電子ピアノの選び方
「アコースティックピアノとの違いは?」「どういった機能があるの?」など、電子ピアノ選びの際に浮かぶ疑問を解決できるのが選び方ガイドです。電子ピアノ選びに必要な基礎知識、用語解説はこちらでチェックしましょう!
2022/6/28 更新
目次
電子ピアノとアコースティックピアノは、音を出す仕組みが根本的に違います。アコースティックピアノとは、一般にピアノと呼ばれるグランドピアノやアップライトピアノの総称です。アコースティックピアノでは、鍵盤を押すことで内部のハンマーが弦をたたいて音を出すのに対して、電子ピアノには弦がなく、鍵盤を押すことで内蔵されている音源を発音させ、スピーカーによって増幅させるようになっています。また、電子ピアノは、アコースティックピアノより鍵盤のタッチが軽い製品が多いです。そのため、アコースティックピアノでの演奏に向けた本格的な練習用に購入する場合には、できるだけアコースティックピアノのタッチに近い高級機を選んだほうがよいでしょう。
アコースティックピアノに近いタッチを求める場合は、まず鍵盤の構造をチェック。「エスケープメント機構によるクリック感の再現」ができる電子ピアノや、「低音から高音に上がるにつれ鍵盤が軽くなる」といった構造の電子ピアノを選びましょう。これらは特に高級機に多い構造で、連打感や、鍵盤の沈み、戻り感などをより厳密にアコースティックピアノに近づけています。また、材質もチェック。プラスチックや木材にアクリル樹脂を塗ったものが主ですが、なかにはアコースティックピアノに使われている象牙鍵盤に似せた人工象牙を使用し、よりリアルなタッチに迫っている製品も販売されています。
電子ピアノの技術は進化しており、グランドピアノさながらのサウンドを奏でる機器も販売されています。サンプリング音源やスピーカーの個数によって、音質が大きく変わるため、こだわる人は必ずチェックしましょう。
電子ピアノでは録音した本物のピアノの音を音源に使用しているものが主流です。なかにはスタンウェイなどの最高級ピアノから音源を取っているものもあり、上質な音色で演奏することができます。
演奏レベルが上がるにつれ、電子ピアノにも相応の機能が必要です。本格的に練習する人は、アコースティックピアノに近い演奏をするために、必要な機能がついているものを選びましょう。
電子ピアノのペダルは、「音を伸ばすダンパーペダル(サスティンペダル)のみ」と、「より本格的に演奏できる3つのペダル(ダンパー、ソフト、ソステヌート)がすべて付いているもの」の2タイプに大きく分けられます。ダンパーペダルがあれば、音をなめらかにつなげるテクニックである「レガート・ペダル」などの練習ができます。中・上級レベルになると、その他の2つのペダルを使用したより本格的な演奏をする機会が増えますので、レベルに合わせてペダルの有無・種類を選びましょう。
エントリーモデルからハイスペックモデルまで、幅広い層のユーザーに対応したラインアップの広さが魅力。限りなくグランドピアノに迫った音質のハイグレード機種でも信頼を得ています。2つのコンサートグランドピアノ音を忠実にサンプリングしたモデルが人気。
低価格で初心者向けのイメージですが、最近ではベヒシュタインの音源を使用した、「CELVIANO Grand Hybrid」シリーズなど、本格派も認めるハイスペック機も販売しています。重厚な低音の響きによる、グランドピアノにも迫る演奏表現力を追求したモデルが人気です。
スタイリッシュなデザインが人気のメーカー。求めやすい価格のわりに、音質にも一定の評価があります。気軽に演奏を楽しみたい人にピッタリです。落ち着いた雰囲気の白い木目調をラインナップするなど、おしゃれなモデルが多いのも特徴です。
グランドピアノ級の高い音質を求めると、各メーカー30万円以上のハイクラスになることが多いですが、 KAWAIなら独自響板スピーカーを採用しミドルクラスでも高いレベルの音質が得られます。
スマートフォンやタブレットと連携する機能です。機能の内容はモデルによってさまざま。専用アプリでピアノ演奏用の楽譜を自動生成したり、演奏時にはスマートフォンとピアノが連動して楽譜通りに鍵盤が光ったりします。
自分の演奏を録音できる機能です。録音した演奏にさらに重ねて録音できる製品もあります。このような製品では、違う音色の音楽を重ねることでバンドサウンドを作成することも可能です。
自分の演奏に合わせて、ギターやバイオリンなど各種楽器の音色によるさまざまなリズムパターンの伴奏を自動で鳴らしてくれる機能です。伴奏を聞きながら練習できるので、クラシックピアノだけでなく、ポップスやジャズも練習してみたいという人にも便利な機能です。
ピアノのほかに、シンセサイザーやオルガンなどの鍵盤楽器をはじめ、ギターやバイオリン、ヴィオラ、チェロなどの弦楽器、ドラムなどの打楽器まで豊富な音色が内蔵されている製品もあります。鍵盤をたたくことでさまざまな音色での演奏が楽しめます。
音色数で探す
ネットワークを駆使した便利機能です。Wi-Fiでのネットワーク接続などにより、スマートフォンやタブレットで演奏曲を録音・編集したり、専用サイトでダウンロードした曲を電子ピアノで自動演奏したりすることが可能。
通常のアコースティックピアノに比べるとスリムで軽量な電子ピアノですが、それでも一定の配置スペースを確保する必要があります。幅と奥行きをチェックし、配置予定の場所に置くことができるか確認しましょう。
幅で探す
奥行きで探す
リビングや子ども部屋など、家のさまざまな場所に持ち運んで使う場合は重量もチェックしましょう。5キロ以下の軽量モデルなら、子どもや女性も手軽に持ち運ぶことが可能です。
重量で探す
ヘッドホンが付属するタイプの電子ピアノです。付属するのは、ヘッドバンドを頭にかけて装着するオーバーヘッド型のヘッドホンであることが多いです。
椅子が付属するタイプの電子ピアノ。据え置いて使う電子ピアノの多くが、本体と椅子をセットで販売しています。
良音を奏でる構造や素材が決定的に違います。
5万円クラスのモデルが単純に演奏を楽しむ目的に限られる一方で、高級機では音の強弱や大きさなど、繊細な演奏を表現できます。また、サンプリング音源や木製の鍵盤など、高級機の性能はグランドピアノに近づきつつあります。
エスケープメント
アコースティックピアノには、鍵盤をゆっくり押し込んだときにまるで何かにひっかかったような独特の感覚(クリック感)があります。これは、打鍵後に弦をたたいて音を鳴らしたハンマーが、弦の振動を止めないように速やかに離れる仕組みによるもので、これを「エスケープメント」機構と呼びます。アコースティックピアノでの本格的な演奏に向けた練習をしたい場合、この機構によるクリック感などタッチの再現にこだわっているモデルを選ぶのがよいでしょう。ちなみに、KAWAIではこれを「レットオフフィール」と呼んでいます。
ガイド機能
曲の弾く箇所に合わせて鍵盤が光ります。楽譜を読まずとも練習ができるので、簡単な演奏を楽しみたい人や初心者に適した機能です。
高精細センサー
ピアノを弾く強弱ニュアンスをキャッチするセンサー。センサーが複数になるほど表現力豊かな演奏が可能です。連打性能にもすぐれているうえ、高級機のなかには弾き方の微妙な違いまで感知する高性能なセンサーが搭載されているものまであります。