LED電球・LED蛍光灯の選び方
「普通の電球と何が違うの?」「明るさや色合いは?」「どういう機能が必要?」「今の電球や蛍光灯を置き換えるだけでいいの?」など、LED電球・LED蛍光灯を選ぶ際のお悩みや疑問を解決できるのが選び方ガイドです。LED電球・LED蛍光灯選びに必要な基礎知識や用語をわかりやすくご紹介します!
2025/3/21 更新
目次
LEDとは発光ダイオード(Light Emitting Diode)のことで、消費電力が小さく、長寿命といった特徴があります。従来の白熱灯と比べ、電気代を数分の1に削減できるため、浸透してきています。発売当初は高価でしたが、値下がりが進み、価格も手頃に。現在では、一般家庭向けの市場でも、LEDを使った電球や蛍光灯が主流になりつつあります。
各メーカーとも、光の色を何種類か用意しています。明るく青っぽい「昼光色相当」、自然な印象の「昼白色相当」、電球のような温かさが特徴の「電球色相当」、日の出1時間前の太陽光に近い「温白色相当」などがあります。オフィスには「昼光色相当」、リビングには「電球色相当」など、設置場所にあわせて光の色を選ぶとよいでしょう。
部屋の広さと明るさの目安を確認しよう!
部屋の広さ | LED電球の明るさ(ルーメン値) | ワット相当 |
---|---|---|
2畳〜 | 170lm | 20W、25W、30W、35W |
4.5畳〜 | 485lm | 40W |
5畳〜 | 640lm | 50W |
6畳〜 | 810lm | 60W、75W |
8畳〜 | 1160lm | 80W |
10畳〜 | 1520lm | 100W |
16畳〜 | 2400lm | 150W、160W |
光源の明るさの単位で、lm(ルーメン)で表します。数値が大きいほど明るくなります。従来の白熱灯ではW(ワット)を使っていましたが、本来、Wは消費電力の単位。LED電球では、明るさを示すのにlmを用います。
全光束で選ぶ
lmで表すLED電球の明るさを、従来の白熱灯の明るさで把握するために「○W相当」と表記することがあります。電球や蛍光灯をLED製品に替える場合、明るさを直感的に理解できて便利なので、参考にするとよいでしょう。
ワット相当から選ぶ
配光形と配光角
光の広がり方を配光形といいます。白熱灯の光は全方向に広がりますが、LEDの光は直進性が強く、明るく照らせる角度(=配光角)が限られます。そのため、配光角が小さい製品を使うと電球の真下以外は明るく照らせません。設置する場所や用途に合った配光形の製品を選びましょう。
配光角が大きいと、白熱灯と同様に広い範囲を照らすことができます。そのため、白熱灯と交換しても違和感がなく、リビングやダイニングでの利用に向いています。通常は260度もあれば十分ですが、中には350度という製品もあります。
水平方向までをカバーしたバランスのよいタイプです。電球の上部を明るくすることはできませんが、ダウンライトやフロアスタンドなど、さまざまな用途で利用できます。価格も手頃で、コストパフォーマンスにすぐれているのもメリットです。
LED電球の向いている一方向を中心に照らすタイプです。安価ですが、電球が向いていない部屋の隅や天井がやや暗くなる可能性があります。トイレやデスク用の照明など、用途は限られます。
白熱電球のような形をしているLED電球です。もっとも一般的で、製品数も豊富です。
ボール型白熱電球と同じ形のLED電球です。こちらも、製品数は多いです。
小さなミニクリプトン形の電球と同じ形のLED電球です。口金はE17です。
細長い蛍光灯のようなタイプです。蛍光灯の器具にそのまま付けられないこともあるのでチェックが必要です。
スポットライトの光源として使われるハロゲン電球に近い光り方をするLED電球です。形も似ています。
屋外で利用するビームランプ形状のLED電球です。集光性(光を一方向に集める性能)にすぐれています。
写真撮影時の光源に使われるレフ型のLED電球です。配光角は狭め。
小さい丸形の電球です。蛍光灯についている常夜灯でおなじみ。
小さく、とがった形のLED電球です。シャンデリアで使われます。
電球型蛍光ランプと同程度の大きさのLED電球です。
LED電球の最大手メーカーで、さまざまなタイプのLED電球をラインアップ。人感センサーや光色切り替えなど、便利機能を備えた高性能モデルが充実しています。廊下・階段・玄関・浴室に向いているLED電球広配光タイプも人気です。
とにかく安さに定評のある国内メーカー。同じ明るさの製品同士で比べた場合、トップクラスのコストパフォーマンスを発揮します。密閉器具対応や明るさ切り替え機能モデルなどもあり、価格重視の人には最適なメーカーでしょう。
LED電球には2010年に参入した後発メーカーながらも、一気にシェアを拡大した仙台の企業。抑えた価格のわりに高いパフォーマンスを誇る製品を数多く揃えているのが特徴です。
定格消費電力としてW(ワット)で表記されます。消費電力の小さいLEDは、白熱灯に比べてW数が小さくなり、1W以下の製品もありますが、5〜8Wのものが一般的で数も多く存在します。一方、高輝度で大きな電球だと15〜20Wにも上ります。
消費電力で選ぶ
消費電力1Wにつき、どのくらいの明るさ(ルーメン)を発するかの指標で、lm/Wで示します。当然、少ない消費電力で明るいほうが電気代を抑えられます。100lm/W前後の製品が多いですが、中には140lm/Wに迫る製品もあります。
発光効率で選ぶ
電球の寿命のこと。LED電球では、電球を使い続け、明るさが購入時の70%に落ち込むまでの時間をさします。白熱電球は1,000〜2,000時間、蛍光灯は6,000〜12,000時間が目安なのに対し、LEDは40,000時間と長く使えるので価格が高くても経済的です。
定格寿命で選ぶ
調光器とは、照明の明るさを調節できるスイッチのこと。白熱灯の場合は、調光器のレバーを動かすことで、電球の明るさを調整できますが、LED電球・蛍光灯の場合は、「調光器対応」製品でなければ調光器を利用して明るさを変えられないので注意しましょう。
お風呂などでは水がかからないように照明がカバーで密閉されていることがあります。LED電球は熱さに弱く、カバー内にこもった熱が原因で故障してしまうため、カバーをつけて利用する場合は、「密閉器具対応」と明記してある製品を選びましょう。
人の動きに反応して自動で点灯し、人がいなくなると数秒〜数分で自動的に消える機能です。スイッチに手が届かない子どもや高齢者がいる家庭で役立ちます。また、消し忘れ防止効果もあるため、電気代の節約にもなります。
建物によっては、エアコンの効率や防音性能を高めるため天井に断熱材を敷き詰めていることがあります。その場合、放熱しにくくなるので一般的なLED電球は利用できません。「断熱材施工器具対応」と明記している専用モデルを使いましょう。
光の色を変更できるLEDならではの機能です。昼はさわやかな白系の光に、夜は温かい電球色の光にするなど、時間帯やシーンにあわせて使い分けることができます。なお、光色の変更は、リモコンやスイッチ(既存のものでOK)で行えます。
防水設計が施されているため、屋外で利用できる製品です。ただし、配線や器具も屋外用のものを利用しなければなりません。なお、カバーをつけて使用できる密閉器具対応製品は、すべてが屋外対応というわけではないので注意してください。
LED電球・LED蛍光灯に組み込まれた部品などから出る熱を放熱するためです。
LED電球・LED蛍光灯は、LEDのチップと電子部品の基盤で構成されています。LED自体はあまり発熱しませんが、内部に組み込まれた電子回路は発熱します。LEDは半導体のため熱に弱く、基盤の放熱がしっかりできていないと寿命が短くなります。少し点灯しただけで熱くなるものは注意が必要です。
一部に品質の悪い製品があるのは事実です。
日本メーカーだけでなく、世界各国のメーカーがLED電球・LED蛍光灯の開発と製造にしのぎを削っています。そのため、性能のすぐれた製品は国内外問わずたくさんあり、海外製だから性能が劣っているとは限りません。一方で、安価で販売されている海外製品には、放熱がしっかりしていない、管理が甘く品質にばらつきが多いといった粗悪品があるのも事実です。国内であまり知られていない海外製品を購入するときは、極端に安価なものを避け、信頼できる販売店で購入するのが無難でしょう。
基本的にはそのとおりですが、いくつか注意点があります。
一般的にLED電球・LED蛍光灯は重いため、取り付け器具によってはバランスを崩したり、固定が外れてしまったりする可能性があります。また、設置場所が調光機能対応の場合、製品もそれに対応していないと利用できません。
LEDは紫外線をあまり出さないため、虫が寄りにくくなります。
蛍光灯と比べると格段に違います。
口金
照明器具にLED電球・LED蛍光灯をセットするソケット(取り付け金具)のこと。サイズなど規格が決まっており、合わないと取り付けできないので注意しましょう。
消費電力
定格消費電力としてW(ワット)で表記されます。LED電球の場合、1W以下の製品もありますが、5〜8Wのものが一般的で数も多く存在します。一方、高輝度で大きな電球だと15〜20Wにも上ります。
全方向/広配光/下方向タイプ
LEDの光は直進性が強いため、安価な下方向タイプだと真下など1方向しか照らせません。広配光タイプから全方向タイプへ照らせる範囲が広がるにつれて、製品の価格も上昇します。
定格寿命
電球の寿命のことです。LED電球の場合、使い続けて明るさが購入時の70%まで落ち込む期間をさします。LEDの定格寿命は40000時間と長いのが特徴です。
発光効率
消費電力1Wにつき、どのくらいの明るさ(ルーメン)を発するかの指標で、lm/Wで示します。
ルーメン
明るさを表す単位で、lmと表記されることもあります。800lm前後が従来の60W電球相当の明るさです。