
SaaS製品を実際に使ってみた詳細レポートを掲載
クライアントの要望をヒアリングして設計から行うオンプレミス製品が多い販売管理システムにおいて、無料で機能を試せるプランがあるのは珍しいことです。搭載する機能の幅が広く、業種によっても用途はさまざまな販売管理システムだからこそ、事前にその使用感を確認できる製品はぜひチェックしておきましょう。
特定の業種に限らず幅広く対応できるのが汎用型の販売管理システムです。さまざまな業種への対応を実現するため、搭載されている機能は多岐にわたり、おのずと大規模企業向けの製品も多くなります。なかには数ある機能の中から必要なものだけを選択して契約できる製品もあるので、用途や利用人数規模に応じて柔軟に対応が可能です。
汎用型の反対に、特定の業種に的を絞った販売管理システムもあります。業種によっては業界特有の専門用語や管理フローがある場合もしばしば。そのすべてに汎用型の販売管理システムが対応することはなかなか難しいですが、特定業種型の販売管理システムならばまさに痒いところに手が届く設計になっています。用途や欲しい機能が細かく決まっている場合は、まずは特定業種型の販売管理システムから探してみるのもよいでしょう。
販売管理システムは業種や用途に沿った要望に対応するため、オンプレミス製品が多いですが、クラウド型の販売管理システムもあります。クラウド型のよいところは何といっても導入のハードルの低さです。「手軽に販売管理システムを始めてみたい」、「凝った機能は不要でシンプルな販売管理システムを求めている」といった場合には、まずはクラウド型からチェックしてみるのもよいかもしれません。
サービス名 |
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無料プラン | - | ○ | - | - | - | - | - | - | - | - |
無料トライアル | - | - | ○ | ○ | ○ | - | ○ | ○ | - | ○ |
初期費用 | 495,000円〜 | - | 110,000円 | - | 440,000円 | 要見積もり | - | 165,000円 | 要見積もり | - |
月額/ユーザー | - | - | 77,000円 | - | - | - | - | - | - | - |
月額 | - | 3,278円 | 22,000円 | - | 44,000円 | - | 10,780円 | 77,000円〜 | 要見積もり | 4,378円 |
料金詳細 | 月額保守料7,000円〜、見積OP、受発注OPは別途 | 利用者(ID)4人まで、追加1IDあたり1,100円 | API連携や機能オプションについては、それぞれ別途オプション費用として初期費用および月額費用がかかります。 | 要見積もり | - | 各ライセンス価格×機能ご利用人数で算出します | アカウント追加 1アカウントあたり月2,200円 | 月額費用は、ご利用ユーザー数やデータベース作成数に応じて変動いたします。 | - | 年額52,536円※ユーザー追加料金1アカウントあたり715円/月 |
最低利用期間 | - | 1年 | 1年 | 6か月 | 3か月 | 要問い合わせ | 1か月 | - | - | - |
最低利用人数 | 1 | 1 | 5 | 1 | 1 | 1 | - | - | - | - |
サポート | メール|電話|リモート | メール|チャット|電話|遠隔操作 ※有料版ご契約の方のみ利用可能 | メール|チャット|Web会議 | メール | チャット | 電話 | メール|チャット|電話 | メール | チャット | 電話 | メール|Web会議 | メール|電話|Web会議 | メール|電話|遠隔操作|現地サポート | メール|チャット|電話 |
機能 |
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連携サービス | - | フリーウェイ経理 | メイクショップ|カラーミーショップ|shopify|ショップサーブ|futureshop|ebisumart|ecforce|ecbeing|STORES|Bカート|スマレジ|Square|BCPOS|ネクストエンジン|クロスモール|コマースロボ|ロジレス|イー・ロジット|ロジザードZERO|クラウドトーマス|エアロジ|ネットデポ|LinkPrint CLOUD|ダックス|SmaPri|Amazon|楽天|Yahoo!ショッピング|ヤマト運輸 - B2|佐川急便 - e飛伝U | 勘定奉行クラウド|勘定奉行クラウド[個別原価管理編]|奉行V ERPクラウド|マネーフォワード クラウド会計|マネーフォワード クラウド会計 Plus|デスクトップ版「弥生会計」 | - | SMILE BS 会計|SMILE es 会計|奉行V ERPシリーズ|勘定奉行クラウド[個別原価管理編]|Galileopt NX-Plus|MJSLINK NX-Plus|SuperStream-NX|マネーフォワード クラウド会計Plus|楽楽明細|xoBlos|ASTERIA Warp|SECUREMATRIX|HubSpot|Salesforce|各種財務会計システム | Epson Connect|マネーフォワード クラウド 弥生会計|freee住信SBIネット銀行 全銀形式預金口座振替レコード|マネーフォワードクラウド会計現預金出納帳 | 楽楽精算|楽楽明細|配配メール|MailDealer | WinActor|Autoジョブ名人|Autoメール名人|UiPath|kintone|Asteria warp|勘定奉行クラウド|マネーフォワード クラウド会計|財務大将|GLOVIA きらら 会計|OPEN21|弥生会計|PCA会計|FX5クラウド|SuperStream-NX|アラジンEC|TERMINAL ORDER|JOOR|ハンディターミナル|楽楽明細|アラジンオフィスオプション|Bill One|倉庫管理システム(WMS)|ロジザードZERO|W3 SIRIUS|EOS名人|I-Linkage|EDI-Master | - |
専門家からのおすすめポイント
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販売業務には、見積もり、受発注、請求、在庫管理など、さまざまな業務があり、複数の部門が関わってきます。これらの販売に関わる業務を集約し、一元管理するツールが「販売管理システム」です。データの一元化により販売情報の把握がしやすく、また転記ミスなどのヒューマンエラーの防止にも寄与します。ここでは販売管理システムの導入担当者たちへのアンケート結果を交えながら、販売管理システムの特徴を解説します。
利用する企業の業種 | 製造業、卸売業、小売業、ほか販売に関わるあらゆる業種 |
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利用する部署 | 管理部門、経理部門、営業部門、販売部門、製造部門など |
利用目的 | 販売活動における商品・お金の流れや情報をデータ化してシステムで一元管理することによる業務効率促進/Excelや紙の管理表などによる作業負荷の低減や人的ミスの防止 |
「販売管理システム」は、企業が商品を受注してから納品するまでの、お金や商品の一連の流れを管理するシステムです。具体的には、見積書作成、請求書発行、顧客管理、商品管理、売上管理など、販売に関する業務を一元管理します。これらの業務は複数の部門で個々に行われることが多く、労力もかかり、人の手によるミスや部門間の連携不足といったロスを生じやすい部分です。販売管理システムを導入することで、業務の流れを改善し、業務効率化を促進できます。
販売管理システムを導入すると、どのような効果があるのでしょうか。実際に販売管理システムを導入した企業の担当者にアンケートをとったところ、「導入した経緯・理由」として「作業工数削減」や「社内情報の共有」「業績・売上・各KPIの進捗把握」といった回答が上位を占めました。つまり多くの企業で、むだと感じている工程があり、社内情報の共有や部門間の連携に不安を抱えているということ。また「管理漏れや人的ミスを減らす」といった回答もありました。
販売管理システムの導入で得られる効果はさまざまですが、なかでも「業務効率化」「情報の一元化」「データの有効活用」は大きなメリットです。ここでは具体的なメリットについて解説します。
見積もりの作成から請求や在庫管理など、販売に関する一連の業務をデジタル化することにより、手作業だったデータの入力・転記や書類作成の多くを自動化でき、手間を大幅に減らせます。また、請求書などへの入力間違いや記載漏れといった人的ミスも防げるため、業務の精度向上によるトラブル低減も実現できます。さらに、入力方法や業務フローを統一しやすくなるため、業務の属人化を防ぐのにも役立ちます。
販売や仕入れ、在庫状況などの変動するさまざまなデータをシステム上で一元管理できることで、会社全体でリアルタイムに情報共有が可能です。他部署へ問い合わせる必要がなくなり、共有の手間や時間のロスを低減できます。販売や在庫の状況をタイムラグなく把握して適切な発注や在庫管理を行えたり、納品状況が確認できることで代金の請求漏れを防止したりと、さまざまな業務改善効果が得られます。
販売管理システムには分析機能を備えるものもあります。過去のデータを基に販売傾向や顧客のニーズを割り出し、販売戦略の立案・見直しなどに有効活用できます。また今後の売上予測を基に仕入数を算出し、在庫を適正化することでコストカットにつなげることもできます。レポート作成機能を備えていれば、各業務の実績や明細などを表にしたりグラフ化して、会議やプレゼン資料を簡単に作成できるなどのメリットもあります。
アンケートでは、販売管理システムを導入して得られたメリットとして、業務効率化に関する回答が多くあがっています。「作業工数が削減された」という回答が最も多かったほか、「社内の情報共有がスムーズになった」「管理漏れや人的ミスが減った」「コミュニケーションの改善に役立った」という回答も多く、販売管理システムが業務効率化にもたらす恩恵は大きそうです。
導入における注意点
販売管理システム導入時の注意点としては、まずコスト面があげられます。多くの場合、ハードやソフト、設定などの初期費用や、ランニングコストが発生するため、費用対効果の見極めが必要です。また、これまでの業務フローを販売管理システムに置き換えるために、組織体制の整備を迫られるケースも。さらに、自社に最適なシステムにカスタマイズするにはお金や時間などのコストがかかる場合もあります。
主な機能は、売上管理や請求管理など「お金」を管理する機能、受発注管理や在庫管理など「商品」を管理する機能、会計ソフトとの外部連携といった「その他」の機能に大別されます。
機能名 | 説明 |
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見積管理 | 見積書の作成・発行や検索が行える機能。商品情報や単価、値引率を参照して複雑な金額計算を自動化できるサービスもあります。 |
請求管理 | 売上データに基づいて請求書の発行や入金の管理をする機能。顧客ごとの請求サイクルに合わせた請求処理や、請求金額の分割・合算処理といった機能もあります。 |
売上管理 | 売上伝票の作成や売上情報の集計など、売り上げの計上・管理を行える機能。日割り計算や会計ルールに則った計上処理に対応するものもあります。 |
原価管理 | 調達費や製造費、固定費、労務費などから原価を算出する機能。原価変動を予測したり、目標原価と実際原価の差異を分析する機能を備えるものもあります。 |
支払管理 | 請求書の処理、支払スケジュールの管理、支払履歴の追跡などを一元管理する機能です。支払金額の内訳や支払先を一覧で確認したり、未払い項目や支払期限を確認したりできます。 |
機能名 | 説明 |
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受注管理 | 商品の受注情報を入力し、受注データとして一元管理できる機能。見積データや顧客情報から自動転記して受注登録を行うことなどができます。 |
発注管理 | 受注情報に基づいて商品に必要な部品や原材料などを発注する機能。発注書の作成や発注履歴の確認などもできます。 |
在庫管理 | 製品の在庫を管理する機能。在庫数や保管場所、仕入状況などを確認できます。また受注確定後の入荷や出庫管理を行います。 |
仕入れ・納品管理 | 発注情報を参照して仕入れを確定し、正確に入荷・納品がされているかを管理する機能。仕入予定の入力などにも対応します。 |
機能名 | 説明 |
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顧客管理 | 顧客に関する情報を一元管理する機能。顧客ごとの受注実績や、要望・クレームの対応履歴などを共有できる機能もあります。 |
分析機能 | 販売管理システムに蓄積された情報を分析し、データを可視化できる機能です。特定商品の売上推移の確認や、核となる購買層の特定などに役立てます。 |
プロジェクト管理 | プロジェクト単位で原価管理、案件管理、収支管理などを行う機能です。 |
工数管理 | プロジェクトや作業ごとの工数や人件費を管理する機能です。作業時間やリソースの管理を自動化できます。 |
作業進捗管理 | 進捗管理をするための機能です。作業工程の順序指定や、納期の管理などが行えます。 |
アンケートの結果を見ると、売上・原価管理、受発注管理、請求書・見積書作成、在庫管理といったお金や商品に関する機能がよく使用されているようです。これらは標準搭載されることの多い機能のため、製品選定にあたっては操作性やUIのわかりやすさ、価格なども考慮するとよいでしょう。いっぽう、顧客管理や作業進捗管理といった機能をあげる声もあり、社内で求められていることをしっかりとすくい上げて製品選定を行う重要性がうかがえます。
販売管理システムは、あらゆる業種に使いやすいタイプから、特定の業種に特化するタイプまで、複数のタイプがあります。そのため、自社の業務がどのタイプに該当するのかを把握することが製品選定において重要です。
業種を問わず、幅広い業務に対応するタイプ。一般的な販売管理機能をカバーしており、自社の業務フローに合わせて機能を自由に組み合わせられるため、さまざまな業種や業態に柔軟に対応します。また、あとからオプションを加えてカスタマイズしたい場合にも向きます。いっぽうで、カスタマイズにコストや時間がかかる場合もあります。
複数の業種に対応したタイプ。業種別の商習慣に対応した必要な機能がパッケージ化されており、自社の業種を指定することで、自社でシステムを構築せずとも、必要な機能を網羅した販売管理を行えます。比較的短期間でシステムの導入が可能な点や、専用システムをいちから構築するよりも低コストといった点も特徴です。
特定の業種・業界に特化したタイプ。汎用型や複数業種対応型では扱いにくい特有の商習慣がある業種などに向きます。たとえば、支払いが煩雑になりやすいサブスク型ビジネスに特化するサービスなどもあります。また複数業務型にあたる業種でも、パッケージには含まれない特殊な業務がある場合、こちらが選択肢になります。
サービス提供やデジタル商品の販売など、物理的な在庫管理が不要なビジネスモデルに適したタイプ。在庫管理機能を持たないため仕組みがシンプルで、比較的低コストで導入できます。また最小限の機能を選択して利用することで、さらにコストを抑えることも可能です。小規模オフィスや個人事業主にも選びやすいタイプです。
クラウド型とオンプレミス型の違い
クラウド型の特徴 | オンプレミス型の特徴 |
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「オンプレミス型」は自社内のサーバーにシステムを構築するタイプです。自社に合わせたカスタマイズができますが、初期費用や固定費が高額になる場合もあります。「クラウド型」はクラウドサーバー上のシステムを利用するタイプです。比較的導入しやすく、複数拠点からアクセスしやすいといった点が特徴です。
数多ある販売管理システムから自社に合うものを見つけるために、複数システムの比較は必須です。使い勝手に直結する操作性や、スムーズな運用に関わるサポートの内容・体制まで含め、総合的に判断しましょう。特に、導入の目的や実現したいことに直結する以下の3つのポイントについては、しっかりと確認しておく必要があります。
製造業では原価や製造管理など、アパレル業ではサイズやカラー管理といった、業種に特化した機能が必要なケースがあります。自社業務で必要とする機能をしっかり把握したうえで、対応できるシステムを選びましょう。業種に特化した機能が必要なら、前述の特定業種型や複数業種対応型に該当するシステムから探してみるとよいでしょう。
販売管理システムは、カバーできる業務範囲も製品ごとに異なります。在庫管理機能は必要か、データ分析まで行いたいか、など導入するシステムで対応したい業務範囲を明確にし、必要な機能を備えたものを選びましょう。いっぽう、多機能な製品を選ぶとコストがかさんでしまう恐れもあるので、慎重な見極めが重要です。
企業によっては各工程に別途、専門的なシステムを導入している場合も考えられます。販売管理システムのなかには、たとえばPOSシステムや会計ソフト、在庫管理システム、顧客管理システムなどと連携して活用できる製品もあるため、既存環境との連携も考慮して検討しましょう。
販売管理といっても、業種によって必要な機能は異なります。そのため、自社の業種に適した機能が用意されていることが大前提です。アンケートでも、導入の決め手については「求めている機能を備えているか」との機能面を重視する回答が最も多い結果でした。いっぽう、「初心者向きの製品だったか」「UIが優れているか」などの使い勝手も重要視する回答も多く、スムーズな導入や業務効率化推進へのニーズがうかがえます。
システム導入時に困ったことについては、「機能が複雑で使いづらかった」や「UIがわかりづらかった」という回答が多くなっています。機能自体の有無だけでなく、操作性も確認しておくことが重要だと言えそうです。また、「研修・講座などのサポートが不足していた」という回答も多く、サポートの充実度も重視すべき要素と考えられます。いっぽうで「特に困ったことは無かった」という回答も。やはり導入時に操作性に目を向けるか否かで明暗が分かれそうです。
利用して良かった点として、機能の充実や操作の簡単さを多くの人があげています。いっぽう、改善してほしい点としても機能の不足や操作の複雑さをあげる声が。操作性については、前述のとおり「導入時に困ったこと」でも多数の票を集めており、機能と操作性それぞれについてしっかりと調査・検討することが導入後の満足度を決める鍵と言えそうです。また、改善してほしい点で最も多かったのは「料金が高い」という回答でした。機能の充実と料金はトレードオフになりがちなので、その点でも慎重な見極めが重要そうです。
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