2008年夏のボーナス支給予想額について価格.comのユーザーにうかがった結果は、平均58.3万円。昨年夏の調査に比べてもほとんど横ばいという結果となった。ただし、これを年代別に見ると、30〜40代の働き盛りを中心にやや減少している。
この傾向は、他の民間企業による調査結果でもほぼ同様の結果が出ている。みずほ総合研究所のレポート[pdf]によれば、2008年夏のボーナスは前年比2.3%の減少の見通しとなっており、三菱UFJリサーチ&コンサルティングのレポート[pdf]でも、2.9%の減少と見込んでいる。
今回の価格.comリサーチの調査結果でもおおむね同様の結果となっており、全年齢で見た場合の支給予想額は昨年とそれほど変わらないものの、働き盛りの30代では3.1%の減少、40代でも2.4%の減少が見込まれる。働き盛りの世代を中心に、ボーナスの減少が見込まれる厳しい結果となった。
今回の調査では、生活費やローンなどの必要経費を除いた「自由に使える金額」に関してもうかがったが、この金額も「昨年より減った」と感じている人が全体の4分の3にのぼるなど、サラリーマンの懐状況は必ずしもいいとはいえない。こうした自由に使えるお金のうち、商品の購買や旅行・外出などに使う「消費」に使う金額はさらにこの3分の1程度で、残りは貯蓄などに回すというのが一般的なスタイルといえそうだ。
なお、この夏のボーナスで何らかの商品を購入するとした場合にかける金額では、もっとも多いボリュームゾーンの「支給額50〜70万円未満」でも、平均するとわずか4.9万円という結果が出ている。支給額から考えると、約1割程度の額しか商品購入に回さないという結果であり、「買っても安いもの」という傾向はさらに強まっている感がある。夏のボーナス商戦を見込んでいるメーカーや小売店にとっては、かなり厳しい調査結果といえそうだ。
一方、「夏のボーナスで購入したいもの」のNo.1は、昨年と同じく「洋服・ファッション関連」で、特にこの傾向は女性に顕著である。男性は家電製品を筆頭にあげる人が多く、家電製品では、昨年同様「液晶テレビ」「DVDレコーダー/プレーヤー」「PCパーツ」「ノートPC」「デジタル一眼レフカメラ」といった商材が上位に並ぶ。特に今年は、デジタル放送への切り替えや、ブルーレイレコーダーの本格的普及、北京五輪の影響からか「DVDレコーダー/プレーヤー」を購入したいと答えた割合が増加しており、夏のボーナス商戦の目玉となりそうだ。
逆に、「コンパクトデジタルカメラ」や「携帯電話」を購入すると答えた割合は昨年に比べて下がっており、全体的には3〜5万円程度の安い商材よりも、5〜15万円程度のやや高価な商材のほうに人気がシフトしてきている。ただし、商品購入にかけられる予算の平均額が5万円程度であることを考えると、「これらの商材を購入したいとは思うものの、実際に買えるかどうかは微妙」といった消費者の心理がうかがわれる。
全体的に見れば、夏のボーナスの支給額、自由に使える金額は昨年と比較しても若干減少傾向にあり、家電製品などの消費行動に使うという額は昨年よりさらに減少している結果となった。北京五輪を目前に控え「液晶テレビ」や「DVD(ブルーレイ) レコーダー」といったテレビ関連製品の人気は強いものの、購入に関してはかなり慎重に値段などをじっくりと見据えながら、という消費者の姿が浮き彫りになった形だ。
働き盛りの30代、40代は大幅にダウン。
まず今年の夏のボーナス支給予想額をうかがった。
回答者全体の平均は58.3万円(男:60.9万円、女:42.0万円)で、昨年の夏に実施した同様の調査に比べ4000円ほどの微減となったが、これは誤差の範囲内と考えてよいだろう。全体としての支給予想額は昨年とほぼ変化ないが、年齢別の内訳で見ると、年代によってもらえる額に差があることがうかがえる。
差がもっとも顕著に表れたのは、働き盛りの30代で、昨年調査に比べて5.8万円ダウンの48.2万円となっている。また、その次に減少率が大きいのがこれも働き盛りの40代で、昨年比3.5万円ダウンの66.4万円となっている。逆に増加傾向なのは50代以上で、特に60代以上の増加率が高いが、この層のボーナス支給額が大きいことを考えると、この増加分でほぼ前年並みを保っているものの、働き盛りの20〜40代に限ってみれば、実質マイナスとなっていることがわかる。
また、支給額で見ると、昨年と比較して特に大きな割合の変化は見られない(「ボーナスはない」と回答した層が増えたのは、主に主婦層の回答の増加と思われる)。もっとも多いのは30〜50万円未満(16.0%)、次いで50〜70万円未満(13.5%)、10〜30万円未満(12.8%)となっている。このあたりの分布割合は、回答者の年齢分布ともほぼ比例しており、働き盛りの30〜40代のボーナス支給額は、ほぼ30〜70万円の範囲に収まるものと思われる。
【図1-1、今年の夏のボーナス 推定平均支給額】
| 2008夏(万円) | 2007夏(万円) | 増減(万円) | ||
|---|---|---|---|---|
| 全体平均 | 58.3 | 58.7 | -0.4 | |
| 性別 | 男性 | 60.9 | 60.8 | 0.1 |
| 女性 | 42.0 | 42.1 | -0.1 | |
| 年代別 | 20代 | 37.0 | 38.2 | -1.2 |
| 30代 | 48.2 | 54.0 | -5.8 | |
| 40代 | 66.4 | 69.9 | -3.5 | |
| 50代 | 77.5 | 77.4 | 0.1 | |
| 60歳以上 | 55.8 | 52.9 | 2.9 | |
| 家族構成別 | 単身 | 42.9 | 58.9 | -16.0 |
| 夫婦のみ | 57.6 | 67.0 | -9.4 | |
| 夫婦と子供 | 66.3 | 49.5 | 16.8 | |
| 3世代同居 | 56.1 | 34.9 | 21.2 | |
【図1-2-1、2008年夏のボーナス推定支給額(全体)】

【図1-2-2、2007年夏のボーナス推定支給額(全体)】

ボーナス支給額に対して、実際に使える金額は8〜9割程度
支給されるボーナスのうち、生活費やローン返済で消える分を除いた「自由に使えるお金」の額を伺った。この結果を見ると、もっとも多い割合は「30〜50万円未満」(19.3%)と、支給額の割合とあまり変化ないが、「10〜30万円未満」と回答した割合が15.1%とやや増えている。このことは、支給額の面でもっとも多かった「30〜50万円未満」の層のうち、1〜2割相当の数が、生活費などの必要経費を差し引いた自由に使えるお金が30万円未満となることを物語っている。
全体として見ると、ボーナス支給額に対して、生活費などの必要経費の占める割合は1〜2割程度。実際に使える金額は8〜9割程度という結果となった。
【図2、ローン返済・生活費の補填などを除いた、自由に使える金額】

70%以上が、「自由に使えるお金が減っている」
ボーナス支給額のうち、自由に使えるお金が増えたか減ったか、その実感を聞いた。
その結果、「減っている」「やや減っている」を合わせた割合は、実に4分の3近い74.1%に達しており、昨年と比べて、実際に手元に残る額が減っている現状が浮き彫りとなった。
年代別に見てみると、「減っている」と回答する割合が多いのは40代以上の高収入層が多い。この層はボーナス支給額も60万円以上と高額だが、使える額で見た場合には減少している割合も大きいようだ。特に50代以上では、支給額自体は増えているはずなのに、使える額では減少傾向ということになっており、生活費や将来への貯蓄・投資といった必要経費が増えていることをうかがわせる内容となっている。
また、働き盛りの30代でも「減っている」とする傾向は強く、全体の70%が「減っている」と感じている結果となった。
【図3-1、実感として、ボーナス支給額のうち、自由に使えるお金は昨年と比べ増えていますか?それとも減っていますか?】

【図3-2、実感として、ボーナス支給額のうち、自由に使えるお金は昨年と比べ増えていますか?それとも減っていますか?(世代別)】

「貯金」が44%! 商品購入にかける金額は減少。
夏のボーナスの使い道についてうかがった。
使い道の割合でもっとも多いのは、例年通り「貯金」(44.7%)で、夏のボーナスの半分程度は貯金に回されるという結果になっている。ボーナスで何かしらの商品を買う割合は21.4%、旅行などの費用にあてる割合が12.9%となっており、「消費行動に費やす」という割合は全体の3分の1程度ということになりそうだ。
一方、「夏のボーナスを使った商品購入にいくらくらいまでかけられるか?」という質問に対する回答を、支給額別に見てみると、もっとも多いボリュームゾーンの「支給額50〜70万円未満」の人では「平均4.7万円」というかなり低い金額となった。ボーナス支給額が120万円〜150万円未満」という層でも、商品購入にかける金額は平均9.3万円とかなり低い。全体的に見ても、昨年に行った調査と比べて、消費行動にかける金額は相当減っており、「買うとしても安いもの」というような傾向がさらに加速していることをうかがわせる結果となった。
【図4-1、ボーナス消費金額内訳】

【図4-2、夏の商品の購入にかける金額(ボーナス支給額別)】

貯金する理由:1位「今後の生活費の補填のため」
次いで「家や自動車など大きな買い物をするため」、「年金など将来が不安だから」
「夏のボーナスは貯金する」と答えた人に対して、その理由をうかがった。
もっとも多かった回答は「今後の生活費の補填のため」で、これが58.2%とダントツのトップ。次いで「家や自動車など大きな買い物をするため」(28.9%)、「年金など将来が不安だから」(28.6%)となっており、買い物をするために貯蓄を行うというよりも、むしろ生活に必要な資金としての貯蓄に回すという回答が多い。多くの方は、ボーナスを堅実に貯蓄に回しており、ふだん足りない分をそこで補うという生活スタイルを取っていることがうかがえる。インターネットショッピングなどの普及により、大型の買い物をボーナス時期に行う、という消費スタイルが徐々に変化していることも影響していると考察される。
【図5、貯金をする理由をお選び下さい。(全体)】
(図4で貯金を選んだ方への質問)

夏のボーナスで購入するモノ
1位、「洋服・ファッション関連」、次いで「液晶テレビ」、「DVDレコーダー/プレーヤー」
夏のボーナスで購入したいと思うものを聞いた。
一番人気は昨年と同じく「洋服・ファッション関連」で16.0%。昨年調査の11.8%を大きく上回った。男性・女性別に見ると圧倒的に女性の意見が多く(39.5%)、消費者の行動の変化というよりは、回答者の属性に女性が増えたことの影響が大きい。次いで、家電製品がランクインしており「液晶テレビ」(13.1%)、「DVDレコーダー/プレーヤー」(10.7%)、「PCパーツ」(10.3%)、「ノートPC」(8.8%)、「デジタル一眼レフカメラ」(7.0%)となっている。このうち昨年調査から大きくポイントを伸ばしたのは「DVDレコーダー/プレーヤー」で、昨年の6.5%から4ポイント近くもポイントを上げている。この背景には、今年の夏行われる北京五輪の影響や、ようやく本格的普及が始まったブルーレイレコーダーへの買い替え需要も後押ししているものと思われる。なお、「液晶テレビ」「ノートPC」、「デジタル一眼レフカメラ」も2ポイント程度ポイントを上げた。
逆に、昨年よりもポイントを下げたもので顕著なのは、「コンパクトデジタルカメラ」(2.3ポイント減)、「携帯電話」(1.5ポイント減)などがあげられる。
【図6-1、夏のボーナスで購入する商品(ボーナス支給者全体)】

【図6-2、夏のボーナスで購入する商品(ボーナス支給者、性別)】
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【図7、購入したいと思う製品名をお答えください(複数回答可)】
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- ◎アンケート期間:
- 2008年5月15日〜2008年5月21日
- ◎回答者数:
- 3,244人
- ◎男女比率:
- 男84.3%:女15.7%


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(2008年3月掲載)

