No.002 Windows Vista一般向け発売直前 -あなたはVistaを買いますか?-

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結果レポート

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Windows Vista一般向け発売直前-あなたはVistaを買いますか?-

総評

今回のリサーチの結果では、意外と多くの価格.comユーザーがWindows Vistaに対する関心や興味を持っており、その機能などについても一定の理解をしていることが明らかとなった。ただし、価格.comのユーザーの一般的な特性からいって、回答者の多くがITリテラシーの高いユーザーであることを考えると、一般ユーザーにとってはこれよりもかなり低い認知度になることが予見される。

そのWindows Vistaに関しては、発売後すぐに購入するというユーザーは1割強程度であり、多くのユーザーは「しばらく様子見」という態度であるようだ。発売直後に導入するユーザーの多くは、この年末にかけてWindows Vistaの動作を保証した「Vista Ready PC」を購入したユーザーであると見られており、お得なアップグレードクーポンなどを利用してVistaへのアップグレードを図るというのが一般的なようだ。

逆にWindows Vistaを早期に導入しない理由としては、「OSの安定性」「動作の重さ」を挙げる声が圧倒的に多く、特にWindows Vistaの目玉機能でもあるグラフィカルインターフェイスの「Aero」に関しては、グラフィックの美しさは認めるが、要求するハードウェアスペックが高いことがネックとなっており、評価はかなりハッキリとわかれるところなっている。また、OS自体の価格も高めであり、ユーザーにとってはコストに対する導入メリットがなかなか見えづらいという結果になっているようだ。

Q1. Windows Vistaが一般向けに発売されたら、購入する予定はありますか?

「すでに予約している」あるいは「発売当日に購入する」と答えた人の割合が6.7%。「1ヶ月以内に購入する」をあわせると12.3%が、Windows Vistaを早期に購入すると答えている。この数字をどう見るかは意見の分かれるところだろうが、予想よりも多くのユーザーがVistaの発売にあわせて導入するという結果だ。「半年以内に購入する」を合わせたユーザーは31.9%と、3分の1程度のユーザーがVista購入に前向きという結果となった。

逆に「購入の予定はない」としたユーザーも56.9%とかなり多く、Windows XPまでの購入割合に比べ、導入に消極的なユーザーが多いのも特徴となっている。多くのユーザーが「しばらくは様子見」という状態であることがわかる結果だ。後述するが、Windows XPと比べ大幅なシステムの変化がないことと、導入のハードルが高いこと、そして導入するメリットがそれほど見いだせないことなどが大きな要因になっていると思われる。

【図1. Windows Vistaが一般向けに発売されたら、購入する予定はありますか?】

Windows Vistaが一般向けに発売されたら、購入する予定はあるかのグラフ

Q2. Q1で「すでに予約した」、「購入する」のいずれかを選択した方にお聞きします。Windows Vistaに乗り換える理由は何ですか?(複数回答可能)

Windows Vistaに乗り換える理由については、「常に最新のOSを使いたいから」という答えがもっとも多く、次いで「Vistaでしか使えない機能を使いたいから」という答えが続いている。「常に最新のOSを使いたいから」という答えの中には、Windows XPにおいて数多くのアップデートを繰り返してきた結果がフィードバックされていることによる「これまででもっとも安定したOSである」という意味も含まれている。今回の「Windows Vista」は、前バージョンのWindows XPが登場したときほど、機能的に大きく変化した部分は少ないといえるが、より安定したOSを求めるユーザーの声が大きいという結果だろう。

【図2. Windows Vistaに乗り換える理由】※予約済み、購入する予定の回答者限定

Windows Vistaに乗り換える理由のグラフ

Q3. Q2の選択肢以外で理由のある方はその理由を下記に記入ください。

Windows Vistaに乗り換える理由についてのその他の答えとしては、「最近購入したPCに、安くアップグレードできるクーポンがついているため」、「新しくPCを購入する予定があり、この機会に乗り換えを行う」といった意見が多く見られた。この年末にかけて発売されたWindows XP搭載PCには、低価格でVistaへアップグレードできる特典が付いていることが多く、こうしたユーザーがVistaへ乗り換えるのは想定内の自然な成り行きといえるだろう。クロス集計の結果でも、「この半年以内にPCを購入した」というユーザーの1ヶ月以内の乗り換え率は3割近くにのぼっており、結果を裏付けている。

また、PCの買い替え時期であるユーザー、あるいはPCを買い増そうと思っていたユーザーにとっては、この年末はいわゆる「Vista待ち」の状況であり、Vista搭載モデルが発売されたら購入しようという意欲は非常に高いものと思われる。

【図3. Vistaの買い替え意欲について(現在使用しているパソコンの購入時期別)】
※予約済み、購入する予定の回答者限定

Vistaの買い替え意欲についてのグラフ(現在使用しているパソコンの購入時期別)

Q4. Q1で「購入する予定はない」、「わからない」を選んだ方にお聞きします。
購入しない理由は何ですか?

Windows Vistaに乗り換えないという理由で、もっとも多かったのは「今利用しているソフトが動作しなくなる、または動作が不安定になるかもしれない」というものであった。これまでのWindowsOSの歴史を見てくると、新規OSが発売された当初は微妙な不具合などが起こることが多く、多くのユーザーがその辺りの安定性を問題視している。また、Windows XPが、かなり完成度の高いOSであったことを考えると、「今安定しているOSを捨ててまで新しいOSに乗り換えるというリスクを冒したくない」という意見も多いようだ。「機能的にそれほど大きな向上が見られない」としたユーザーも20.7%あり、「何が変わるのかよくわからない」の30.5%を合わせると、実に多くのユーザーが、Windows Vistaに対しては「新製品としての魅力に欠ける」と考えていることがわかる。

また、購入価格をネックとしたユーザーも33.5%にのぼっており、通常版で2〜3万円程度、上級版だと5万円近くになると見られているWindows Vistaに対し、それだけのコストに見合った投資であるかどうかを疑問視する声も大きい。

【図4. Windows Vistaを購入しない理由】※購入する予定のない、わからない回答者限定】

Windows Vistaを購入しない理由のグラフ

Q5. Q3の選択肢以外の点で、不安・不満を感じている方はその理由を下記にご記入ください。

Windows Vistaに対する不安点、不満点として、圧倒的に多かったのが「動作の重さ」そして「安定性」の2点だった。OSとしての動作の重さについては、すでにさまざまなメディアで報道されている通り、Windows Vistaの要求するハードウェアスペックの高さを問題にしているユーザーの声が多く聞かれた。新しいグラフィカルなインターフェイスである「Aero」(エアロ)については、512MB以上のビデオメモリーを搭載したグラフィック機能が必要になるなど、現在使用しているPCでは動かない、あるいは動いても動作が重いのではないか、という心配をしているユーザーが多いようだ。また、これまでのWindows OSの発売直後の「初期段階の不具合」を指摘するユーザーも多く、これまで長年に渡り、Windows OSを使い続けてきたユーザーほど、初期状態での新規OS導入をためらっているという若干皮肉な意見も寄せられている。

いずれの場合も、ユーザーは事前にWindows Vistaに関する多くの情報を、さまざまなメディアから吸収しており、かなり冷静にVistaの導入時期を判断しているといえそうだ。

Q6. あなたはWindows Vistaに搭載されている、以下の機能やソフトについてご存知ですか?

Windows Vistaの諸機能についてどれくらいの認知があるかを聞いてみた。結果を見る限りでは、意外に多くの機能がユーザーに一定の認知を得ていることがわかる。1年ほど前からβバージョンの公開テストを行ってきたこともあり、メディアで数多く報道されてきたことに加え、実際にβバージョンを使用してみたというユーザーが少なくないことも寄与しているものと思われる。

なかでも「知っている」と答えた割合が多かった機能が「Media Center」と「Windows Aero」で、4割近くのユーザーがその機能をきちんと理解しているようだ。次いで「Windows サイドバー」が3割以上の認知を得ている。Windows Vistaでのグラフィカルインターフェイスに関する部分は、かなり多くのユーザーがきちんと認識していることがうかがえる。

また、「Internet Explorer 7」や「Windows Media Player 11」については、これまでの機能のマイナーアップグレード程度という認識のためか、「名前を聞いたことがある」というユーザーが圧倒的に多く、その機能の詳細まではそれほど認識していないようであった。

逆に認識が低い機能としては、スパイウェアからPCを保護する「Windows Defender」、新たに搭載された美しい日本語フォント「メイリオ」、そして「Photo Gallery」が挙げられる。このあたりは、メディアでの取り上げられ方が少なかったのが大きな理由かと思われる。

【図6. Windows Vistaに搭載されている機能やソフトについて】

Windows Vistaに搭載されている機能やソフトについてのグラフ

Q7. Q6の機能以外で、興味のある機能のある方は以下にご記入ください。

フリーアンサーで、興味のある機能を記入してもらった。実にさまざまな回答が寄せられたが、かなりマニアックな機能に興味を示しているユーザーも多いようだ。そのうちの1つとして挙げられるのが「Ready Boost」機能。外部接続のUSBメモリーを、一時的にシステムメモリーとして使用できるという機能で、従来のHDDスワップと同様に使われる機能だが、この機能を試してみたいというユーザーは意外と多かった。そのほか、グラフィック機能を司る「DirectX 10」や、ネイティブでの64ビット対応などの回答も多かった。

逆に、Windows Vistaで大きく進化した機能の1つである高速検索機能について挙げているユーザーは案外少なかった。このあたりは、実際に操作してみないと実感できない部分であることが大きいのだろう。

Q8. あなたが今お使いのPCはWindows Vistaが動作するかわかりますか?

今お使いのPCでWindows Vistaが動作するかどうかを聞いてみた。この結果によれば、「動作する」、「自信はないが動作すると思う」がともに3割近くを占め、3分の2程度のユーザーが動作するであろうと認識している。ただし、Q5での回答でもわかるように、Windows Vistaを快適に動作できるかどうかについては不安視する声が多く、「動作はするだろうが、快適に動くかどうかは微妙」といったユーザーの声が聞こえてくるようだ。

【図8-1. あなたが今お使いのPCはWindows Vistaが動作するかわかりますか?】

今使っているPCがWindows Vistaが動作するかわかるかのグラフ

なお、クロス集計の結果では、「動作する」と答えたユーザーの半数近くが、Vistaを半年以内に導入するとしており、導入意欲は高いと見られる。逆に「動作しない」と答えたユーザーも3分の1程度のユーザーが半年以内に導入を考えており、ほかの回答のユーザーを大きく上回った。こちらはPCの買い替えも含めた選択を視野に入れた回答といえそうだ。

【図8-2. Vistaの買い替え意欲について
(現在使用しているパソコンのVistaへの対応状況別)】

Vistaの買い替え意欲についてのグラフ(現在使用しているパソコンのVistaへの対応状況別)

Q9. このアンケートに回答する前に、Windows Vistaについての情報を目にしたこと、聞いたことがありますか?

Q6での回答からもわかるように、Windows Vistaへの認知度は比較的高く、ほとんどのユーザーが何らかの形でWindows Vistaへの情報をすでに入手していることがわかる。ニュースサイトやポータルサイトなどで情報を目にしたというユーザーが多いが、Windows Vistaのオフィシャルサイトを訪れたことのあるユーザーも30%を超えており、ユーザーの関心の高さがうかがえる。

【図9. このアンケートに回答する前に、
Windows Vistaについての情報を目にしたこと、聞いたことがありますか?】

このアンケートに回答する前に、Windows Vistaについての情報を目にしたこと、聞いたことがあるかのグラフ

Q10. Windows XPと比較して、Windows Vistaのデスクトップなどデザインが大きく変わりました。 それに対してのあなたの印象をお答えください。

Windows Vistaの目玉機能であるグラフィカルインターフェイスについての質問については、意見の分かれるところとなった。「かっこよくなった」と答えたユーザーが39.2%と3割以上にのぼったものの、「特になんとも思わない」と答えたユーザーも36.8%もおり、意見がまっぷたつに分かれた結果になっている。「かっこ悪くなった」と答えたユーザーは2.3%と少数であることからデザイン面での支持はされているものと思われるが、「インターフェイスがグラフィカルになったことと、OSの機能向上とは別物である」というようなシビアな意見が多く、それほどデザインについては重視していないユーザーも相当数いることがうかがえる結果となった。

【図10. Windows Vistaのデザインの印象】

Windows Vistaのデザインの印象のグラフ

Q11. Windows Vistaと同時に発売されるOffice2007を購入しますか?

「Office 2007」については、「Vistaと同時に購入する」あるいは「Office 2007だけを購入する」と答えた回答をあわせてもわずか14.0%で、圧倒的多数のユーザーは「購入しない」と答えている。Officeシリーズについては、これまでのバージョンアップですでに機能的にはほぼ完成されており、特に買い替える理由がないというのが、大方の意見であろう。

【図11. Windows Vistaと同時に発売されるOffice2007を購入しますか?】

Windows Vistaと同時に発売されるOffice2007を購入するかのグラフ

Q12. 今お使いのPCのOSは何ですか?

現在使用しているOSに関しては、Windows XPが89.9%と圧倒的に多かった。これまで5年間という比較的長期にわたってメジャーなアップグレードを行わなかったため、この間にWindows XP搭載モデルを購入したユーザーがかなりの数に上っているものと思われる。Windows Vistaへのアップグレード対象は、Windows XPとWindows 2000のみとなっているが、ほとんどのユーザーが今回のアップグレード対象となっていることが見て取れる。

【図12. 今お使いのPCのOSは何ですか?】

今使っているPCのOSは何かのグラフ

Q13. 今お使いのPCを購入してからどのくらいたちますか?

Q12と同様の質問だが、この5年以内にPCを購入したというユーザーが9割以上にのぼる。Q12の結果とあわせてみると、この9割のユーザーのほとんどがWindows XP搭載PCを購入したということになる。なかでも多かったのが2年以内〜3年以内と答えたユーザーで、このあたりのユーザーは、今PCを買い替えるかどうかが微妙なところだろう。今のままでも十分使用できるため、Windows Vistaについてはしばらく様子を見ながら、PC買い換えのタイミングで、というような判断を下しているユーザーが多いという裏付けとなっている。

【図13. 今お使いのPCを購入してからどのくらいたちますか?】

今使っているPCを購入してからどのくらいたつかのグラフ

Q14. 最後にWindows Vistaに対して、一言お願いします。

フリーアンサーでWindows Vistaに対する意見をうかがった。OSを使用するユーザーの質や熟練度が上がってきていることもあり、表面上のグラフィックよりも、システムとしての安定性を望む声が多かったのが印象的だ。「要求するハードウェアスペックが高い」「動作が重そう」「不安定そう」といった、動作面での安定を不安視する声が多く、そこそこの金額を投入してまで乗り換えるメリットがあまり見いだせないという意見が全体的に多かったように思う。ユーザーにとっては、OS自体の金額+メモリなどのハードウェア増設にかかる金額を強いられることになり、費用対効果的に見ると割に合わないため、OS単体でのアップグレードは行わず、安定性などの様子を見ながら、次回のPCの買い替え・買い増し時にPCと同時に導入すると考えているユーザーが多いことがうかがえる。逆にいうと、これまで5年間メジャーなアップグレードを行わなかった「Windows XP」の完成度が高く、ユーザーの満足度が高かったということもいえるだろう。

◎アンケート期間:
2006年12月29日〜2007年1月8日
◎アンケート回答者数:
5,291人
◎男女比率:
男94%:女6%

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