エアコン・クーラーの選び方
「部屋の広さ」「省エネ性能」「付加機能」など、エアコン・クーラー選び方のポイントを詳しく紹介。室内機・室外機の設置場所やコンセントの形状といった、購入前に確認しておきたい注意点のほか、主なメーカーと代表的なシリーズの特徴など、エアコン・クーラーの購入時に役立つ情報をお届けします。
2023/7/27 更新
※暖房時の「8〜10畳」は、8〜10畳の部屋に適応するという意味ではありません。「木造(平屋・南向き・和室)の部屋」では8畳まで、「鉄筋(集合住宅・南向き・中間階・洋室)の部屋」では10畳まで適応することを示しています。なお、冷房と暖房では適応畳数が異なる点も見落とさないようにしましょう。
エアコン・クーラーを購入する場合、設置する部屋の広さに応じた製品を選ぶことが大前提です。その際に「実面積よりも少し広い適応畳数のものを選ぶ」ことがポイント。南向きの部屋は、日差しが入り暑くなりやすいため、実面積プラス2畳を目安にしましょう。キッチンのある部屋はガスコンロなどの熱に加え、換気扇の使用で夏場は涼しくなりにくいため、実面積プラス4畳を目安にするとよいでしょう。なお、暖房性能は冷房性能よりも適応畳数が小さいため、購入時にはしっかりと確認しましょう。
適応畳数から選ぶ
同一メーカーで適用面積が同じ製品同士なのに、価格差がとても大きいものがあります。価格が異なる理由のひとつは省エネ性能の差。たとえば、あるメーカーの14畳向け上位機種は、普及機種よりも本体価格が105,000円ほど高いですが、期間電気代(※)は約15,000円安くなっており、本体価格と電気代の合計金額が7年を境に逆転します。エアコン購入時には、省エネ性能に着目し、ランニングコストを意識してみるとよいでしょう。なお、本体の価格差があるもうひとつの理由が、搭載されている機能の数です。上位機種は、利便性の高い機能や快適に過ごすための機能が充実していますが、普及機種には搭載されない傾向にあります。上位機種は電気代が安く、快適で便利な機能が多いといえます。
※期間電気代とは、期間消費電力量「東京をモデル、冷房時27度/暖房時20度に設定。冷房期間(5月23日〜10月4日)と暖房期間(11月8日〜4月16日)、6:00〜24:00の18時間使用」に1kWhあたり27円(税込み)として電気代を算出したもの。
コストが気になる方は、年間のおおよその電気代から選ぶのもよいでしょう。なお、「年間の電気代」は、期間消費電力量から換算したもの。電力料金は目安として1kWhあたり27円(税込み)として算出しています。
年間電気代で選ぶ
エアコンの省エネ性能を示す基準として、多段階評価点があります。これは、法律で定められた基準で、省エネ性能の高さを段階的に示した指標です。2022年10月1日に省エネ性能の評価方法が改正され、現在は省エネ性能が高い方から順に「5〜1まで、0.1刻みの41段階」で表示されています。また、これまでは省エネ基準達成率に基づいて★の数が決められていましたが、改正後は、エネルギー消費効率(エアコンの場合はAPF)に基づいて算出された評価点に応じて、1つ星〜5つ星までの、半星を含めた★の数で表示。多段階評価点が5に近いもの(または、星の数が多いもの)ほど、省エネ性能が高い製品と言えます。
多段階評価点で選ぶ
「APF(Annual Performance Factor)」とは、1年間に必要な冷暖房能力を消費電力量で割って算出した「通年エネルギー消費効率」です。いわばエアコンの“燃費”を示したもので、この数値が大きいほど効率のよい省エネタイプのエアコンといえます。なお、APFは左記の計算式で算出できます。
APFの数値から選ぶ
使用頻度に応じた製品の選び分けをしよう!
リビングルームは面積が広いうえに、家族団らんで滞在する時間が長い場所です。エアコンを使用する機会も多いため、省エネ性能の高いモデルが向いています。また、「空気清浄」や「内部乾燥」、リビングにいる家族1人ひとりが快適に過ごせる「快適気流/気流制御」機能などを搭載した上位機種を選ぶとよいでしょう。それに対して、寝室や子供部屋は、エアコンの使用頻度が低く、部屋の面積も6〜8畳程度が中心といわれています。そのため、上位機種に搭載されている最新機能や各種センサーなどの付加機能を省いた手ごろな価格の普及機種が向いているといえます。
「空気清浄機能」や「センサー機能」「スマートフォン連携機能」など、エアコンにはさまざまな機能が搭載されています。各機能の中から、ライフスタイルに合った機能を備えた製品を選びましょう。
「空気清浄機能」には、ホコリや花粉を集じんする「空気清浄」のほか、細かなチリを集じんする「PM2.5対応」や、エアコン内部を清潔に保つ「除菌」、臭いを解消する「脱臭」など、空気をきれいに保つさまざまな機能があります。
ホコリや花粉を集じんする「空気清浄」機能
ホコリや花粉、カビ・細菌などの物質をフィルターや電気の力で集じんし、空気を浄化する機能。単体の空気清浄機と同程度の空気清浄力を備えたエアコンもあります。
細かいチリまで集じんする「PM2.5対応」
ホコリや花粉、カビ・細菌だけでなくPM2.5(2.5マイクロメートル以下の微小な粒子状の物質の総称)の集じんにも対応しているエアコンです。
エアコン内部や空気を清潔に保つ「除菌」機能
イオンの力で空気中に浮遊する菌やカビを抑制し、空気を清潔に保つことが期待できる機能です。方式は「プラズマクラスター」「ナノイー」「光速ストリーマ」など、さまざまです。
気になる臭いを解消する「脱臭」機能
タバコやペット、汗の臭いなど、空気中に漂う嫌な臭いを除去することができます。壁やカーテン、カーペットにしみついてしまった臭いを脱臭できるエアコンもあります。
「イオン機能」で除菌や脱臭も!
イオンは電子を帯びた原子です。空気中に放出したイオンが、菌・花粉などのアレル物質や、臭い分子と反応することで、除菌や脱臭効果が期待できます。
エアコン・クーラーはさまざまな方法で空調を行います。部屋全体に効率よく冷暖房の空気を行き渡らせる「気流制御」、湿度を下げる「除湿」、空気中の潤いを保つ「加湿」、窓を開けることなく換気をする「室内換気」など、多様な空調方法があります。
室内を快適にする「気流制御」
空気の流れを調整し、部屋全体に効率よく冷暖房の空気を行き渡らせる機能です。温度のムラをなくす「サーキュレーション気流」や、人感センサーと組み合わせて「暑い人を涼しく、寒い人を温かくする」機能など、制御方法や方式は各社さまざまです。
空気中の湿度を下げる「除湿」
空気中の湿度を下げる機能です。冷房と同様、冷たい空気が室内に流れる冷房(弱冷房)除湿と、空気を温め直して部屋に戻す再熱除湿などがあります。
「加湿」で室内を潤わせる
エアコンの運転をしながら、湿度を上げて空気中の潤いを保ち続けることができます。冬場の暖房でも、室内の空気を乾燥から防ぐことができます。
「室内換気」で空気をフレッシュに
タバコの煙やペットの臭い、ホコリ、チリなど気になる空気の汚れを、窓を開けることなく屋外へ排出し、屋内をきれいな空気で保つ機能です。
「再熱除湿」は冷えすぎ対策に最適
除湿の際に冷えた空気を温め直して部屋に戻すのが再熱除湿です。冷房除湿と異なり、温度を下げすぎずに湿度を下げることができます。
エアコンに採用されているセンサーには、人の位置を検知する「人感センサー」、体感温度を調整する「床温度センサー」、人が感じている暑さ・寒さを見きわめる「温冷感センサー」、日差しを検知する「日射センサー」などがあります。いずれも快適さを保ちながら省エネ運転をする際に役立ちます。
「人感センサー」なら消し忘れても大丈夫
「人感センサー」を搭載したエアコンは、人の位置や温度、家具の位置などを判断して風量や温度を調整。部屋に人がいる場合は運転し、いなくなると自動で停止する製品もあり、エアコンの消し忘れにも対応します。
体感温度を調整する「床温度センサー」
「床温度センサー」は、床や壁の温度を検知して自動で運転を切り替える機能です。体感温度が暑くなりすぎたり、寒くなりすぎたりしないように自動で調整してくれるため、非常に快適です。
人がいる場所を見分ける「人・ものセンサー」
「人・ものセンサー」は、人の動きと人そのもの、その動線などから割り出される家具の配置、人の生活エリアを把握するセンサーです。人がいる場所を見分け、賢い節電(省エネ)運転をしてくれます。
暑さや寒さを見きわめる「温冷感センサー」
「温冷感センサー」は、高解像度のサーモグラフィーを使用し、人の表面温度と周囲の温度を識別。温度差から人が発している放熱量を算出し、その人が暑いのか、寒いのかを見きわめます。
日射量を検出し、温度調節する「日射センサー」
「日射センサー」とは、日差しの強弱を検知するセンサーのこと。暖房時は日差しが強いとき、冷房時は日差しが弱いときに、自動でひかえめ運転にして、快適さを保ちながらムダを省きます。
近年のエアコンの進化として、お手入れ機能が大幅に向上している点が挙げられます。冷房や除湿運転時に発生した水で熱交換器の汚れを洗い流す「自動熱交換器洗浄」をはじめ、運転終了後に内部を乾燥させカビの発生を抑える「内部乾燥」や「フィルター自動お掃除」は多くの製品に採用されています。
自動熱交換器洗浄
熱交換器の表面の汚れを冷房や除湿運転時に発生した水で洗い流して屋外に排出したり、本体内部に送風することでカビの発生を抑制したりします。
内部乾燥
冷房や除湿運転すると、室内機内部でカビが発生しやすくなります。内部乾燥機能で、エアコン停止後に内部を乾燥させて、カビの発生を抑えることが期待できます。
フィルター自動お掃除
フィルターの清掃を自動で行い、清潔に保つことができる機能です。メンテナンスの手間を省きたい方に向いています。
エアコンの機能も日々進化しています。AIが最適な設定を学習する「AI自動運転」や、外出先からエアコンの電源オン/オフ、設定の変更などが行える「スマートフォン対応」、リモコンを使わず音声で操作できる「スマートスピーカー対応」など、使いこなすと便利な機能が多数登場しています。
最適な設定を学習する「AI自動運転」
「AI自動運転」とは、AIが外気温の変化や1人ひとりの体感温度などを先読みして、運転を自動でコントロールする機能のこと。人が暑い・寒いと感じる前に室温を調整したり、各家庭に合った最適な設定を学習したりするため、省エネにつながります。
「スマートフォン対応」で遠隔操作も可能
専用アプリをダウンロードしたスマートフォンやタブレットをリモコンとして使える機能です。外出先から電源のオン/オフや、室内・外気温の確認もできます。なお、別売部品の購入や、専門業者による工事・設定が必要になることもあります。
「音声ガイド」で運転状況を確認
設定した内容や運転状況を音声で知らせる機能です。リモコンのボタンを押すことで、現在の運転状況を音声で説明する機種もあります。
「スマートスピーカー対応」なら音声操作も可能
スマートスピーカー対応のエアコンも登場しています。家事で両手がふさがっているときや急いでいるときなど、リモコンを探さなくても声で電源のオン・オフ、設定温度の変更などを行えます。
設置する場所によって、エアコンに求められる性能や機能が変わってきます。ここでは、リビング、子供部屋、寝室のそれぞれに設置する場合に気をつけたいポイントを紹介します。
参考スペック
機能:人感センサー、フィルター自動お掃除、内部乾燥、空気清浄
省エネ評価:★★★★以上
省エネ性能を重視
三世代家族などの場合は、現役世代の親が共働きにせよ、祖父母は家にいることが多いため、エアコンの稼働時間は増えます。そのため、リビングに設置するエアコンは省エネ性能が高いものを選ぶとよいでしょう。さらに、「空気清浄」や「内部乾燥」機能、部屋の状況を判別し効率のよい運転を行う「人感センサー」などを備えた、ある程度ハイスペックな製品が適しています。
参考スペック
機能:内部乾燥、空気清浄、スマートフォン対応
省エネ評価:★★★以上
価格と性能のバランスがとれたモデルを
エアコンの稼働時間がそれほど長くない場合でも、ある程度の省エネ性能や空気清浄、内部乾燥機能を備えたモデルを選んだほうが安心です。たとえば、夫婦共働きで子供がいる家庭の場合、平日の日中はエアコンをほぼ稼働しなくても、それ以外の稼働時間は長くなります。また、スマートフォン対応機能があれば、子供が1人で留守番しているときに、運転状況を確認したり、室温などをチェックしたりできるので便利。ハイスペックモデルは必要ありませんが、価格と性能のバランスがとれたモデルを選ぶとよいでしょう。
参考スペック
機能:内部乾燥、空気清浄、除菌、脱臭、イオン機能
省エネ評価:★以上
参考スペック
機能:内部乾燥、空気清浄、加湿、除湿
省エネ評価:★★★以上
一晩中稼働させたい人は省エネ性能を重視!
一晩中、寝室でエアコンをつけたい人は省エネ性能の高いモデルを選びましょう。きれいな空気を保って眠りたい人は、空気清浄のような付加機能を備えたモデルを選ぶのがベスト。乾燥から喉を守るには加湿機能があると快適です。なお、除湿機能があれば、夏場でも布団を湿気から守ることができます。
エアコン・クーラーを買った後、自宅に届いて設置してもらうはずが、取り付けられなかった……というのは困りますよね。エアコン・クーラーを新たに購入する際は、室内機や室外機を置く場所、コンセントの形状という3点を確認しておくことが重要です。
天井まで7cm以上、左右は5cm以上、下は10cm程度のスペースが必要!
室内機を設置するには、天井まで7cm以上、左右は5cm以上、下はおおむね10cm程度のスペースが必要です。このスペースを確保したうえで、それに合ったサイズの製品を選ぶようにしましょう。
前方25cm以上、後方5cm以上、左右10cm以上(配管を受ける側は30cm以上)のスペースが必要!
室外機の設置では、前方25cm以上、後方5cm以上、左右10cm(配管を受ける側は30cm)以上のスペースが必要です。部屋の外にこのスペースがあるかどうか、事前に確認しましょう。
部屋のコンセントの形状を必ず確認
エアコン専用のコンセントは100V用(15A、20A)と200V用(15A・20A)など4種類あります。プラグの形状も異なるので、設置する部屋のコンセントの形状を必ず確認しておきましょう。
パナソニックのエアコンは、換気・加湿・有害物質抑制が期待できるなど、空気清浄機能に力を入れている点が特徴。代表的な「エオリア」シリーズは、独自の「ナノイーX」でカビや花粉などの汚染物質を抑制するほか、「フィルターお掃除ロボット」や無線LANを内蔵しスマホをリモコン代わりに使える機能なども搭載されています。
ダイキンのエアコンは、一年中換気をしながら快適な空気を届けるのが特徴。代表的な「うるさらX」シリーズは、暖房運転しながら、屋外の新鮮な空気を部屋に給気します。また、乾燥しやすい季節には「無給水加湿」により、屋外の水分を取り込み給水の手間なく加湿が可能。寝室や子供部屋向けの「うるさらmini」シリーズなどもラインアップされており、設置する部屋に適した機種を選べます。
三菱電機のエアコンの特徴は、AIが外気温の変化や1人ひとりの体感温度などを先読みして、運転を自動でコントロールする点。さらに、プレミアムシリーズの「霧ヶ峰FZ」「霧ヶ峰Z」は、菌やウイルスの抑制が期待できる「清潔Vフィルター」や「フィルターおそうじメカ」を採用し、清潔に使える工夫が施されています。
日立のエアコンは、熱交換器を凍らせて一気に溶かすことで汚れを洗い流す「凍結洗浄」が特徴。さらに、プレミアムシリーズ「白くまくんXシリーズ」とハイスペックシリーズ「白くまくんSシリーズ」は「くらしカメラ AI」を搭載。体感温度の変化を予測し、人が不快と感じる前に、暑さ寒さの感じ方に合わせて、1人ひとりの足もとの暖め方を自動でコントロールすることができます。
シャープのエアコンは「プラズマクラスター」での空気清浄性能が魅力。「プラズマクラスター」機能を単体で運転することもできるので、エアコンを使わない季節には空気清浄機としても活躍します。代表的な「Airest(エアレスト)」シリーズは、吸い込み口すべてを覆う集じん脱臭フィルターと熱交換器吹き付け方式により、カビの原因となるホコリと湿度の対策が強化されています。
東芝のエアコンは、「プラズマ空清」により、花粉やホコリ、目に見えないPM2.5レベルの粒子までしっかりとキャッチする空気清浄能力の高さが魅力。代表シリーズの「大清快シリーズ」は「無風感空調」が可能で、風を感じにくく、オールシーズンつけたままでも快適に過ごせるほか、「AI全自動運転」により暖房・冷房と風量を自動で切り替えてくれます。
三菱重工のエアコンは「おまかせセンサー気流」を採用し、部屋の温度が設定温度に近づくまで部屋全体の空気を調整、設定温度に近づくと人の動く量により自動で風向を調節します。エコ運転やオートオフが可能な「ビーバーエアコンSシリーズ」や、高さ250mmで狭いスペースにも設置できる「ビーバーエアコンRシリーズ」など、幅広いラインアップが揃っています。
家庭で使用するエアコン・クーラーは、部屋の壁に設置する一般的なタイプのほか、自分で設置できる窓用、スリムな室内機が特徴の床置き、天井埋込など、4タイプあります。ここでは各タイプの特徴を解説します。
雪が多く、冬場の外気温が非常に低い寒冷地でも快適に使えるよう対策が施された製品です。高い暖房能力や凍結防止用ヒーターを搭載しているほか、とくに大きな違いとなるのが室外機。表面積の大きい熱交換器を搭載し、普通のエアコンと比べると1〜2ランク上の定格出力を有する室外機が採用されています。
エアコンが1年間に消費する電力の目安です。
「期間消費電力量」とは、家庭用エアコンの規格に基づき、東京をモデルとした一定の条件のもとにエアコンが1年間に消費する電力の目安量で、単位はkWhで記載されています。この値が小さいほど、年間を通じた運転効率やエネルギーの消費効率がよくなります。「期間消費電力量」はエアコンの型式により数値が異なるので、気になる場合はカタログなどで確認するとよいでしょう。
暖房のほうが高くなる傾向にあります。
理由は、夏よりも冬のほうが外気温と室温の差が激しいからです。エアコンの設定温度を夏・冬とも25度にした場合、冬場の外気温が0度の場合では室温を25度上げなければなりませんが、夏場の外気温が35度の場合では室温を10度下げるだけです。エアコンは室内を設定温度にするまでの間に最も電力を消費するので、温度差が激しい冬場のほうが電気料金は高くなります。
同じ冷暖房能力の場合、消費電力は一般的に200Vタイプのほうが低くなります。
ただし、新たに200Vタイプのエアコンを設置する場合は、200Vに対応するための電源工事が必要になります。また、200Vタイプは100Vタイプよりも本体価格が高いこともあるため、総合的な判断が必要です。
ほかの家電製品と合わせて快適にエアコンを使用するなら、30A以上が理想です。
最近のエアコンは省エネ設計になっていますが、運転開始直後には大きな電流が流れることがあります。新たにエアコンを設置したり大型のエアコンに切り替えたりする場合、ブレーカーの容量が不足することがあるので、ほかの家電製品と合わせて快適にエアコンを使用するなら30A以上あると安心です。容量が不足する場合は、電力会社との契約を変更すれば対応できます。なお、電力会社との契約は1年単位が基本なので、主にエアコンを使う夏や冬だけ容量を変更することはできません。
設置時に別途料金を支払って処分してもらいます。
古いエアコンを新しいエアコンに交換する場合は、設置と同時に取り外しと処分を依頼するのが一般的です。取り外しや廃棄などに関わる費用は、標準取り付け工事代金に含まれていないため、別途、取り外し費用、エアコンリサイクル費用、運搬料が必要になります。金額は設置工事業者やエアコンメーカーによって異なりますが、取り外し費用は4,000〜6,000円程度(標準取り付け工事で取り付けられたもの)、リサイクル費用は900〜2,000円(メーカーや機種によって異なります)、運搬料は500〜4,000円程度となります。
理論上は可能ですが、あまりおすすめできません。
自分で設置してみたものの、ガス(冷媒)が漏れてしまったり、取り付け板の固定が不十分で室内機が落下してしまったりと、トラブルが発生する可能性があります。また、設置には真空ポンプやパイプカッターなどの専用機器が必要です。正しい知識と経験があり、専用機器もお持ちであれば別ですが、工事代金を節約したいという理由であればおすすめできません。
インバーターエアコン
「インバーター」とは、直流電力から交流電力を作り出す装置のことで、インバーターエアコンでは、エアコンの心臓部である「圧縮機(コンプレッサー)」のコントロールに「インバーター」を採用しています。素早く冷暖房を行うときはフルパワーで運転し、設定温度に近づくとパワーを抑えて運転するなど、圧縮機の回転数を制御できます。
エアパージ
エアコンの設置工事では、室内機と室外機をパイプでつなぎ、冷媒ガスを充填します。この際に何も対応しないと、配管の中に残った空気や湿気などの水分が冷媒ガスと混ざることになります。冷媒ガスに水分などが混ざるとエアコン本来の性能を発揮できない場合があるといわれており、「エアパージ」といわれる配管内の空気を抜き取る作業を行ってから、冷媒ガスを充填します。
ガスエアコン(ガス冷房)
通常のエアコンでは、電気モーターでエアコンの心臓部といえるコンプレッサー(圧縮機)を回転させますが、ガスエアコンは、ガスの燃焼エネルギーを動力にして(ガスエンジンを利用して)コンプレッサーを回転させます。かつては家庭用のガスエアコンもありましたが、導入費用が高いことや定期的なメンテナンスが必要なこともあり、現在では家庭用のものは見かけず、業務用中心の空調システムとなっています。
霜取り運転(デフロスト)
エアコンの暖房運転は室内機から暖かい風を出し、室外機から冷たい風が排出されます。この際、室外機の熱交換器はとても冷たくなっており、空気中の水蒸気が熱交換器に氷結して霜が発生してしまいます。熱交換器に霜が付着すると熱を取り込めなくなるので、熱交換器を暖めることによって霜を溶かす「霜取り運転機能」が装備されています。
真空引き
「真空引き」とは、真空ポンプを使って配管内の空気を抜くことです。真空引きを行い、配管内の水分(湿気)も除去することを「真空乾燥」といいます。この真空引きを行う際、エアコン本来の性能を発揮させるためには、真空計のメーターがゼロになってから、さらに15〜20分は真空ポンプを回した状態にすることを、メーカー側は推奨しています。
マルチエアコン
1台の室外機で複数台の室内機を使えるエアコンのことをいいます。複数の室外機を置くスペースが確保できない場合でも、「マルチエアコン」なら複数の室内機を設置できます。室内機は、壁掛けタイプと床置きタイプなど、インテリアや好みに応じて自由に選ぶことができます。