IHクッキングヒーター・IHコンロの選び方
IHクッキングヒーター・IHコンロの選び方ガイドでは、システムキッチンに組み込む「ビルトイン型」、コンロ台に置く「据え置き型」など各タイプの特徴を解説。さらに、油を一定の温度に保つことができる「揚げ物温度調整」や、沸騰後に火力を自動で制御する「自動湯沸かし」などの機能を紹介し、商品選びをサポートします。
2022/7/4 更新
目次
IHクッキングヒーター・IHコンロ(以下、IHヒーター)とは、磁力線の力により、鍋自体を発熱させる調理器具です。ガスコンロのように、火の消し忘れやガスの元栓の閉め忘れを心配することなく使えます。テーブルが熱くなることもないので、ヤケドを負う可能性が低く、安全性が高いという特徴があります(ただし、クイックラジエントヒーターの部分は除く)。テーブル面がフラットなのでお手入れがしやすいというメリットもあります。
IHヒーターのタイプは、システムキッチンに組み込むビルトイン型、コンロ台に置く据え置き型、そして鍋を食卓で温めるときなどに用いる、持ち運び自由な卓上型の3つに分かれます。リフォームなどの工事を伴わないかぎり、基本的に据え置き型をビルトイン型に交換することはできません。コンロ台があるご家庭では据え置き型を、システムキッチンのご家庭ではビルトイン型の製品を選ぶようにしましょう。
工事不要で、コンロ台の上に設置して利用できます。現在据え置き型のガステーブルをお使いの人や、できるだけ安く導入したい人はこちらのタイプがよいでしょう。なお、2口タイプが主流で、ビルトイン型に比べて機能が少ない傾向にあります。
IHヒーターは、調理に合わせた商品選びが重要です。本格的な調理を目的とする場合、ヒーター数や最大火力をポイントに選びましょう。
ヒーターの数が多ければ、その分複数の同時調理が可能になります。ビルトイン型は1〜4口、据え置き型は1〜3口、卓上型は1口というのが一般的です。用途に応じて必要な数を選びましょう。
ヒーター数で選ぶ
IHヒーターの電源は、仕様上、電源(電圧)、電気容量(電流)が定められています。電圧は、卓上型が全製品100Vで、ビルトイン型と据え置き型の多くが200Vとなります。200Vの製品を使う場合、環境によっては電圧切り換え工事が必要になるので、設置予定場所の電圧を事前に確認しておきましょう。
電源(電圧)で選ぶ
冷凍保存した食材を解凍の手間なしで凍ったまま焼き上げることができるモデルや、水入れ不要でグリル料理が行えるモデルなど、おいしく調理できる機能を搭載した製品をラインアップしています。吹きこぼれを防ぐ「鍋だし作りコース」機能を搭載した卓上タイプも人気です。
ビルトインタイプの「火加減マイスター」シリーズを展開しています。名前のとおり、火加減が難しい料理をオートで調理してくれます。そのほか、過熱水蒸気調理やノンフライ調理もできる点が魅力。また、とろ火から強火まで細かく設定できる、8段階火力調節可能な卓上タイプも人気です。
グリルの操作パネル部が上面にあり、メニューの選択や火力の設定をかがまずに行えるタイプが人気です。また、ノンフライ調理を手軽にできるモデルや、手づくりマカロンなどお菓子作りに適したモデルも人気です。
トッププレートの下に、電気ストーブなどで使われる発熱しやすいニクロム線を渦巻き状にして埋め込んだものです。調理器具自体を発熱させるIHヒーターと異なり、ヒーター部分が発熱することでトッププレートが熱せられて鍋を加熱できますが、ヤケドしないように注意が必要です。またIHヒーターと異なり、土鍋やガラス鍋など直火型の調理器具も使うことができます。
自動で加熱を止めるまでの時間を設定できる機能。ゆで卵や煮物料理に役立ちます。製品の中には、ヒーターごとにタイマー設定できるものもあります。
火力を調節し、油を一定の温度に保つことができる機能。内蔵されたセンサーが材料を投入した際の油温低下を検知し、温度を戻してくれます。
お湯が沸騰したのを検知したら、火力を自動でコントロールし保温状態になるので、吹きこぼれを防ぐことができます。
トッププレート幅は、天板の幅(コンロの耐熱ガラスで覆われている部分の幅)のこと。サイズは、45cm、60cm、75cmと3タイプあります。ビルトイン型の場合は60cmが標準で、それよりも広い75cmのものをワイドタイプと呼ぶこともあります。75cm幅の場合、28cmサイズのフライパンを使用したり、寸胴鍋を使ったりと、大きめのサイズの調理器具を並べて使用したい場合に向きます。なお、トッププレート幅が広くなると、まな板などを置く作業スペースは狭くなります。そのため、コンパクトタイプのシステムキッチンや、大きな調理器具を使用しない場合は、60cm幅の標準タイプを選ぶとよいでしょう。
トッププレート幅で選ぶ
魚を焼く際に受け皿に水を張ることなく調理可能なロースターです。蒸し焼きにならずカラッと仕上げられるほか、庫内のにおいを抑えられます。
左右のIHヒーターがどちらも高火力で使えるタイプです。多くのガスコンロのように壁側の火力を強くできないという制限がありません。ただし、左右のIHヒーターを同時に利用する場合、両方とも高火力にすることはできません。
子供のいたずらを防止するための機能。ロックしている間はすべてのヒーターのボタン操作ができません。
通常のIHヒーターと違い、鍋自体に磁性のないアルミ鍋や銅鍋も使うことができます。ただし、最大火力が制限されます。
通常のIHヒーターで対応していた鉄やステンレスにくわえて、銅やアルミ製の鍋が使えます。
ただし、オールメタル対応の製品で銅やアルミ製の鍋を高火力で使う場合、鉄やステンレスに比べて電流を熱エネルギーに変換する効率が悪くなるため、火力が低めになります。また、通常のIHヒーターでも、鍋底の一部が反りがあるものや、底の丸いもの、脚がついているものなどは使えないので注意してください。土鍋やセラミックス製鍋なども使用できません。土鍋やセラミックス製鍋の中には、IHヒーター対応を示すSGマークや、「IH」用と表示されたものもありますが、IHヒーターのメーカー各社は、「使えない」という立場です。土鍋で天板に傷をつけた場合や、土鍋を使ったためにIHヒーターが故障した場合にメーカーに対応してもらえない可能性があるので、注意しましょう。なお、加熱方式が異なるラジエントヒーターの部分であれば土鍋やセラミックス製鍋が使える場合もあります。使いたい方はよく確認しましょう。
国際的な基準を下回っているので安心です。
電磁波の国際的なガイドラインを下回っているので問題ありませんが、医療用ペースメーカーを使用している場合は、誤作動を招く恐れがあるため、かかりつけの専門医に相談する必要があります。