iPhone 5 回線速度実態調査「埼京線」「総武快速線」「東急東横線」

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iPhone 5 料金・スペック・性能・回線速度を徹底解剖

SoftBank版とau版とでは、「iPhone 5」の回線速度はどっちが速い?

「iPhone 5」は、日本国内ではSoftBankとauの2つの通信キャリアから発売されている。どちらの通信キャリアのモデルもハードウェアの基本性能は同じなので、好きなほうを選べばよいのだが、その際に決め手となってくるのが、実際の通信状況に差が出てくる「通信エリアの広さ」と「回線速度」ではないだろうか。特に、今回の「iPhone 5」の場合、新たに対応した次世代通信規格「LTE」の通信可能エリアと、その実効速度が非常に大きな意味を持ってくる。

昨年「iPhone 4S」を使って調査を行った際には、どちらのキャリアの端末も、エリアによって得意・不得意はあったものの、3G回線の速度と通信可能エリアではそれほど大きな差は出なかった。しかし、3G回線の数倍も高速なLTEでは、通信環境によってより大きな差が出ることも予想されるし、まだどちらの通信キャリアも、LTEの電波が全国をフルカバーできるような状況ではないため、場所によっては、LTEがまったく使えないということもありうる。つまり、LTEに対応した「iPhone 5」では、これまで以上に通信キャリアの選択が重要な要素となってくるのである。

そこで、価格.comでは、今回もSoftBank版とau版の2台の「iPhone 5」を用い、東京都内から近郊に向かう3つの路線で、回線速度の調査を行った。調査は、東京から埼玉方面(北方)へ向かう「埼京線」と、千葉方面(東方)に向かう「総武快速線」、神奈川方面(西南方)に向かう「東急東横線」の3路線別に、数か所の途中駅(プラットホーム上)における回線速度を計測するというもの。回線速度の計測には、「RBB TODAY」が提供する「RBB TODAY SPEED TEST」を利用している。なお、テストは、人が混雑する時間帯を避けるため、基本的に午後13〜17時の時間を利用して行い、電車による電波ノイズを避けるため、電車の入線タイミングも避け、基本的に空が見える開けた環境にて測定を行った。また、測定については、1つの場所で5回立て続けに行い、その平均値を掲載している。

埼京線(大崎〜大宮) auのほうがLTEでつながる場所は多いものの、回線速度はSoftBankが優勢

SoftBankのiPhone5 auのiPhone5
平均値 電波状況 平均値 電波状況
下り 上り LTE 下り 上り LTE
東京都 大崎 12.70 8.82 5本 15.17 5.75 5本
渋谷 17.60 8.63 5本 6.73 5.07 4本
新宿 19.62 7.78 5本 13.37 6.68 5本
池袋 7.21 0.99 0本 3.56 4.31 2本
赤羽 17.57 9.63 5本 8.92 7.58 4本
埼玉県 戸田公園 10.82 8.48 4本 16.34 5.24 4本
武蔵浦和 7.13 1.43 0本 15.67 7.51 5本
与野本町 9.68 9.12 4本 4.15 6.49 3本
大宮 9.57 2.67 0本 2.06 1.02 0本
12.43 6.39 9.55 5.52

「埼京線」は、東京都の山手線の南西部エリアにある大崎駅から、渋谷、新宿、池袋といった東京の主要エリアを通り、さらに埼玉県南部の比較的開けたエリアを通過しつつ、埼玉県の主要都市である大宮市まで北方に伸びる路線である。

まず、LTE回線の受信状況に関しては、auのほうが受信可能な駅が多く、大宮駅以外の各駅でLTE回線が利用できていた。対するSoftBankのほうは、池袋駅と武蔵浦和駅、大宮駅の3駅でLTE回線が受信できず、3G回線での利用となってしまった。

ただし、回線速度を見ると、ほとんどの場所で、SoftBankのほうがauを上回るという結果になっている。特に、比較的電波環境がよいと思われる渋谷駅や新宿駅では、SoftBankのLTEが下りで17〜19Mbpsという速度を叩き出しており、auのLTEの回線速度を大きく上回っている。なお、3G回線しかつながらなかった池袋駅でも、auのLTE回線を上回る7.21Mbpsという回線速度を記録している。アンテナ2本のLTEよりは、アンテナ5本の3G回線のほうが早いこともあるという結果となっており、こうした結果を見ると、LTEが入るか入らないかだけでは、回線速度の優劣を判断しにくいことがわかる。

逆に、SoftBankがauに負けているのは、埼玉県内の戸田公園駅や武蔵浦和駅だ。この2つの駅では、auのほうが下りで15〜16Mbpsという速度を叩き出しているのに対し、SoftBankのほうは7〜10Mbpsとややふるわない結果となった。なお、大宮駅に関しては、SoftBank、auともLTEを受信できなかった。

回線速度では、SoftBankが下り平均速度で12.43Mbpsなのに対し、auの下り平均速度で9.55Mbpsと、SoftBankのほうが優勢という結果になっている。

総武快速線(東京〜千葉) LTEの安定性はほぼ互角。回線速度はSoftBankが全般的に優勢

SoftBankのiPhone5 auのiPhone5
平均値 電波状況 平均値 電波状況
下り 上り LTE 下り 上り LTE
東京都 東京 7.67 1.71 0本 14.44 1.69 4本
錦糸町 8.97 9.00 4本 13.10 7.39 5本
新小岩 32.20 8.95 5本 4.60 2.50 2本
千葉県 市川 4.85 2.67 2本 7.85 7.70 4本
船橋 16.98 9.51 5本 5.00 3.52 2本
津田沼 12.87 2.46 2本 15.41 4.59 3本
千葉 17.69 7.44 5本 1.57 0.95 0本
14.46 5.96 8.85 4.05

「総武快速線」は、東京駅から千葉方面へと東方に延びる路線である。全体的に商業地や住宅地の中を通っており、沿線には、錦糸町、市川、船橋など、大型の街も多い。比較的人口密集度の高いエリアで、それだけに電波状況もやや心配な面はある。なお、東京駅から錦糸町駅までは地下を通るため、この区間だけは地下駅での計測となる。

まず、LTE回線の受信状況に関しては、SoftBankとauとでほぼ互角という状況になった。SoftBankは、東京駅でLTE回線がつながらず3G回線での通信になってしまったり、錦糸町駅では両者ともLTEがつながったが、回線速度の傾向はauのほうが速いという結果になった。大きな違いが出たのは、その後の新小岩駅。SoftBankもauもLTE回線がつながったが、SoftBankのほうは下りの回線速度で32.20Mbpsという、かなり速い速度を叩き出した。auのほうは4.60Mbpsだったので、約7倍の速度差ということになる。

その後、郊外に向かっていくごとに、ある駅ではSoftBankのほうが速いが、ある駅ではauのほうが速いというように、両者とも拮抗した状況となったが、このあたりはかなり場所によって電波のバラツキがあるようで、LTEの電波もアンテナが5本立つということは少なかった。なお、最後の千葉駅では、SoftBankのほうはLTEがアンテナ5本で受信できたのに対し、auのほうはLTEが受信できず、3G回線での通信となったため、ここではかなり回線速度の差がついた。

このように、総武快速線沿線では、地域や駅によって電波の安定性にかなりバラツキがあり、LTE回線の安定性はSoftBank、auともほぼ互角という結果になった。ただし、回線速度に関して見ると、SoftBankが下り平均速度で14.46Mbpsなのに対し、auの下り平均速度で8.85Mbpsと、SoftBankのほうが全般的に優勢という結果になっている。

東急東横線(渋谷〜横浜) LTEの安定性、回線速度ともSoftBankが全般的に優勢

SoftBankのiPhone5 auのiPhone5
平均値 電波状況 平均値 電波状況
下り 上り LTE 下り 上り LTE
東京都 渋谷 17.60 8.63 5本 6.73 5.07 4本
中目黒 6.42 6.81 5本 23.13 7.50 5本
自由が丘 21.67 8.23 5本 6.34 4.74 4本
神奈川県 武蔵小杉 10.08 8.23 5本 3.19 1.42 2本
日吉 9.57 1.96 0本 0.72 0.71 0本
菊名 5.86 1.40 0本 2.45 0.60 0本
横浜 12.22 1.35 0本 6.19 1.13 0本
11.92 5.23 6.97 3.02

最後の「東急東横線」は、東京都の山手線西部にある渋谷駅から神奈川県の横浜駅にかけて、南西に延びる路線である。基本的には人口が密集する住宅地を抜けていく路線であるが、比較的起伏のある丘陵地帯を通るため、ほかの2路線とはやや状況が異なり、電波の到達エリアの広さにやや不安がある。

まず、LTE回線の受信状況に関しては、SoftBankとauとでほぼ互角という状況になった。ただし、この路線に関していえば、SoftBankのほうがアンテナの本数がどの駅でも多く、auを全般的に上回っている。このLTE回線の受信状況が、ほぼそのまま回線速度のほうにも反映されており、中目黒駅以外のすべての駅で、SoftBankの回線速度がauを大きく上回るということになった。LTEの受信エリアでは2〜3倍、3G回線の受信エリアでも2倍以上、回線速度に差が付いている。平均的な下りの回線速度で見ると、SoftBankが11.92Mbpsなのに対し、auは6.97Mbpsと、やはり2倍近い差がついており、SoftBankの圧勝ぶりが目立った。

ここまで大きな差がこのエリアでついた理由としては、SoftBankがこのエリアを比較的重点的にインフラ整備していることがあるものと思われる。なお、この路線でLTE回線が受信できたのは、SoftBank、auともに東京都から多摩川を超えたすぐのところにある武蔵小杉駅までで、それ以降、横浜駅に至るまでの神奈川県エリアでは、LTEがまったく受信できず、3G回線での通信となった。3G回線の速度では、HSPA+に対応したSoftBank版のほうが有利であることは、昨年の「iPhone 4S」の実験でも明らかになっているが、このエリアでは、そのことも回線速度の速さに大きく影響することがわかった。

まとめ

以上、東京都とその近郊3県にまたがる3路線それぞれに、SoftBankとauそれぞれの「iPhone 5」を使った回線速度テストを行った。結果としては、両者とも回線品質的に圧倒的な差こそないものの、全般的に見ると、SoftBank版のほうが有利という結果になっている。「iPhone 5」発売前の下馬評では、LTEを使った高速通信のインフラとしては、auのほうが有利といわれていただけに、やや意外な結果と思われる方もいるだろうが、こうして実際に計測を行ってみると、LTE回線でも3G回線でも、SoftBankのほうがauをやや上回った。もちろんこの結果は、測定する場所によっても異なるし、測定する時間によっても異なってくるので、これだけで一概にSoftBankのほうが速いとは言い切れないが、少なくとも東京近郊で見る限り、どちらかのほうが極端に勝っていたり、劣っていたりということはないようである。

しかしながら、今回のテストを通じてもっとも身に染みて感じたのは、LTE回線の圧倒的な速さである。これまでの3G回線では、せいぜい2Mbpsくらい出ていればいいほうだったのに対し、LTE回線の場合、それを何倍も上回る10Mbpsクラスの速度がバンバン出ているのだ。実際のスピードテストも、ほぼ数秒で完了してしまうくらい高速で、テスト自体もかなりスムーズに行えた。この高速回線「LTE」は、東京都内やその近郊のかなり多くのエリアで使えることが今回の調査でわかったし、そのエリアは今急ピッチで拡大しつつある。いずれにしても、このLTE回線をストレスなく利用できるようになるという点だけでも、「iPhone 5」を使う理由は十分にあるといえそうだ。

調査期間:
2012年10月2日〜2012年10月3日
調査実施機関:
株式会社カカクコム

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