ミキサー・フードプロセッサーの選び方
「ミキサーとフードプロセッサーって何が違うの?」「フードプロセッサーでもスムージーをつくることはできる?」「ミキサーを選ぶときのポイントは何?」など、ミキサー、フードプロセッサーを選ぶ際に浮かぶ疑問を解決します。また、ハンドミキサー、ジューサー、スロージューサー、ミルなど、似ている調理家電との違いも解説。自分がつくりたいものに一番適している調理家電を選ぶためのポイントを紹介します。
2022/6/6 更新
目次
つくりたいものによって、適した調理家電は異なります。スムージー、離乳食、スープ・ポタージュ・ソース・ペースト、料理・スイーツの下ごしらえ、ジュース、粉末など、目的別に適した調理家電を、まずは以下の表で見てみましょう。
ミキサー | フード プロセッサー |
ハンド ミキサー |
ジューサー | スロー ジューサー |
ミル | |
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スムージー | ||||||
離乳食 | ||||||
スープなど | ||||||
下ごしらえ | ||||||
ジュース | ||||||
粉末 |
ワット数が高いほど、調理後の食材がなめらかに仕上がります。飲みやすいなめらかなスムージーをつくる場合などは、300W以上の製品を選ぶとよいでしょう。氷を使ったスムージーをつくる際は、氷に対応した製品かをチェック。また、食物繊維が多い食材を使う場合は、平刃ではなく、ギザギザの形をした波刃カッターを採用した製品を選ぶことで、繊維が残りにくくなります。
主要メーカーのミキサーを選ぶ
ミキサーが主に「食材を液状・ペースト状にする」ことに特化しているのに対して、フードプロセッサーは「食材の形をある程度残したままきざむ」ことに特化した調理家電です。ハンバーグ用のひき肉、コールスロー用のきざみ野菜など、下ごしらえをするのに向いています。
調理において使用頻度の高い「きざむ」機能と、「スライス・せん切り」機能の両方を搭載した製品を選ぶと便利です。また、スムージーやスープをつくれる製品も登場しています。ミキサーと同様、なめらかな仕上がりにしたい場合は、300W以上の製品を選ぶようにしましょう。
主要メーカーのフードプロセッサーを選ぶ
ボウルなどの容器に入れた食材を、液状やペースト状にできる調理家電です。一人分のスムージー、離乳食、スープ・ポタージュ・ソース・ペーストづくりに向いています。なお、最近はハンドブレンダーという名称が一般的になりつつあります。
食材をなめらかに仕上げたい場合は300W以上のものを選びましょう。また、ハンドミキサーは連続稼働時間が1〜3分である製品がほとんどです。使用後に待機時間(=製品を使用できない時間)が設けられているものも。スムーズに調理するために、連続稼働時間が長く、待機時間が短い製品を選ぶとよいでしょう。
主要メーカーのハンドミキサーを選ぶ
野菜や果物をカッターで切りきざんで食物繊維を取り除き、水分だけを抽出してジュースをつくる調理家電。ミキサーが食物繊維を含む食材ごと液状にするのに対し、ジューサーは水分だけをしぼり取ります。なお、食物繊維ごと液体にするタイプのジューサーも一部存在しています。
一般的に、果汁が多く柔らかい食材ならばジュースにすることができます。しかし、製品によっては、バナナなどの粘り気の強いもの、桃や柿などの果肉が多いものなど、使用できない食材も。そのため、ジュースにしたい食材が使えるかどうか、事前に確認しておくと安心です。また、ジューサーの動作音はスロージューサーに比べて大きくなりがち。早朝や深夜に使用する場合は、音が小さいものを選びましょう。
スロージューサーは、フローズンメニューに対応している製品がジューサーよりも多いです。シャーベットやジェラートもつくりたい場合は、フローズン対応製品を選びましょう。なお、ジューサーと同様、使用できない食材が製品によって異なるため、購入前に確認することをオススメします。
食材を粉砕して粉末状にする調理家電です。たとえば、にぼしをだしの粉に、お茶の葉を粉茶にすることが可能。粉末にできない食材が製品によって異なるため、購入前に必ず確認しましょう。なお、ミルとミキサーの機能を兼ね備えた「ミルミキサー」と呼ばれる製品も登場しています。
粉茶、粉だし、ふりかけ、スパイス、コーヒー粉など、製品によってつくれるものが異なるので、つくりたいもので選ぶとよいでしょう。また、ミルには食材を均一に粉末にしやすい電動式と、風味がそこなわれにくい手動式の製品があります。挽きムラのない粉末をつくりたい方には電動式が、本格的な風味を楽しみたい方には手動式が向いています。
いずれの調理家電にも共通することですが、製品を清潔に保つためにも、「洗いやすさ」はとても重要です。「刃が邪魔で洗いにくい」「洗いにくいから使いたくない」といったことにならないよう、購入前に洗いやすさをチェックしましょう。容器がついている製品ならば、刃を容器台から外して洗えるもの、容器内部に凹凸が少ないものが望ましいです。また、食洗器に対応している製品だと、より楽にお手入れすることができます。
動作中に怪我をしないよう、「正しくセットされていないと動かない」という製品がほとんどです。 ですが、小さなお子さんがいるご家庭でミキサーやフードプロセッサーを使うならば、さらに安全を考慮し、 「ふたが開いている状態では動かない」「ふたとハンドルの両方にロックがついている」製品を選ぶとより安心でしょう。
「MX」が代表的なシリーズ。パナソニック独自の「ブラックハードチタンコート ファイバーカッター」を搭載したモデルや、お手入れが簡単な「トライタン樹脂製タンブラー」を採用したモデルなどがラインアップされています。「MX-X701」には、家庭用冷蔵庫で製氷された氷を粉砕する機能が搭載されており、かき氷をつくることも可能。
なめらかなジュースやフローズンドリンクをつくれる波刃チタンカッターが搭載された「Pure Natura」が代表的なシリーズ。「Pure Natura TM856」は、一度に大量の食材を調理できる1000mlの容器を採用しており、ガラス製なので傷やにおいがつきにくいです。ミキサーボトルとボトル台が外せる洗いやすい構造であるのも魅力のひとつ。
ふたロックとハンドルロックを解除すると運転可能な状態になる「安全ダブルロック構造」を採用した「ヘルシーミックス」が代表的なシリーズ。「ヘルシーミックス BM-RF08」は、「Wフィンチタンコートカッター」を採用しており、スムージーやアイスクリーム、かき氷などを楽しめる点が特徴です。また、「クリーニングボタン」が搭載されており、手では洗いにくい刃の周りや、容器上部の油汚れなども洗浄してくれます。
入れすぎストッパーつきの、ガラス製容器を採用したフードプロセッサー「MK」が代表的なシリーズ。「MK-K81-W」は、粗くおろすことができる「鬼おろしカッター」を搭載しており、みぞれ鍋などで素材のシャキシャキ感を楽しむことができます。
業務用フードプロセッサーのメーカーであるクイジナート(Cuisinart)が製造する「DLC」が代表的なシリーズ。「DLC-192J」は、1台6役をこなすフードプロセッサーで、「切る・きざむ」「こねる・まぜる」「薄切り」「細切り(1.5mmと3mmの2種類)」「おろし」の機能が搭載されています。
代表的なシリーズ「Pure Natura」では、コンパクトサイズのモデルや、すべての付属品を本体に収納できる「オールインワン収納」ができるモデルをラインアップ。「Pure Natura TK441」は、「両面おろし刃」を搭載し、150gの大根を約30秒でおろすことができます。また、「水切り・パッキン付きフタ」により、ボトルを傾けるだけで調理後の水切りも可能。
硬い食材も瞬時に切り混ぜるモデルや、握る力を変えるだけでスピードを調整できるモデルをラインアップした「マルチクイック」が代表的なシリーズ。「マルチクイック7 MQ778」は、「つぶす」「混ぜる」「きざむ」「泡立てる」「挽く」「スライス」「せん切り」「こねる」をこなせる1台8役のハンドブレンダーです。アタッチメントを使用すれば、挽きたてのコーヒー豆、スパイス、ふりかけ、粉だしをつくることが可能。
多機能なアタッチメントを同梱したモデルや、思い通りのスピードに調節できる機能を搭載したモデルがラインアップされています。「HB-502WJ」のブレンダー使用時の重さは560gと軽く、毎日使いたくなる取り回しのよさが特徴。アタッチメントを使って生クリームや卵白を泡立てたり、みじん切りなどの下ごしらえをしたりすることができます。
カッターで食材を細かく切りきざむ機能です。多くのミキサー、フードプロセッサーに標準搭載されています。
「きざむ」機能搭載製品をタイプ別に探す
つぶす機能があるとマッシュポテトなどを、おろす機能があると大根おろしなどをつくることができます。
「つぶす・おろす」機能搭載製品をタイプ別に探す
食材を薄くカット、もしくは細く切る機能です。野菜チップスやサラダ用の細切りに使われます。
「スライス・せん切り」機能搭載製品をタイプ別に探す
小麦粉からパンやピザ、麺類用の生地などをつくることができます。何用の生地がつくれるかは、製品ごとに異なります。
「こねる」機能搭載製品をタイプ別に探す
野菜や果物をきざんで(もしくはしぼって)、食物繊維を取り除くことで、飲みやすいジュースをつくる機能です。
「ジューサー」機能搭載製品をタイプ別に探す
泡立て器のアタッチメントで、生クリームやメレンゲなどをつくることができます。
「泡立てる」機能搭載製品をタイプ別に探す
※画像はすべてイメージです
調理前のかさのある食材が入るよう、多めの容量で選ぶ
調理前の食材はかさがあるため、そのかさのある食材が入るよう、つくりたい量よりも多い容量が入る容器を選ぶ必要があります。たとえば、500ml程度の一人分のスムージーやポタージュをつくるなら、食材の種類、食材と水の割合にもよりますが、容器の容量は800ml〜1L程度を目安にするとよいでしょう。なお、ニンニクなどのにおいの強い食材を使う場合は、ガラス製の容器が採用された製品を選ぶと、においがつきにくく便利です。
容量で選ぶ
回転数が低いほど、栄養素が壊れにくい
回転数が高い製品の場合、回転する際の摩擦熱によって栄養・酵素が壊れてしまいがち。回転数が低いとその分摩擦熱が発生しにくいため、栄養素も壊れにくいです。一般的に、5000〜10000前後の回転数が低速とされており、栄養素をなるべく壊さずに摂取したい方はこの回転数を目安に製品を選ぶとよいでしょう。ただし、そもそも低速回転でジュースをつくることを前提としているスロージューサーは、ほとんどの製品の回転数が100以下となっています。
回転数で選ぶ
なめらかな仕上がりにするためには消費電力が300W以上のものを選ぶ
前述の通り、消費電力が300W以上だと食材の仕上がりがなめらかになります。特になめらかにするとおいしく仕上がるスムージーやスープ、ポタージュやペーストをつくる際は、300W以上のものを選びましょう。
消費電力で選ぶ
硬いもの、粘り気のあるものなど、かけてはいけない食材は製品ごとに異なります。
一般的に、硬い穀物類、粘り気の強いとろろ芋やジャムなどがNGとされています。故障の原因となるため、かけてはいけない食材は必ず確認しましょう。
呼び名が違うだけで、同じものを指します。
ミキサーが日本独特の呼び名で、世界的にはブレンダーと呼ばれています。
ボトルブレンダー
ペットボトルサイズの小さな容器に食材を入れ、スムージーなどをつくれる製品です。ブレードを外してそのままスムージーを飲むことができます。
ミルミキサー
ミルとミキサーの、両方の機能を兼ね備えた製品です。