プリメインアンプの選び方
プリメインアンプとは、CDプレーヤーなどの音声再生機をつなぎ、音量調整と増幅を行うアンプのこと。ここに好きなスピーカーをつなげば、音楽を楽しめます。プリメインアンプには数万円の普及機から数十万円以上の高級機までさまざまな製品が存在します。そのなかから、最適なプリメインアンプ選びができるように必要な基礎知識やスペックについて詳しく解説します。
2026/6/30 更新
目次

プリメインアンプとは、主に音量の調整と入力切替をするプリアンプと、その信号を増幅してスピーカーに送るメイン(パワー)アンプが一体になったアンプのこと。CDプレーヤーやアナログレコードプレーヤー、ネットワークオーディオプレーヤーなどを接続して使います。AVアンプとの違いは、ステレオ(2ch)音声信号の処理に特化しているかどうか。AVアンプは5.1chなどのサラウンド音声と映像信号を入力できる製品のことを指します。
アナログレコードを楽しむには、微弱な音声信号を増幅できるフォノイコライザーが必要です。アナログレコードプレーヤーにはフォノイコライザーを内蔵しているものもありますが、よりよい音質を期待するならば、フォノイコライザーを単独で用意するか、フォノイコライザーを内蔵したアンプを用意するとよいでしょう。製品によって、「Phono」「PHONO」「フォノ」など表記はさまざま。プレーヤーのカートリッジ方式によって、「MM(Moving Magnet)型」対応品と「MC(Moving Coil)型」対応品などに分かれています。
アナログレコードプレーヤーやCDプレーヤーとつなぎ、スピーカーを鳴らすのがプリメインアンプの役目。かつてはアナログ音声信号だけを扱っていましたが、近年はデジタル音声信号処理に対応する製品もあります。製品を選ぶ際には、自分が求める機能が搭載されているかをしっかりと確認しましょう。
プリメインアンプのトーンコントロールとは、音量や楽曲、環境に合わせて特定帯域の音量を調整する機能のこと。BASS(低音用)とTREBLE(高音用)など、2つ以上の帯域に分かれているのが一般的です。このコントロールはアナログ処理で行われるものもあれば、デジタル処理で行われるものもあります。
デジタル音声信号をアナログ音声信号に変換する機能。DAC(Digital to Analog Converter)を搭載していれば、アナログだけでなく、デジタル音声信号も入力できます。どのような端子があるかは製品次第。AVアンプにあるような光デジタル、同軸デジタルなどの端子のほか、USB端子を装備している場合もあります。
USBは、元々PC周辺機器を接続するための端子です。プリメインアンプが装備するUSB端子は、Type-A、Type-B/Type-Cなど。Type-A端子ではUSBフラッシュメモリーなどから直接音楽ファイルを再生できます。いっぽう、Type-B/Type-C端子はPCと接続するためのもの。PCの音声出力先をプリメインアンプにできます。この機能ならば音楽再生だけでなく、たとえばYouTubeで再生する音もプリメインアンプで楽しめます。
ハイレゾとは、ハイレゾリューション(高解像度)の略。 「ハイレゾ音源」とは、CDに収録されるデジタルデータを基準としてそれよりも高解像度音源のことです。具体的にはCDのデータ44.1kHz/16bitよりも高解像度な96kHz/24bit音源などがこれにあたります。DACを搭載したプリメインアンプには、ハイレゾに対応した製品もあります。ただし、どのような端子を持っているかによってその使い方は大きく異なります。ハイレゾ対応のプリメインアンプを探すならば、デジタル音声入力端子が同軸デジタルなのか、USB Type-Aなのか、USB Type-Bなのか、しっかり確認しましょう。
価格.comでは、スピーカー端子を2組搭載しているプリメインアンプをバイワイヤリング対応製品として登録しています。多くのバイワイヤリング対応製品では、端子のペアが「A」と「B」グループに分かれていて、「A」につないだスピーカーと「B」につないだスピーカーを切り替えながら使えるというわけです。接続するスピーカーの端子が高域ユニット用と低域ユニット用に分かれていれば、それぞれ個別に接続して同時駆動することも可能。本来はこれを「バイワイヤリング接続」と言います。
プリメインアンプが扱う信号はデジタルにも広がり、信号の伝送方法にも変化が訪れています。デジタル音声信号の伝送には、無線/有線接続を問わず、何らかのネットワーク機能を使うことが増えているのです。
現代では当たり前になった近距離の無線通信規格です。Bluetoothに対応していればスマートフォンやタブレット、PCなどとワイヤレスで接続し、プリメインアンプを通して音楽再生が可能です。ただし、規格の都合上、音質には期待できません。
無線LAN規格のひとつです。Wi-Fi対応機器ならメーカーに関係なく家庭内のネットワーク(LAN)に接続できます。最新のプリメインアンプはSpotifyやAmazon Musicなどの音楽ストリーミングサービスに対応しているモデルもあります。そうしたネットワークサービスを利用する場合に便利な機能です。
iPhone、iPadなどで再生しているコンテンツを家庭内のネットワークを経由してほかの機器でストリーミング再生する機能です。対応機器であれば、iPhone、iPadなどに収録された音楽をプリメインアンプでも楽しめます。
デノンは、日本では株式会社ディーアンドエムホールディングスが運営している老舗オーディオブランド。特に安価なプリメインアンプには定評があり、エントリーモデルの選択として長年愛されています。オーディオとしてのアナログな作り込みにこだわるいっぽうで、最新モデルは基本的にデジタル音声入力に対応(DACを搭載)しています。音質だけでなく、現代的な使い方に配慮された構成だと言えるでしょう。
デノン/マランツに次ぐ充実度を誇るプリメインアンプメーカーがヤマハ。楽器はもとより、オーディオメーカーとしても広く知られた存在です。定番的な安価な製品にDAC搭載していることはデノンの同様。さらにヤマハはSpotifyなどで音楽ストリーミングも可能な「レシーバー」の展開にも積極的。AVアンプで培われた自動音場補正(環境に合わせた音質の最適化)機能を持っているものもあります。
1953年にアメリカで設立されたオーディオブランド。現在、デノンとマランツは同一会社が展開する姉妹ブランドにあたり、両ブランドの研究施設は日本国内にあります。やはりオーディオ的な作り込みのよさが魅力ですが、デノンとは一味違った薄型モデルなどが人気。特にHDMI端子を搭載したモデルがその使いやすさで支持されています。
プリメインアンプにつなぐ再生機は、アナログレコードプレーヤーからCDプレーヤー、PCなど実にさまざま。各再生機に適した入力端子を持っているかどうかチェックしましょう。
CDプレーヤーなどに搭載される最も一般的な音声出力を受ける端子です。赤白のペアになっていることが多く、RCA端子やピンジャックとも呼ばれます。
CDプレーヤーなどの音声をデジタル信号で伝送するための端子。ケーブルに光ファイバーを使っているため、この名前で呼ばれています。
コアキシャルとも呼ばれる端子で、音声をデジタル信号で伝送する端子です。アナログ音声伝送のための端子と同じ形状のRCA端子(ピンジャック)を用いています。
プリメインアンプから音声信号を出力する機会は少ないはずですが、特定の目的で必要になる場合があります。録音のための音声出力、外部パワーアンプを使うための音声出力など、目的に合った端子があるかどうか、チェックしましょう。
プリメインアンプのアナログ音声出力は、カセットデッキなどへアナログ音声を入力し、録音をするために設けられていました。そのため、カセットデッキがあまり使われなくなった今でも「TAPE OUT(テープアウト)」などと表記されることがあります。カセットデッキを使わないとしても、プリメインアンプ経由での録音をしたい場合に有用な端子です。
プリアンプを経由したアナログ音声信号を出力するための端子です。プリメインアンプに搭載されたパワーアンプではなく、あえて外部のパワーアンプを組み合わせたい場合などにこの端子を使います。
ヘッドホンを接続するための専用端子です。高級機種では、専用に設計されたヘッドホンアンプが内蔵されているものもあります。
重量だけで良し悪しは判断できません。
オーディオ製品の重量がありがたがられるのは、本体の剛性を高めようとすると重量が増えがちであること、出力に余裕のある電源を搭載するとやはり重量が増えがちであることに由来していると考えられます。これらは音質に資する可能性がある要素ですが、それだけがよい音を決定づける要因ではありません。
どの増幅形式がよいとは一概に言えるものではありません。
アンプの増幅形式について、「A級」「B級」「AB級」「D級」という区分を聞いたことがあるかもしれません。一般的に「アナログアンプ」と呼ばれるのは「A級」「B級「AB級」です。なかでも「A級」は歪みが少なく音質にすぐれる半面、発熱と消費電力が大きくなります。「AB級」は音質と効率のバランスをとった主流な形式と言えます。
いっぽう、「デジタルアンプ」と呼ばれるのは主に「D級」増幅のこと。主流のPWM方式は音声信号をスイッチング処理で増幅するため非常に電力効率が高く、小型で発熱が少ないのが特徴です(※信号処理自体はアナログですが、スイッチング動作がデジタル的なため「デジタルアンプ」と通称されることがあります)。
「D級」アンプをすべて「デジタルアンプ」と呼ぶのが適当かどうかはともかく、近年の「D級」アンプは技術進歩により音質が飛躍的に向上し、高級オーディオ機器にも数多く採用されています。プリメインアンプの音のよさは「アナログかデジタルか」という形式だけで決まるわけではないと考えたほうがよいでしょう。
メインイン(MAIN IN)
「MAIN IN」は、メインアンプに直接アナログ信号を入力できる端子です。メインアンプ機能がない単品のプリアンプの出力を入力する時に使います。ただし、すべてのプリメインアンプにあるとは限りません。
AUX端子
"オックス端子"や"エーユーエックス端子"と呼ばれています。CDプレーヤー、テープデッキ、iPodなどさまざまな外部機器をアナログで接続できる端子です。
NAS
NASとはNetwork Attached Storageの略で、ネットワークを通じてアクセスできる外部記憶装置(ストレージ)のこと。動画や音楽などのデータの保存先として利用されます。ネットワーク対応アンプでは、ネットワークに接続したNASに収録されているコンテンツをオーディオシステムで再生できます。
XLRバランス入出力
キャノンコネクターとも呼ばれる接続用端子で、ケーブルの延長がしやすい、ロック機構があって抜けにくいなどの理由から業務用のAV機器でよく使われています。一部の家庭用オーディオ機器でも採用されています。