シェーバーの選び方
男性の身だしなみアイテムとして欠かせない電気シェーバー。メーカーやモデルによって性能や特性に違いがあるため、「どれを選んだらいいのかわからない」という人も多いのではないでしょうか。ここでは、シェーバーのタイプによる違い、肌やひげとの相性、あると便利な機能など、自分に合うシェーバーを選ぶためのポイントを解説します。
2023/6/6 更新
目次
電気シェーバーの特徴
気持ち良く1日をスタートするためのひげ剃り。人によってT字カミソリ派と電気シェーバー派に分かれますが、電気シェーバーは剃る前の洗顔やシェービング剤が不要なため、より手軽で便利なグルーミングアイテムといえます。また、シェーバーは、外刃でひげを押し出して内刃でカットする構造になっており、刃が肌に直接当たらないため、肌を傷つけずに剃ることができます。現在、各メーカーからさまざまなタイプの製品がラインアップされていますが、シェーバー選びで最も大切なことは、「自分のひげや肌質との相性がよいものを選ぶこと」です。「ひげが濃いから深剃りをしたい」、「敏感肌だから肌への負担を抑えたい」など、自分のひげや肌に最適なシェーバーを選びましょう。
シェーバーは、駆動方式によって「往復式」「回転式」に分けられます。それぞれにヘッドの形状や性能が異なるので、各タイプの特徴をチェックしておきましょう。
タイプ (駆動方式) |
深剃り | スピード | 肌への やさしさ |
静音性 |
---|---|---|---|---|
往復式 | 〇 | 〇 | 〇 | △ |
回転式 | △ | △ | ◎ | ◎ |
往復式は、外刃でとらえたひげを左右に高速で動く内刃でカットするタイプです。深剃りがしやすく、ヘッドの面積が広いため早剃りができるのも特長です。パワフルなため、動作音はやや大きめです。
円形の外刃の中で内刃が回転することにより、ひげを剃るタイプ。肌にフィットしてなめらかに動くため、肌にやさしい剃り味です。動作音が比較的静かでひげが飛び散らないため、リビングなどでも剃ることができます。
価格の違いは「性能」の差
シェーバーの価格は、搭載されている刃の枚数の違い、機能の有無、付属品の数などによって異なります。各社とも、上位機種には独自の技術を惜しみなく投入し高性能を追求しています。また、刃の枚数は「多いほどよく剃れる」というわけではなく、その最大のメリットは「1枚あたりの刃にかかる圧力を分散させること」です。すなわち、刃の枚数を増やすことによってカミソリ負けなどの肌への負担を軽減させることができます。そのほか、「自動洗浄機能」「お風呂剃り」などの便利な機能が搭載されているか、もみあげなどの手入れができるアタッチメントが付属しているか否かが価格差につながります。
シェーバーの電源タイプ(充電方式)は3種類あります。常にフルパワーで剃りたいなら「充電交流式」、お風呂剃りには「充電式」、旅行や出張時に携帯するなら「乾電池式」が最適です。嗜好や目的、使用シーンに合った電源タイプ(充電方式)を選びましょう。
電源コードをコンセントにつなぎ、充電しながら使用できるタイプです。忙しい朝も充電切れの心配がなく、常にフルパワーで剃れるのが特長です。
使用前の充電が必要なタイプです。感電防止のために給電しながらの使用ができない設計になっており、お風呂剃り対応製品に多く採用されています。お風呂場や洗面所でシェービング剤を使ってひげを剃りたい人に適しています。
バッテリーを搭載せず乾電池を使用するタイプです。コンパクトな製品が多く、旅行や出張時などに携帯したい場合に最適です。比較的安価な製品が多く、中にはひげが薄い人向けのモデルもあります。
「お風呂で剃りたい」、または「シェービングフォームやジェルを使って剃りたい」という場合は、防水性を備えたお風呂剃り対応モデルを選びましょう。なお、シェーバーのヘッドが水洗いに対応していても、防水モデルではないケースもあるので注意が必要です。お風呂剃り対応モデルは「IPX7」などの防水基準を満たしているので、購入前にチェックしましょう。
※「IPX7」は、一時的に水没しても内部に浸水しない防浸形の性能を備えていることを表し、水洗いが可能です。なお、お風呂剃り対応機種の一部は、継続的に水没しても浸水しない水中型の「IPX8」に対応しています。
シェーバーのヘッド部分に水を流し、ひげクズや皮脂などの汚れを洗い落とせる機能です。ただし、「水洗い可能=お風呂で使える」とは限りません。お風呂で使用したい場合は、お風呂剃り対応製品を選びましょう。
シェーバーは、使用するうちに皮脂やひげクズなどがたまるため、定期的にブラシなどでシェーバー本体の汚れを落とさなければなりません。このようなメンテナンスが苦手な人は、使用後に自動で「洗浄・乾燥・充電」を行う自動洗浄機能付きのモデルを選びましょう。
もみあげや伸ばしているひげをカットする(整える)ための刃です。キワゾリ刃が搭載されているモデルであれば、ひげを剃るついでに、もみあげや長めのひげを手軽に処理することができます。
専用のアプリをインストールし、シェーバーと連携させることで、自分の肌状態に合ったシェービングをナビゲートしてくれる機能です。アプリと連動することで、赤みやカミソリ負け、埋もれ毛など、それぞれの肌の悩みに合った特別なシェービングプランを提案してくれます。そのほか、シェービングの時間を計測したり、シェービング中にリアルタイムでアドバイスを受けられたりする機種もあります。
リニアモーターを搭載し、早剃り・深剃り・肌へのやさしさを実現させた「ラムダッシュ」シリーズが人気のメーカー。最上位モデルには、スイッチ1つで「洗浄・乾燥・充電」ができる全自動洗浄充電器が付属しています。
ラムダッシュシリーズ最速の(約14,000ストローク/分)リニアモーター駆動を採用し、濃いひげでも早剃りが可能。6枚刃システムにより、肌への負担を抑えて、やさしい深剃りを実現しています。5枚刃モデルと比較して、カット率は約2.5倍向上しています。
パワフルな剃り心地が特徴の往復式シェーバーを展開するドイツのメーカー。上位機種に付属する自動洗浄器には、水道水での洗浄よりも衛生的な独自のアルコール洗浄技術を搭載。すべてのシリーズで耐水設計が採用されています。
最少ストロークで剃りきる「4カットシステム」や人工知能テクノロジーのほか、毎分1万回の振動でより多くのひげを取り込む「音波テクノロジー」を搭載。1人ひとりの肌に合った快適で肌にやさしいシェービングを実現しています。
回転式シェーバーを展開するオランダのメーカー。ほとんどのモデルが水洗い可能で、皮脂汚れやひげクズを簡単に洗い流すことができます。また、刃の自動研磨システムを搭載し、オイル差しが不要で切れ味が長持ちします。
丸みを帯びたヘッドの「マルチプレシジョン刃」と5方向に可動するヘッドの採用で、肌を守りながらなめらかなシェービングを実現するシリーズ。寝たひげを起こしてカットするため、少ないストロークで剃りきることができます。
60年以上にわたってシェーバー開発に携わり、コストパフォーマンスにすぐれた製品を展開するメーカー。チタンコーティング5枚刃のハイエンドモデルから、携帯に便利なコンパクトモデルまで、幅広いラインアップが魅力です。
お風呂剃り対応の製品であれば問題ありません。
シェーバーの多くが防水&充電式で、電源ケーブルをつないでいると動作しません。なお、水洗い対応のみの製品はお風呂では使えないので注意しましょう。取り扱い説明書に従って使用すれば問題ありません。
水洗い対応とお風呂剃り対応は別モノです。
風呂剃りOKとしている製品以外は使わないでください。水洗いできるタイプは防水機能を備えていますが、石けん剃りや水洗いをする場合は、感電やショートの恐れがあるので、充電交流式のシェーバーで電源コードをコンセントに挿した状態では使用しないでください。
製品によって異なります。
シェーバーを使用する頻度や時間、シェーバーのタイプやメーカーによっても異なります。替え刃の価格は数千円程度かかりますから、ランニングコストを重視する人は念頭に置いてご検討ください。
切れ味を維持するために、水洗い後に注油しなければならない製品もあります。
各メーカーから専用オイルが販売されています。ただし、自動洗浄器を使う場合やフィリップスの回転式タイプなど、注油が不要とされる製品もあります。
専用のアタッチメントを取り付けることで可能になる機種もあります。
アタッチメントを装着することで好きな長さを選ぶこともできます。こうした用途をメインに考えているのであれば、「ヒゲトリマー」などの専用機器を購入するとよいでしょう。
濃く硬いひげでも問題なく剃れる製品もあります。
ヘッドを肌に対して垂直に当てるなど、適切に使うことが重要です。
肌に刃を当てて使うカミソリのほうが深剃りできるかもしれません。
しかし、その分、肌に負担をかけますし、乾いた状態では剃ることができません。初期コストは低いかもしれませんが、刃がすぐに傷んでしまうので、刃を短期間で交換しなければなりません。肌を傷めたくない人はシェーバーのほうがよいといえます。
アルコール洗浄
自動洗浄器でアルコールを利用している製品もあります。ほぼ完璧に除菌できるのがメリットです。もちろん、アルコール洗浄タイプも専用の詰め替えカートリッジを購入する必要があります。
サスペンション
刃を搭載しているヘッドを顔の凹凸に密着させるためのパーツです。高性能なサスペンションを搭載しているシェーバーであれば、起伏のある場所でも、一気に剃ることができます。
自動研磨システム
フィリップスの回転式製品では、内刃が回転すると外刃と接触して研がれるシステムを採用しています。そのため、自動的に切れ味を維持できるので注油が不要になります。
シェーバーオイル
機種によっては洗浄後、刃に注油する必要があります。各メーカーから販売されている専用オイルを利用しましょう。注油することで、刃の切れ味を維持することができます。
深剃り
シェーバーは刃が肌に触れないので、カミソリに比べると深剃りが苦手です。そのため、ひげを持ち上げてからカットするなどの工夫を施して深剃りを実現しています。
○枚刃
ひげをカットする刃の数です。往復式と回転式ともに、3枚刃が主流です。6枚刃を採用し深剃りをきわめている製品もあります。
IPX7
防水性能を表す等級です。「IPX7」は、一時的に水没しても内部に浸水しない防浸形の性能を備えていることを表し、水洗いが可能です。お風呂剃り対応機種の一部は、継続的に水没しても浸水しない水中型の「IPX8」に対応しています。