

葉酸は、妊婦さんにとってとても大切な栄養素です。赤ちゃんの成長と葉酸の関わりは深く、母子手帳にも葉酸の必要性が書かれていますが、実際にはいつ、どのくらいの量を摂取すればいいのでしょうか?ここでは、葉酸を正しく取り入れるために、葉酸の基礎知識や妊娠・妊活との関係、葉酸を豊富に含む食べ物や葉酸サプリメントの選び方についてご紹介します。

妊娠初期は、胎児の細胞分裂がさかんに行われます。そのため妊娠直後は、二分脊椎症などの神経管閉鎖障害の発症リスクが高い時期でもあります。
葉酸は赤血球の形成や赤ちゃんの正常な発育に必要なビタミンB群の一種として広く知られており、このような新生児障害のリスクを減らすために重要な役割を持つ栄養素だと考えられています。
葉酸は、妊娠中の摂取だけでなく妊娠の1か月以上前からの摂取が推奨されています。その理由は、赤ちゃんに起こる二分脊椎症など先天異常の多くが妊娠直後から10週以内に発生しているため。生理の遅れや体調の変化などで妊娠が発覚してからでは、初期の対応が遅れてしまうのです。そのため葉酸は、妊娠を計画したそのときから積極的にとりいれていくことが大切とされています。
女性だけではなく、男性の妊活にも葉酸が役立つ可能性があると考えられています。アメリカ、カリフォルニア大学バークレー校パブリックヘルスのブレンダ・エスケナジ ( Brenda Eskenazi ) 氏らの研究発表では、葉酸の積極的な摂取が精子の染色体異常によい影響を及ぼす可能性が示唆されており、さらなる研究に期待が寄せられています。
厚生労働省 e-ヘルスネット
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-002.html
葉酸は、ビタミンB群の一種で、水溶性という特徴があります。体には蓄積されにくく、熱に弱いため調理方法によっては約50%近くが分解されてしまいます。また葉酸は、緑黄色野菜や果物などの身近な食品に多く含まれています。
葉酸は、細胞の生産や再生を助けて体の発育を促してくれるほか、赤血球の生産を助ける役割を持っています。そのため妊娠中の胎児の体づくりに好影響を与え、成人においては循環器疾患を防ぐという研究結果も報告されています。
葉野菜や柑橘類などを取らない食生活が続くと、葉酸が不足することがあります。葉酸が不足すると、妊娠中であれば胎児の先天異常のリスクが上がる可能性があり、妊娠していなくても貧血の原因となる恐れがあります。
妊活や妊娠中の摂取が推奨されている葉酸。実際にはいつ、どのくらいの摂取量が理想的なのでしょうか。
通常、18歳以上の女性が食事から摂取する葉酸推奨量は240ug/日とされています。しかし、妊娠の計画を始めた女性や妊娠の可能性がある女性は、食事からの推奨摂取量に加え、サプリメントなどで付加的に葉酸を摂取することが望まれています。
厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2015 年版)
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000114399.pdf
多くの女性が不足しがちな鉄分やカルシウム、ビタミン類などの栄養素。これらもまた、元気な赤ちゃんを育てるための大切な栄養素です。
鉄は血液を作るために欠かすことのできない栄養素。特に妊娠中期や後期には通常時の2倍以上もの鉄分が必要になります。
現代女性の平均的なカルシウム摂取量は低く、目安量を大きく下回っています。妊娠前から十分なカルシウムを摂取する必要があります。
貧血予防や健康を保つために大切な栄養素であるビタミンには、ビタミンAやビタミンD、鉄の吸収率を高めるビタミンCなどがあります。
© Kakaku.com, Inc. All Rights Reserved. 無断転載禁止