ヘッドセットの選び方
テレワークでのWEB会議や英会話のオンライン授業、移動中の通話など、あらゆる場面で活躍するヘッドセット。幅広い機器に対応するため種類が多く、ヘッドホン型やイヤホン型、耳かけ型など形状もさまざまです。用途によっても選び方が変わるため、使うシーンに合わせたヘッドセット選びのポイントを紹介します。
2022/6/13 更新
ヘッドセットとは、音声や相手の声を聞くためのヘッドホンやイヤホンと、自分の声を相手に届けるマイク機能が1つになった音響機器です。パソコン、タブレット端末、スマートフォン、ゲーム機など、さまざまな機器で使用できます。受話器やマイクを手に持つ必要がないため、移動しながらやパソコンで作業をしながらなど、別の動作と並行して通話することが可能です。
パソコンと接続すれば、「Skype」「LINE」「Teams」「Zoom」などのシステムを利用して、ビデオ通話やWEB会議を行うことができます。海外など遠く離れた場所にいる人とも手軽に打ち合わせや情報共有ができるため、ビジネスシーンでも定着してきています。
ヘッドセットを装着していれば、スマートフォンや携帯電話を持たずに、ハンズフリーで通話をすることができます。両手が自由になるため、外出中や運転中の通話にも便利です。なお、地方条例等により運転中のイヤホンの使用を禁止している自治体もあります。
パソコンでビデオ通話をする場合、パソコンに内蔵されているスピーカーとマイクを使うことも可能ですが、スピーカーの音をマイクが拾ってハウリングを起こしたり、周囲の雑音が相手に聞こえてしまったりすることがあります。こうしたトラブルを解消するのがヘッドセットです。ビデオ通話では、聞き取りやすいだけでなく、音声をクリアに届けることも重要なため「ノイズキャンセリング機能」を備えたモデルを選ぶとよいでしょう。また、テレワークでは、パソコンに接続しやすいUSB対応モデル、作業をしながらの通話が可能なBluetooth対応モデルが適しています。
テレワークを快適にするためのポイント
WEB会議の頻度が高い人は……
本体の重量にも注目しましょう。重量のあるヘッドセットは、首や肩が疲れて長時間使い続けることが難しくなります。なお、重さの目安として、単4電池(1本)で約11g、たまご(1個)で約60g、文庫本(1冊)で約150g、リンゴ(小玉1個)で250gと考えるとイメージしやすいのではないでしょうか。
小さなお子さんがいる人は……
お子さんの声や生活音などが入ってしまう可能性が高いので、会議や商談に集中するためには「ノイズキャンセリング機能」搭載製品を選びましょう。
運転中や外出中など、手がふさがっているときにスマートフォンで通話するためのヘッドセットを選ぶなら、Bluetooth対応モデルが最適です。スマートフォンをバッグやポケットに入れたまま通話することができます。片耳タイプであれば反対側の耳から周囲の音を聞き取ることができ、移動中でも安心です。また、複数の機器で使用できる「マルチペアリング」対応モデルもあり、パソコンとスマートフォンを同時に操作したい人に適しています。
Bluetoothヘッドセットは連続通話時間をチェック
Bluetooth対応モデルのバッテリー持続時間は、通話だけで6時間前後が一般的だといわれています。しかし、中には通話時間24時間以上の製品もあるため、頻繁に充電することが面倒な人は、購入前に連続通話時間をチェックしておきましょう。
(オンライン)ゲームで使用するのであれば、ゲーミングヘッドセットを選びましょう。主流はオーバーヘッド型で、周囲の雑音を排除してゲームへの没入感を高められるのが特長です。サラウンド対応モデルであれば、立体的な音響により、ゲーム内に登場する敵や味方の位置を音で推測することが可能で、さらなる臨場感やスリルを味わうことができます。また、ネットで対戦するゲームでは「ゲーム内の音を聞き分けながら、ボイスチャットで仲間とコミュニケーションをとる」という使い方をするため、ゲーミングヘッドセットを選ぶと通話の性能が高く、ゲームに集中できます。
ゲーミングヘッドセットは装着感も重要
長時間プレイする場合には、軽量で装着感に優れたモデルを選びましょう。頭の大きさに合わせてフィット感を調整できるヘッドバンド調整機能が付いたタイプや、交換用のイヤーパッドが付属しているものであれば、状況に合わせて好みの装着感に調整できます。
密閉式の耳栓タイプです。遮音性が高く音漏れや騒音の影響を受けにくいのが特長ですが、周囲の音も聞き取りにくくなるため、歩行中の使用には注意が必要です。
耳の穴に引っかけるように装着する半密閉式です。耳への圧迫感が少なく周囲の音が聞き取りやすい半面、音漏れしやすいタイプといえます。
ヘッドバンドを頭にかけて装着するタイプです。耳全体を覆うため、しっかりと音を聞くことができます。折りたたみ式もあります。
首に引っかけるタイプでマイクの位置が口に近いため、声を拾いやすいのが特長です。髪型の崩れを気にすることなく使用できます。
耳にイヤーフックを引っかけて使用するタイプです。軽量で耳への負担が少なく長時間の通話に適していますが、音漏れしやすいという欠点もあります。
ケーブルが付いたタイプで、パソコンなどに挿してすぐに使用できます。バッテリー切れの心配がなく、外部要因による音質劣化が起こりにくいという特長があります。長時間使用する人や充電が心配な人には有線接続できるヘッドセットを選ぶとよいでしょう。
3.5mmミニプラグはヘッドホンやイヤホンと同じ形状の端子で、ピンク色はマイクのポートに差し込み、緑色はヘッドホンのポートに差し込みます。音質がよいという特長があります。
ミニプラグと異なり、マイクとスピーカーの端子が合体して1つの端子になっています。パソコンとの相性がよく、周囲のノイズが入りにくいという特長があります。
ケーブルがないワイヤレスタイプのヘッドセットで、取り回しの良さが特長です。Bluetooth機能を搭載したモデルが大半で、ペアリングにより接続した機器を登録しておくことができるため、一度接続してしまえば、パソコンやスマートフォントの接続もスムーズです。
音声をどの範囲まで拾うかの目安を指向性といいます。マイクをフレキシブルに動かせるモデルであれば、適切な位置に調整できますが、位置が固定されている場合は、ノイズが入りにくい単一指向性のマイクを選ぶとよいでしょう。
マイクの正面と背面、2方向からの音を拾うように設計されています。向かい合った2つの音源を拾うため、通話やインタビューに適しています。
360度、全方向の範囲の音を拾える設計です。マイクの方向を気にする必要がなく話しやすい点が特長です。ただし、テレワーク等で相手に生活音などを聞かれたくない場合にはノイズキャンセリング機能が必要です。
一方向の音だけを拾うため、雑音が大きい場所でもノイズが入りにくく、自分の声だけを伝えたい人に向きます。ただし、はっきり話さないと音が拾えない場合があります。
マウスやキーボードをはじめとしたPC周辺機器で、コストパフォーマンスの高い製品作りに定評があるロジクール(Logicool)。ゲーミングヘッドセットは特に人気が高く、eスポーツのプロと共同開発した「PRO X Gaming Headset」など魅力的な製品展開を行っています。
幅広い商品ラインアップが魅力のパソコン周辺機器メーカーです。人気のヘッドセット「BSHSUH13」は、長時間使用しても疲れにくいスタンダードな両耳ヘッドバンド式。使わないときは小さく折り畳んで収納できるので、持ち運びにも便利です。
ネットワーク機器をはじめ、サプライ製品の開発・販売を手がける国内メーカー。ガンシューティング系ゲーム(FPS)での使用に適したゲーミングモデルから、高音質のハンズフリーヘッドセット「LBT-HSC20MPシリーズ」まで、幅広いアイテムを展開しています。
1945年創設のドイツの音響機器メーカー。特にヘッドホン、イヤホン、マイクロホンなどが有名で、プロの現場でも多く使われています。ゲーミング&PC用ヘッドセット「GSP 670」は、パソコンやPlayStation4でほぼゼロ遅延のゲーム音環境を提供します。
ワイヤレスヘッドセット、PC用ヘッドセット、ステレオミニプラグ・4極ミニプラグ接続など、豊富なラインアップを展開するコンピューター・パソコンサプライ製品メーカーです。片耳タイプのBluetooth対応モデル「MM-BTMH58BK」は、在宅勤務などのテレワーク時のヘッドセットとして人気です。
アメリカの大手ヘッドセットメーカーです。ビジネスシーンで多く活用されているほか、コンパクトなワイヤレスヘッドセットも多数ラインアップ。人気モデルの「Voyager Legend」は、3つのマイクと「DSP(デジタル信号処理技術)」を搭載し、周囲の雑音を軽減しながら、より自然で歪みのないクリアな音質を実現しています。
快適なテレワーク環境を実現するには?
テレワークとは、インターネットを活用した場所や時間にとらわれない働き方のことで、「tele=離れたところ」と「work=働く」を合わせた造語です。新型コロナウイルス対策として注目され、在宅でのテレワークを導入する企業も増えています。ここでは、自宅で快適にテレワークをするためにそろえておきたいアイテムを紹介します。
パソコン
テレワークに必要不可欠なのがパソコンです。リモート接続で会社のパソコンを使用する場合は、パソコン同士の連携が可能かどうか事前に確認しましょう。
Wi-Fi環境
ネットワーク環境が悪いと、重いデータの取り扱いやWEB会議などでのやり取りがスムーズに進まないため、Wi-Fi環境を整えることも大切です。
PCモニター・液晶ディスプレイ
ノートパソコンの小さい画面に手狭さを感じる人は、PCモニター・液晶ディスプレイを用意するとよいでしょう。ノートパソコンにモニターをつなぎ、デュアルディスプレイにすれば、効率的に作業ができます。
WEBカメラ
カメラが内蔵されたパソコンもありますが、WEBカメラがあれば、よりクリアな映像でやり取りできます。マイク内蔵型モデルであれば、ヘッドセットは不要です。
主に機能の有無による音響環境の差です。
ヘッドセットの価格は、数千円から数十万円まで、かなりの幅があります。価格の違いにより、ノイズキャンセリング機能やサラウンド機能の有無など、音響環境(聞こえやすさなど)に差が出ます。格安モデルでは、イヤーパッドやマイクなどの耐久性に難があることが少なくないようです。
音の立体感や臨場感を鮮明に感じられる機能のことです。
サラウンド機能とは、音の立体感や臨場感をより鮮明に感じられる「立体音響=サラウンド」が楽しめる機能のことです。ゲームの臨場感を重視する人は、サラウンド機能を搭載したゲーミングヘッドセットを選ぶとよいでしょう。
ノイズキャンセリング
雑音と逆の信号を発生させ、電気的に外部からの雑音や騒音を消去する機能です。騒音の多い環境でも、通話や音楽を快適に楽しむことができます。
防水・防滴対応
製品によって防水性能の程度はさまざまですが、「完全防水」と記載されている場合は、日本産業規格の防水等級「IPX5」以上に対応している場合がほとんどです。「IPX5」とは「あらゆる方向からの噴流水による有害な影響がない(防噴流形)」と定義されており、この基準をクリアしていれば、仮に屋外で急に雨に降られた場合でも問題なく通話ができます。
マルチペアリング
複数のBluetooth機器との接続情報を記憶できる機能のことです。一度ペアリングを実行すれば、次回以降接続する際に双方が自動的に認識し、簡単に接続できるようになります。
リモコン機能
コード(ケーブル)にリモコンが付属し、マイクのオン・オフやヘッドホンの音量調整、ミュートのオン・オフなどが行えるモデルです。製品によってリモコンに搭載される機能はさまざまです。
NFC
「Near Field Communication」の略で、この機能が搭載されている機器同士を近づけるだけで通信を行うことができます。