日本初の即席麺として袋タイプの「チキンラーメン」が誕生したのは1958年。その13年後の1971年にカップ麺が誕生し、さらにその18年後の1989年にカップ麺のシェアが袋麺を超えた。それ以降も即席麺全体の生産量は増加し続けているのに、袋麺の生産量は減少傾向(グラフ参照)。人気の上位を占めるのは定番ブランドでフレーバーにも変化がなく、市場は閉塞的な状況だった。
しかしここ最近、即席袋麺が大きな動きを見せている。まず2010年7月、「味噌味」「塩味」カテゴリーでシェアナンバーワンを誇る「サッポロ一番」シリーズ(サンヨー食品)が10年ぶりの新フレーバー「担々麺」を発売。同年8月には、30年間続く高価格袋麺ブランド「中華三昧」シリーズ(明星食品)が期間限定で「酸辣湯麺(スーラータンメン)」、「担々麺」を投入(2011年8月8日に定番商品としてリニューアル発売された)。さらに2010年9月にはエースコックが米粉を使った「新麺組」を発売した。いずれも売れ行き好調という。
そんな即席袋麺の戦いは、2011年秋冬にはさらにヒートアップしそうだ。2011年9月1日には「チャルメラ」シリーズから、9月5日には「サッポロ一番」シリーズから「ちゃんぽん」が発売された。さらに2011年11月7日には、「マルちゃん」シリーズでおなじみの東洋水産が新たな定番ブランドの座を狙う「マルちゃん正麺」を発売する。
突如活気づいてきた即席袋麺市場に、今何が起こっているのだろうか。
