小学校入学祝いの基本
昔は「7歳までは神の子」と言われ、7歳を迎えて初めて社会の一員として認められていました。歴史的な慣習においても小学校入学は子どもにとって大きな節目。両親や親戚などでお祝いをしましょう。
身内のお祝いなので、贈り物をするのも両親や祖父母、特に親しい友人などに限られます。
小学生になるころには子どもの個性も少しずつ出てくるので、子ども用の商品をただ贈ればいいというわけにはいきません。本人が好きなキャラクターものにしたり、興味がある分野の物を贈ったり、本人も親も喜んでくれるような実用品を贈るのがベストです。
祖父母の場合は、ランドセルや学習机を贈るのが一般的。親戚や友人などは、文房具や本、洋服などが定番です。
喜ばれる小学校入学祝いのルール 5か条
- お返しを気にさせない気軽な物を贈る
- 学校で使えるかチェックする
- 子どもが使いやすい物を選ぶ
- 成長を見越して贈る
- 現金や商品券も人気
相手が「お返しをしなくては」と気にしなくても済む、ちょっとした物でOK。また、たとえば水着入れなど、まだ相手が用意していない数年先に使うアイテムもよいでしょう。好みや必要な物がわからない場合は、現金や商品券を贈るのが安心です。
小学校入学祝いのNG 5か条
- 自分の好みを押し付ける
- 贈るのが遅い
- 学校の決まりを無視する
- 危険な物を贈る
- 両親の意向に反する物を贈る
大人からすると、たとえば"北欧デザインのおしゃれなペンケース"は、素敵なプレゼントですが、使うのは子ども。キャラクターもののほうがうれしいかもしれません。自分の好みを押し付けないように注意。また、子どもが欲しがっているからといって、両親の教育方針に反するような品物も贈るのは控えましょう。
厳選! 人気の小学校入学祝い Best10
小学校で必要になる物を贈るのが一般的です。小学生になると子どもにとっての世界が広がる分、必要な物も多岐にわたります。できれば何が欲しいか事前に聞いてみましょう。難しい場合は、いくつあっても困らない消耗品がベターです。
現金や商品券を贈ってもいい?
OKです。祖父母の場合は10,000円前後が目安。ただ、ランドセルや学習机代として渡す場合はピンきりです。親しい友人の場合は、3,000〜5,000円程度。一般的な商品券ではなく、「図書券」や「文具券」など、購入できる物が限られたギフト券も、子ども向けのギフトとして人気があります。
正しい水引きと表書き
| 贈る時期 | 入学の1か月前。遅くとも1週間前には贈るようにしましょう。 |
|---|---|
| 金額の目安 | 祖父母の場合は10,000〜30,000円程度 親戚や親しい友人の場合は3,000〜5,000円程度 |
| 表書き | 「御祝」「御入学御祝」「合格御祝」 |
| 水引き | 紅白・赤白の蝶結び |
最も一般的な表書きは「御祝」。入園や入学の御祝全般に使えます。金品を贈る場合は「御入学御祝」。志望校に合格した場合は「合格御祝」を使います。
贈り物の添え状文例
添え状は、本人宛に贈ります。そのため、難しい言い方ではなく、本人にも理解できるような簡単な言い方を心がけてください。なるべく漢字は使わず平仮名で書きましょう。かわいらしい便箋やメッセージカードに記すのもよいでしょう。
何を書けばいい?
- 入学を祝う言葉
- 最近の成長を喜ぶ一文
- 新生活への励まし
- お友達と仲良くしましょうということ
- 勉強を楽しんでというエール
例文
○○(子どもの名前)くん
しょうがっこう、にゅうがくおめでとう。
ちかごろ、すっかりおにいちゃんらしくなりましたね。
○○くんがだいすきな、あおいろのランドセルをおくります。
これからは、まいにちこのランドセルをしょって、たのしくがっこうにかよってくださいね。
おともだちとなかよくして、べんきょうもたのしんでください。
おうえんしています。
特にありません。全国的に同じような慣習で行われています。
小学校入学祝い こんな場合はどうする?

友人の子どもに贈りたい。どんな物がいい?

親戚や友人が贈る場合は、文房具や本が定番です。文房具の場合は、名入りにしたり、本人が好きなキャラクターグッズにしたり、小学校入学を迎える子どもの個性を重んじましょう。鉛筆を贈る際は、子どもの筆圧に適した2Bがよいでしょう。本は、その子の興味や関心に応える内容の物が◎。ただ、本は同じ物が2冊あっても仕方がないので、どのような物を持っているか事前に確認しましょう。

孫に勉強机を贈りたい。どんな物がいい?
まずは子どもの両親に相談しましょう。最近は、小学校に入学しても勉強机は用意せず、ダイニングテーブルを利用する家庭も増えています。部屋に人でこもるより、家族とリビングにいるほうが勉強しやすい子が多いそう。贈る場合も、サイズやデザイン、色、素材など、本人も交えて相談しましょう。

お料理好きの姪(めい)に、子ども用の包丁をあげてもいい?
控えたほうがよいでしょう。確かに子ども用に安全性を考慮した包丁も販売されていますが、万が一何かあった場合、責任を取れませんよね。危険の及ぶ可能性がある物は、両親がタイミングを見計らって贈るべき。お料理好きなら、包丁ではなく、エプロンや三角巾など安全なグッズをプレゼントしましょう。
監修
マナーデザイナー 岩下宣子さん
現代礼法研究所代表。共立女子短期大学卒業。全日本作法会の内田宗輝氏、小笠原流小笠原清信氏のもとでマナーを学び、1985年、現代礼法研究所を設立。マナーデザイナーとして、企業や学校、公共団体などでマナーの指導、研修を実施するほか、講演や執筆活動を行うなど、幅広く活躍。表面的なやり方だけではない心のこもったマナー指導、研修に定評がある。『贈るマナー 贈られるマナー』など、著書多数。











