中学校入学祝いの基本
両親や祖父母、おじやおばなど、主に身内で中学校入学をお祝いをします。
中学生は、学生生活において最も長い時間を過ごす小学校を卒業し、電車やバス代が子ども料金から1人前の大人料金になるなど、大人として扱われ始める大きな節目の時期。もう子どもではないという自覚を促すためにも、きちんとお祝いをしましょう。
学校で使うことを前提とした贈り物をする際は、公立か私立かで持ち物や服装も異なるので、相手に確認してから贈ることが大事。子ども本人と仲がよい場合でも、義務教育期間は両親を通じてプレゼントを贈るほうがよいでしょう。そうすることで、両親は子どもにお礼の仕方を学ばせることができます。
喜ばれる中学校入学祝いのルール 5か条
- 公立か私立かを踏まえる
- 実用的な物を選ぶ
- 自分では買いにくいけど、もらうとうれしい物が◎
- 子ども本人が気に入る物を探す
- 両親を通じて贈る
公立か私立かによって学校で使用できるアイテムが異なるので、必ず確認しましょう。また、中学生になると本人の好き嫌いがはっきりしてくるので、本人に希望の品を聞くのがベスト。ただし、義務期間中は子どもと直接やり取りせず、両親を通しましょう。
中学校入学祝いのNG 5か条
- 中学生らしくないブランド品
- 大人になるまで使えない物
- 両親の教育方針に反する物
- 高価すぎる物
- 両親を通さず子どもに直接渡す
高級ブランド品や高価すぎる物、子どもの金銭感覚を左右する可能性があります。もし贈る場合は、必ず両親に確認を。また、たとえ本人にゲームが欲しいと言われても、両親の教育方針に反する可能性があるので、両親に相談したほうが無難。
厳選! 人気の中学校入学祝い Best10
中学に入ると部活に入ったり、塾に通い始めたり、活動範囲がぐっと広がります。親戚や知人の場合は、学業に関する物を贈るのが一般的。ただし、公立か私立かによって校則が大きく異なったり、通学方法もさまざま。必要な物を贈れるようになるべく事前にリサーチしましょう。
ユニフォームやシューズなど、持ち物が多い運動部に所属するなら、スポーツバッグが必須。サッカー用、野球・ソフトボール用、テニス用など、本人が参加する予定の部活動から選ぶのも◎。
現金や商品券を贈ってもいい?
OKです。相手の好みがわからない場合は、現金や商品券を贈りましょう。子どもに自分で選ぶ喜びをプレゼントすることができます。金額の目安は買ってもらいたい物の金額だと思ってください。一般的には、祖父母は10,000円前後、親戚や親しい友人の場合は3,000〜5,000円程度です。
正しい水引きと表書き
| 贈る時期 | 入学の1か月前。遅くとも1週間前には贈るようにしましょう。 |
|---|---|
| 金額の目安 | 祖父母の場合は10,000〜30,000円程度 親戚や親しい友人の場合は3,000〜5,000円程度 |
| 表書き | 「御祝」「御入学御祝」「合格御祝」 |
| 水引き | 紅白・赤白の蝶結び |
最も一般的な表書きは「御祝」。入園や入学の御祝全般に使えます。金品を贈る場合は「御入学御祝」。志望校に合格した場合は「合格御祝」を使います。
贈り物の添え状文例
添え状は本人宛に贈ります。中学校生活を応援するとともに、もう子どもではないということを自覚させましょう。友人の子どもに贈る場合など、本人のことをよく知らない場合は、親である友人宛でも構いません。ただし、「おめでとう」程度のメッセージは本人宛にも書き添えましょう。
何を書けばいい?
- お祝いの言葉
- 大人としての自覚を促す言葉
- 新生活へのエール
- 近々会いたいという一文
- 本人の健康と、よい毎日を祈る言葉
例文
○○君。中学校入学おめでとうございます。
初めての電車通学はいかがですか?
料金も大人料金に変わり、
いよいよ大人の仲間入りですね。
中学生になると、勉強や部活など忙しくなると思いますが、楽しく過ごして自分を磨いてください。応援しています。
中学で役に立ちそうな△△△△を贈ります。
よければ使ってくださいね。
今度、中学校生活について、お話聞かせてください。
よい毎日をお祈りしています。
特に違いはありません。全国的に同じような慣習で行われています。
中学校入学祝い こんな場合はどうする?

本を贈りたい。どんな物がいい?

伝記や歴史書がおすすめです。どの人物や時代から手を付けるべきか迷いますが、伝記の場合は「織田信長」「豊臣秀吉」「徳川家康」がおすすめ。ホトトギスの歌で比べられる3人は、それぞれ強烈な個性の持ち主。子どもたちをひきつけやすいようです。3冊読めば、歴史のつながりも理解し、興味を広げやすくなります。

友人の子どもにお祝いを贈るが、本人のことをよく知らないので、添え状に何を書けばいいのやら…
この場合は、付き合いがある友人のために贈る意味合いが強いので、添え状も、友人宛でも構いません。その中で、「○○ちゃん、入学おめでとう」と、本人宛にも、ひと言添えればよいでしょう。もし、相手のお宅にお邪魔する機会があるなら、直接手渡すのも◎。子ども自身も、よく知らない人からプレゼントが届くより、顔を見ながら受け取るほうが、お礼をしやすくなります。

双子の姪が中学生に。2人とも同じ物をあげるほうがよい?
子ども時代は、自分より相手の物のほうがよく見えがち。けんかを防ぐために、同じ物を贈る場合もありますよね。でも、2人はもう中学生。ちゃんと、自分が本当に欲しい物を見極められるはず。それぞれに欲しい物をリサーチして、プレゼントするのがよいのでは? ただし、価格に差が開くと不公平感が生まれるので、予算は同程度に設定しましょう。
監修
マナーデザイナー 岩下宣子さん
現代礼法研究所代表。共立女子短期大学卒業。全日本作法会の内田宗輝氏、小笠原流小笠原清信氏のもとでマナーを学び、1985年、現代礼法研究所を設立。マナーデザイナーとして、企業や学校、公共団体などでマナーの指導、研修を実施するほか、講演や執筆活動を行うなど、幅広く活躍。表面的なやり方だけではない心のこもったマナー指導、研修に定評がある。『贈るマナー 贈られるマナー』など、著書多数。










