シェーバーの選び方
電気シェーバーは、男性の身だしなみには欠かせない理美容家電。各メーカーからあらゆるモデルがラインアップされており、ヒゲの特徴や肌の質、シェービング環境によって最適なモデルが異なります。ここでは、シェーバーの駆動方式や充電方式による違いや、あると便利な機能など、自分に合うシェーバーを選ぶためのポイントを解説します。
2025/3/17 更新
目次

ヒゲ剃りには基本、電気シェーバーかT字カミソリを使用します。シェーバーはドライシェービングが可能なので、シェ−ビングフォームやジェルを事前につける必要があるT字カミソリより手軽でスピーディー。また、外刃でヒゲを押し出して内刃でカットする構造により、刃が肌に直接当たらないため、肌にやさしいうえに安全に剃れるという特徴もあります。
現在、各メーカーからさまざまなタイプの製品がラインアップされていますが、シェーバー選びで最も大切なことは、「自分のヒゲ質や肌質と相性がよいモデルを選ぶこと」。「ヒゲが濃いから深剃りしたい」「敏感肌だから肌への負担を抑えたい」など、自分の望みを叶えてくれるシェーバーを選びましょう。
電気シェーバーの特徴
シェーバーの刃の駆動方式は、大きく分けて「往復式」と「回転式」の2種類。それぞれヘッドの形状や性能、使い方が異なるので、各タイプの特徴をチェックしておきましょう。

往復式は、外刃でとらえたヒゲを、左右に往復する内刃で剃るタイプ。刃の枚数が多いモデルほど、ヒゲを根本からとらえて取りこぼしなく剃り上げられます。つまり、刃の枚数が多いほど深剃りしやすく、シェービング時間は短め。肌に当てたヘッドを上下に動かしてシェービングします。

回転式は、円形の外刃の中で扇風機の羽根のように回る内刃によってヒゲを剃るタイプ。肌への押し圧が少なくても密着しやすいため、軽いタッチで剃れるうえに肌へのストレスが少ないのが特徴です。肌に当てたヘッドが円を描くように動かしてシェービングします。
価格の違いは「刃の枚数」「便利な機能」「付属品」の差

シェーバーの価格は、刃の枚数、便利な機能の有無、付属品の数などによって異なります。刃の枚数が多いモデルほど、ヒゲを取りこぼしなく剃り上げる能力に長けているため、深剃りしやすく、シェービング時間は短縮されますが、その分価格は高めです。いっぽう、機能面では、ヒゲの濃さを検知して剃る力を自動で制御する機能の有無や、ヘッド部の可動域の広さなどで価格に差が出ます。さらに付属品では、特にメンテナンスの手間が省ける「自動洗浄機能付き充電器」や、もみあげなどの手入れができるアタッチメントが付属しているかどうかで価格が異なります。

電気シェーバーの電源タイプは3種類。充電しながら剃りたいなら「充電交流式」、お風呂剃りもしたいなら「充電式」、充電にとらわれず乾電池を使いたいなら「乾電池式」が最適です。
使用前の充電が必要なタイプ。充電しながら使用できませんが、お風呂場でもシェービングできます。近年の主流タイプで、主要メーカーすべてがこのタイプのシェーバーを取り扱っています。
電源コードをコンセントにつなぎ、充電しながら使用できるタイプ。忙しい朝でも充電切れの心配がないですが、お風呂剃りには非対応です。パナソニックとマクセルイズミのラインアップが豊富です。
バッテリーは非搭載で、乾電池を使用するタイプ。コンパクトな製品が多く、旅行や出張などに携帯しやすいのが特徴です。比較的安価な製品が多いのも魅力。

「お風呂で剃りたい」「シェービングフォームやジェルを使って剃りたい」という場合は、充電式のお風呂剃り対応モデルを選びましょう。なお、シェーバーのヘッド部分が水洗いに対応していても、お風呂剃りには対応していないケースもあるので注意が必要です。水洗い対応モデルは基本、「IPX7」(※)などの防水基準を満たしているので、購入前にチェックしましょう。
※「IPX7」は、一時的に水没しても内部に浸水しない防浸形の性能を備えていることを表し、水洗いが可能です。

シェーバーのヘッド部分に水を流し、ヒゲクズや皮脂などの汚れを洗い落とせる機能。ただし、「水洗い可能=お風呂で使える」とは限りません。お風呂で使用したい場合は、お風呂剃り対応製品を選びましょう。

シェーバーは、使用するうちにヒゲクズや皮脂などが刃やヘッド部分内部に溜まるため、定期的に水やクリーニング液などで汚れを落とさなければなりません。このようなメンテナンスが苦手な人は、使用後に挿しておけば洗浄、乾燥、充電などを自動で行う洗浄機能付き充電器が付属したモデルを選びましょう。

もみあげや伸ばしているヒゲをカットする(整える)ための刃。キワゾリ刃が搭載されているモデルであれば、ヒゲを剃るついでに、もみあげやうぶ毛、長めのヒゲを手軽に処理できます。


専用アプリをスマホなどにインストールし、シェーバーと連携させることで、自分の肌状態に合ったシェービングをナビゲートしてくれる機能。シェーバーの動きを検知し、正しいシェービング動作をリアルタイムでガイドしてくれるほか、赤みやカミソリ負け、埋もれ毛など、それぞれの肌の悩みに合ったシェービングプランを提案してくれたりします。
刃のリニアモーター駆動が特徴で、深剃りと肌へのやさしさの両立をうたう往復式シリーズ「ラムダッシュ」が人気。最上位モデルには、シェービングの自動制御を光で知らせる「ラムダッシュAIナビ」を搭載しています。シリーズは「6枚刃」「5枚刃」「3枚刃」をラインアップ
ヒゲに合わせたシェービングパワーの自動制御を光で知らせる「ラムダッシュAI ナビ」や「密着5Dヘッド」を搭載した最上位モデル。「6枚刃システム」とリニアモーター駆動の「約84,000カットアクション/分」により、「濃い、太い、くせ」ヒゲを逃さず素早く剃りきります。
「ラムダッシュAI」を搭載した3枚刃モデル。「3枚刃システム」とリニアモーター駆動の「約39,000カットアクション/分」を実現しています。「密着3Dヘッド」搭載モデル、「全自動洗浄充電器」や充電スタンドが付くモデル、充電式か充電交流式など、ラインアップが豊富です。
往復式シェーバーを手掛ける、ドイツ発祥ブランド。肌下-0.01mmの深剃りがウリの最上位モデル「シリーズ9 Pro+」を始め、シリーズは8/7/6/5/3/1と機能別に細かく取り揃えています。自動洗浄器には、水洗いの10倍の洗浄力で、99.9%除菌するアルコール洗浄を採用。
最高峰シリーズの5枚刃モデル。「5カットシステム」の極薄刃や寝たヒゲを起こしてカットする「プレブレード」により、肌を守りながら肌下-0.01mmまで深剃りできます。化粧水を浸透させる「美顔器ヘッド」、「充電トラベルケース」、「6in1自動アルコール洗浄器」が付属するモデルを展開。
「マイクロコーム」でヒゲをとらえ、「3カットシステム」で剃り切るエントリーモデル。刃には3連サスペンションが付いており、肌の凹凸にしっかりと密着します。お風呂剃りやまるごと水洗いにも対応。急速充電も可能で、1回の使用分であれば5分で充電できます。
トリプルヘッドの回転式シェーバーを展開するオランダのメーカー。ほぼすべてのモデルが水洗いとお風呂剃りに対応するほか、刃の自動研磨システムを搭載しており、オイル差しが不要で切れ味が長持ちします。
72枚の刃を搭載した「プレミアムモデル」上位機種。ヘッドにマイクロビーズを搭載し、肌との摩擦を従来比50%低減します。顔の凹凸に密着する「フレックスサスペンションシステム」やヒゲの濃さに合わせてパワーを調整するシステムも搭載。ワイヤレス充電パッド付属モデルもあり。
「プレミアムモデル」と同じマイクロビーズコーティング(実は9000シリーズより上質)や「360-Dフレックスヘッド」を搭載した、45枚刃の「アドバンスモデル」。ヒゲ密度感知システムは「プレミアムモデル」の半分の毎秒250回です。「クイッククリーンポッド」付きなどを展開。
コストパフォーマンスにすぐれたシェーバーを展開する日本メーカー。切れ味が5年間変わらない「長寿命刃(サステバ)」を搭載した6枚刃の最上位モデル「everedge」と、刃の枚数や充電式が異なる「Vシリーズ」をラインアップします。
切れ味が5年続く「サステバ」を搭載しながら、5年保証も付く6枚刃最上位モデル。「シェービングAI」を搭載し、ヒゲの濃さに応じてカットスピードを制御することで安定した切れ味を保ちます。刃1枚がせり上がり、鼻下が剃りやすくなるモードも魅力。USB Type-Cケーブル充電に対応。
お風呂剃り対応の製品であれば問題ありません。
シェーバーの多くが防水&充電式で、電源ケーブルをつないでいると動作しません。なお、水洗い対応のみの製品はお風呂では使えないので注意しましょう。取り扱い説明書に従って使用すれば問題ありません。
水洗い対応とお風呂剃り対応は別モノです。
風呂剃りOKとしている製品以外は使わないでください。水洗いできるタイプは防水機能を備えていますが、石けん剃りや水洗いをする場合は、感電やショートの恐れがあるので、充電交流式のシェーバーで電源コードをコンセントに挿した状態では使用しないでください。
製品によって異なります。
シェーバーのメーカーやタイプはもちろん、シェーバーを使用する頻度や時間によっても異なります。替え刃の価格も数千円〜数万円とまちまちなので、ランニングコストを重視する人は念頭に置いてご検討ください。
切れ味を維持するために、水洗い後に注油しなければならない製品もあります。
各メーカーから専用オイルが販売されています。ただし、自動洗浄器を使う場合やフィリップスの回転式タイプなど、注油が不要とされる製品もあります。
専用のアタッチメントを取り付けることで可能になる機種もあります。
アタッチメントを装着することで好きな長さを選ぶこともできます。こうした用途をメインに考えているのであれば、「ヒゲトリマー」などの専用機器を購入するとよいでしょう。
濃く硬いひげでも問題なく剃れる製品もあります。
ヘッドを肌に対して垂直に当てるなど、適切に使うことが重要です。
肌に刃を当てて使うカミソリのほうが深剃りできるかもしれません。
しかし、カミソリはその分、肌に負担をかけますし、乾いた状態では剃れません。初期コストは低いかもしれませんが、刃がすぐに傷んでしまうので、刃を短期間で交換しなければなりません。肌を傷めたくない人はシェーバーのほうがよいといえます。
アルコール洗浄
自動洗浄器でアルコールを利用している製品もあります。ほぼ完璧に除菌できるのがメリットです。もちろん、アルコール洗浄タイプも専用の詰め替えカートリッジを購入する必要があります。
サスペンション
刃を搭載しているヘッドを顔の凹凸に密着させるためのパーツです。高性能なサスペンションを搭載しているシェーバーであれば、起伏のある部位でも、一気に剃れます。
自動研磨システム
フィリップスの回転式製品では、内刃が回転すると外刃と接触して研がれるシステムを採用しています。そのため、自動的に切れ味を維持できるので注油が不要です。
シェーバーオイル
機種によっては洗浄後、刃に注油する必要があります。製品に付属している専用オイルを利用しましょう。注油することで、刃の切れ味を維持できます。
深剃り
シェーバーは刃(内刃)が肌に触れないので、カミソリに比べると深剃りが苦手です。そのため、外刃でひげを持ち上げてから内刃でカットするなどの工夫で深剃りを実現しています。
○枚刃
ヒゲをカットする刃の数です。往復式は3〜5枚刃が主流。フィリップスの回転式は72枚、45枚、27枚のモデルがラインアップされています。
IPX7
防水性能を表す等級です。「IPX7」は、一時的に水没しても内部に浸水しない防浸形の性能を備えていることを表し、水洗いが可能です。