キーボードの選び方
パソコンはもちろん、スマートフォンやタブレットでも文字を入力するのに便利なキーボード。「製品の違いがわからない!」「どれを選べばいい?」など、お悩みや疑問を解決できるのが選び方ガイドです。キーボード選びに必要な基礎知識や用語解説はこちらでチェックしましょう!
2023/3/6 更新
目次
○ケーブルを差し込むだけで接続が簡単
○電池不要で、安定した接続が可能
▲ケーブルの煩わしさがある
有線タイプは、パソコンとケーブルで接続して使います。パソコンから離れて使うことはできませんが、パソコンとの接続や初期設定が簡単で、電池が不要という利点があります。ワイヤレス(無線)タイプより価格が安いのも特徴です。
○ケーブルがないので、パソコン周辺がすっきり
○スマホやタブレット端末との接続が可能な製品も
▲電池の交換もしくは充電が必要
ワイヤレス(無線)タイプは、ケーブルなしでパソコンとキーボードを接続できます。パソコン本体に専用のレシーバー(受信機)を取り付けて通信するUSBレシーバー式、レシーバー不要で通信できてモバイル対応も多いBluetooth式の2種類があります。ケーブルがないため使い勝手は抜群ですが、電池が必要です。
PCゲームをプレイするならゲーミングキーボードを選ぼう!
キーボードをスマートフォン(以下、スマホ)やタブレット端末など、パソコン以外に接続して使う場合にはモバイル対応モデルを選びましょう。スマホやタブレット端末にキーボードを接続して使用する場合には、Bluetooth機能が必須です。モバイル対応のキーボードは、薄くて軽い製品が多く、持ち運びに便利。テレワークや在宅勤務中でも外出や移動が多い人は、Bluetooth機能搭載のスマホ・タブレット対応キーボードを選ぶとよいでしょう。
Bluetoothとは、近距離にある機器同士で無線通信を行う技術のひとつです。親機(パソコン、スマートフォン、タブレットなど)と子機(キーボード、マウス、ヘッドセットなど)を無線接続できますが、親機・子機ともにBluetooth機能を備えていなければ通信できません。なお、機器同士をBluetoothで接続することを「ペアリング」といいます。Bluetoothの通信距離は、「Class」という電波強度によって異なるので、注意が必要です。「Class」にはレベルが1〜3まであり、それぞれの電波有効範囲はClass1:100m/Class2:10m/Class3:1m程度となっています。親機と子機でレベルが違う場合は、低いレベルが有効範囲の対象となります。
キーボードの構造は、キースイッチと呼ばれ、キーを押してから入力信号になるまでの仕組みの違いによって、大きく4種類に分けられます。この構造の違いが、性能差や価格差に表れますので、それぞれの仕組みや特徴を確認しておきましょう。
キーを押すことで、上下2枚(または3枚)の接点シートが接触。この接触によってキーの入力を認識するという仕組みです。キーと接点の間には、ラバーカップ(ゴム製のおわん型パーツ)が設置されており、ゴムの反発力でキーを戻します。簡単な構造なので、生産費が安く、液体こぼしにも強いといったメリットがあります。しかし、キーの中央部以外を押すと反応が鈍くなるといったデメリットもあります。
入力認識の仕組みはメンブレンと同じですが、キーの支持構造をX型(=パンタグラフ)にしたことで、薄型化を実現。ラバーカップも薄くなるため、メンブレンよりも反発力が弱く、軽い打ち心地となります。また、パンタグラフ構造によってキーを押す力が均等に伝わるため、キーの中央部以外を押しても問題なく反応します。メンブレン同様に生産費が安く、ほとんどのノートパソコンと薄型キーボードで採用されています。
キー1つひとつに、機械式スイッチと金属製バネ(スプリング)を配置。キーを押すと機械式スイッチが接点に触れて入力を認識します。バネを採用していることにより、キーの沈み方と戻り方がラバーカップよりも滑らかで、機械式スイッチによるしっかりとした底打ち感覚も味わえます。また、「カチカチ」という独特の打鍵音も大きな特徴です。手の込んだ構造のため高価ですが、バネはゴムより耐久性が高く、ヘビーユーザーに好まれています。
物理的な接点がなく、パーツの金属部分同士が近づいたときに電気が流れてキー入力を認識する仕組みです。パーツ同士が接触しないため、スイッチが磨耗せず、半永久的に使用できます。また、同じ理由で打鍵音も静かです。反発力は、ラバーカップとその内部の円錐型バネで付与しており、独特の打ち心地となっています。複雑な構造のため非常に高価で、プロ向けの高級モデルだけが採用しています。
キーピッチとは、キーとキーの距離(キーの中央から隣のキーの中央までの距離)です。一般的なデスクトップパソコンで使われるフルサイズキーボードでは、18〜20mmとなっており、これが標準といえます。キーピッチが狭くなるほどキー配置スペースを削減できて全体がコンパクトになりますが、操作性は悪くなります。
標準 | 例:デスクトップパソコン用 | 18〜20mm未満 |
---|---|---|
やや狭い | 例:A4サイズノートパソコン(テンキー無)用 | 16〜18mm未満 |
狭い | 例:A5サイズノートパソコン用 | 15〜16mm未満 |
キーストロークとは、キーを押し下げたときの深さのことです。デスクトップパソコンでは3〜4mm、ノートパソコンでは2〜3mmが一般的で、操作感覚に直結します。「深いと誤入力を防止できるが高速入力しにくい」「浅いと高速入力できるが誤入力しやすい」といわれています。
標準 | 例:デスクトップパソコン用 | 3〜4mm未満 |
---|---|---|
浅い | 例:ノートパソコン用 | 2〜3mm未満 |
とても浅い | 例:超薄型モデル | 1〜2mm未満 |
ロールオーバーとは、キーボードの複数キーを同時に押した際でも、押されたキーを正しく認識できる機能あるいは個数のことです。PCゲームの場合、複数のキーを同時に操作することが多いため非常に重要な性能です。
メカニカルキーボードのスイッチは、使用される素材によって、「黒軸」「青軸」「茶軸」「赤軸」などに分けられます。軸の種類によってキーの荷重(キーを押し込むときに必要な力)、クリック感、静音性が異なるため、静音性を求める人は「黒軸」を、クリック感を求める人は「青軸」を選ぶなど、好みに合った軸のタイプを選択しましょう。
軸の種類 | キー荷重 | クリック感 | 静音性 | 向いてる人 |
---|---|---|---|---|
黒軸 | 重い | ない | 静か | 打鍵音を抑えつつ、押し込んだ感覚が欲しい人 |
青軸 | 重い | 強い | うるさい | 「カチッカチッ」と高い音を出しながらタイピングをしたい人 |
茶軸 | 普通 | ある | 普通 | 汎用性が高いキーボードを求める人、軸の選択を決めきれない人 |
赤軸 | 普通 | ない | 静か | 軽いキータッチが好みで、かつ打鍵音を抑えたい人 |
軸の種類で選ぶ
マウス、キーボード、トラックボールなどを世界展開している入力機器メーカー。低価格モデル、本格モデル、モバイル対応モデル、ゲーマー向けモデルなど幅広いラインアップが特徴。予算や用途に応じたキーボードが探せるメーカーです。キーを丸くしたタイプのようにデザイン性の高いモデルも人気です。
コンピュータ周辺機器メーカー。電池長持ちタイプの無線タイプのものや、ボリューム操作やメディアプレーヤーの操作が行える、13種類の「マルチファンクションキー」を搭載したモデル、激しいキー入力にも耐える5000万回高耐久メカニカルスイッチを採用したモデルなど、さまざまな製品をラインアップしています。
金融機関のデータ入力など、高い信頼性と操作性が求められる業務用キーボードでトップシェアを誇る国内メーカー。静電容量無接点方式を採用する業務用キーボードをベースにした「Realforce」シリーズは、高級キーボードの代名詞ともいえます。シリーズ最新モデルは、Mac対応のテンキーレスモデルで、「フェザータッチ」と評される押し心地が特徴です。
複数のBluetooth機器とのペアリング設定を記憶できる機能のこと。最大ペアリング数は製品ごとに異なります。ただし、同時に複数のBluetooth機器と接続できるわけではなく、あくまでもBluetooth通信は1対1で行います。
Bluetooth接続先の“親機”をボタンひとつで切り替えられる機能です。例えば「パソコンとつなげて作業をしつつ、スマホにメールが届いたら接続先をスマホに切り替えて返信する」といった使い方ができます。
日本国内で使用されているキーボードの配列は、「日本語配列(JIS配列)」と「英語配列(US配列)」の大きく2つに分けられます。「日本語配列」は、キーに仮名入力で用いるためのひらがな表記が刻印されているものが多いです。ただし、日本語配列でも、ひらがなが記載されていないものもあります。また、「英語配列(US配列)」キーボードでは、カナ文字の印字がなかったり、「@(アットマーク)キー」の位置が異なっていたりします。そのほか、キーボードごとの仕様にもよりますが、「F(ファンクション)キー」がついていないことも……。このように、両者は「キーの数」や「並び方」「印字」などに違いがあるので、購入時にしっかりと確認しましょう。
キー言語で選ぶ
キーボード裏側上部についている、チルトスタンドと呼ばれる折りたたみ式の足を調整することで、何段階かに分けてキーボードに傾斜をつけられます。傾斜をつけることで、キーに表示されている文字が読みやすくなり、タイピングがしやすくなります。
キーボードとマウスの2点セットで販売している製品です。キーボードとマウスを別々で買うよりも価格を抑えることができるため、コストパフォーマンスに優れています。また、メーカーも同一のものとなるため、見た目の質感やデザインの統一感が取れています。
キーとキーの間隔を広くし、それぞれのキーを独立させた構造のキーボードです。キー間隔を広げることで、隣のキーを同時に押してしまうミスを防ぐ効果があります。アップルがMacbookに採用したことで広く認知されました。
コンピューターの特定の機能を動作させることができるキー群のことです。F1〜F12のファンクションキーとは別に、ワンタッチでメールソフトを起動したり、音楽再生ソフトを操作できます。
スマートフォンやタブレットを、タイピングしやすい角度で支えることができるスタンドが装備されたタイプのキーボードです。折りたたみタイプや、角度調整可能なタイプもあります。
複数のキーを押した際の、誤入力を防ぐ機能です。ゴーストとは、入力したキー以外のキーを誤認してしまうことを指します。
日本語配列キーボードには「全角/半角」「無変換」「変換」「カタカナ ひらがな」のキーがありますが、 英語配列キーボードにはありません。
また、英語配列キーボードはエンターキーが横長で、スペースキーやシフトキーが長いといった特徴があります。
ゲーミングキーボードは、複数キー同時認識機能や連射機能など、ゲームに特化した機能を備えたキーボードのことです。
「キーを押して確実に反応する」「長時間使っても疲れにくい」といった基本的な性能にくわえ、ゲーミングキーボードでは、ゲーム用ならではの独自機能が重視されます。また、強い力での連打にも耐える耐久性も重要になります。
キー荷重
キーを押し込むときに必要な力のことです。「45g」というように「g」表示され、45g以上の力で押せばキーが押し込まれることを意味します。この数値はキーボードの打ち心地を左右するもので、製品のなかには、人さし指で打つキーは45g、小指で打つキーは30gというように、打つ指ごとにキー荷重を変えているものもあります。