アイロンの選び方
アイロンは、衣類のシワをきれいにのばせる身だしなみ家電。アイロン台を使ってプレスする従来のタイプに加え、ハンガーにかけたままで使える衣類スチーマーも人気です。ここでは、アイロンのタイプや性能の違いを詳しく解説します。それぞれの特徴をしっかりと理解して、目的に合った製品を選びましょう。
2022/6/13 更新
目次
アイロンは、大きく2つのタイプに分けられます。タイプによってシワののばし方に違いがあり、得意なアイテムも異なるため、使い方に合わせて選ぶことが大切です。
アイロン台の上に衣類を広げて、上からプレスするタイプのアイロンです。熱と圧力に加え、スチームの水分によってよりきれいにシワをのばします。タンク容量が多くスチーム持続力にすぐれているため、一度にたくさんのアイロンがけができます。特に、ワイシャツやズボンの折り目など、パリッと仕上げたい衣類に向いています。適度に重量があるため、少ない力で楽に圧をかけることができます。
衣類をハンガーにかけたまま使用できるタイプです。本体を立てたり浮かせたりした状態でスチームを噴射させ、スチームの熱と水分によってシワをのばします。軽量で扱いやすく、アイロンがけしたいときにすぐ使用できます。衣類をふんわりと立体的に仕上げることができるため、ニットやおしゃれ着などのアイロンがけに適しています。アイロン台不要で収納が便利なほか、旅行や出張に適したモデルもあります。
「自分に適しているのはどちらのタイプ?」とお悩みの方は、使用するシーンや目的から選びましょう。あなたに必要なのは、どんなとき、どんな衣類のアイロンがけですか?
外出前に、ワイシャツやジャケット、スカートのシワなどを手早くケアするなら「衣類スチーマー」が最適です。アイロン台がなくてもシワをのばすことができ、手軽に扱える点が魅力です。また、軽量かつ扱いやすい「ハンガーショット搭載のスチームアイロン」を選ぶのもよいでしょう。
ワイシャツやスーツのズボンをパリッと仕上げたいなら「スチームアイロン」を選びましょう。熱と圧力、水分の力できっちりとシワをのばすことができ、折り目をつけるのにも適しています。
フリルやドレープ加工が施されたブラウスをふんわりと仕上げたり、ジャケットを立体的に仕上げたりと、おしゃれ着をこなれたシルエットに仕上げたいなら、プレスが不要な「衣類スチーマー」が適しています。
アイロンがけは週末などの休日に一度にまとめて……という人には「コードありのスチームアイロン」が適しています。電源コードで常時通電することで、高い温度を維持できるため、一度に大量のアイロンがけを行うのに便利です。コードがアイロンがけのじゃまになることもありますが、最近はコードの根元が回転するなど、取り回しやすい工夫が施された製品が発売されています。
1人暮らしには、省スペースで使用でき、スーツなど洗濯しづらい衣類の脱臭にも使える「衣類スチーマー」が最適です。立ち上がり時間(起動するまでに要する時間)が早いため、忙しい朝でもワイシャツやジャケットなどを手軽に手入れできます。
スチームアイロン、衣類スチーマー、ドライアイロンを取り揃え、豊富なラインアップが魅力のパナソニック。安定したスチーム噴射を実現する「360°スチーム」機能を備えた衣類スチーマーや、持ち替えずに全方向に動かせる「Wヘッドベース」搭載のスチームアイロンなど、使い勝手に配慮した製品が人気です。
圧倒的なスチーム量に定評があるティファール。衣類スチーマー「アクセスチーム プラス」は、平均20g/分のパワフル連続スチームが可能です。スチームアイロン「ターボプロ」は、最大110g/分のジェットスチームに加え、エナメルコーティングを施した「エアーグライドかけ面」で滑りの良さも両立させています。
平均20g/分のパワフル連続スチームが可能な衣類スチーマー「アクセスチーム プラス」。頑固なシワをとる「ターボモード」、シルクなどの繊細な素材で使える「デリケートモード」の2つのモードを搭載。
日立のアイロンは、コンパクト設計のモデルが多く、小回りの利く製品を求める方に適しています。アイロン機能を備えた衣類スチーマー「CSI-RX2」や、ハンガースチーム機能を備えたコードレススチームアイロン「CSI-305」など、1台2役で使える便利な製品も数多くラインアップされています。
手軽に使いたい人もしっかりとプレスがけしたい人も、最適な使い心地の製品を選べる「東芝」のアイロン。アイロンとしても使いやすいコードレス衣類スチーマー「La・Coo S」や、滑りの良さにこだわって開発されたコードレススチームアイロン「美(ミ)ラクル La・Coo」など、ユーザーの使いやすさを追求し、細部にまでこだわった製品が多数ラインアップされています。
3段階の温度調節ができるコード付き衣類スチーマー。途中給水なしで約10分間の連続スチームが可能。ニッケルコートのフラットなかけ面で、アイロンとしても使いやすい。
470gと超軽量の「ハンディスチーマー」や、シンプルで使いやすい「スチームアイロン」など、アイロンやハンディスチーマーのラインアップが豊富なツインバード。縦、横、斜め、どんな角度でもスチームがけが可能な「ハンディアイロン&スチーマー」は、コストパフォーマンスも抜群です。
本体のタンクに水を入れ、アイロン内部で高温のスチームを作って噴出するアイロンです。かけ面の穴から高温のスチームを噴出しながらプレスすることで、シワをきれいにのばすことができます。ウールなど起毛性のある素材のシワをのばしたいときや、ズボンに折り目をつけたいときなどに最適です。
ハンガーにかけた衣類にスチームを吹きつけて、シワをのばすタイプです。プレスせずにシワをのばせるため、ニットなどのデリケートな衣類を立体的に仕上げることが可能です。コンパクトで扱いやすいものが多く、立ち上がり時間が早いため、時間がないときもサッとシワをのばすことができます。
霧吹きなどを利用して水分を吹きかけ、高温の熱でシワをのばすアイロンです。スプレーのりや液体のアイロン剤を使用するときに便利ですが、スチーム機能の登場によってスチームアイロンが主流となった現在では、ドライアイロンはスチームアイロンとの2ウェイで発売されることが多くなっています。
アイロン本体に電源コードがないため、コードが衣類やアイロン台に引っかかることがなく、取り回しやすいのが特長です。充電用の専用スタンドに本体を置いて蓄熱し、かけ面をあたためてアイロンをかけます。ただし、使用中に温度が下がってしまうため、数分おきにスタンドに戻す必要があります。
電源コードで常時通電して高い温度を維持できるため、週末などにまとめて大量のアイロンがけをしたい人に向いています。コードがアイロンがけのじゃまになることがありますが、コードの根元が回転するなど、取り回しやすい工夫が施された製品も発売されています。
すっきりと収納できる「コードリール式」
アイロン本体が「コードレス」、「コードあり」のどちらのタイプであっても、電源ケーブルがコードリール式になっているとすっきりと収納できます。電源ケーブルは、コードレスタイプなら置き台に、コードありタイプなら本体に、それぞれ収納されます。
アイロンのかけ面に使われている素材は、フッ素、チタン、セラミックが主流です。素材によって滑りやすさが異なり、滑りがいいアイロンほど使いやすいといえます。一般的に、フッ素<チタン<セラミックの順に滑りがよくなり、それに比例すように価格も上がります。
耐久性と滑りやすさにすぐれ、力を入れずにアイロンがけができます。やや高価格の製品が多く、各メーカーの上位モデルに採用されることが多い素材です。
耐久性と滑りの良さを備えつつ価格が抑えられており、コストバランスにすぐれたタイプといえます。滑りやすさを強化した「ハードチタンコート」と、価格を抑えた「シルバーチタンコート」があります。
かけ面にフッ素コートを施したタイプです。傷がつきやすく、滑りの良さもチタンやセラミックに劣りますが、安価で購入しやすいモデルが多いのが特長です。
セラミック素材を超える滑りやすさを誇るパナソニックの「ニッケルコーティング」や、ティファールの「エナメルコーティング」など、上述した素材以外にも各社が工夫を凝らした技術や素材を採用した製品が続々と登場しています。
かけ面の先端がとがっていて後方が丸いラウンドベース型は、アイロンがけの際に衣類を引っかけにくいのが特長です。先端部はボタン回りなどの細部でも使いやすい形状です。
ラグビーボールのように前後両方の先端がとがっていると、うしろ向きにアイロンを滑らせても衣類を引っかけにくいのが特長です。戻りジワができにくいというメリットもあります。
アイロン本体の重量が重いと、強いプレスがかけやすいため、シワをのばしやすくなります。シーツやシャツなどに折り目をつけてビシッとアイロンがけするには、1kg以上の重さがあるとよいでしょう。なお、旅行や出張などに携行したい人は軽量タイプの衣類スチーマーを選びましょう。
重量をチェック
スチームアイロンや衣類スチーマーには、スチームを発生させるのに必要な水を入れるタンクが装備されています。水タンクの容量が大きいほど、長時間スチームを発生させることができますが、その分、本体のサイズが大きくなったり、重量が増したりして、アイロンがけの作業に負担がかかります。
水タンク容量をチェック
スイッチを消し忘れても一定時間で自動停止してくれる機能です。事故を防止するためにも、可能であれば対応製品を選びたいところです。
衣服をハンガーにかけたままアイロンをかけられる製品。アイロン台が不要なうえ消臭もできるのが特長で、1人暮らしのユーザーに人気です。
タンク内の水を捨てて、空にしてください。
アイロンのタンク内にある水が残ったままでは、タンク内に水アカが付着する恐れがあります。水アカを残さないためにも、水を捨ててスチームを出しきった状態で収納するようにしてください。
素材や目的によって異なります。
霧吹きなどで液体アイロン剤やスプレーのりと合わせて使うときにはドライアイロンを使用しましょう。また、生乾きの状態の天然繊維(絹など)や合成繊維にもドライアイロンが適しています。一方でスチームアイロンは、ウールなど起毛性のある素材のシワをのばしたいときやニット素材の衣類の形を整えたいとき、ズボンに折り目をつけたい場合などに適しています。
低温、中温、高温の3種類を使い分けましょう。
アイロンがけは、素材に適した温度設定で行わなければシワが取れないだけでなく、生地を傷めてしまいます。次の表を参考に素材に合った温度設定でアイロンがけをしましょう。
低音 | 中温 | 高温 | |
---|---|---|---|
コードレス | 120度 | 160度 | 210度 |
コードあり | 80度 | 160度 | 200度 |
適した素材 | アクリル、 ポリウレタン、 アセテート |
毛、絹、 ナイロン、 ポリエステル、 キュプラ、 レーヨン |
綿、麻 |
スチーム
水を熱して、衣服にスチーム(水蒸気)を当ててシワを取ります。従来の霧吹きでかける水分の代わりになります。スチームは高温になるので、ヤケドに注意してください。
2ウェイコード
コードを着脱することができるため、コードレス、コード付きの両方で使えるタイプ。コードを付ければ、通電によってパワーを確保できます。