血圧計の選び方
血圧は健康状態を知るバロメーターともいわれるほど大切なもの。血圧計があれば、自宅で手軽に血圧をチェックすることができ、毎日の健康管理に役立ちます。ここでは、家庭で使える血圧計の選び方や、あると便利な機能を紹介。血圧測定を習慣化するためにも、使いやすく自分に合った血圧計を選びましょう。
2025/3/28 更新
目次

上腕に測定部分(カフ)を巻きつけて計測する血圧計です。家庭用の血圧計としては最も一般的なタイプで、種類が豊富。価格と性能のバランスがよいところが特徴です。カフがずれると正確な測定値が得られないこともあるため、カフがしっかりとフィットするかを確認しましょう。測定時はカフを適切な強さで巻く必要があるため、装着には慣れも必要です。カフの巻き方や測定中の姿勢などをガイドしてくれる製品もあります。

筒状の測定部分に上腕を通して計測する血圧計。医療機関や公共施設に設置されていることが多いタイプです。二の腕がしっかりとフィットし、測定時の姿勢も安定しやすいため、正確な測定値を得やすいといわれています。カフを巻きつける手間がないため、頻繁に測定する方には便利でしょう。ただし、本体が大きいため、設置場所の確保が必要です。価格は1万円以上の製品が多く、高価なものでは3万円程度になります。

手首で測るタイプの血圧計です。測定部分(カフ)と液晶本体が一体化しているため、小型で軽量な点が特徴。上腕式に比べて手頃な価格も魅力です。コンパクトな製品が多く、持ち運びに便利で、出張や旅行など外出先でも血圧を計測したい人に向きます。ただし、測り方には注意が必要。血圧計は測定部分が心臓と同じ程度の高さにないと正確な計測ができません。そのため、手首式の場合は腕の曲げ方や姿勢などによって、測定値にばらつきが出ることもあります。

腕周の目安
| 腕の細い人 | ~22cm未満 |
|---|---|
| 標準 | 22~40cm |
| 腕の太い人 | 40cm~ |
正確に血圧を測定するためには、計測部位のサイズと血圧計の計測可能範囲が合致していなければなりません。血圧計のカフには、計測可能な「適応腕周」が記載されています。上腕式の血圧計は適応腕周が22〜32cmの製品が主流ですが、メーカーによっては17〜36cmと広い範囲で対応しているものもあります。また、痩身の方向けの細腕用や、体の大きい方向けの太腕用など、違うサイズのカフに交換できるタイプもあります。なお、価格.comに価格登録されている「測定可能範囲が22cm未満の製品」は、大半が手首式です。
測定可能周囲で探す

血圧は変動が起きやすいため、平均値を取ることで異常がないかを判断する場合があります。また、朝と夜の平均値を出すことで、正常値に比べて異常がないかを確認することもあります。そんなときに役立つのが、測定結果の平均値を表示する「平均値表示」機能です。平均値を知ることで、異変の予兆にも早期に対応することができます。平均値は、直近2〜3回分や週平均、朝晩それぞれの数値を表示してくれるものなど、製品によってさまざまです。

※マークのデザインや表示方法は、メーカーによって異なります。
「計測中に腕や体が動いてしまった」「カフが正しく装着されていなかった」などの理由で、血圧を正しく計測できなかった場合に、それらを検知してくれる機能です。体動が検知された場合は測定誤差が生じる可能性があるため、腕や体を動かさず、正しい姿勢で再測定しましょう。

※マークのデザインや表示方法は、メーカーによって異なります。
測定中に安静な状態であるかを脈の間隔で確認する機能です。平均値から一定以上の差がある脈を検知すると、測定終了時に表示して知らせてくれます。また、「計測中に腕や体が動いてしまった」「カフが正しく装着されていなかった」などの理由で正しく計測ができなかった場合にも検知してくれます。なお、検知結果が必ずしも不整脈につながるわけではありませんが、頻繁に検知される場合は医師の診断を受けることを各メーカーが推奨しています。
スマートフォン連携機能があれば、データ管理が簡単!

血圧は毎日計測し、その変化を見ることが大切です。血圧計にメモリー機能が搭載されていても、保存できる容量には限りがあるため、スマートフォンと連携してデータを管理できる機能があると便利です。専用アプリをダウンロードすることで、毎日手軽に記録することができるうえ、長期間のデータ保存や計測値のグラフ化も可能になります。また、かかりつけの医師などに記録を提示する際も楽に行うことができます。記録や数値を管理する手間が省けることで、血圧測定が続けやすくなるというメリットも魅力。測定結果の転送方法は、BluetoothやNFCなど製品によって異なるため、自身のスマートフォンに対応したものを選びましょう。
世界110か国以上で販売され、グローバルシェアNo.1を誇るメーカー。腕の太さや呼吸の速さなど、一人ひとりの特徴に合わせた測定を行う独自技術や、巻きやすさにこだわった独自のカフ、スマートフォンでデータ管理ができる機能を搭載し、使いやすさを追求。チューブレスタイプを採用した上腕式血圧計や腕時計型のウェアラブル血圧計もラインアップされています。
独自の高精度脈波間隔測定システムを搭載するように、医療機器メーカーならではの性能の高さが魅力です。毎日計測する負担を軽減するための機能や、正確な測定をサポートする機能が充実。血圧レベルを基準値と比較できる表示機能を搭載したモデルや、タッチするだけで専用ソフトにデータを転送できるタイプが人気です。
幅広い商品展開を行う健康機器メーカー。はさんで巻くだけの「クリップアームカフ」や、ボタンを押すだけの「ワンプッシュ測定」、測定値を自動保存する「メモリー機能」などを搭載。誰でも簡単に操作できるように設計されています。安全で正確な測定をするために、室温が9度以下になると自動停止する機能を搭載した製品もあります。
カフ式、手首式ともに、見やすい文字表示が特徴です。カフのタイプが多彩で、通常の「ソフトカフ」に加えて、片手でも巻きやすい「ハードカフ」、締め付ける圧力を一定にする「ダイヤル式のカフ」、手首に簡単に装着できる「U字型のカフ」があります。専用アプリでデータ管理ができるモデルや、薄さ約15mmの薄型血圧計も注目です。
「正確に測ること」にこだわった製品づくりを行う医療用電子機器メーカー。手頃な価格の標準モデルから、測定精度世界トップクラスの血圧計まで幅広く展開。安静状態を示すLEDランプ、朝夜の血圧の変化を記録するメモリー機能のほか、Bluetooth機能を使い、専用アプリでデータを管理できる製品も人気です。
血圧計の電源には、コンセントを使用して電力を受給する「AC電源タイプ」と、「乾電池タイプ」があります。卓上で使用する大きめのモデルはAC電源タイプ、小型のモデルは単3形や単4形の乾電池を使うものが主流です。出張や旅行など外出先で使用する場合は、持ち運びに便利な乾電池タイプが向いています。製品によっては、AC電源と乾電池の両方に対応したタイプもあるため、「外出先では乾電池を使用し、自宅では電池切れを気にせずAC電源を使用する」といった使い分けもできます。
スマートフォンやパソコンと連携できるように、さまざまな通信機能を搭載した血圧計が販売されています。計測値のデータを転送し、スマートフォンやパソコンで管理可能なほか、家族などの第三者とデータを共有できる便利な機能です。
Bluetoothとは無線通信の規格のひとつ。対応した機種同士なら、ペアリングという設定を行うことで、ケーブルなどを接続しなくてもデータをやり取りすることができます。血圧計とスマートフォンやパソコンを接続し測定データを転送することで、測定値のグラフ化やデータ管理を簡単に行うことができます。
NFCとは「Near field communication(近距離無線通信)」の略で、対応する機器同士を近づける(かざす)だけで通信ができる機能です。特段設定を行う必要がないため、血圧計とスマートフォンやパソコンを近づけるだけでデータを転送することができ、測定記録の管理がより簡単に行えます。
USBは、Universal Serial Bus(ユニバーサル・シリアル・バス)の略で、機器同士をUSBケーブルで接続することで、データの転送を行う接続方式です。主にパソコンと血圧計を接続する際に使われる方法ですが、最近ではUSB対応製品が少なくなっています。
どちらの腕でも問題はありませんが、毎回、同じ腕で測るようにしましょう。
血圧の数値は左右の腕で異なる場合があるため、毎回同じ腕で測るようにしましょう。本来は両腕で計測し、数値が高いほうの血圧を参考にするのが望ましいといわれています。なお、家庭用の血圧計では操作の都合上、左腕のほうが計測しやすくなっています。
日本高血圧学会の推奨方法は以下のとおりです。
・朝と晩に測定する(朝:起床後1時間以内 晩:就寝直前)
・1機会に原則2回測定し、平均を取る
・椅子に座り、1~2分間安静にしてから測定する
コロトコフ法
医療機関で採用されている計測方式。血流の音をマイクロフォンで検出することで血圧を計測します。
オシロメトリック法
家庭用血圧計で主流の計測方式。カフで一度加圧したあと徐々に減圧させ、そのときの血管振動を検出することで血圧を計測します。