
SaaS製品を実際に使ってみた詳細レポートを掲載
ひとくちに「RPAツール」と言っても、その機能やできることはさまざま。RPAツール選びで最も重要と言えるのが自動化したい業務内容にツールの得意分野が合致するかどうかです。そのため、「まずは試してみたい」「どんなことができるのかを実際に使って確かめたい」というニーズがあるのは当然でしょう。ここでは、無料プランや無料トライアルが用意されている製品をピックアップしました。RPAツールの初導入を検討している方は、ここから選んでみるのもよいかもしれません。
「RPAツール」と言うと、ロボット・シナリオ作成のために高度なプログラミング知識が必要で、導入のハードルが高いイメージを抱いている方も多いのではないでしょうか。しかし実際には、プログラミングの知識がほとんどなくても簡単に操作できる、ノーコード・ローコードのRPAツールも増えています。ここでは、比較的操作が簡単で、RPAツールの初心者にも向いた製品をピックアップしました。プログラミングの知識や導入に際して不安を感じている方は、ぜひこちらをチェックしてみてください。
クラウド経由でサービス提供されるRPAツールがある一方、オンプレミス(自社サーバー上で運用管理するタイプの製品)が選択可能なRPAツールもあります。クラウドと比較してオンプレミスの場合はサーバーを用意する必要があるため導入コストが高くなりがちです。しかし、大規模な実装や複雑なルールにも対応できるといった利点もあります。ここではクラウドの他、オンプレミスも選択可能な製品をピックアップ。自動化したい業務内容や適用範囲に合わせて、クラウド・オンプレミスそれぞれの選択肢を検討してみてください。
「デスクトップ型」とも呼ばれる、端末にインストールして利用するタイプのRPAツールもあります。このタイプはインストールした端末でのみ実行する作業を自動化することになるので、比較的範囲が狭い単純作業向きです。その分導入コストが安く、設定もしやすいといったメリットがあります。大規模な利用は想定しておらず、シンプルな機能を求めている場合にはぜひチェックしてみてください。
サービス名 |
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無料プラン | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | ○ | ○ |
無料トライアル | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | - | ○ | ○ | - | ○ |
初期費用 | - | 110,000円 | 0円 | 110,000円 | 0円 | 0円 | - | 0円 | - | - | - | - | - |
月額/ユーザー | - | - | - | - | - | - | 14,080円 | 110,000円 | - | - | - | 2,473円 | - |
月額 | - | 71,500円 | - | 88,000円 | - | - | - | - | 33,000円 | - | - | - | 10,560円 |
料金詳細 | 1年850,000円のサブスクリプション。月単位は応相談。 | - | 1年46,200円/台※CELF本体231,000円/年が別途必要(10ライセンスまで利用可能) | - | 1年ライセンス396,000円 | 1年1人あたり220,000円〜 | 請求書払いで12か月間の契約の場合、月額利用料は10%割引となります。※2025年6月以降の金額です | - | - | 要見積もり | 要見積もり | - | - |
最低利用期間 | 1年 | 1か月 | 1年 | - | 1年 | 1年 | 1か月 | 1年 | - | - | - | - | - |
最低利用人数 | 1 | 1 | 1 | - | 1 | 1 | 1 | 1 | - | - | - | - | - |
サポート | メール|Web会議 | メール|ヘルプセンター | メール|電話 | メール|電話|オンライン | メール|電話|Web会議 | メール|チャット|電話|Backlogサポート | メール|Web会議(制限あり) | メール|電話|Web会議 | メール | - | メール|チャット | メール | メール|チャット |
機能 |
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連携サービス | - | Chatwork | - | - | - | - | - | - | LINE Works|kintone|Excel|Slack|Salesforce & Force.com|Amazon Web Services|Box|Facebook|Gmail|Google Ads | Microsoft 365|Google Workspace|Box|OpenAI|Azure OpenAI | マネーフォワードクラウド会計|SharePoint|SmartHR|kintone|Mazrica|Google Drive|Chatwork|free会計|Open AI|Slack | Excel|Outlook|SharePoint|OneDrive|Gmail|Google Drive|YouTube|Twitter|Slack|Salesforce | Gmail|Googleスプレッドシート|Zoom|Google Workspace|Microsoft Excel|Google ドキュメント|OpenAI|ChatGPT|Outlook|Gemini |
専門家からのおすすめポイント
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日々の業務の中では、表計算ソフトなどで行うデータ入力や月次レポート作成といった単純なルーティンワークによって、どうしても手間や時間が取られがち。こういった業務を自動化し、効率化を推進できるのが「RPAツール」です。単純ながらミスの許されない業務でも、人的ミスを防止しつつ、作業速度を上げられます。ここでは、RPAツールの導入担当者たちへのアンケート結果を交えつつ、同ツールの特徴を紹介!
RPA
Robotic Process Automation
ソフトウェアロボットによる業務の自動化
利用する企業の業種 | 業種問わず |
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利用する部署 | 人事/総務/経理/開発/営業部門など |
利用シーン |
メールの送信やレポートの作成など繰り返し行う業務 データ入力など処理件数が非常に多い業務 複雑な判断や思考を必要としないルール化できる業務 |
RPAツールとは、ルールが決まっている定型業務をソフトウェアロボットで自動化するツール。請求書の発行・メール送信や自社商品の価格や在庫数の管理など、バックオフィスの一連の定型業務を「シナリオ」として覚え、従業員の代わりに自動で進めてくれます。もしデータ処理の数が大量にあっても24時間稼働で対処するのでより少ない人手と時間で実行できるうえに、人的ミスも防止。これにより、人件費の節約や作業日程の短縮のほか、従業員のモチベーション向上や生産性のアップにもつなげられます。
RPAツールは、製造、卸売、小売、サービス、運輸・物流、医療・介護など、業界や業種は問わないいっぽうで、バックオフィス業務が多いほど、必要性は高めです。また、上のグラフからもわかるように、煩雑なルーティンワークは従業員のモチベーションが高まりにくいうえに教育コストもかかるので、利用者が少ない場合でも、人的リソースを有効活用するために、RPAツールを導入するパターンもあるようです。
上のグラフからわかるように、利用期間が長期にわたる傾向にある理由の1つは、RPAツールが実際に業務効率化につながるから、と考えられます。一度RPAツールによる自動化の効率性やスピードを知ってしまうと、RPAツール自体の変更は考えても、再度「人の手」に戻すという選択肢は考えにくいのでしょう。
RPAツールの主な機能は、定型作業のルールを「シナリオ」として記録して自動で実行させることです。かつてはプログラミング言語が必要でしたが、近年のRPAツールの「シナリオ」作成機能では、「ナビ」メニューから選択したり、実際の業務工程を「レコーディング(記録)」して組み立てたりと、簡易化が進んでいます。また、紙の書類をスキャンして中の文字を認識する「OCR機能」で、アナログデータを取り込める製品も登場しています。
どんなに優秀な機能を備えているRPAツールでも、「シナリオ」を適切に作成できなければ、そのメリットは享受できません。上のグラフからわかるとおり、最も多い利用方法は「シナリオ作成機能」という結果を見ると、RPAツールの導入はまだ過渡期と考えられ、自社の作業に対して自動化できる可能性を探りながら、「シナリオ」作成にいそしんでいることがわかります。ちなみに、RPAツールの旧タイプにありがちな「プログラミング言語によるルール設計」と、近年の新タイプで可能な「レコーディング機能(によるルール設計)」はほぼ同率という結果でした。
RPAツールは、大きく分けて3種類あります。限られたPCにのみRPAツールをインストールして作業を自動化する「デスクトップ型」、自社内に適切なサーバーやネットワーク環境を設置して使う、セキュリティーに長けた「(社内)サーバー型」、RPAツールの提供企業のソフトウェアロボットにインターネットを介してアクセスし、Webブラウザ上でデータ処理をこなす「クラウド型」の3種類です。
RPAのタイプ | メリット | デメリット |
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デスクトップ型 | PC1台からでも導入可能。会社全体というよりは、そのPC内で自動化作業を行うことにより、業務担当者の目の届く範囲内で活用できる。 | ツールをインストールしたPC内でしか作業を自動化できないため、複数のPCをまたいで自動化するといった活用は難しい。 |
サーバー型 | 社内サーバー内でソフトウェアロボットを稼働させるため、大量のデータや業務を横断した自動化が可能に。セキュリティーも高めやすい。 | 大量のデータ処理といった負荷の高い作業は、社内サーバーの性能に依存する。独自のネットワーク構築など、導入コストは高い。 |
クラウド型 | 導入コストが抑えやすいうえに、短期間で使いはじめられる。すでに利用しているクラウドサービスとの連携がしやすいことが多い。 | 基本的には、Webブラウザで操作できる作業しか自動化できない。デスクトップアプリケーションとの連携は難しい。 |
VBA
Visual Basic for Applications
Microsoft Officeのアプリの機能を
拡張できるプログラミング言語
PC作業の自動化というと、マイクロソフト社「Microsoft Office」シリーズのマクロ機能「VBA」を思い浮かべる人も多いでしょう。「VBA」は、同シリーズの「Excel」「Access」「Word」「Outlook」「PowerPoint」といったアプリ内の作業のみを自動化するもの。プログラミングのスキルも必要です。いっぽうRPAツールは、プログラミングのスキルは必要ない製品も多く、ほかのアプリとも幅広く連携できるのが特徴です。
RPAツールの導入担当者へ実施したアンケートにて、導入の経緯・理由でいちばん多かったのが「作業工数削減のため 」で、3番目が「管理漏れや人的ミスを減らすため」、4番目が「コスト削減のため」という、作業を効率化しつつ、ヒューマンエラーも防止するRPAツールならではの強みが反映された結果となりました。いっぽうで、2番目に「社内の情報共有をスムーズにするため」、5番目に「業績・売上・各KPIの進捗を把握しやすくするため」と、事業の推進力に関わる理由が上位に付けています。
また、導入の決め手でいちばん多かったのは「求めている機能を備えていたから」という結果が出たように、RPAツールの導入時は業界、業種、導入部署によって異なる「必要な機能」が盛り込まれているかどうかがポイントとなるようです。
もうひとつ導入の決め手の中で注目すべきなのは、2位の「UIが優れていて使いやすそうだったから」と3位の「初心者向きの製品だったから」。社内の広範囲に導入する場合、ITリテラシーの高い従業員のみが活用できればいいわけではなく、どの従業員でも簡単に使えるかどうかというのが、RPAツール選びには重要な要素だと考えられます。
導入が失敗に終わる原因は、下のアンケート結果からもわかるとおり、RPAツールの使い勝手にあるようです。「機能が複雑で使いづらかった」「他のメンバーに浸透しなかった」「研修・講座などのサポートが不足していた」といった失敗ポイントは、どれも使い勝手の問題と言い換えられます。また、使いづらさやわかりづらさは、RPAツールのサポート体制の充実度にも関わってくるので、導入前にそのサポートの手厚さを確かめる必要がありそうです。
近年、各RPAツールが進化しているからか、「特に困ったことはなかった」というのが14.1%という結果に。いっぽうで、「全体的に期待していたものと違った」という意見もゼロではありません。やはり導入前のリサーチは大切で、試用期間中に実際の業務に適用して、ほかの従業員たちにも試してもらう必要がありそうです。そうすれば、導入したのに「ほかのメンバーに浸透しなかった」という最悪の状況は避けられるはずです。
以上のことからわかるとおり、RPAツールを導入する際はまず、自社が求めている機能が何なのかを明確にしておきましょう。自社の課題を把握し、どの部分を自動化し、何を実現したいのかをハッキリさせておけば、“必要な機能が充実しているRPAツール”が選べるでしょう。
また、下のアンケート「利用したRPAツールのよかったポイント」の結果のとおり、「操作が簡単で使いやすい」ことも重要です。まずはイニシャルコストの低い「クラウド型」でスモールスタートし、従業員たちが実務で活用してみて使い勝手を確認するというのもひとつの手でしょう。
いっぽう、「改善してほしいこと」のアンケートでいちばん多かったのは「料金が高い」こと。自動化によるコスト削減とのバランスを考える必要があります。また、2番目には「操作が複雑で使いづらい」という意見が入っており、やはりここからも導入前の試用が重要だということがわかります 。
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