グラフィックボード・ビデオカードの選び方
「グラフィックボードは何の役に立つの?」「自分の用途に合った選び方は?」「どのくらいの価格帯のものを選べばいいの?」など、商品選びの際に浮かぶ疑問を解決します。グラフィックボード・ビデオカード選びに必要な基礎知識、用語解説はこちらでチェックしましょう!
2026/6/19 更新
PCがディスプレイに映像を映し出すためのパーツがグラフィックボードで、ビデオカードとも呼ばれます。動画再生や簡単な映像編集レベルなら、PCに標準で搭載されているグラフィック機能(CPU内蔵GPU)で十分ですが、3Dゲームや高解像度のゲームをプレイするなど、高度な映像処理を行う場合にはグラフィックボードが必要になります。
グラフィックボードは、画像データや映像データを処理し、ディスプレイに表示する役割を担っています。ほとんどのCPUにはGPU(グラフィック機能)が内蔵されていますが、3Dゲームや高度な映像処理、動画編集、AI生成などをする場合にはグラフィックボードを搭載すると圧倒的に快適になります。

今や多くの3DゲームやPCゲームにおいて、必要動作環境に単体のグラフィックボードが指定されています。高画質かつ滑らかな映像で最新のゲームを楽しみたい人には、ミドルレンジ〜ハイエンドクラスのグラフィックボードの導入がほぼ必須であると言ってよいでしょう。
グラフィックボードを選ぶうえで最も重要なのは、GPUチップの種類です。「チップが描画性能を決める」と言っても過言ではありません。処理の重い3Dゲームを快適に楽しむには、より高性能なチップを搭載した製品を選ぶ必要があります。
現在、市場に出回っているチップは、実質的にNVIDIAの「GeForce」シリーズとAMDの「Radeon」シリーズの2種類に絞られます。基本的には、製品名に含まれる数字が大きいほど性能が高くなりますが、その分価格も上昇するため、自分の用途に合ったものを選ぶ必要があります。ここでは、現在の主流であるNVIDIAの「GeForce RTX 50(5000番台)」シリーズのチップを例に、グレードごとの目安をチェックしていきましょう。
消費電力が低く、グラフィックボード本体のサイズもコンパクトな製品が多いため、多くのPCケースに収まりやすいのがメリットです。価格も「GeForce RTX 50」シリーズのなかでは手頃で、コストパフォーマンスにすぐれています。画質設定を調整すれば、比較的動作が軽いタイトルをフルHD(1920×1080)解像度で滑らかに動作させることが可能です。
現在のゲーミング市場において、最も人気が高く「失敗しない選択肢」と言えるボリュームゾーンです。前世代のハイエンドに迫る高い描画性能を持ちながら、一般ユーザーでも手の届く価格帯に抑えられています。フルHD環境なら多くのゲームで「最高画質+高フレームレート」を維持できるほか、さらにひと回り高精細なWQHD(2560×1440)解像度でも十分なパフォーマンスを発揮します。
NVIDIAの最先端技術を投入した高性能モデルで、すぐれたパワーを誇ります。描画負荷が高い4K(3840×2160)解像度であっても、画面のカクつきを抑えて滑らかな動作を実現します。性能不足を感じることはまずないでしょう。ただし、パーツ自体のサイズが大きく、消費電力も高いため、大容量の電源ユニットや冷却性能の高いPCケースと組み合わせる必要があります。
チップを選ぶ際は、単に「一番新しいもの・高いもの」を選ぶのではなく、以下の3点を考慮することが重要です。
遊びたいゲームが決まっている場合、その公式サイトで公開されている「推奨動作環境」を確認してください。そこに記載されている性能以上のチップを選ぶのが、快適に遊ぶための最低条件です。
グラフィックボードを選ぶ際は、使用するモニターの解像度を基準にするのが最も確実です。フルHDモニターであれば、エントリーからミドルレンジのチップで十分に高いフレームレートを維持できます。しかし、より高精細な4Kモニターで遊ぶ場合は、描画負荷が跳ね上がるため、ハイエンドチップの圧倒的なパワーが必要不可欠です。モニターの表示能力とチップの処理性能のバランスが合っていないと、せっかくの高性能が宝の持ち腐れになったり、逆に性能不足による画面のカクつきに悩まされたりするため注意しましょう。
PCゲームの技術は日々進化しており、数年後にはさらに動作の重いゲームが登場します。予算が許すのであれば、現在の必要最低限よりもワンランク上のチップを選んでおくと、将来的にPCを買い替えるまでの寿命を延ばすことができます。
使用したいディスプレイに合う端子を搭載しているか、必要な数を備えているかも必ず確認しましょう。現在はデジタル出力ができる「DisplayPort」や「HDMI」を搭載したモデルが主流です。4K・8Kなどの高解像度モニターや、高リフレッシュレートのゲーミングモニターの性能を引き出すには、大容量データを高速転送できる「DisplayPort 1.4a/2.1」や「HDMI 2.1」以降に対応したモデルを選びましょう。
USB Type-C
冷却方式には、ファンタイプ、水冷タイプ、ファンレスの3種類があり、ファンタイプが最も一般的です。水冷は高い冷却性と静音性を両立できますが、価格が割高になります。ファンレスは動作音がしない(無音)のがメリットですが、放熱用のヒートシンクが巨大化し、占有スペースが大きくなる傾向があるため注意が必要です。
グラフィックボードは、マザーボードのPCI Express 4.0または5.0スロットに接続します。特にミドルレンジ以上のモデルは冷却性能を高めるために筐体が大きく、2〜3スロット以上の厚み(体積)を占有する製品が主流です。長さだけでなく、この「厚み」がPCケース内に収まるかも必ず確認しましょう。なお、コンパクトなPCケースを使用する場合は、高さを抑えた「ロープロファイル」対応モデルを選ぶ必要があります。
マザーボードなどでも有名な、PCパーツの世界的メーカーです。エントリーモデルからゲーマー向けの高性能な「ROG」シリーズ、耐久性に優れた「TUF Gaming」シリーズなどラインアップが豊富。すぐれた冷却ファンによる高い排熱性能が特徴で、マシンパワーが必要なゲーミングPCなどに向きます。
台湾の老舗PCパーツメーカー。独自開発の高性能ファンを搭載した上位の「GAMING」シリーズや、コストパフォーマンスにすぐれた「VENTUS」シリーズなど、排熱性と静音性を突き詰めた製品づくりが特徴です。デザイン性やLEDイルミネーションの美しさでも自作ユーザーから高い人気を集めています。
グラフィックボードのほか、マザーボードやPC周辺機器を幅広く手掛ける台湾のメーカーです。低価格のエントリー向けモデルから、本格的なクリエイター・ゲーマー向けのハイエンドモデル「AORUS」まで、網羅的なラインアップが魅力。独自のトリプルファン構造など冷却力に定評があります。
高品質なグラフィックボード「GALAKURO GAMING」シリーズなどを中心に展開する国内ブランドです。取扱説明書や製品サポートを簡素化しているため、ある程度パソコンの知識がある人に向きます。その分、高性能ながら安価な製品が多く、コスパを最重視する人に最適です。
AMDの「Radeon」シリーズを専門に扱う、世界的に人気の高い香港のメーカーです。高い安定性を持った高品質設計の製品や、冷却性能を高めたオーバークロック仕様のモデル「NITRO+」などをラインアップ。独自のユーティリティーツールによるカスタマイズ性の高さも人気です。
NVIDIAの「GeForce」チップをメインに扱うメーカーです。全長が短いコンパクトなモデルや、シングルファンのショート基板モデルを積極的に展開しているのが特徴。ミニPCへの組み込みや、PCケース内のスペースに余裕を持たせたい人に最適なメーカーです。
ASRock(アスロック)は、台湾に本社を置くコンピューター関連部品製造メーカーです。マザーボードメーカーとして有名で、社名のASRockは「As Solid as Rock(岩のように頑丈)」な製品を開発したいという想いに由来。グラフィックボードでは、AMDの「Radeon」チップを搭載した製品や、インテルの「Intel Arc」チップを搭載した製品を展開し、高い支持を得ています。
グラフィックボードとマザーボードの接続口のこと。一般的に、PCI Express 5.0または4.0を用い、そのなかでも帯域幅の広いx16スロットに接続します。
バスインターフェイスで選ぶ
GPUメモリ(VRAM)は、グラフィックボードに専用で搭載されているメモリのことで、描画するグラフィック情報を一時的に保存しておくパーツです。高解像度でのゲームプレイやAIイラスト生成、動画編集などでは大容量のメモリが必要とされます。
メモリ容量で選ぶ
グラフィックボードの消費電力は製品の性能に比例して大きくなります。グラフィックボードを新調・増設する場合には、現在使用しているパソコンの電源ユニットの容量が、推奨されるシステム電力に足りているかを事前にチェックしておく必要があります。
消費電力で選ぶ
3Dグラフィックスをはじめとした、Windows上のマルチメディア処理のためのプログラム群です。3Dゲームが目的なら、最新のDirectXに対応したグラフィックボードを選択しましょう。
多くの場合、購入後の保証期間は1年間ですが、なかには代理店保証などで2年間以上の長期保証をうたうメーカーや製品もあります。長く安心して使い続けたい場合はチェックしておきましょう。
グラフィックボードを選ぶ際には、物理的なサイズ確認が重要です。特に高性能なモデルほど、長さ(全長)やスロットの厚みが増すため、自分のパソコンケース内に物理的に収まるサイズか必ずスペック表をチェックしましょう。
幅で選ぶ
奥行で選ぶ
高さで選ぶ
増設スロットと電源容量に余裕があれば可能です。
使用しているデスクトップPCのマザーボードに増設用のスロットがあり、PCケースのスペースや電源ユニットの容量に余裕があれば増設は可能です。ただし、スリム型PCやメーカー製のビジネスPCなどの場合は、物理的にパーツが入らなかったり、電源容量が不足したりすることが多いため注意が必要です。
基本的にはできません。
ノートパソコンは後からグラフィックボードを内部に増設することは不可能です。どうしてもグラフィック性能を上げたい場合、Thunderbolt端子などを利用して外付けする「eGPU(外付けGPUボックス)」という選択肢もありますが、製品は高額です。
PCの電源ユニットから専用ケーブルで供給します。
ゲームを滑らかに動かせるグラフィックボードは多くの電力を消費します。そのため、マザーボードのスロットから供給される電力だけでは足りず、PCの電源ユニットから直接電力を供給する必要があります。これが「補助電源」と呼ばれるものです。グラフィックボードの説明書を参考にしながら、電源ユニットから伸びる対応ケーブルを接続するようにしましょう。
コアクロック
描画を担当するGPUチップの動作周波数で、単位はMHzで示します。同じシリーズのGPUであれば、この数値が高い(クロックアップされている)ほど処理能力が高くなります。
ブーストクロック
ゲームプレイ中など、より高い描画負荷がかかった際に、自動的に安全な範囲内でコアクロックを引き上げて処理を高速化させる最大周波数のことです。
CUDAコア/ストリームプロセッサ
グラフィックボードの内部で、実際に膨大な計算・描画処理を並列で担当する無数のプロセッサーのことです。NVIDIA製チップでは「CUDAコア」、AMD製チップでは「ストリームプロセッサ」と呼ばれ、基本的にはこの数が多いほど基本性能が向上します。
バンドルモデル
特定の人気3Dゲームの無料引き換えクーポンや、ゲーム内で使える限定アイテムなどの特典が期間限定でバンドル(付属)している製品のことです。目当てのゲームが決まっているなら、製品選びの際にお得な選択肢となります。