快気祝いの基本

病気やケガが完治した場合は「快気祝い」を贈りますが、退院した後も状態がすぐれない場合には「退院祝い」としてお返しを贈ります。
本来は、元気になった姿を見てもらい一緒にお祝いをするものでしたので、元気になったことに感謝し心配してくださったことに対してお礼の気持ちを伝えることが大切です。「病気やケガが消えてなくなる」という意味で、"消え物"を贈るのが習わしです。
お返しのポイント 3ヶ条
- 本人の状態をみながら贈る
- 食品や実用品などの消費できる"消え物"を贈る
- 「ご心配いただきありがとうございました」とお礼の手紙を添える
相手が気にかけているのはお返しのことではありません。きっとお見舞いした方の状態を心配していることでしょう。お礼の手紙を必ず添えて、できれば現在の体調やケガの状態など近況報告をしてあげてください。もし、退院したけれど体調がすぐれないなどの場合は、お礼と退院の報告だけでもかまいません。
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会社の皆さんで召し上がってもらえる、コーヒーが定番です。スティックタイプやドリップオンタイプなど、手軽に飲めるようなインスタントコーヒーの詰め合わせがよいでしょう。
正しい水引きと表書き

贈る時期 | 退院後2週間以内に。 |
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金額の目安 | 贈られたお見舞いの3分の1程度。 |
表書き・水引き | 二度と繰り返さないと願って紅白の結び切りにします。のしを付けて、表書きは「快気祝い」「退院祝い」とします。 |
贈り物の添え状文例
何を書けばいい?
- お見舞いに来てくれたことに関するお礼。
- 心配をかけたことに対するお詫び。
- 現在の体調について。
例文
先日はお見舞いに来てくださりありがとうございました。
ご心配をおかけしましたが、ようやく元気になりました。
心細く思っている時に、
○○さんの顔を見られて元気になりました。
本当にうれしかったです。
些少ですが、お礼の気持ちです。受け取ってください。
またお会いできること楽しみにしています。
快気祝い こんな場合はどうする?
退院はしたけれどまだ治療が必要な場合でも「快気祝い」になる?
また、その場合、相手になんと伝えればよい?「退院祝い」として贈り、退院の報告を伝えるだけでよいです。 また、退院後もなかなか本人が快方に向かわない場合も、お返しをいつにしようかと思いつつ、ずるずると日を延ばしてしまうのはよくありません。お見舞いに来てくださった人に心配をかけるだけですので、退院後2週間ぐらいまでには贈るようにしましょう。
後遺症が残って人と会いたくない場合はどうすればよい?
無理に会うことは本人にとって精神的な負担になるので、「まだ体調が万全ではないので会えない」と伝える。
自分の代わりに家族から贈ってもらってもよい?
かまいません。できるだけ手紙を書くなり代筆を頼むなどして、自分の気持ち(感謝の気持ち)を伝えられるとよいですね。
監修

コミュニケーション研究家 尾塚理恵子さん
企業や教育関係者に、マナー、コミュニケーション能力向上、子育てをテーマにしたセミナー・講演を実施。全国初の女性小学校民間人校長。主な著書に、『人に愛される声の演出力』『美人のお作法』『季節のお作法』(以上、中経出版)、『社会人のためのマナーの基本』(角川学芸出版)ほか多数。