更新日:2017年7月28日
洗濯機・乾燥機の電気代

その乾燥機、洋服をドライヤーで乾かしている!
太陽の日差しをタップリ受けてカラッと乾いた洗濯物はとても気持ちいいものです。しかし、「花粉が気になる」、「下着類を外に干したくない」、「雨の日や夜でも洗濯できる」、「マンション規約でバルコニーに洗濯物を干せない」といった理由もあって、乾燥機能が付いた洗濯乾燥機の人気が高まっています。でも、気になるのが電気料金。洗濯にかかる電気料金は1回につき1〜2円程度ですが、乾燥となると話は別。わかりやすくいえば、ヘアドライヤーを使って濡れた洗濯物を乾かしているようなものです。実は乾燥には2種類の方法があります。「乾燥方式が違うと電気料金が大きく異なる」ってこと、ご存知ですか?
現在の洗濯機は3種類のタイプに分かれる
各社から様々な機能がついた洗濯機が登場していますが、大きく分けると、洗濯から乾燥までを自動で行う“ドラム式洗濯乾燥機(洗濯槽であるドラムの取り付け角度によって斜めドラムと横ドラムがあります)”、洗濯から乾燥までを自動で行い、洗濯槽が縦に設置された“タテ型洗濯乾燥機”、乾燥機能がなく洗濯から脱水までを自動で行う“タテ型全自動洗濯機”の3種類があります。なお、タテ型全自動洗濯機の中には、簡易乾燥や送風乾燥といった機能を持つ機種もありますが、こうした乾燥機能はヒーターを使わず、送風することで主に化繊の衣服を乾燥させるためのものなので、今回お話ししている本格的な乾燥機能とは異なります。
ドラム式洗濯機 | タテ型洗濯乾燥機 | タテ型全自動洗濯機 | |
---|---|---|---|
![]() |
![]() |
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|
洗い | ○ | ○ | ○ |
すすぎ | ○ | ○ | ○ |
脱水 | ○ | ○ | ○ |
乾燥 | ○ | ○ | × |
2種類の方法がある乾燥方式
洗濯乾燥機の乾燥方法には大きく分けて、“ヒーター式”と“ヒートポンプ式”の2種類があります。
ヒーター式は、ヒーターで温めた約100度の熱風で洗濯物を乾燥させるもので、まさにドライヤーで洗濯物を乾かしている状態です。乾燥時に発生する水蒸気(湿気)を水で冷やして排水するので(水冷・除湿タイプ)、乾燥の際にも水が必要になります。また、ヒーター式には、約65度程度の熱風で乾燥させ、水蒸気を空気中にそのまま排出する(排気タイプ)ものもあります。なお、ヒーター式は槽内の温度が高くなるため、乾燥途中でドアを開けることはできません。
一方、ヒートポンプ式の特長はなんといっても省エネ性能。ヒートポンプとは少ないエネルギー(電気)で空気中から熱エネルギーを効率的に集め、大きな熱エネルギーとして利用できるとても省エネな技術。いまではエアコンや冷蔵庫、エコキュート(ヒートポンプ技術を使った家庭用給湯システム)など身近な家電製品に採用されています。ヒートポンプ式乾燥機では、湿気を含んだ空気を除湿し、65度程度の温風で衣類を乾燥させます。電気料金が安いことに加え、ヒーター式と比べると衣類の傷みや縮みが少なく、乾燥途中でもドアの開閉はOK、乾燥中も周囲が暑くならないといったメリットがあります。
ヒーター式 | ヒートポンプ式 | |
---|---|---|
![]() ドライヤーのような熱風が、衣類に直接あたります。 |
![]() 除湿機で乾かすようなもの。たっぷりの風でスピーディーに乾燥。 |
|
熱風 | 約100度 | 約65度 |
ドラム式 | ○ | ○ |
タテ型 | ○ | ○ |
乾燥方式の違いで、なんと倍以上の差が!
それでは、乾燥方式が違う洗濯乾燥機を使うと電気料金はどの程度変わるのでしょう。洗濯時と洗濯から乾燥までを行った場合の違いをまとめてみました(パナソニックのHP参照)。
洗濯時の電気料金はいずれのタイプでもほとんど変わりませんが、乾燥時の電気料金は大きく異なります。また、水道料金にも差があることがわかりました。なお、金額や消費電力はそれぞれ1回あたりのものです。
洗濯のみ(洗濯容量10kg)
7.8円の差!洗濯だけなら大きな金額の差はない
ヒーター式 + タテ型洗濯乾燥機 |
ヒートポンプ式 + ドラム式洗濯乾燥機 |
|
---|---|---|
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![]() |
|
使用水量 | 約110リットル | 約78リットル |
水道料金 | 約28円 | 約20円 |
消費電力量 | 約60kWh | 約70kWh |
電気料金 | 約1.7円 | 約1.9円 |
1回の洗濯で かかる費用 |
約29.7円 | 約21.9円 |
※電気料金は27円/kWh(税込)、水道料金・下水道使用料は248円/m3(税込)〈内訳:水道料金132円/m3(税込)、下水道使用料116円/m3(税込)〉で計算
洗濯と乾燥(洗濯〜乾燥容量6kg)
56円の差!ヒーター式はなんとヒートポンプ式の倍以上!
ヒーター式 + タテ型洗濯乾燥機 |
ヒートポンプ式 + ドラム式洗濯乾燥機 |
|
---|---|---|
![]() |
![]() |
|
使用水量 | 約131リットル | 約55リットル |
水道料金 | 約33円 | 約14円 |
消費電力量 | 約2,290kWh | 約890kWh |
電気料金 | 約62円 | 約25円 |
1回の洗濯で かかる費用 |
約95円 | 約39円 |
※電気料金は27円/kWh(税込)、水道料金・下水道使用料は248円/m3(税込)〈内訳:水道料金132円/m3(税込)、下水道使用料116円/m3(税込)〉で計算
浴室乾燥機の電気料金は、5時間で約170円!

高層マンションなどでは外に洗濯物を干せないこともあって標準装備されている場合も多い浴室乾燥機。洗濯物の乾燥だけでなく、浴室の防カビにも効果があります。浴室乾燥機にもヒートポンプ式の製品はありますが、多くはヒーター式で、熱風を浴室内に吹き出して洗濯物を乾かします。標準的な浴室乾燥機で衣類を乾燥する時の消費電力は1〜1.5kW程度。1回の乾燥に5時間、消費電力を1.25kWで計算すると消費電力量は6.25kWh、電気料金を27円/kWhとすると168.75円となります。ただし、浴室の広さや衣類の量、室外温度、脱水状態などによって乾燥時間が変わるのでご注意ください。また、乾燥機として使用する場合は、浴室内の水滴を拭きとる、洗濯物を一定時間部屋干しして少し乾かしてから乾燥させる、温風が直接当たる場所に厚手のものを干すなどの工夫をすることで、乾燥時間を短くすることもできます。
せっかくの浴室乾燥機、便利に上手に使いこなしましょう。
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