地デジアンテナの選び方
「アンテナのタイプ別特徴は?」「電界強度って何?」など、地デジアンテナ選びの際に浮かぶ疑問を解決できるのが選び方ガイドです。地デジアンテナ選びに必要な基礎知識、用語解説はこちらでチェックしましょう!
2022/11/8 更新
目次
地デジアンテナは大きく分けて3種類あります。一番オーソドックスな屋外用の「八木式アンテナ」、屋内・屋外兼用の平面アンテナ、そして手軽に導入できる屋内用のアンテナがあります。 それぞれ、自宅の環境によって向き不向きがあるので、よく調べたうえで購入しないと、テレビが映らないといったことになります。
屋外の壁面に取り付けでき、景観を損ねないのが魅力。専用スタンドなどで屋内に設置することも可能です。自分で簡単に取り付けることができますが、受信調整にはある程度の知識が必要です。また、自宅が電波塔から遠すぎると受信できない場合もあります。
選ぶべきアンテナタイプは設置場所の電界強度で決まる
届く電波の強さを電界強度といい、電波の送信を行う電波塔からの距離や障害物の有無を加味して電界強度の強さ別にエリア分けしたものを、電界地域と呼びます。「強電界地域」「中電界地域」「弱電界地域」の3つに分けられ、「強電界地域」では屋外から屋内用アンテナまで受信できるケースが多いです。一方で、「弱電界地域」になると、電波を受信しやすい屋外用アンテナ1択となります。
強電界地域 | 中電界地域 | 弱電界地域 | |
---|---|---|---|
電界強度目安 | 80dBμV/m | 70dBμV/m | 60dBμV/m |
対応アンテナタイプの 目安 |
屋内用、屋内・屋外兼用、屋外用 | 屋内・屋外兼用(一部)、屋外用 | 屋外用 |
電界地域で選ぶ
なお、自宅がどの電界地域に属しているかを調べるには、取り付けを依頼する専門業者に確認する方法が一般的です。どうしても自分で確認したいという人は、近所の家で設置しているアンテナの種類を確認したり、近隣の家電量販店に問い合わせたりすることでだいたいの情報がわかるケースもあります。ただし自宅付近の障害物状況なども電波の受信に影響するため、正確とは言い切れませんので注意が必要です。
スマートなデザインの屋内・屋外兼用アンテナに強みがあります。スリムで軽いためベランダや壁面の設置に向いており、感度にも定評があります。ブースターを平面アンテナ背面に取り付けできる新構造を採用したモデルも人気です。
薄型ながら高利得の製品が人気。設置性にも優れており、ベランダの物干などに設置可能な製品も販売しています。テレビチューナー付きパソコンにも利用できるモデルは特に人気です。
動作利得とはひと言でいえば、電波受信の感度のことを指します。デシベル(dB)で表示され、数値が大きいほど電波感度が高くなります。受信に必要な動作利得数値の目安としては、強電界地域なら5dB以下でもOK、中電界地域なら5〜10dB程度、弱電界地域なら7〜14dBの数値が必要といわれています。
動作利得で選ぶ
屋外用八木式アンテナの横棒を素子といい、素子の数が多いほど動作利得が高くなる傾向にあります。また、素子数が多いほうが、ビルで電波が反射することなどによって起こるノイズを軽減しやすいといったメリットもあります。そのため、強電界地域でもビルが多数建っている地域では、素子数が高いアンテナを設置するほうがよい場合があります。なお、屋内・屋外兼用アンテナや屋内用アンテナでは受信性能の目安として「20素子相当」などといった表現を使います。
屋根への取り付けには危険がともないます。電波が受信できないケースもあるため、業者に依頼したほうが確実です。
屋外用の八木式アンテナの取り付けは、ほとんどの場合屋根に登って作業する必要があり、転落の危険がともないます。仮に設置できたとしても、電波をしっかりと受信できるように方角などの設定をするには専門知識が必要ですので、工事費がかかっても業者に依頼したほうが確実です。屋外用の平面アンテナをベランダなどに設置する場合、危険性は下がりますが調整の問題は同様といえます。
地デジアンテナとは別にBS、CSアンテナの設置が必要です。
地デジアンテナは、地上波デジタル放送の視聴のみに対応しています。したがって、BS、CS放送を視聴したい場合は、専用のBS、CSアンテナが必要です。
ブースター
テレビ信号を増幅させる機器をブースターといいます。アンテナからテレビまでの距離がある場合、配線が長くなることによって、信号が損失して画面映りが悪くなることがあります。このような場合に、アンテナからテレビまでの配線途中にブースターを設置すれば映りが改善する傾向にあります。
分配器
アンテナからテレビまでの配線中に設置することで、受信した信号を均等に分配できる機器です。分配する数によって3分配器、4分配器などの種類があります。また、入力信号を分けることができる製品には分岐器というものもあります。分配器が信号を均等に分けるのに対し、分岐器では分岐した先で必要な分だけ信号量を取り出します。信号はアンテナからテレビまでのケーブルの長さに応じて損失するため、各テレビでアンテナからの長さが異なる場合は信号の強さに差が出てしまいますが、分岐器を用いればこの差をなくすことができます。