ハイレゾへの誘いUnique Melody MEST

イヤホン・ヘッドホン 2021/5/14
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ハイレゾへの誘いUnique Melody MEST

オーディオ製品の音を説明するのは難しい。しかし、明確な特徴のある製品なら別だ。Unique Melodyの「MEST UNM-8480」は、4種の駆動方式を搭載するという常識破りのアプローチで高音質に挑んだ、驚きと感動に満ちた1台だ。正直、よく作ったなと感心するレベル。

4種の駆動方式を混載した異色機

駆動方式(ドライバー)とは、音を出す機構(振動板、ダイヤフラムとも)のこと。イヤホンやヘッドホン、スピーカーなどに搭載されていて、音源を音=空気の振動として出力する重要なパーツです。イヤホンにおいては主に4種類の駆動方式が存在します。

ダイナミック型:一般的な駆動方式で半径が大きいほど低音や臨場感に優れる。
バランスド・アーマチュア型:コンパクトさとクリアな音質が特徴。複数搭載するイヤホンも多い。「BA」などとも表示。
静電型:ハイエンドのヘッドホンなどで採用される方式。高域に強くアコースティック表現に優れている。
骨伝導型:骨伝導により音を伝える方式。補聴器などでの使用が一般的だったが、近年はリスニング向けの製品も。

いきなり専門的な言葉を並べてしまいましたが、重要なことは、今回取り上げるUnique MelodyのMEST UNM-8480(以下MEST)が、上記のすべてを採用しているという点です。僕はこの仕様を聞いたとき「うっそだろ!?」とたまげました。ダイナミックとバランスド・アーマチュアのハイブリッドは珍しくありませんが、4種類もの駆動方式をミックスさせたイヤホンは少なくとも僕は本機しか知りません。名前のとおり、本当にユニークな仕様!

MESTは、低域をダイナミック型に、中〜高域をバランスド・アーマチュア型に、超高域を静電型にと、ドライバーごとで鳴らす音域を分担させています。骨伝導型はこれらの音を調和させる役割。すごくユニークだけど、思えば低域に特化したサブウーハーという考え方は一般的だし、音域ごとにエキスパートを用意するのって、言うなればクラシックの重奏のような構成で、実は自然なことなのかも? ただ、それをイヤホンという小さな機器に詰め込むのはやはり尋常じゃないですよね。

ちなみに、中身だけでなく外装も豪華。剛性に富んだカーボンシェルはいい響きを生み出してくれそうだし、ユニバーサルIEM(注:IEMとはインイヤーモニターの略。ミュージシャンがパフォーマンス中に音響をチェックするためなどに開発された。ユニバーサルIEMはIEMでもより一般的なタイプ)ならではのフィット感はまるで耳に吸い付くかのよう。素材やフィット感が変わると音も違ってきますからね。さすが、高級機らしい仕上がり。

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未体験のサウンドと、芳純な高音域

さて、肝腎のサウンドですが……。初めて聴いたときは慣れない鳴り方に違和感を覚えました。耳の中でアンサンブル(しかも3重奏+それらをまとめる指揮者的な骨伝導ドライバー)するイヤホンなんて、人生初ですからね……!

とはいえ、1曲ほど聴けばすぐに慣れて、その良さも見えてきました。このイヤホンは、ハイレゾにぶっ刺さる。

スペックシートを見てみても周波数特性は20Hz〜55kHzと、一般的なイヤホンよりも超高域に強いのがわかります。超高域といえば、ハイレゾ。ハイハットやギターのカッティング、女性ボーカルの息遣いなどの描写にはゾクっとしましたね。これは可聴域を超える音域をも再生する、繊細すぎる超高域表現がもたらす世界なのか……。今までにない、芳純にして繊細なサウンドを十分に堪能できました。

ちなみに過去のインプレッションで、本機とポジションが近いハイエンドなイヤホンqdc「Dmagic3D QDC-8503(以下Dmagic3D)」について記事を書いたことがあります。あえて差別化するならDmagic3Dは「万人に向けた秀才」であるのに対して、MESTは「ハイレゾやアコースティック表現のエキスパート」だと感じました。かたや万能、かたや特化。同じハイエンドイヤホンでも性格は異なりますね。無論、「特化型=それ以外が苦手」なんてことはありません。安心してください。

ハイレゾハイレゾといっていますが、ではそれ以外ではMESTの実力は発揮できないかといえば、そんなことはなし。まずクリアさが圧倒的に違います。音の粒という粒がしっかり感じられて、聞き慣れた音源が何段階もリッチに感じられます。実際に同じ楽曲をmp3とハイレゾで比較試聴すると、もちろんハイレゾのほうがゾクゾク感が違うものの、mp3の方もクリアさでは負けていません。低域の迫力はやや物足りなく感じましたが、イコライザーでグイっと持ち上げることで対応できました。

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DAPとの組み合わせやリケーブルも楽しみたい

上で「ハイレゾ以外も優秀」と書きましたが、できることならMESTはハイレゾを鳴らしてほしい。となると、ハイレゾを再生できる音楽プレーヤーが欲しくなるもの。これほどのポテンシャルをもつ本機の魅力に心動かされたなら、ハイレゾ再生対応のデジタルオーディオプレーヤー(DAP)の導入もオススメしたい。え、すでに持ってる? ならば重畳!

もうひとつ、デフォルトではアンバランス接続のケーブルが付属していますが、本機はCustom 2pin端子のため、リケーブル(注:ケーブルを別のものと交換すること)が可能。よりノイズに強いバランス接続のケーブルにしてやれば、ただでさえ繊細な高域表現にさらなる磨きがかかることでしょう。低音を太くする目的のリケーブルもありますし、そのあたりのカスタムも楽しめる印象です。

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最高のハイレゾを、最高のイヤホンで

音質、造形、フィット感など、イヤホンとしての基礎的なポテンシャルは非常に高水準。加えて、異彩を放つ4種類の駆動方式搭載により、唯一無二のサウンドを生み出しています。やはりハイレゾ音源を鳴らしたときにその魅力が強く感じられるため、ハイレゾをハイレゾとしてしゃぶり尽くせるイヤホンと評したいですね。

ハイレゾ音源のポテンシャルを発揮するためには、試聴する機器の性能も重要になってきます。そこいくとMESTは、ハイレゾが得意とする高音域の表現はもちろん、ダイナミックやBAドライバーが高音域以外の部分もしっかりカバー。高音どんとこい、高音じゃない音源もどんとこい。

隠しえない個性が光るイヤホンですが、このイヤホンでしか、このハイブリッドドライバーでしか表現できない世界が、確実にあります。人を選ぶ1台、それだけにハマったときの衝撃は、聴いた人の世界を一変させるポテンシャルがありますよ。価格.com

文:ヤマダユウス型 写真:文田信基(fort)

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Unique Melody MEST

ドライバー: クワッドハイブリッド型
ドライバー構成: 8ドライバー 5ウェイ(Low"dynamic" x 1, Mid/High x 2, High x2,Super High"静電型" x 2, 骨伝導ドライバー x 1)
周波数特性: 20Hz - 55kHz
入力感度: 116dB SPL/mW
インピーダンス: 16Ω
イヤホン端子: Custom 2pin 端子
入力端子: 3.5mmミニ端子
ケーブル長: 約122cm
付属品: Dignis 製オリジナルレザーケース、イヤホンケーブル、クリーニングツール、UMオリジナル・シリコンイヤーチップ

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