2019年版「住宅ローン控除(減税)」と、消費税アップに伴う変更点をわかりやすく解説

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2019年8月20日掲載

基礎知識

2019年版「住宅ローン控除(減税)」と、消費税アップに伴う変更点をわかりやすく解説

住宅ローンを利用してマイホームを購入した場合、ローンの一部に相当する金額が所得税や住民税から控除される住宅ローン減税制度があります。税負担が少しでも軽くなることで、住宅購入を後押ししようという背景があります。2019年10月からの消費税増税をきっかけに、政府は住宅ローン減税の控除期間の延長や、「すまい給付金」の拡大など手厚い景気対策を採っています。その内容を知って、住宅購入の際に参考にしましょう。

住宅ローン減税制度とは?

住宅ローン減税制度とは?

住宅ローン減税制度は、正式には「住宅借入金等特別控除」といいます。住宅ローン控除といわれる場合もあります。住宅ローンを利用してマイホームを購入した場合、一定の期間、住宅ローンの年末残高の一定割合に相当する金額を、毎年支払う税金(所得税や住民税)から控除してくれるというものです。

消費税増税を機に、住宅ローン減税はどこが変わる?

住宅ローン減税が3年延長(2020年12月末まで)

消費税増税前の住宅ローン減税では、住宅の新築や増改築などをした場合、年末の住宅ローン残高の1%、最大で年間40万円(認定住宅等は50万円)の減税が10年間受けられます。

2019年10月以降、消費税率10%が適用される売買では、減税期間が3年間延長されます。11年目以降は、住宅ローン残高の1%か、建物購入価格(一般住宅4,000万円、認定住宅などは5,000万円まで)の2%を3年で割った額の低い額が税額控除されます。

たとえば、建物の価格が4,500万円の住宅を購入した場合、2%の消費税増税分は90万円。これを3等分した30万円と、その時点の住宅ローン残高の1%を比べて、少ない方が税額控除されます。

注意すべきは、「3年間の延長」は居住開始が2020年12月31日までに入居した場合に限られる点です。また、適用される消費税率が8%の場合や、中古住宅(売主が個人の場合)で消費税がかからない場合は、控除期間は10年間のままである点も頭に置きましょう。なお、2021年1月1日以降は、元の住宅ローン減税制度に戻ります。

住宅ローン減税
居住開始 適用される消費税率 種類 年末残高限度額 控除期間 控除率
1〜10年目 11〜13年目
2014年1月1日
〜2019年9月30日
8%・10% 一般住宅 4,000万円 10年間 1% -
認定住宅など 5,000万円
上記以外 一般住宅 2,000万円
認定住宅など 3,000万円
2019年10月1日
〜2020年12月31日
10% 一般住宅 4,000万円 13年間 1% 「年末残高×1%」か「建物価格×2%÷3年」の低い方
認定住宅など 5,000万円
8% 一般住宅 4,000万円 10年間 -
認定住宅など 5,000万円
上記以外 一般住宅 2,000万円
認定住宅など 3,000万円
2021年1月1日
〜12月31日
8%・10% 一般住宅 4,000万円 10年間 1% -
認定住宅など 5,000万円
上記以外 一般住宅 2,000万円
認定住宅など 3,000万円

※ 控除しきれない分は住民税から控除【所得税の課税所得の7%(上限136,500円)まで】
(国税資料・国交省資料を参照し編集部作成)

「すまい給付金」が拡充(2021年12月末まで)

すまい給付金とは、所得が一定以下だと住宅ローン減税の恩恵を十分に受けられない人もいることから、それを補うために設けられた仕組みです。控除しきれない分の一部が現金給付されますが、給付は1回のみです。このすまい給付金が、2019年10月の消費税増税後に拡充されます。

これまでは「年収510万円以下」の人が対象で、給付金も「最大30万円」でしたが、2019年10月の消費税増税後には、「年収775万円以下」の人が対象となり、給付金も「最大50万円」となります。ただし、住宅ローン減税同様、個人の売主から中古住宅を購入した場合は、そもそも消費税の対象外であることから、すまい給付金も対象外です。

住宅ローンを利用することが原則ですが、50歳以上で一定要件を満たす人であれば現金で購入し、住宅ローンを利用しない場合でもすまい給付金の対象になります。

なお、すまい給付金は2021年12月31日までの居住開始が対象とされています。

すまい給付金(2021年12月31日までに居住開始)

適用される消費税率8%
収入額の目安 給付基礎額
425万円以下 30万円
〜475万円以下 20万円
〜510万円以下 10万円
適用される消費税率10%
収入額の目安 給付基礎額
450万円以下 50万円
〜525万円以下 40万円
〜600万円以下 30万円
〜675万円以下 20万円
〜775万円以下 10万円

(国交省「すまい給付金」パンフレットを参照し筆者作成)
すまい給付金サイト

「次世代住宅ポイント制度」で最大35万円のポイント

2019年10月の消費税増税後には、「次世代住宅ポイント制度」も導入されます。これは、良質な住宅を増やすための施策の1つです。消費税率10%の適用でエコ住宅や耐震住宅など一定性能を備えた住宅の取得やリフォームをした人に対して、商品などと交換できるポイントが付与されます。

ポイントは1戸あたり新築で最大35万ポイント、リフォームで最大30万ポイントです。30万ポイントであれば30万円分の商品など(「環境」、「安全・安心」、「健康長寿・高齢者対応」、「子育て支援、働き方改革」に関するもの)と交換できます。

ポイント発行のための申請はすでに2019年6月3日に始まっており、遅くとも2020年3月31日までですが、予算がなくなり次第締め切られる可能性があります。また、商品交換期間は2019年10月1日〜2020年6月30日まで。

次世代住宅ポイント制度
対象 ポイント上限
新築 所定のエコ住宅、長持ち住宅、耐震住宅、バリアフリー住宅 いずれかの適合で、1戸あたり30万ポイント
性能を引き上げたり、家事負担を軽減する設備(ビルトイン食洗機など)を設置したり、耐震性のない住宅を建て替えた場合はポイント加算 性能を引き上げたり、家事負担を軽減する設備(ビルトイン食洗機など)を設置したり、耐震性のない住宅を建て替えた場合はポイント加算 1戸あたり上限35万ポイント
リフォーム(貸家含む) 所定の改修や設備設置に応じてポイント発行。
既存住宅の購入に伴うリフォームの場合、ポイント2倍。
1戸あたり上限30万ポイント

次世代住宅ポイント事務局

住宅取得資金贈与も「3,000万円まで非課税」に拡大

税制改正により、住宅取得資金の贈与についても非課税の限度額が拡大されました。父母や祖父母など直系尊属から、自宅を新築、増改築などするための資金の贈与を受けた場合、要件を満たせば、限度額まで非課税で済みます。2019年3月末までの非課税枠は一般住宅700万円(基準を満たす省エネ等住宅1,200万円)でしたが、2019年4月1日以降2020年3月31日に契約した場合は、2,500万円(同3,000万円)に拡大されました。ただし、2020年4月1日以降は段階的に下がっていくので、利用する予定の場合は、タイミングに注意しましましょう。

ただし、贈与を受ける子や孫は20歳以上、合計所得額2,000万円以下で、贈与を受けた年の翌年3月15日までに自分が住む家であること、床面積が50平方メートル以上240平方メートル以下など条件があるので、該当するかどうか確認が必要です。

住宅取得資金贈与の拡大
住宅の契約日 省エネ等住宅※ 一般住宅
消費税率10% 8%または非課税 消費税率10% 10%または非課税
2019年4月1日〜2020年3月31日 3,000万円 1,200万円 2,500万円 700万円
〜2021年3月31日 1,500万円 1,000万円 1,000万円 500万円
〜2021年12月31日 1,200万円 800万円 700万円 300万円

(国税庁サイトを参照し筆者作成)
※ 一定の耐震性能、省エネ性能またはバリアフリー性能などを有する住宅

引渡し日が同じでも、契約日で消費税率が異なる点に注意!(経過措置)

消費税の額は、引渡し時点の税率により決定します。しかし、注文住宅や戸建て、マンションなど、住宅は契約してから引渡しまでの期間が長い場合もあり、引渡し時期によって消費税率が変わると、安心して契約を締結することができません。

そのため、住宅については経過措置が設けられています。消費税率引き上げの半年前の指定日の前日(10%引上げ時は2019年3月31日)までに契約したものについては、仮に引渡しが税率引上げの基準日(2019年10月1日)以降になっても、引上げ前の税率が適用されることになっています。

2019年10月以降の引渡しであっても、契約日によっては8%の適用になる場合もあります。住宅ローン減税やすまい給付金、次世代住宅ポイント制度、住宅取得資金贈与ともに、適用される消費税率が8%か10%かで、減税の内容や、対象になるかどうかも変わってきますので注意しましょう。

10%への引き上げ時の経過措置

10%への引き上げ時の経過措置

(国土交通省サイトより)

少しわかりやすく整理しておきます。

  • 2019年9月30日までの引渡し
    契約の時期問わず ⇒8%適用
  • 2019年10月1日以降の引渡し
    契約が2019年3月31日より前 ⇒8%適用
    契約が2019年4月1日以降 ⇒10%適用

引渡しが10月1日以降であっても、契約した時期がいつだったかを確認すれば、適用される税率がどちらかが確認できますね。

住宅ローン減税でいくら税金がもどってくる?

住宅ローン減税でいくら税金がもどってくる?

実際にいくら税金が戻ってくるのか、計算してみましょう。

まずは、対象となる年に支払った所得税額を確認します。次に、住宅ローンの年末の残高(一般住宅の上限は4,000万円、認定住宅の上限は5,000万円)の1%を計算します。その金額が所得税から戻ってくる(控除される)金額です。年末残高の1%よりも所得税額の方が少なければ、残りの部分が住民税から差し引かれます。

下記のAさんは、支払った所得税が16万円、住宅ローンの年末残高の1%は25万円です。所得税16万円が戻ってきて、ひききれなかった9万円は翌年納める予定の住民税から差し引かれる、という試算になります。

住宅ローン減税制度を使った計算

※ 住宅ローン減税が13年間適用になる場合は、11〜13年目の控除額は「年末残高×1%」か「建物価格×2%÷3年」の低い方になります。

どのくらい税金が戻ってくるかは、シミュレーションで計算!

自分の場合でどのくらい税金が戻ってくるかは、「住宅ローン控除(減税)シミュレーション」で計算することができます。必要な情報を入力し、「シミュレーション結果を見る」をクリックします。

住宅ローン控除(減税)シミュレーション

1〜10年目(控除期間が13年の場合は13年目まで)について、毎年の控除額がいくらくらいになるかの目安と、控除期間の合計額を知ることができます。なお、子どもの年齢や加入している保険などによって所得税金額が変わり、控除額も変わります。また、今後の収入が変われば控除額も変わりますので目安として知る程度としてとらえましょう。

住宅ローン控除を受けるためには?

住宅ローン控除を受けるためには?

住宅ローン控除を受けるためには、決められた要件をすべてクリアしている必要があります。当てはまらないと、せっかくの控除が受けられなくなりますので、マイホームを検討する際には要件に合致するかの確認も忘れないようにしましょう。

  • 住宅の床面積が50平方メートル以上(マンションの場合は、専有部分の床面積)で、床面積の2分の1以上の部分が専ら自己の居住の用に供されること
    ※床面積は登記簿に表示されている床面積により判断します。
  • 住宅ローンの返済期間が10年以上で、借入先は原則金融機関であること。0.2%以上の金利であれば勤務先からの借り入れも可能だが、親族や知人からの借り入れは住宅ローンとはみなされない
  • 取得日から6ヶ月以内に入居し、各年の12月31日まで引き続いて住んでいること。
  • 控除を受ける年の合計所得金額が3千万円以下であること。
  • 居住の用に供した年と、その前後の2年ずつの5年間に、居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例などの適用を受けていないこと。
  • 中古住宅の場合には、マンションなどの耐火建築物の建物の場合には、その取得の日以前25年以内に建築されたものであること。耐火建築物以外の建物の場合には、その取得の日以前20年以内に建築されたものであること。これに該当しない建物の場合には、一定の耐震基準に適合するものであること(平成17年4月1日以後に取得をした場合に限る)。

住宅ローン控除の手続の方法は?

住宅ローン控除の手続の方法は?

住宅ローン控除を受けるためには、最初の年に確定申告が必要です。マイホームを購入した翌年3月15日までに必要書類をそろえて税務署へ提出します。住民票や登記簿謄本など、あらかじめ取得しておかないとならないものもありますので、ギリギリになって慌てないよう準備しておきましょう。

給与所得者(サラリーマン)の場合は2年目以降は勤務先の会社が年末調整の際に計算してくれます。毎年金融機関から送られてくる「借入金の年末残高証明書」や、確定申告後に税務署から送られてくる「給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書」を勤務先に提出してください。自営業者の場合は、毎年確定申告をする必要があります。

主な必要書類は下記の通りです。

【必要書類と入手先一覧、チェックポイント】
必要書類 入手先 チェックポイント
確定申告書 税務署 ※国税庁のサイトで入力して作成することも可能
住宅借入金等特別控除の計算明細書
住民票 市役所 購入してから6ヶ月以内に居住しているか?
住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書 金融機関 年末残高の確認
土地・家屋の登記簿謄本(登記事項証明書) 法務局 住居の床面積は50平方メートル以上か?
売買契約書または工事請負契約書のコピー 売主・施工会社 購入価額の確認・印紙が貼られているか?
給与収入のあるかたは源泉徴収票 勤務先 合計所得金額が3,000万円以下か?

※詳しくは、最寄りの税務署もしくは税理士に確認してください

確定申告のために準備すべき書類も多いので、確定申告期限間近にあわてて準備することのないように、住宅ローン控除の適用を受けるためには早めの対応を心がけましょう。

借り換えや繰上返済をすると住宅ローン減税はどうなる?

借り換えや繰上返済をすると住宅ローン減税はどうなる?

住宅ローン減税を受けている間に、住宅ローンの借り換えや繰上返済を行うと、住宅ローン減税にはどのような影響があるでしょうか?

住宅ローン減税 借り換えした場合の注意点

住宅ローンの借り換えをしても、引き続き住宅ローン減税を受けることができます。ただし、以下の2つの条件があります。

  • 新しい住宅ローンが当初の住宅ローンの返済のものであること
  • 新しい住宅ローンが償還期間10年以上など住宅ローン減税の要件にあてはまること

最も気をつけたいのが、借り換えた住宅ローンの返済期間です。例えば、借り換えした住宅ローンが9年返済だとすると、住宅ローン減税を受けるための要件を満たしておらず、住宅ローン減税を受けられる期間が残っていたとしても、以降は適用されなくなります。

なお、住宅ローン減税を受けられる期間はあくまでも当初からの一定期間であり、借り換えしたからといって期間が延長されるわけではありません。

また、借り換えの諸費用も一緒に融資してもらうなどで、住宅ローン残高が借り換え前よりも多くなることがあります。この場合には、控除対象となる年末の住宅ローン残高が調整されます。

<借り換えして住宅ローン残高が増えた場合>

対象となる住宅ローン残高

新たな住宅ローンの年末残高
×
(当初の住宅ローンの借り換え直前の残高÷新たな住宅ローンの借入時の残高)

住宅ローン減税 繰上返済した場合の注意点

繰上返済する場合に注意したいのが、返済期間を短縮する場合です。繰上返済することで返済期間が短縮され、トータルの返済期間が10年未満になった場合は、以降の住宅ローン減税は受けられなくなります。

住宅ローン減税が受けられなくなるからといって、必ず不利になるわけではありません。繰上返済して利息の軽減をするのと、引き続き住宅ローン減税を受け続けるのと、どちらが有利なのか試算して決めるようにしましょう。

繰上返済して利息の軽減をするのと、引き続き住宅ローン減税を受け続けるのと、どちらが有利なのか試算

なお、住宅も住宅ローンもそのままで、転勤などで転居するケースがあります。その場合の住宅ローン控除は単身赴任か、家族の誰も居住していない場合で取り扱いが異なります。

転居した場合には、原則住宅ローン控除は適用されなくなりますが、転居の理由が転勤命令等のやむを得ない事情の場合で、再度元の住宅に戻ってきた場合には、所定の条件を満たしていれば、住宅ローン控除の適用を再開できます。 (詳細は「海外赴任や転勤で持ち家を貸し出す場合」)

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