製品が多くラインアップされています。その分、家庭用よりも寿命が長くなりますが、価格が高くなります。ボディタイプは家庭用と異なり重量が重くなるため、タイヤを装着したものが多く、中には重量が100kgを超えるものもあります。

「吐出圧力」は水の勢いを表し、数値が大きいほど汚れを吹き飛ばす力が強くなります。なお、「最大吐出圧力」は製品本体の能力の限界を示すもので、実際に使用する際は最大吐出圧力に達することはありません。また、「吐出水量」とは1時間に噴射される水の量を示します。「吐出圧力」と「吐出水量」をかけあわせて算出されるのが「洗浄効率」で、この数値が高いものほど洗浄スピードが速くなります。
最大吐出圧力で選ぶ
吐出水量で選ぶ


高圧洗浄機の動力源や冷却方式もチェックしておきましょう。電気を使うモーター式は、種類によって使用できる地域に制限があったり、駆動音の大きさが異なったりするほか、冷却方式によって重量も変わってきます。ガソリン燃料で駆動するエンジン式は電源のない場所で使えるものの、駆動音が大きくなります。また、冷却方式は空気を循環させる空冷式と、水で冷やす水冷式に分かれています。
インダクションモーター
誘導モーターとも呼ばれています。モーターの駆動音が控えめで耐久性が高く、寿命が長いのが特徴です。ただし、電気の周波数にあわせて設計されているため、使用地域が東日本(50Hz)か西日本(60Hz)のどちらかに限られます。選ぶ際はお住まいの地域の対応周波数を必ず確認してください。
ユニバーサルモーター
インダクションモーターと異なり、東日本と西日本の両地域で使用できる共用モーターで、インダクションモーターと比べて価格は安めです。ただし、構造上、駆動音が大きく、寿命はインダクションモーターに比べて短くなります。
ガソリンエンジン
燃料で駆動するので、電源の取れない場所でも使えます。インダクションモーターやユニバーサルモーターに比べて水圧が高く、洗浄力が強いのが特徴です。一方で、エンジンを使用するため駆動音が大きいほか、燃料を給油する手間が発生します。
「コードレス(充電式)」タイプなら、電源がない場所でも使用可能!
空冷式
従来タイプで、本体に空気穴があり、外気を取り込んでモーターの熱を冷ます仕組みで重量は水冷式よりも軽いのが特徴です。空気穴からモーターの回転音が漏れるので、騒音が大きくなってしまいます。
水冷式
インダクションモーターで使われているタイプで、モーターの周りに水を循環させることで熱を冷まします。本体に空気穴がないので、内部の音が漏れにくく、空冷式よりも音が静かなのが特徴です。ただし、空冷式より価格は高めで、重量も重くなります。
高圧洗浄機と言えばケルヒャーと言われるほど人気のブランドです。清掃機器メーカーとして培ってきた洗浄技術を家庭用からプロ用まで幅広く展開し、用途に応じたアタッチメント類も豊富。高圧モデルだけでなく、コードレスで折りたたんで収納できる「マルチクリーナー OC 3 FOLDABLE」も人気です。
1987年からバイク用品やパーツの製造・販売を行っているサイン・ハウス。同社内の「バイクが洗える洗浄機を作ろう」という声をきっかけに、ライダー目線のアイデアが詰まった高圧洗浄機を開発。コンパクトな設計で折りたたみも可能なコードレスタイプの高圧洗浄機「SWU-1」が人気です。
手ごろな価格の日用品から家電製品まで幅広く展開しているアイリスオーヤマ。高圧洗浄機でも豊富なラインアップと手ごろな価格帯が特徴で、オプションパーツを加えることによって用途の幅を広げられます。人気の「JHW-101」は、可変ノズルで、シャワー・直噴・拡散の噴射を選べるハンディタイプ。
扱いやすいハンディタイプからキャスター付きの高圧タイプまで、幅広い製品ラインアップを展開する京セラ インダストリアルツールズ(旧RYOBI)。充電式で水道や電源がない場所でも洗浄ができる「BPW-1800L1」や、キャスター付きで作業シーンに合わせて吐出圧力を調節できる「AJP-1700VGQ」が人気。
リチウムイオンバッテリーを採用した充電式工具を展開するマキタ。高圧洗浄機でもリチウムイオンバッテリーを搭載した充電式モデルをラインアップ。人気の「MHW0820」は、キャスター付きの電動タイプで、高圧から低圧まで無段階で調節が可能。さらに運転音を低減させ、毎分約1Lの節水が可能な「静音モード」を搭載しているのが特徴です。
モーター式の高圧洗浄機を多数ラインアップする、HiKOKI(旧日立工機)。発売以来、ユーザーから高い支持を集める「FAW105」は、洗浄作業に合わせて3種類の噴射を選択できます。バリアブルノズルは、汚れのひどい農機具の泥落としに便利な「直噴」と、外壁、バイク、車などの洗浄に便利な「拡散」に切り替え可能。さらに、ターボノズルに付け替えることで、しつこい汚れを効率よく洗浄できます。
高圧洗浄機は汚れを洗い流す機器で、スチームクリーナーは汚れを熱で浮かせ落としやすくする機器です。
高圧洗浄機とスチームクリーナーは似たような外観のものがあるため混同されがちですが、両者はまったく別ものです。高圧洗浄機が高い水圧や水量で汚れを洗い流すのに対して、スチームクリーナーは水を高温のスチーム状にしたものを吹き付けることにより、汚れを浮かせ、落としやすくします。したがって、スチームクリーナーで汚れを浮かせたあとは、水洗いや、ファイバークロスで拭き取るなどの作業が必要となります。頑固な油脂汚れを落としたいときはスチームクリーナーを選ぶとよいでしょう。
洗浄剤対応
高圧洗浄機は汚れ落としに水を使うため、油性の汚れを苦手としています。そこで、洗浄剤を併用することで油性の汚れを落とせる製品もあります。併用には、洗浄剤のボトルを本体に差し込む方法をはじめ、本体に備え付けのタンクに洗浄剤を注ぐ方法、専用ホースで洗浄剤を吸引しながら使用する方法、外付けで使う「フォームノズル」を装着し、洗浄剤を泡状にして噴射する方法などがあります。各方法とも、洗浄剤は低圧で噴射されます。なお、洗浄剤は、自動車のホイールやガラス、石材、木材など用途別のほか、幅広いものに使える多目的用など多彩なラインアップがあります。