製品選びの前に
手軽にオーディオを導入できる「ミニコンポ・セットコンポ」
- CDプレーヤーやプリメインアンプ、スピーカーといった機器を組み合わせて構築したオーディオシステムを「コンポーネントステレオ(略称:コンポ)」といいます。各機器を別々に揃えて構築するシステムは「単品コンポ」と呼ばれ、好きなメーカーの機器を組み合わせる楽しみがあります。一方、各機器がセットで販売されているものや一体化しているコンポもあります。ミニコンポと呼ばれる小型の製品や比較的安価な製品が多数ラインアップされており、手軽にオーディオシステムを導入できるのが特長です。価格.comの「ミニコンポ・セットコンポ」カテゴリでは、このタイプの製品を扱っています。
ミニコンポ・セットコンポの構成をチェック
ミニコンポ・セットコンポには、プレーヤーとプリメインアンプが1つの筐体におさまったものや、さらにスピーカーまで一体化したもの、スピーカーは別途用意が必要なものとさまざまなタイプがあります。
セパレート

プレーヤーとプリメインアンプが1つの筐体におさまったものと、スピーカーを組み合わせたタイプです。プレーヤー・アンプ部とスピーカーをスピーカーケーブルで接続する必要があります。
一体型

プレーヤーとプリメインアンプ、スピーカーが一体化したタイプで、ケーブル接続不要で音楽再生が楽しめます。さらに、奥行きが10cm程度の薄型ボディで設置しやすい製品もあります。
スピーカー別売り

プレーヤー・プリメインアンプ部だけのタイプで、FM/AMチューナーを搭載した製品の場合「レシーバー」とも呼ばれます。条件があえば、異なるメーカーのスピーカーと接続して楽しめます。
選び方のポイント
録音メディアの多様化にくわえ、スマートフォンの普及により、ミニコンポ・セットコンポでの音楽の楽しみ方も変化してきています。CD、iPodなどの対応メディア以外にも、音源形式やスピーカーのWay数、最大出力といった音質面、ネットワークとの連携による機能面に注目して選ぶとよいでしょう。
対応メディアをチェック ―メモリー系―
音楽を記録するメディアとして、iPodなどのデジタルオーディオプレーヤーやスマートフォンを使用する人が増えています。USB端子をもつミニコンポ・セットコンポなら、それらをUSBケーブルで接続して楽しめるほか、iPhoneであれば専用の接続機器であるiPhoneドックに置いて聞くことができる製品もあります。SD/SDHCメモリーカードを活用している人は、SD/SDHCメモリーカードスロットの有無を確認するとよいでしょう。
USB

パソコンや周辺機器を接続するためのインターフェイス規格の1つ。ミニコンポ・セットコンポにUSB端子があれば、パソコンやデジタルオーディオプレーヤー、USBメモリーなどを接続して、記録された音楽をミニコンポ・セットコンポで再生できます。
iPod/iPhoneドック

iPodやiPhoneに記録された音楽をデジタルのままアンプ部に転送できるコネクションドックです。劣化が少なく、クリアな音質が特長です。最近では、このタイプの製品が少なくなっています。
SD/SDHCメモリーカードスロット

SD/SDHCメモリーカードを挿入できる差し込み口のことです。このスロットがあれば、SD/SDHCメモリーカードに記録されている音楽を再生することができます。
対応メディアをチェック ―ディスク・テープ系―
メモリー系のメディアを利用する人が増えていますが、従来の音楽CDをはじめ、CD-R/RWやDVD、カセットテープに対応している製品もまだまだあります。これらのメディアを楽しみたい人は対応している製品をチェックしましょう。
カセットテープ
アナログ式の磁気テープを使った録音用メディアで、以前に比べて利用者が減少していますが、最近でもカセットテープ対応ミニコンポ・セットコンポは10製品以上あります。
ネットワークをチェック
Bluetooth
近距離にあるデジタル機器同士をつなぐ無線通信規格の1つ。ミニコンポ・セットコンポと、スマートフォンやデジタルオーディオプレーヤーがBluetooth対応であれば、お互いワイヤレス接続してスマートフォンやデジタルオーディオプレーヤー内の音楽をミニコンポ・セットコンポで再生することも可能です。
Wi-Fi
無線LAN規格の1つです。Wi-Fi対応機器なら家庭内の無線LANを通じてパソコンやスマートフォン、タブレットなどに収録されている音楽をミニコンポ・セットコンポで楽しめます。インターネットラジオを聴ける製品もあります。
DLNA
家庭内にある複数の機器を、LANを通じて接続できるようにするガイドライン。DLNA対応機器は、異なるメーカー間でも接続可能です。書斎にあるパソコンやCDプレーヤーの曲をリビングのミニコンポ・セットコンポで再生することなどができます。
AirPlay
iPhone、iPadなどで再生しているコンテンツを家庭内のネットワークを経由して、AirPlayに対応したミニコンポ・セットコンポやスピーカーなどほかの機器でストリーミング再生する機能です。
対応音源形式をチェック
ハイレゾ
ハイレゾとは高解像度のことで、CDの最大6.5倍の情報量を持つ、高品質な音楽データを指します。CDよりも情報量の多いハイレゾ音源はよりきめ細やかで、空気感と臨場感を楽しめます。
MP3再生
MP3は音楽や声などの音響データを圧縮する技術の1つです。音楽CDの容量を10分の1程度に圧縮しても、極端な音質の劣化がないとされており、パソコンやデジタルオーディオプレーヤーでよく使われています。
スピーカーのway数をチェック
スピーカー部分には、音を発生させる「スピーカーユニット」が搭載されています。1つのユニットで高音域から低音域までカバーするものを「フルレンジ(1way)」といいます。また、低音域をカバーするユニットと高音域をカバーするユニットを搭載したものを「2way」、2wayに中音域をカバーするユニットを搭載したものを「3way」といいます。way数はミニコンポ・セットコンポの音質を決める最も重要な部分ですから、音が気になる人はチェックしましょう。
最大出力をチェック
主なメーカー
ONKYO(オンキヨー)

初心者からマニアまで
カバーするラインアップ
日本を代表する音響専門メーカー。複雑な操作・不必要な機能をなくし、本質機能の搭載に重点を置いたロングライフ設計を貫いています。音質にこだわるユーザー層も納得するサウンドクオリティの「CR」シリーズが人気です。
パイオニア(Pioneer)

心地よく聞かせるバランスのよいサウンドが特長
ハイレゾの呼称が生まれる前から高音質化に挑み、世界で初めて100kHzまでの超高域再生を実現したトゥイーターを発売したメーカー。ハイレゾ対応モデルでは、ノイズの影響を排除し、原音に忠実なサウンドを表現しています。
パナソニック(Panasonic)

ハイレゾ対応に注力。「テクニクス」ブランドも展開
高音質にこだわりを持ち、ハイレゾ対応に注力しているメーカーの1つ。安いものは2万円台で購入できます(2018年11月現在)。2014年に復活して話題となったHi-Fi オーディオ製品ブランド「テクニクス」も扱っています。
JVC

ウッドコーンスピーカーで澄んだ音を聴かせる
2008年にケンウッドと統合した後も、ケンウッドブランドとは独立した製品開発を行っています。木の振動板「ウッドコーン」を採用したスピーカーは、楽器のような美しい響きを味わうことができます。
SONY(ソニー)

ワイヤレスでもハイレゾ音源を楽しめる技術力が特長
Bluetoothを使用してハイレゾ音源を楽しめる「LDAC」や、CD音源や圧縮音源をハイレゾ相当の高音質で再生する「DSEE HX」など独自の高音質技術が特長。さまざまな機器の音源をクリアなサウンドで楽しむことができます。
ケンウッド(KENWOOD)

コンパクトなサイズが人気の高コスパメーカー
比較的購入しやすい価格帯の製品が中心で、置き場所にも困らないコンパクトなサイズの製品が豊富。ミニコンポ・セットコンポで手軽に音楽を楽しみたい人に向いています。「原音再生」がコンセプトの「Kseries」が人気。
FAQ(よくある質問と回答集)
- Q「ハードディスク(HDD)内蔵コンポ」とはどのようなものですか?
- AHDDに音楽をダビング可能で、大量の楽曲を管理・再生できるものです。
- ミニコンポ・セットコンポにHDDが搭載されていれば、CDやFM・AMラジオ(チューナー付きの場合のみ)などからHDDにダビングできます。なお、アナログ外部入力にも対応していれば、カセットデッキやレコードプレーヤーなどと接続してテープやレコードの音源もダビングできます。
- Qパソコンに保存してあるMP3、AAC、WMA形式の音楽ファイルを再生することはできますか?
- Aはい。最近のミニコンポ・セットコンポは、音楽CD以外に、パソコンで記録したMP3、AAC、WMA形式などの音楽ファイルも再生可能です。
- 上位機種では、WAVやFLACなどのほか、ハイレゾやDSDのファイル形式にも対応しています。普段聞いている音源の形式を必ず確認しておきましょう。
用語集
- チューナー
- チューナー付きであれば、FMやAMのラジオ番組も楽しめます。なお、チューナーを「レシーバー」と表現するメーカーもあります。
- Hi-Fi
- High Fidelityの略で、高忠実度を意味します。オーディオの場合、音質にこだわったミニコンポ・セットコンポのことを表現しています。