空気清浄機の選び方
室内空気への関心が高まっている昨今、空気清浄機を購入したいと考えている人も多いのではないでしょうか。しかし、いざ売り場にいくと種類も豊富で価格帯も幅広く、どれを買ったらいいか悩むことも。ここでは、「清浄できる範囲」や「フィルターの種類・寿命」、「手入れのしやすさ」など、空気清浄機選びの際にチェックしたいポイントを紹介します。
2022/6/20 更新
目次
空気をキレイにする家電には、空気清浄機や脱臭機、イオン発生機などいくつかのタイプがあります。まずは各家電の特徴を見てみましょう。
空気中のホコリや花粉、ニオイを除去する家電
空気清浄機とは、空気中に浮遊するホコリや花粉、ハウスダストを除去したり、室内のニオイを取り除いたりすることで、空気を清浄する空調家電です。
加湿機能を搭載した空気清浄機
空気清浄機に加湿機能を搭載した家電。1台2役をこなし、省スペース化に役立つため、加湿機能がついた製品が増えています。
除湿と加湿機能を備えた空気清浄機
空気清浄機に加湿機能と除湿機能を搭載した、1台3役をこなす空調家電。通常、除湿機は夏に、加湿器は冬に活躍しますが、除加湿機能付きの空気清浄機ならば1年中活躍します。
脱臭性能を備えた家電
室内のニオイや菌、ウイルスなどを分解・抑制し脱臭する家電。脱臭方式はメーカーによってさまざまで、次亜塩素酸を利用するものや、フィルターで除去するものがあります。
イオンで空気を清浄する家電
イオンを発生させることにより空気を清浄する家電です。PM2.5や花粉除去機能がある製品も。
ここからは、ニーズの高い空気清浄機と加湿空気清浄機の共通の選び方を紹介します。清浄できる範囲や、フィルターの種類と寿命、お手入れのしやすさは要チェックです。
空気清浄機は、どの製品にも「最大適用床面積」が記載されています。これは、「30分間で空気を清浄できる畳数」の目安で、面積が大きいほどパワフルな清浄能力を備えています。部屋の空気清浄時間が30分で問題なければ、実際に製品を置く部屋の広さと同じ最大適用床面積で空気清浄機を選びましょう。また、素早く空気を清浄したいなら、実際の部屋の2〜3倍の広さを清浄できる製品を選ぶとよいでしょう。
最大適用床面積で「空気清浄機」を探す
最大適用床面積で「加湿空気清浄機」を探す
空気清浄の能力に大きく影響する、集じんフィルターの性能もチェックしましょう。 集じんフィルターとは、空気を清浄するために本体に内蔵されているフィルターです。吸い込まれた空気がこの集じんフィルターを通過し、汚れが「ろ過」されることで、空気を清浄することができます。
空気清浄機で清浄したい汚れは小さいものも多いため、小さな汚れをキャッチできる目の細かいフィルターであるほど高性能と言えます。小さい汚れの例としては、大きさが直径30〜40マイクロメートルのスギやヒノキ花粉、10〜40マイクロメートルのハウスダスト、1〜5マイクロメートルの黄砂などが挙げられます(マイクロメートルとは長さを表す単位で、1マイクロメートルが1ミリの1000分の1を意味します)。
高性能な集じんフィルターの代表は、「HEPAフィルター」です。多くの家庭用空気清浄機でメインフィルターとして採用されているフィルターで、0.3マイクロメートルの粒子を99.97%捕らえることが可能。そのため、0.3マイクロメートルよりも大きい花粉・ハウスダスト・黄砂を、ほぼすべてキャッチすることができます。また、HEPAフィルターの一種であるダイキン独自の「TAFUフィルター」は、従来のHEPAフィルターと比べ、10年使用後でも約1.4倍の集じん効率を維持することが可能。高い空気清浄能力を求める方にだけでなく、フィルター交換の頻度を下げたい方にも向いています。
集じんフィルターは消耗品であるため、基本的に交換が必要です。寿命は6か月から10年と製品によってさまざま。フィルター交換の手間をかけたくない方は、寿命が長い集じんフィルターを搭載した製品が向いています。また、10年寿命フィルターの中には、交換用フィルターの価格帯が2,000〜3,000円のものも登場しています。寿命が5年未満のフィルターとそう変わらない価格であるため、製品によってはランニングコストも抑えることができるでしょう。なお、フィルター交換の目安は日本電機工業会規格により「脱臭や集じんの除去性能が初期値の半分になったタイミング」とされており、購入当初の脱臭・集じん性能がずっと継続するわけではないため、注意が必要です。
フィルターの寿命で「空気清浄機」を探す
フィルターの寿命で「加湿空気清浄機」を探す
プレフィルターとは、空気清浄機の一番外側に設置するフィルターで、ホコリなどの大きなゴミを取り除く役割があります。プレフィルターにホコリがたまると空気の吸引力が落ちるため、掃除機で吸い取るといったお手入れが必要です。お手入れの頻度は、メーカーによりますが2週間に一度程度。こまめなお手入れが苦手な方には、プレフィルターを自動で掃除する機能を搭載したモデルが向いています。
集じんフィルターのお手入れ方法はメーカーによって異なる
なお、集じんフィルターの場合、そもそもお手入れをしてはいけないもの、お手入れは可能であるものの水洗いはNGなもの、汚れが気になる場合にのみ掃除機で軽くホコリを吸い取るものなど、お手入れの方法がメーカーによって異なるので、必ず確認しましょう。
ここまで、空気清浄機と加湿空気清浄機に共通する選び方のポイントを紹介してきました。ここからは、加湿能力に着目した加湿空気清浄機の選び方をチェックしていきましょう。
適用畳数とは、加湿できる広さを指します。木造和室とプレハブ洋室では湿度の保ちやすさが異なるため、加湿空気清浄機を置きたい部屋の種類で適用畳数を選びましょう。
適用畳数(木造和室)で「加湿空気清浄機」を探す
適用畳数(プレハブ洋室)で「加湿空気清浄機」を探す
タンク容量とは、タンクに給水できる水の量のこと。大きいほうが給水頻度は少なくなりますが、本体が大きくなり、給水時の重さも重くなります。なお、給水口が大きいタイプのタンクだとお手入れがしやすく、カビが発生しにくくなります。
タンク容量で加湿空気清浄機を探す
独自の空気浄化技術「ストリーマ技術」を搭載したモデルや、高めの湿度に自動でキープする「のど・はだ運転」を搭載したモデルをラインアップしています。「MC55Y」は、圧迫感のないコンパクトなストリーマ空気清浄機。空気中の浮遊ウイルス・カビ菌を吸い込んで抑制し、1年中飛散する全国の花粉(16種類)を無力化します。
浮遊ウイルス・菌・浮遊花粉アレル物質の作用を抑えるモデルや、「Ag+イオンカートリッジ」を装備し、清潔に加湿するモデルをラインアップしています。タバコや汗臭、生乾き臭の消臭効果が期待できる製品も。「FU-P50」はリビング・寝室などに適したスタンダードタイプの薄型空気清浄機。遠くのホコリも素早く吸じんする「スピード循環気流」、花粉や微小な粒子をより多く集める「パワフル吸じん運転」を搭載しています。
コンパクトかつスリムなデザインが特徴的な空気清浄機を展開しています。多方向から吸引し天井に向かってキレイな空気を吹き出すモデルや、床置き・卓上兼用タイプのモデルをラインアップ。「クリエア EP-NVG90」は独自の「自動おそうじユニット」を搭載した加湿空気清浄機です。8畳の部屋なら6分で清浄可能。
空気中のホコリやハウスダストを検知する機能です。
料理のニオイや生ごみ臭、体臭、ペット臭など、部屋の生活臭を検知する機能。ニオイの感度を変更できる製品もあります。
室内の湿度をチェックする機能です。設定湿度より低いと検知したら、設定湿度に達するまで加湿してくれるモデルも。
室内の温度をチェックする機能です。ウイルスが生存しやすい温度になると知らせてくれる製品もあります。
室内の明るさを検知する機能です。就寝時に部屋が暗くなったのを検知すると、本体の操作パネルの表示を消灯したり、運転音を抑えたりするモデルも登場しています。
花粉を検知し取り除いてくれる機能です。気流により部屋全体の空気を効率よく循環し、集める花粉の量をアップさせた製品や、花粉がたまりやすい床上30cm付近にセンサーを配置し、花粉を検知しやすくした製品がラインアップされています。
ニオイ物質を取り除くことができる機能です。次亜塩素酸の力で高い除菌・脱臭効果を発揮する「ジアイーノ」シリーズは、ペットや乳幼児がいる家庭での除菌・脱臭対策家電として近年特に注目されています。
ニオイを「減らす」ことができる機能です。ニオイ物質を「取り除く」ことができる脱臭機能とは別の機能で、軽めのニオイ対策に向いています。
2.5マイクロメートル以下の微小粒子状物質PM2.5を除去できる機能です。
フィルターで浮遊ウイルス、ダニの死がい、浮遊カビ菌、花粉、チリホコリ、ペットの毛、黄砂などを除去・抑制できる機能です。何を除去・抑制できるかは製品によって異なります。
設定した時刻に運転が切れるなど、定められた時間に設定した機能が働く制御機能です。
スマートフォンにインストールしたアプリで、外出先から運転予約や状況確認ができる機能です。
音声操作ができるAIアシスタント(Googleアシスタント、Alexaなど)に対応した機能です。声だけで運転のオンオフやモード切替ができます。
空気清浄機の集じん方式は大きく「ファン式」と「電気式」に分かれており、ファン式はファンを回転させることで空気を吸引し汚れを除去するタイプです。ほとんどの製品がファン式を採用しています。
空気中の汚れを静電気の力でフィルターに吸着させる集じん方式です。目詰まりが起きにくく、集じん効果が落ちにくいというメリットがあります。
就寝を妨げないよう、静かに運転するモードです。製品によって「寝室モード」や「おやすみモード」など、モード名が異なる場合もあります。
基本的には外気の流入が少ない、窓やドアから少し離れた場所がベストです。
そうすることで、部屋の中の空気を効率よく対流させることができます。花粉症の方の場合は、玄関やリビングの入り口などに置くと、花粉が生活空間に侵入するのを防ぐことができるのでオススメです。エアコンと併用する際は、気流がぶつかる位置に置かないようにしましょう。
24時間、運転することをおすすめします。
空気清浄機は、基本的には24時間稼働させる家電です。常に運転しておくことで、空気が汚れるペースも遅くなり、部屋にホコリがたまりにくくなります。自動運転にしておけば、空気の汚れに合わせて運転を制御してくれるので省エネの効果も。ただし、旅行などで数日間家を空けるときは、運転をオフにしたほうが安全です。
20〜30dB以下の製品を選ぶと安心です。
就寝時に使うなら、人のささやき声程度の音量である20〜30dBの製品を選ぶと安心です。運転音を抑える「静音/就寝モード」を搭載しているタイプもあります。
加湿量
1時間にどれくらいの量の水を水蒸気にして加湿できるのかを表した加湿能力のことです。単位は「mL/h」で、たとえば加湿量が500mL/hの場合、1時間に500mLの水を水蒸気にすることができます。基本的に製品の加湿能力は「適用畳数」で確認できるため、加湿量は参考にする程度で問題ありません。
最大風量
その製品が循環できる風量の最大値のこと。数値が大きいほど風量が強く、空気をスピーディーに清浄できますが、その分運転音も大きくなります。浄化スピード自体は、「最大適応床面積」で確認できるため、最大風量の数値は参考にする程度で問題ありません。