大切な身内、お世話になっている取引先、人生の大先輩らに、贈り物を通して感謝の意を表すのがお歳暮の役割です。
近年、お歳暮を贈る人が減っていますが、そんな時代だからこそ、真心込めたお歳暮の1つひとつが相手の心にしっかりと届くのです。よりいっそう大きなよろこびを得てもらいたいのならば、相手の年齢や立場、自分との関係、贈る時期などに合わせて賢くお歳暮を選びたいところ。
本特集では、「人気のお歳暮」「贈り先別のお歳暮」「世代別のお歳暮」といった気になるお歳暮をまとめてみました。お歳暮にまつわるQ&Aと合わせて、参考にしてみてください。
得意先や恩師、親族など、いつもお世話になっている方々に対して、1年の感謝の気持ちを贈り物として表現するのがお歳暮です。
時期は12月20日までに送るのが礼儀にかなっています。相場は3,000円〜5,000円が目安です。
相手の好みや家族構成、ライフスタイルをしっかり考えて選びましょう。
「お歳暮くらいは贅沢を味わってください!」というメッセージを込めて、肉類や有名ブランド、こだわりスイーツなどの高級感たっぷりのお歳暮で、相手にゴージャス気分を満喫してもらいましょう!
贅沢な"食"といえば、最初に浮かび上がるのは肉類ではないでしょうか。お正月らしい煮豚やローストビーフから、牛タン、ご当地グルメ、加工肉までバラエティ豊かなラインナップを集めてみました。印象に残るインパクト大のお歳暮を選びたいという人たちは、ぜひお肉編のアイテムのご一考を!
熟成牛 プレミアムローストビーフ
肩ロースの中でも美しいサシが入った希少部位、ザブトンのみを使用。50日間かけて氷温熟成させて肉の旨味とやわらかさが増した、特別な日にピッタリのローストビーフです。
伊達の牛たん本舗 厚切り芯たん
仙台の肉といえば牛タン! 「伊達の牛たん本舗」の看板商品である「芯たん」は、牛タンの中でもやわらかい部分で、歯切れのいい食感と素材の旨味を味わえるのが特徴です。
巷をにぎわせている名店や名ブランドの味は、一度は食べてみたいとは思うものの、入手が困難だったりしてなかなかお目にかかることができません。しかし、お歳暮ならば11月上旬などの"早めの予約"を心がければ、手に入る確率が高まります。「希少性の高い品を苦労して手配してくれた」という事実から、一生懸命さが相手に伝わりやすいメリットもあります。
下鴨茶寮 料亭の鴨まんじゅう
1856年創業の京懐石の老舗。鴨肉のそぼろを里芋生地で包んで揚げた「鴨まんじゅう」は、京の伝統料理のひとつ。出汁のきいた餡と、かりっと揚がったあられで楽しめます。
獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分 遠心分離
山口県のブランド酒蔵「獺祭」が精魂込めた純米大吟醸。精米歩合二割三分のもろみを、遠心分離機にかけた酒のみで作られた獺祭。本来もつ香りやふくらみがそのまま瓶詰めされています。
鎌倉ハム富岡商会 鎌倉ハム 詰め合わせ
鎌倉の地で受け継がれてきた伝統の技術と味わいを守り続ける、創業1900年のハムメーカー。普段の食卓やお酒の席などのいろんなシーンで、世代を超えて楽しめます。
老若男女が一堂に会する年末年始、おいしいスイーツがあれば団らんの席を盛り上げる"華"になってくれます。スイーツは日持ちしないものが多いというイメージがありますが、ネット注文ですと日持ちがするものや冷凍食品が多いだけに、相手にも迷惑をかけずに済むというメリットもあります。
足立音衛門 栗のテリーヌ
栗を使ったスイーツを得意とする京都「足立音衛門」。人気NO.1の栗のテリーヌは400gもの栗をふんだんに使った栗ずくめのケーキです。栗のほくほく感をたっぷり楽しめます。
銀座千疋屋 銀座プチフルーツタルト
甘さ控えめのクリームや、色とりどりの果実がトッピングされた、手のひらサイズのタルト。冷蔵庫で解凍して食べるので、賞味期限を気にせずに食べてもらえます。
上司や得意先などの「仕事関係」、身近な存在だからこそ余計に心遣いが必要な「親族」、学校時代にお世話になった「恩師(仲人も含む)」の3ジャンルに分けて、贈り先別お歳暮の一例をご紹介します。
仕事関係の場合、贈答品が禁止ということがあります。上司へは会社のコンプライアンスを確認してから、あまり贅沢ではないものを贈りましょう。取引先へ贈る際は先方の規定などをあらかじめチェックしたうえで、付き合いのある人個人ではなく、部署や会社の代表者宛にしましょう。小分けできる食品を送れば、部署全員に感謝の気持ちが伝わります。
プレスバターサンド バターサンド
数々のスイーツの専門店ブランドを展開する、BAKE。クッキーの中にバタークリームとバターキャラメルをはさんだバターサンドは、食べやすさを追求した設計になっています。
フランセ ミルフィユ
モンドセレクション連続受賞の逸品「ミルフィユ」。素材の香りやサクサクのパイの食感がたまりません。チョコがふんだんに使われているものの常温保存可ですからオフィスでもよろこばれます。
親族へのお歳暮のキーワードは、ずばり「ふるさと(故郷)」。地元を離れている親族にはふるさとのものを、ふるさとで暮らす親族にはあなたが住んでいる地元名産を。いつか会ったとき話題にしやすいので、その土地の名産品は話の種をまくという意味でも有効です。
桜庵 MOCHIMORE ギフトセット
和と洋の素材を絶妙にミックスさせた「MOCHIMORE」は、おもちにくるまれたアイス。厳選した素材と深いコクのアイスの融合は、思わず笑顔になってしまう特別なスイーツです。
鶏三和・尾張さんわ屋 三和の純鶏 名古屋コーチン たまごぷりん
愛知名物・名古屋コーチンの卵をふんだんに使うことで、深いコクと濃厚な旨みが楽しめるプリンに仕上がっています。甘党の親族にいつもと違う高級感を楽しんでもらいましょう。
学生時代の恩師や仲人とは、一生のお付き合い。お歳暮の値段よりも、毎年欠かさずに贈ることが大切です。一度贈ったら反応をみて、良好なら変えないのがポイント。普段使いができるお歳暮などは特によろこばれることでしょう。
花王 バブ プレミアムアロマギフト
寒い冬の夜を少しでも温かく過ごしてもらいたい……そんな心遣いを込めて入浴剤という選択もアリです。アロマ入りのこのギフトならリラックスしたバスタイムが過ごせます。
伊藤ハム 伝承献呈
恩師や仲人には定番お歳暮がベストとなれば、王道のハムは外せない一品です。年末年始のお酒を飲む機会が増える時期に、切って出すだけでもおつまみになるハムはとても便利です。
味の素 和洋中バラエティ調味料ギフト
お歳暮の定番、調味料や食用油を詰め合わせたバラエティ調味料ギフト。毎日のお料理にも使え、年末年始の多くの料理を作る季節にも活躍してくれることでしょう。
相手のよろこびを考えて、60代以上ならば昔からの定番の受けがいいですし、家族を抱えた40〜50代はお子さん世代を見据えたお歳暮がベスト。30代ならば本人の好みに合わせて自由な形のお歳暮を贈ってもOKです。
60代以上の方には奇をてらったお歳暮ではなく、"定番"を選択したいところ。そばやつくだ煮といったオーソドックスな贈答品はもちろん、老舗や名店の冠がついた「誰がもらってもうれしい」品を選ぶように心がけましょう。体を動かすのがおっくうになりがちな高齢の方には調理の手間が省ける食品は、ありがたい贈り物となります。
小倉屋山本 えびすめ詰合せ
ごはんのおかずとして愛されている塩ふき昆布の元祖「えびすめ」。昆布を軸とした多様な味が小分けされており、毎日の食卓を支えるいぶし銀として活躍してくれそうです。
京洛辻が花 お茶漬最中・お吸い物最中セット
京都の有名店「京洛辻が花」。最中の中に京風茶漬けやお吸い物を忍ばせた"花点心"の詰め合わせ。素材の味をそのまま楽しめるよう、生の素材にこだわっています。
お子さんの進学などで何かと出費の多いと思われる40〜50代には、普段では手が出しにくい少し高価な品を積極的に選んではいかが? 食べ盛りのお子さんを抱えるご家庭も多いだけに、ボリュームやインパクトなども考慮したいところです。
人形町今半 黒毛和牛すき焼き用お肉
厳選したA4・A5ランクの黒毛和牛雌牛のみを使用した、人形町今半の精肉ギフト。20日間ほど熟成させてあるので、食感も旨味も最高の状態ですき焼きを楽しんでもらえますよ!
ブルーシール ブルーシールギフト12
アメリカで生まれ、沖縄で育ったアイスクリーム。ギフトカップ商品には、沖縄県産のきび糖を使用。フレーバーの種類が豊富なので、お子さんのいるご家庭なら大好評のはずです!
加島屋 中瓶セット
1855年創業以来、魚介類の加工品を一貫して手掛けてきた、新潟の加島屋。看板商品の「さけ茶漬」や「いくら醤油漬」など、白米にピッタリ合う逸品が食卓に華を添えてくれます。
この世代は、あまりお歳暮に慣れていない可能性が大。独身貴族から新婚、お子さんがいるご家庭まで、ライフスタイルも多種多様です。それだけに型にはまったお歳暮ではなく、ちょっと趣向を凝らした贈り物をするという感覚で、自由に品を選んでみましょう。
軽井沢ブルワリー THE軽井沢ビール G-RL
ワールド・ビア・アワード2022で3銘柄が受賞した、THE軽井沢ビール。ビール造りに最適な冷涼な伏流水に恵まれた避暑地、軽井沢で作られたビールが、贅沢な時間を演出します。
551蓬莱 ギフトセット
大阪土産の支持率NO.1といえば「551(ごーごーいち)蓬莱」。1つひとつ手で包んだ食べごたえ満点の豚まんは、働き盛りの30代ならバクバクと胃に収めてくれるはずです!
前田屋 潮風ノ島ノ贈物 海苔ギフトセット
老舗海苔メーカー前田屋の、焼きばらのりをアソートした本格海苔ギフトセット。パッケージにはやさしい色づかいのかわいい猫たちが描かれているので、手にした人を笑顔にしてくれるはず。
11月中に選んで、12月上旬から20日ごろまでに贈りましょう
お歳暮は、1年の感謝の気持ちを伝える手段で、"デキる大人"の心遣いです。冒頭でも紹介したように、贈るべき時期は12月上旬から20日ごろまでが妥当なところ。ちょっと期間が短いですね。もし、この時期を過ぎてしまった場合は「クリスマスプレゼント」か「お年賀」名目にするという手もあります。
ただし、あまり親しくない人からクリスマスプレゼントやお年賀なんて、違和感があるというのは忘れずに。
いっぽう、贈り物を選ぶ時期はのんびり構えてはいられません。12月のピーク時に入ってからの注文は完売だらけで、好きなようにお歳暮を選ぶことはできないのです。11月中にお歳暮の内容は決めておくべきです。
現代社会ではどちらの目的も同じだが、お歳暮の重要度が高い?
暮れも押し迫った寒い時期の「お歳暮」と、灼熱の太陽が照りつける真夏の暑い時期の「お中元」。お世話になった人への感謝の気持ちを贈り物で表現するという意味では、どちらも共通のものです。ただし、1年を総括する意味合いのあるお歳暮だけで済ます人が多いのは事実のようです。「暑中見舞いは送らないけれど年賀状だけは欠かさない」というのと似ているかもしれません。
ちなみに「中元」は古代中国の道教思想における祭日のこと。厳密には旧暦7月15日が中元であり、道教の神様のひとりにお供え物をしてお祝いをしていたといいます。日本に伝えられるころにはお盆の習慣と中元が融合しており、先祖の供養の際に縁者に贈り物をするようになったとされています。同じ先祖供養が起源とはいえ、お歳暮とお中元と少し色合いが異なる習慣だということがわかります。
なお、お中元の時期は7月初旬から8月初旬まで。真夏ですからビールやそうめんなどの夏らしい品が定番です。
水引は紅白のちょう結び。宅配業者を使うなら内のしで
贈り物に"熨斗(のし)"や"水引(贈り物にかける紙紐)"をつけるのは、古代日本から伝わる習わしです。近年は水引をのしに印刷した「のし紙」を使うケースが圧倒的に多くなっていますが、シチュエーションによって水引の形が微妙に異なっているので注意が必要です。お歳暮の場合はお祝い事ですから、「紅白のちょう結び」を選んでください。簡単にほどけるちょう結びには、"めでたいことは何度でも繰り返そう"という意味合いが込められています。ネット通販でオーダーするならば、たいていは紅白のちょう結びでしょうが、気になる場合は業者にご確認を。また、海産物などの生ものにのしは付けないのがルールなので忘れないでください。
のし紙の付け方にも気を配りましょう。包装紙の上にかける"外のし"、贈り物に直接かけてその上から包装紙で包む"内のし"の2パターンがあります。地域によって内か外かが変わるとはいわれますが、直接、相手先に持参する際には何のお土産かわかる"外のし"、ネット通販などで宅配業者を使う場合はあまり自己主張をしない"内のし"を選べば問題ありません。もしお歳暮を持参する場合は、のし紙を付けたお歳暮を必ず風呂敷で包むのを忘れずに。
相手に合わせて選びつつも、気を使われない程度のものがベター
冒頭では一般的には3,000円から5,000円と書きましたが、一般的には贈り主の年齢が上がれば上がるほど、金額は高めに見積もる傾向にあります。といっても、明確な縛りはありません。お歳暮に値札はついていませんし(検索すればわかりますが……)、どんな値段でもお歳暮向けの商品であれば見た目もある程度、高級感が漂っています。あまり金額にこだわらず、相手が気を使わない程度のものと気楽に考えましょう。
「失礼かもしれない」と感じたら一報入れましょう
関東だと12月頭からお歳暮シーズンが始まりますが、関西ですと12月10日からとなります。この微妙なタイムラグを混同して、お歳暮を贈る時期を間違えてしまう人も少なくないようです。もっとも今は11月に贈る人もいるなど、厳密に時期を守る必要はなくなっています。フライングしてしまったとしても、あまり気にすることはないでしょう。ただ、年配の方の一部では、早すぎるお歳暮は失礼だと受け取る人もいるようです。気になる場合は電話などで一報を入れておくといいでしょう。
遅くなり過ぎたとしても、ルール上は31日までとなっていますので、年内ならばギリギリ許容範囲でしょう。
気になるなら後日フォローを入れておくこと。年を越えてしまう場合は、前述のコラムのように「お年賀」として仕立て上げるほかありませんが、のし紙に「お歳暮」と書かれていては目も当てられません。大晦日付近に慌てて注文する場合、相手の家に到着する時期が年を越えるか否か、必ず確認しておきましょう。
相手のことを思う気持ちを必ず記してください
お歳暮のお返しは"モノ"ではなく、手紙やはがきで感謝の気持ちを表すのが基本です。ごく親しい方であれば電話でもいいですが、直筆のメッセージとして気持ちを認めることが、相手の心遣いに応える何よりのお返しとなります。
「1. お礼の気持ちを伝える」「2. 自分だけではなく、家族(あるいは職場の同僚)もよろこんでいる様子を伝える」「3. 今後のお付き合いをお願いする」「4. 寒い季節なので、相手や家族の健康を気遣う」この4要素を盛り込めばカンペキ。受け取ったらできるだけすぐに返事をするのがポイントです。 書き方は一般的なお礼状の定型文でかまいませんが、お歳暮をもらった感謝の気持ちやあなたの近況などもひと言書き添えてください。あなたのことを気遣ってくれた相手へのお礼状ですから、「寒さ厳しい季節柄、くれぐれもお体を大事になさってください」といったような相手のことを思う一文は必要です。
また、夫宛のお歳暮の礼状を妻が代筆する場合、夫の名前の横に小さく「内」と記すこと。妻以外の家族が代筆したり、上司宛のお礼状を部下が書いたりという場合は、本人の名前の横に「代」と書いてください。代筆した人の名前も記しておくとより親切です。
よろこばせるのも大事ですが、困らせない配慮も大事です
お歳暮でいけないのは、凝り過ぎて外すこと。相手の好みや家族構成を知らないのであれば、無難なお歳暮がいいでしょう。"よろこばせる以前に困らせない配慮"を心がけましょう。定番といえば「飲み物詰め合わせ」ですが、ビールではなくソフトドリンクが妥当なところです。お歳暮用の「洋菓子」「和菓子」は、賞味期限が長いものが◎。意外と困るのが海産物やブランド肉。足がはやいので、どうしても贈りたいなら冷凍ものを選ぶといいでしょう。
いっぽうで、目上の方に対してお歳暮を贈る際には、現金や商品券を贈ることは原則的にはタブーとされています。さらに靴、靴下、スリッパなど、足に関連するものは「踏み付ける」という意味合いがあるのでご法度。そして当たり前のことですが、相手が嫌いな物というのは完全にNGです。相手の好みなどを事前に下調べして、大暴投なお歳暮を贈らないように心がけてください。
お返しの必要はありません
お歳暮は基本的に、目下の人からお世話になった目上の方に対して贈るものなので、お返しの必要はありません。ただし、品物が届き次第、先方にできるだけ速やかに電話か手紙でお礼の心を伝えるのが礼儀。もしお礼を伝えるだけでは気が済まないのであれば、同額から半額程度の品を贈ってもかまいません。すぐお返しするのではなく、少し時間をおき、年が明けてから「お年賀」としてお返しをしましょう。
お歳暮についてさまざまな角度から紹介してきましたが、大切な人にマッチしそうなアイテムは見つかりましたか? まだ迷っているという場合は、改めてその人の趣味やライフスタイルを"おさらい"してみてください。共通の知人から情報を仕入れるというのも手でしょう。相手をとことん知れば、おのずと贈るべきお歳暮の形は見えてくるはずです。
その際は、紹介したお歳暮のマナーやルールなどをしっかりと守るように心がけてください。最近は自由度が高くなってきているとはいえ、お歳暮はあくまでも日本の伝統文化。せっかくその人の欲しいモノを選んだのに、マナー違反のお歳暮だったりしたら興ざめというものです。上司や取引先だったら逆に評価が下がってしまうなんて可能性も?
相手のことを思い、伝統を尊重する――これがお歳暮を贈る鉄則です。
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