低コストでわかりやすく、投資初心者におすすめのインデックスファンド。最近ではたくさんの商品が並び、「どれを買えばよいの?」と迷うことも多いでしょう。そんな悩みを解決するため、10年超にわたり初心者にインデックス投資のイロハを伝えてきたインデックス投資アドバイザーのカン・チュンドさんに、ファンドの魅力や選び方について解説してもらいました。
ニュースでおなじみの日経平均株価と同じ値動きをするなど、インデックスファンドは値動きがわかりやすく、初心者でも簡単に投資を始められる便利な金融商品です。中でも最近人気が高いのが、ネット証券などを通じて、ネット上でしか購入できない「ネット専用インデックスファンド」です。こうしたファンドには、わかりやすさに加え、ネットだからこそのメリットもたくさんあります。
低コストで投資信託が買える
コストが安いことが最も大きなメリットです。
営業マンから買う場合は販売手数料の分だけ投資元本が目減りしますが、ネット専用インデックスファンドはシリーズを問わず販売手数料がかかりません。
投資元本をすべて運用できる分、得られる利益も大きくなります。
ラインアップがたくさん
投資できる金融資産が豊富にあることも、メリットです。
先進国の株式や新興国の債券、不動産投資信託(REIT)など、投資対象は非常に多く、自分に合ったファンドを選びやすくなっています。
選び方がわからない初心者向けに、こうした資産を複数組み合わせたバランスファンドもあります。
自分のペースで購入できる
ネット専用であれば、自分が投資したい資産を自分のペースで購入できます。
営業マンにすすめられるまま、欲しくない商品を買ってしまう心配はありません。
毎月一定額を銀行口座などから自動で引き落とし、投資できます。
コツコツと少しずつ積み立てたい投資初心者にも向いた商品です。
各運用会社はさまざまなインデックスファンドをシリーズ展開しており、同じような値動きをする類似商品もあれば、まったく違う資産を投資対象とした独自のファンドもあります。たくさんある中から欲しい商品を選びやすいよう、各シリーズの特徴を紹介します。
※ 各シリーズのラインアップ数の多い順に表示しています。
商品の品揃えが最も多いシリーズです。販売会社が多くたくさんのお金を運用しているため、繰り上げ償還のリスクは小さいでしょう。運用する資産が増えるほど信託報酬を引き下げる仕組みになっており、長期間にわたり低コストで運用したい投資家向けです。
ラインアップが豊富です。一般的なインデックスファンド以外にも、東南アジアの株式や金、ハイ・イールド債券など特徴的な商品を多数揃えており、ポートフォリオにひと味加えたい投資家におすすめです。
特徴的なインデックスファンドとして、海外資産だけを組み合わせたバランスファンドを運用しています。国内株や国内債券に加え、分散のために海外資産も保有したいという投資家向けです。
2008年に販売開始したネット専用インデックスファンドの草分け的存在です。先進国の株式や債券などオーソドックスなファンドに加え、連続増配銘柄でつくる「米配当貴族指数」などの「スマートベータ指数」に連動した商品もあります。
信託報酬の低さは、業界トップクラスです。株式ファンドでは、一般的なインデックスのほか、高配当で値動きが小さい銘柄を組み合わせたオリジナルの「スマートベータ指数」に連動する商品も提供しています。
シリーズとしては後発組ですが、コストの安さではトップクラスです。新興国の株で運用するファンドでは他社と異なる指数を採用し、信託報酬を低く抑えています。8資産分散型のファンドでも、低コストを実現しています。
シリーズのファンドすべての運用期間が2028年までと決まっています。新興国の株で運用するファンドはiFreeと同じ指数を利用しているため、信託報酬は比較的低いです。大和証券を通じてのみ購入できます。
販売を始めて以来、数回にわたって信託報酬を引き下げており、多くのファンドで業界最安値を実現しています。今後、一段と引き下げる可能性もあり、とにかくコストを抑えたい投資家向けです。
同じ運用会社が提供する「SMT」シリーズとラインアップは似通っていますが、「SMT」シリーズの多くのファンドで負担する信託財産留保額というコストがかからないのが特徴です。「SMT」と比べて信託報酬が安いファンドもあります。
数種類の上場投資信託(ETF)を組み合わせたファンド・オブ・ファンズ形式です。低コストのETFで運用する分、信託報酬は安いですが、ほかのシリーズの類似ファンドとは異なる値動きになる可能性があります。
コストが安く、バラエティー豊かなネット専用インデックスファンド。数あるファンドの中から本当に自分に合った商品を選ぶには、何を基準にすればよいでしょうか。実際の活用術とともに、選び方の基本を紹介します。
投資初心者がインデックスファンドを選ぶ際は、大きく分けて3つのポイントがあります。まずは投資資産の配分割合(ポートフォリオ)を自分で決めるか、おまかせするかです。自分で決める際は、どんな配分割合にするかも重要です。
【価格.comから】ファンドを選ぶ際は、信託報酬など目に付きやすいコストだけでなく、証券会社に支払う売買委託手数料や監査報酬など運用にかかったコストすべてを含んだ総経費率(トータル・エクスペンス・レシオ)という視点を持つことも大切です。
あれもこれもと目移りするほど種類が多いインデックスファンドですが、基本は国内株式、国内債券、先進国株式、先進国債券、新興国株式、新興国債券という6資産の組み合わせです。もっとリスクをとりたい投資家でも、6資産に加え、株と同じぐらいリスクが大きい不動産投資信託(REIT)を組み入れるだけで十分、大きな運用成果を得られます。
下記はあくまで一例です。すでに個別の株や個人向け国債を持っていれば、海外資産だけ買えばよいでしょうし、もっとリスクを減らしたいと考えれば、債券インデックスファンドだけにしぼってもよいでしょう。リスクの取り方はそれぞれなので、自分に合った組み合わせを見つけるのも、楽しみの1つです。
ネット専用インデックスファンドの最大の特徴は、信託報酬などコストの安さです。
投資期間が長期にわたるほど、わずかな差であっても違いは運用成績にはっきり表れます。
たくさんある種類の中から自由に選べるのもメリットで、バランスファンドを使えばリバランスも含めて運用会社にすべておまかせにできます。
初心者でも簡単に始められるネット専用インデックスファンドを上手に使い、長期的な資産形成に大いに役立ててください。
投資対象別に各社の主要なファンドの信託報酬(運用管理費用) と純資産総額を比較表にまとめました。ネット専用インデックスファンドシリーズの比較表を活用して自分に合ったファンドを見つけましょう。
主要なアセット別に各シリーズのファンドの純資産残高のランキングになります。シリーズでファンドを選ぶ時の参考としてご覧ください。
不安なくインデックスファンドを買えるよう、よくある質問や耳慣れない単語の解説をまとめました。ぜひ参考にしてください。
資産運用の世界では、どんなに腕のよいファンドマネージャーでも、市場平均を上回り続けるのは難しいとされます。
インデックスファンドであれば、市場平均並みの利益を常に確保し、かつ運用コストも安いため、効率のよい投資方法といえます。