ホットカーペットの選び方
冷たい空気は下にたまりやすいため、エアコンやヒーターなどを稼動させても、足元だけ寒いということもしばしば。そんなとき、補助的な暖房器具として活躍するのがホットカーペットです。製品タイプや便利な機能、衛生的に使うための機能など、ホットカーペット選びに必要な基礎知識をご紹介します!
2022/6/6 更新
目次
ホットカーペットは、内側にある配線を電気によって発熱させ、カーペットそのものを温める暖房器具です。部屋の空気全体を暖めることはできませんが、エアコンやストーブでは届きづらい足元を温められるため、床冷え対策に効果的です。
エアコンによる空気の乾燥や石油ファンヒーターの石油臭など、部屋は暖まるものの気になることが多々あります。その点、ホットカーペットなら、心配がいりません。また、火を使わないので、小さな子供やペットがいる家庭でも安心して使用できます。
ホットカーペットに体が触れていなければ温かさを感じることができないため、エアコンやファンヒーターなど、ほかの暖房器具と併せて使用するとより効果的です。上手に併用すれば、寒い時期の電気代を節約することもできます。
ホットカーペットは、面積に比例して消費電力が増え、結果的に電気代が高くなるため、配置スペースに合わせて必要なサイズを選びましょう。リビングの広範囲で使うなら3畳以上、ソファの足元を温めるなら2畳、1人暮らしでの使用やテーブルの下に敷くなら1畳のものを選ぶとよいでしょう。
座ったり横になったりしてくつろぎたい人にはじゅうたんタイプが適しています。部屋の雰囲気に合わせてカバーを選ぶこともできます。木目調のフローリングタイプは汚れに強く、掃除や手入れが簡単で、ダイニングでの使用にも向いています。
ホットカーペットのサイズは、子供が遊ぶスペースに合わせて選びましょう。長方形だけでなく、正方形や円形のラグタイプもあります。安全性の高いホットカーペットですが、長時間直接触れることで低温やけどをする恐れがあるため、本体の上にカバーを敷いて使用しましょう。
畳数から選ぶ
形状で選ぶ
勉強机やパソコンデスク、書斎で使用するなら、椅子の座面や1人分の足元をピンポイントで温めることができるマット状の小型タイプ「ホットマット」が適しています。小さいため機能は多くありませんが、その分電気代を抑えることができます。
底冷えするキッチンではホットマットを使用するとよいでしょう。特に、防水・撥水機能を備えたフローリングタイプは、水や汚れに強く手入れも簡単です。
ホットカーペットには、発熱ユニット単体製品や、本体にカーペットやラグのようなカバーが付いたセットを含む「じゅうたんタイプ」、木目調で毛足がない「フローリングタイプ」、1人用の暖房に最適な「ホットマット」などさまざまなタイプがあります。
電源・温度調節パーツとマットからなる発熱ユニット単体(本体のみ)のタイプで、リーズナブルな価格が魅力です。使用する際には低温やけどを防ぐため、カーペットやラグ状のカバーを上に敷いてください。本体の性能を存分に生かすために「ホットカーペット対応」という表示が付いたカバーを選びましょう。
デザインも肌触りもさまざま! カバー選びのポイント
カバーは部屋の雰囲気に合わせて好みのものを選びましょう。絵柄や模様などのデザインはもちろんですが、肌触りの異なるさまざまな素材に着目してみるのもよいでしょう。
フランネル
柔らかい起毛素材で、保温性にすぐれる。
パイル
柔らかくさらっとした手触り。カービングボア/毛の長いアクリルのような生地。
マイヤー編み
タオル毛布のような多層編み。
モケット
摩擦に強くハイグレードなじゅうたんによくある仕様。模様は立体的に編まれている。
ホットカーペットは、面積が大きいほど消費電力が増え、電気代が高くなります。メーカーや製品によって違いはありますが、1時間あたりの消費電力量の目安は、下記表のとおりです。使用する部屋の大きさや人数に合わせて適切なサイズを選びましょう。
畳数(m²) | 電気代(1時間あたりの目安) |
---|---|
1畳(約1.65m²) | 4.4円 |
2畳(約3.31m²) | 9円 |
3畳(約4.96m²) | 14円 |
4畳(約6.62m²) | 16円 |
※公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会「新電力料金目安単価」を参考に、1kWhあたりの電気料金を27円(税込み)として計算しています。
必要な面だけを温めて無駄なく省エネできる機能です。家族で団らんしている時間は全面を温めて、人が少ないときは半面だけを温めるなど、上手に活用しましょう。2/3面や1/3面など、より細かく切り換えられるタイプもあります。
エアコンやヒーターなど、ほかの暖房器具を併用する場合は、ホットカーペットの出力を切り替えられる製品が便利です。室温に合わせて出力を切り替えることで、部屋を暖めすぎてしまうのを防ぐことができます。
ホットカーペットは運転音がしないため、電源の切り忘れが多い家電製品です。一定の時間で電源が切れる「切り忘れ防止機能」や設定した時間で電源が切れる「オフタイマー機能」が備わっていると便利です。
「室温センサー」を内蔵した高性能な製品もあります。室温が一定の温度まで上がると自動で省エネモードに切り替わるため、より経済的で、かつ非常に便利です。
菌の繁殖を抑える加工が施されています。小さいお子さんやペットがいる家庭では、安全を考慮して、抗菌対策の有無をチェックしておくとよいでしょう。
カーペットの表面を加熱して高温にすることで、ダニを掃除機で駆除しやすくする機能です。毛足が長いタイプは、この機能が搭載されているかどうかを確認しておきましょう。
ホットカーペットに液体をこぼしても内部のヒーター部に浸透しないように加工されているタイプです。汚れてもサッと拭くだけできれいになります。
本体+カバータイプは、カバーだけ丸洗いできる製品が多いので、汚れを気にせずに使えます。
使用しない時期のことも考えて、収納性にも注目しましょう。じゅうたんタイプはコンパクトに折り畳める製品が多く、収納場所に困りません。フローリングタイプは折り畳むことができず、丸めて収納するケースが多いようです。また、あまりに重いと収納するときに大変なので、購入前に重さをチェックしておくとよいでしょう。
カーペットカバーのデザインが豊富で、インテリア性を重視した電気カーペットや、フローリングタイプの「かんたん床暖」シリーズをラインアップ。室内センサーや切り忘れ防止機能、暖面切り換え機能など、省エネ機能が充実しています。
電気暖房器具に特化したメーカー。椅子の座面や足元に最適なワイドタイプや、体の芯から温まる遠赤外線効果が得られる「遠赤カーボン省エネカーペット」、パーソナル暖房「らく寝ぼう」など、多彩な商品展開が魅力です。
熱に弱い床材の場合、変形や変色の恐れがあるので注意が必要です。
塩化ビニール製のクッションフロアなど熱に弱い床材の場合、変形や変色の恐れがあります。上位機種では下面に熱が逃げにくい高断熱構造を採用しているものもありますが、念のため、断熱効果のあるフローリングシートなどを間に敷いて使用するのが安心です。
熱がこもってカーペットの温度が異常に高温になってしまう恐れがあります。
保温性が高い布団をホットカーペットの上に敷くと、熱がこもってカーペットが異常に高温になってしまうことがあります。就寝中に熱中症にかかったり、低温やけどを負ったりする可能性があるほか、カーペット自体の故障の原因になることも。ホットカーペットの上に布団を敷いて寝るのは避けたほうがよいでしょう。
オフタイマー
電源の切り忘れを防ぐのに役立つ機能。2〜6時間の間で自動的に電源をオフにしてくれるため、万が一切り忘れて外出しても安心です。主要モデルを中心に、最新製品ではほとんど搭載されています。
高断熱構造
ホットカーペットは面積が広いため、熱が表面から逃げやすいという弱点があります。そのため、各メーカーは熱が逃げにくい「高断熱構造」を採用しています。フェルトを用いたり、複層構造にしたりして床面への放熱を抑えることで暖房効率の向上や、消費電力の抑制を図っています。
省エネモード
室温センサーによって、設定温度や室温に応じて表面温度を下げることができます。エアコンやヒーターなどと併用するときや、春先や秋口などの室温が高めの時期に使用するのが推奨されています。大手メーカーの上位機種を中心に搭載が進んでいます。
暖房面切り換え
ホットカーペットを温める面積を全面のほか、半面、2/3面、1/3面など使うところだけに切り換えられる機能です。2〜3畳モデルを中心に搭載されています。