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ネット専用インデックスファンドシリーズ比較

低コストでわかりやすく、投資初心者におすすめのインデックスファンド。最近ではたくさんの商品が並び、「どれを買えばよいの?」と迷うことも多いでしょう。そんな悩みを解決するため、10年超にわたり初心者にインデックス投資のイロハを伝えてきたインデックス投資アドバイザーのカン・チュンドさんに、ファンドの魅力や選び方について解説してもらいました。

協力カン・チュンド氏(晋陽FPオフィス代表)
2000年7月の開業以来、1000人超の顧客から資産運用に関する相談を受ける。金融商品のあっせんや販売はしていない。著書に「忙しいビジネスマンでも続けられる 毎月5万円で7000万円つくる積立て投資術」(アスカビジネス)など。

ネット専用インデックスファンドシリーズのメリット

ニュースでおなじみの日経平均株価と同じ値動きをするなど、インデックスファンドは値動きがわかりやすく、初心者でも簡単に投資を始められる便利な金融商品です。中でも最近人気が高いのが、ネット証券などを通じて、ネット上でしか購入できない「ネット専用インデックスファンド」です。こうしたファンドには、わかりやすさに加え、ネットだからこそのメリットもたくさんあります。

ところで・・・インデックスファンドとは?
株価指数など、市場平均を表す指数と同じ値動きを目指す商品です。
資産運用の世界では、どんなに腕のよいファンドマネージャーでも、市場平均を上回り続けるのは難しいとされます。
インデックスファンドであれば、市場平均並みの利益を常に確保し、かつ運用コストも安いため、効率のよい投資方法といえます。
  • 低コストで投資信託が買える

    コストが安いことが最も大きなメリットです。
    営業マンから買う場合は販売手数料の分だけ投資元本が目減りしますが、ネット専用インデックスファンドはシリーズを問わず販売手数料がかかりません。
    投資元本をすべて運用できる分、得られる利益も大きくなります。

  • ラインアップがたくさん

    投資できる金融資産が豊富にあることも、メリットです。
    先進国の株式や新興国の債券、不動産投資信託(REIT)など、投資対象は非常に多く、自分に合ったファンドを選びやすくなっています。
    選び方がわからない初心者向けに、こうした資産を複数組み合わせたバランスファンドもあります。

  • 自分のペースで購入できる

    ネット専用であれば、自分が投資したい資産を自分のペースで購入できます。
    営業マンにすすめられるまま、欲しくない商品を買ってしまう心配はありません。
    毎月一定額を銀行口座などから自動で引き落とし、投資できます。
    コツコツと少しずつ積み立てたい投資初心者にも向いた商品です。

ネット専用インデックスファンドシリーズの紹介

各運用会社はさまざまなインデックスファンドをシリーズ展開しており、同じような値動きをする類似商品もあれば、まったく違う資産を投資対象とした独自のファンドもあります。たくさんある中から欲しい商品を選びやすいよう、各シリーズの特徴を紹介します。

※ 各シリーズのラインアップ数の多い順に表示しています。

シリーズ名
eMAXIS(イーマクシス)
純資産総額合計
237,812(百万円)
運用会社
三菱UFJ国際投信
販売会社数
81社
ラインアップ数
38件
識者からのコメント

商品の品揃えが最も多いシリーズです。販売会社が多くたくさんのお金を運用しているため、繰り上げ償還のリスクは小さいでしょう。運用する資産が増えるほど信託報酬を引き下げる仕組みになっており、長期間にわたり低コストで運用したい投資家向けです。

代表的なファンド
シリーズ名
i-mizuho(アイミズホ)
純資産総額合計
13,940(百万円)
運用会社
ブラックロック・ジャパン
販売会社数
8社
ラインアップ数
21件
識者からのコメント

ラインアップが豊富です。一般的なインデックスファンド以外にも、東南アジアの株式や金、ハイ・イールド債券など特徴的な商品を多数揃えており、ポートフォリオにひと味加えたい投資家におすすめです。

代表的なファンド
シリーズ名
Funds-i(ファンズアイ)
純資産総額合計
83,064(百万円)
運用会社
野村アセットマネジメント
販売会社数
56社
ラインアップ数
20件
識者からのコメント

特徴的なインデックスファンドとして、海外資産だけを組み合わせたバランスファンドを運用しています。国内株や国内債券に加え、分散のために海外資産も保有したいという投資家向けです。

代表的なファンド
シリーズ名
SMT(エスエムティ)
純資産総額合計
179,915(百万円)
運用会社
三井住友トラスト・アセットマネジメント
販売会社数
43社
ラインアップ数
20件
識者からのコメント

2008年に販売開始したネット専用インデックスファンドの草分け的存在です。先進国の株式や債券などオーソドックスなファンドに加え、連続増配銘柄でつくる「米配当貴族指数」などの「スマートベータ指数」に連動した商品もあります。

代表的なファンド
シリーズ名
たわらノーロード
純資産総額合計
28,784(百万円)
運用会社
アセットマネジメントOne
販売会社数
22社
ラインアップ数
12件
識者からのコメント

信託報酬の低さは、業界トップクラスです。株式ファンドでは、一般的なインデックスのほか、高配当で値動きが小さい銘柄を組み合わせたオリジナルの「スマートベータ指数」に連動する商品も提供しています。

代表的なファンド
シリーズ名
iFree(アイフリー)
純資産総額合計
11,797(百万円)
運用会社
大和証券投資信託委託
販売会社数
15社
ラインアップ数
12件
識者からのコメント

シリーズとしては後発組ですが、コストの安さではトップクラスです。新興国の株で運用するファンドでは他社と異なる指数を採用し、信託報酬を低く抑えています。8資産分散型のファンドでも、低コストを実現しています。

代表的なファンド
シリーズ名
ダイワ・インデックスセレクト
純資産総額合計
33,001(百万円)
運用会社
大和証券投資信託委託
販売会社数
1社
ラインアップ数
10件
識者からのコメント

シリーズのファンドすべての運用期間が2028年までと決まっています。新興国の株で運用するファンドはiFreeと同じ指数を利用しているため、信託報酬は比較的低いです。大和証券を通じてのみ購入できます。

代表的なファンド
シリーズ名
ニッセイインデックス
純資産総額合計
97,123(百万円)
運用会社
ニッセイアセットマネジメント
販売会社数
13社
ラインアップ数
9件
識者からのコメント

販売を始めて以来、数回にわたって信託報酬を引き下げており、多くのファンドで業界最安値を実現しています。今後、一段と引き下げる可能性もあり、とにかくコストを抑えたい投資家向けです。

代表的なファンド
シリーズ名
インデックスe
純資産総額合計
24,909(百万円)
運用会社
三井住友トラスト・アセットマネジメント
販売会社数
5社
ラインアップ数
5件
識者からのコメント

同じ運用会社が提供する「SMT」シリーズとラインアップは似通っていますが、「SMT」シリーズの多くのファンドで負担する信託財産留保額というコストがかからないのが特徴です。「SMT」と比べて信託報酬が安いファンドもあります。

代表的なファンド
シリーズ名
EXE−i(エグゼアイ)
純資産総額合計
20,567(百万円)
運用会社
SBIアセットマネジメント
販売会社数
12社
ラインアップ数
5件
識者からのコメント

数種類の上場投資信託(ETF)を組み合わせたファンド・オブ・ファンズ形式です。低コストのETFで運用する分、信託報酬は安いですが、ほかのシリーズの類似ファンドとは異なる値動きになる可能性があります。

代表的なファンド

ネット専用インデックスファンドシリーズの選び方・活用術

コストが安く、バラエティー豊かなネット専用インデックスファンド。数あるファンドの中から本当に自分に合った商品を選ぶには、何を基準にすればよいでしょうか。実際の活用術とともに、選び方の基本を紹介します。

ネット専用インデックスファンドの選び方のポイント

投資初心者がインデックスファンドを選ぶ際は、大きく分けて3つのポイントがあります。まずは投資資産の配分割合(ポートフォリオ)を自分で決めるか、おまかせするかです。自分で決める際は、どんな配分割合にするかも重要です。

ポイント1
自分で選ぶのか、おまかせにするのかを決める
まずは、ポートフォリオを自分でつくるか、運用会社におまかせするかを決めましょう。自分でポートフォリオをつくる場合は、値上がりした資産を一部売り、値下がりした資産を買い増す「リバランス」というメンテナンスが重要です。配分割合を一定に保たないと、特定の資産の価格変動で運用資産全体が大きく変動しやすくなるためです。自分で選ぶ楽しさがある一方、定期的にファンドの運用状況をチェックする手間がかかります。
一方で、運用会社におまかせする場合は、バランスファンドを選びましょう。運用会社が適当だと考える配分割合でポートフォリオがつくれるうえ、リバランスもおまかせするため運用の手間が省けます。配分割合は自分では変更できません。
ポイント2
6大資産をベースに、資産配分を考える
ポートフォリオを自分でつくる場合でも、バランスファンドを買う場合でも、組み合わせる金融資産の基本は「国内株式」「先進国株式」「新興国株式」「国内債券」「先進国債券」「新興国債券」の6種類です。
運用リスクをとりたくない投資家であれば、値動きが小さい国内や先進国の債券中心に運用することで、安定した運用成果が得られます。大きなリスクをとりたいときは、株式の割合を大きくするとよいでしょう。自分が許容できるリスクの大きさを踏まえて6資産をどう配分するかが、分散投資の基本的な考え方です。
ポイント3
コスト(信託報酬)をチェックする
投資するファンドや資産を決めたら、次はコスト(信託報酬)で比較しましょう。一見すると信託報酬はわずかな違いのように見えますが、毎年かかるコストのため、運用期間が長期にわたるほど、運用成績に差が出ます。「同じ指数に連動していればどれも一緒」と簡単に考えず、極力、コストが安いファンドを選びましょう。
その際は、純資産残高も合わせて確認しましょう。純資産が多いファンドのほうが、繰り上げ償還のリスクが少なく、安心して長期運用できるためです。

【価格.comから】ファンドを選ぶ際は、信託報酬など目に付きやすいコストだけでなく、証券会社に支払う売買委託手数料や監査報酬など運用にかかったコストすべてを含んだ総経費率(トータル・エクスペンス・レシオ)という視点を持つことも大切です。

ネット専用インデックスファンドの活用術

あれもこれもと目移りするほど種類が多いインデックスファンドですが、基本は国内株式、国内債券、先進国株式、先進国債券、新興国株式、新興国債券という6資産の組み合わせです。もっとリスクをとりたい投資家でも、6資産に加え、株と同じぐらいリスクが大きい不動産投資信託(REIT)を組み入れるだけで十分、大きな運用成果を得られます。

下記はあくまで一例です。すでに個別の株や個人向け国債を持っていれば、海外資産だけ買えばよいでしょうし、もっとリスクを減らしたいと考えれば、債券インデックスファンドだけにしぼってもよいでしょう。リスクの取り方はそれぞれなので、自分に合った組み合わせを見つけるのも、楽しみの1つです。

  • 安定性を重視
  • 安定性と収益性を両立
  • 積極的に収益を重視
まとめ

ネット専用インデックスファンドの最大の特徴は、信託報酬などコストの安さです。
投資期間が長期にわたるほど、わずかな差であっても違いは運用成績にはっきり表れます。
たくさんある種類の中から自由に選べるのもメリットで、バランスファンドを使えばリバランスも含めて運用会社にすべておまかせにできます。
初心者でも簡単に始められるネット専用インデックスファンドを上手に使い、長期的な資産形成に大いに役立ててください。

ネット専用インデックスファンドシリーズのファンド比較(信託報酬・純資産総額)

投資対象別に各社の主要なファンドの信託報酬(運用管理費用) と純資産総額を比較表にまとめました。ネット専用インデックスファンドシリーズの比較表を活用して自分に合ったファンドを見つけましょう。

  • 上段の数値:信託報酬・・・ 投資信託の運用・管理のため保有している期間に日々支払われる費用。
  • 下段の数値:純資産総額(百万円)・・・ 投資信託に組み入れられている株式や債券などを時価評価し、運用コストを差し引いた投資信託の規模。
アセット eMAXIS eMAXIS Slim iFree ダイワ・インデックスセレクト SMT インデックスe i-mizuho Funds-i ニッセイインデックス たわらノーロード EXE-i
三菱U国際 三菱U国際 大 和 大 和 三井住友TA 三井住友TA BRJ 野 村 ニッセイ AM−One SBIアセッ
国内株式 0.4400%
18,304
0.1430%
76,475
0.1540%
10,525
0.4400%
1,858
0.4070%
25,875
0.4070%
3,721
- 0.4400%
4,687
0.1540%
61,575
- -
先進国株式 0.6600%
70,999
0.7909%
470,084
0.2090%
32,340
0.6050%
6,009
0.5500%
162,908
0.5500%
23,170
0.3465%
3,151
0.6050%
44,278
0.1024%
503,692
0.2200%
319,774
0.2530%
22,921
新興国株式 0.6600%
35,508
0.1859%
112,493
0.3740%
11,361
0.6600%
762
0.6600%
29,075
- 0.3850%
1,269
0.6600%
6,302
- 0.3740%
17,218
0.2530%
15,524
国内債券 0.4400%
9,008
0.1320%
19,273
0.1320%
4,446
0.4400%
1,153
0.4070%
27,567
0.4070%
1,372
0.2970%
785
0.4400%
2,228
0.1320%
8,426
0.1540%
23,076
-
先進国債券 0.6600%
13,714
0.1540%
70,031
0.1980%
7,085
0.6050%
506
0.5500%
27,687
0.5500%
2,821
0.3575%
671
0.6050%
2,720
0.1540%
23,807
0.1870%
37,691
0.2530%
1,544
新興国債券 0.6600%
5,113
- 0.2420%
10,770
0.6600%
228
0.6600%
29,075
- 0.3850%
1,269
0.6600%
1,034
- - -
国内リート 0.4400%
14,943
- 0.3190%
2,143
0.4400%
3,015
0.4400%
35,758
- 0.3685%
1,219
0.4400%
8,409
0.2750%
16,616
0.2750%
13,451
-
外国リート 0.6600%
1,912
- 0.3410%
2,366
0.6050%
803
0.6050%
237
- 0.4290%
712
0.6050%
5,223
0.2970%
11,891
- -
バランス 0.5500%
45,391
0.1430%
200,315
0.2420%
55,422
- 0.5500%
2,681
- - 0.5500%
19,075
0.1540%
31,638
- -
  • ※国内株式はTOPIX(東証株価指数)を投資対象としたファンドの情報になります。外国リートは先進国リートを投資対象としたファンドの情報になります。バランスは各シリーズで純資産残高が最も多いバランスファンドの情報になります。
  • ※上記の比較表に記載の「eMAXIS Slim」は、eMAXIS Slimという個別シリーズではなく、eMAXISシリーズの一部となりますのでご注意ください。

ネット専用インデックスファンドシリーズのランキング

主要なアセット別に各シリーズのファンドの純資産残高のランキングになります。シリーズでファンドを選ぶ時の参考としてご覧ください。

9資産合計 純資産総額ランキング

eMAXIS Slim
(三菱UFJ国際投信)
ニッセイインデックス
(ニッセイアセットマネジメント)
たわらノーロード
(アセットマネジメントOne)
  • ※「9資産合計 純資産残高ランキング」とは、価格.comが選別した「アセット別 純資産残高(国内株式、先進国株式、新興国株式、国内債券、先進国債券、新興国債券、 国内リート、外国リート、バランス)」の対象ファンドの純資産総額を合計したランキングになります。

アセット別 純資産総額ランキング

  • ※国内株式はTOPIX(東証株価指数)を投資対象としたファンドの情報になります。外国リートは先進国リートを投資対象としたファンドの情報になります。バランスは各シリーズで純資産残高が最も多いバランスファンドの情報になります。

よくある質問・用語解説

不安なくインデックスファンドを買えるよう、よくある質問や耳慣れない単語の解説をまとめました。ぜひ参考にしてください。

  • ネット専用インデックスファンドシリーズを購入するには、どうすればよいでしょうか?
    欲しいインデックスファンドを取り扱っているネット証券などで口座を開設すれば、購入できます。証券会社であれば証券口座、銀行ならば投資信託口座です。
  • どのような点に注意してファンドを選べばよいでしょうか?
    信託報酬が安いファンドを選びましょう。運用期間が長期にわたるほど、信託報酬の違いによる収益の差が開きやすくなるためです。このほか、繰り上げ償還などのリスクを避けるため、純資産残高や販売会社の多さもチェックしましょう。
  • 投資信託をどう運用していけばよいでしょうか?
    資産運用は長期戦です。ストレスなく運用を続けられるよう、毎月一定の金額を銀行口座などから引き落とし、自動で買い付ける積立投資がおすすめです。購入金額を一定にすることで、安いときにたくさん買い、高いときに買う量を減らせるため、購入単価をならすことができます。
    たとえば定年退職まで長期にわたり、少額ずつ積み立てて運用する個人型確定拠出年金の特性にも合致した金融商品といえます。
  • 保有している投資信託は、いつ売ればよいのでしょうか?
    投資信託は、株と違い、いろいろな資産を詰め合わせたパッケージ商品です。値動きもそれほど大きくなく、短期の売買には向いていません。目標に向かって長い期間保有を続け、まとまったお金が必要になったときに売りましょう。
  • 学資保険代わりに投資信託を利用するのは危険でしょうか?
    価格が変動する投資信託で学費をまかなおうとすると、必要なときに元本割れして足りなくなる可能性があります。使う時期まで10年未満であれば、利用しないようにしましょう。たとえ10年以上余裕があっても教育資金の半分程度にとどめるなど、極力リスクを抑えてください。
  • 株の売買とどう違うのでしょうか?
    株の売買と違うのは、売買する値段がわからない、ということです。株は自分で時価を確認しながら売買できますが、投資信託は公平性を確保するため、価格がわかるのは市場がクローズした後になります。
  • 運用管理費用(信託報酬)とは何でしょうか?
    ファンドを運用する運用会社、購入先の販売会社、ファンドが保有する銘柄を管理する信託銀行に支払う費用です。年率で表示されていますが、日割り計算で毎日少しずつ、純資産残高から支払われます。
  • 信託報酬のほかに、コストはかかるのでしょうか?
    ネット専用インデックスファンドのコストは信託報酬が大部分で、こうした情報は公表されます。しかし、それ以外にも、自分たちの買い注文で市場価格がつり上がり不利な値段で買ってしまったり、予定した数量の株を買えず、その分の運用成果が得られなかったりといった、運用成績に響くにもかかわらず費用が把握しにくい「見えないコスト」もあります。
  • 純資産総額とは何でしょうか?
    投資家から預かったお金で買った株や債券の値動きを反映した、ファンドが預かっているお金の総額です。純資産総額が大きいほど、たくさんの投資家が投資している、ということを表します。この純資産総額を総口数で割ったものが基準価額です。
  • 繰り上げ償還とは何でしょうか?
    運用期間が決まっているファンドが予定する運用終了日の前に運用を終えたり、運用期間が決まっていないファンドが途中で運用を終えたりすることです。運用を終えると、ファンドは預かったお金を投資家に返却(償還)します。純資産が少なく、当初想定した運用ができなくなったファンドなどで、繰り上げ償還されるケースがあります。
  • 総経費率(トータル・エクスペンス・レシオ)とは何でしょうか?
    投資信託は、比較されやすい販売手数料や信託報酬以外にも、さまざまなコストが発生します。証券会社に売買注文を発注する際に支払う売買委託手数料や、海外で有価証券を保管する場合の保管費用、監査法人に支払う監査費用などです。こうしたコストをすべて合わせ、純資産のうちどの程度の割合かを示したものが総経費率(トータル・エクスペンス・レシオ)です。投資家が負担する実質的なコストといえます。
    たとえば、信託報酬が年0.3%程度であっても、売買委託手数料などがかさむため、実際のコストはもっと高くなる場合があります。信託報酬はもちろんですが、こうした総経費率も「交付運用報告書」などで合わせてチェックし、合理的なコストかどうか、総合的に判断することが必要です。

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