
価格.comリサーチ第78回のテーマは、「夏のボーナス」!2014年の夏季ボーナスについてお聞きしました。 アベノミクスも2年目突入。価格.comユーザーのボーナス支給額は増えたのか!?気になるみんなの使い道は!?要チェックです!
- 夏のボーナスの推定支給額:平均55.8万円と、昨年から1.4万円(2.6%)の微増。アベノミクス効果の表れか
- 自由に使える金額:「変わらない」55.1%。「減った」と感じている人の割合は減少
- ボーナスの使い道と平均消費金額:使い道トップは「貯金」182,031円、「商品・サービスを購入する」65,732円(前年比2.6%減)。モノやサービスの購入にかける予算は年々減少
- ボーナスで購入したい商品:「洋服・ファッション関連」(11.5%)が今年もトップ。「本・雑誌・漫画」(8.6%)、「ノートパソコン」(8.2%)とつづく。調査開始以来、初めてすべての項目で前年割れに
- 昨年度との給料比較:「変わらない」64.5%。現時点の賃上げ効果はほとんど無し
- 総評
夏のボーナスの推定支給額:平均55.8万円と、昨年から1.4万円(2.6%)の微増。アベノミクス効果の表れか
この夏のボーナスの推定平均支給額は、55.8万円。昨年2013年の夏のボーナスと比べて1.4万円(2.6%)のアップとなった。昨年2013年の夏のボーナス推定平均支給額は、前年比マイナスという結果だったので、アベノミクス効果が1年経ってようやく形になって表れてきたと見ることもできる。
支給予想額の金額レンジの割合は、昨年と大きくは変わっていないが、全体に少しずつ金額が底上げされている印象だ。特に増えているのが「50〜70万円未満」「70〜90万円未満」「90〜120万円未満」といった中間層の金額レンジで、この部分がわずかながら増加していることが全体の金額アップに寄与している。また、「ボーナスなし」の割合も前年から2.2%ほど減少しており、これまで支給ゼロだった人にもなにがしかのボーナスが出るケースが増えていることが読み取れる。
【図1-1-1 2014年夏のボーナス推定支給額(全体)】

【図1-1-2 2013年夏のボーナス推定支給額(全体)】

30〜50代の中間層の支給額が増加。家族構成別では、単身者や夫婦世帯の伸び率が上昇
夏のボーナス推定平均支給額を性・年代・家族構成別に示したのがこの表だ。性別では、前年比で男性が3.1%のプラスなのに対し、女性は11.6%のマイナスとなっており、男女間での増減が対照的な結果となった。ただし、前年調査では逆に女性の伸び率が10.2%と高いことから(男性は-1.4%)、調査データのゆれと考えられる。
年代別では、30代、40代、50代といった中間層は軒並み前年比プラスで、特に30代の伸び率が5.4%ともっとも大きくなっている。これに対して、若年層である20代と、シニア層の60歳以上では前年比マイナスとなっており、特に60歳以上の下げ幅が-13.9%と大きい。前述の金額レンジの割合と合わせて考えると、30〜50歳くらいの会社内の中堅層については伸びが大きいものの、若年層や、特にシニア層については、やや厳しいボーナス支給状況となっていることがわかる。
なお、家族構成別に見ると、単身者や夫婦世帯の伸び率が高いのに対し、夫婦と子供、3世代同居といった世帯では伸び率が低い。この結果を見ると、20代、30代の比較的若い層の伸び率が高いようにも思えるが、20代はむしろ前年比マイナスとなっていることから、もっとも伸び率が高いのは、30代の単身者あるいは夫婦世帯ということになりそうだ。
【図1-2-1 夏のボーナス推定平均支給額 性別・年代・家族構成別(税込金額)】
2014夏(万円) | 2013夏(万円) | 増減(万円) | 前年比 | ||
---|---|---|---|---|---|
全体平均 | 55.8 | 54.4 | 1.4 | 2.6% | |
性別 | 男性 | 57.0 | 55.3 | 1.7 | 3.1% |
女性 | 38.9 | 44.0 | -5.1 | -11.6% | |
年代別 | 20代 | 33.5 | 33.8 | -0.3 | -0.9% |
30代 | 45.2 | 42.9 | 2.3 | 5.4% | |
40代 | 58.9 | 57.1 | 1.8 | 3.2% | |
50代 | 63.1 | 61.7 | 1.4 | 2.3% | |
60歳以上 | 40.4 | 46.9 | -6.5 | -13.9% | |
家族構成別 | 単身 | 48.6 | 45.6 | 3.0 | 6.6% |
夫婦のみ | 58.0 | 53.3 | 4.7 | 8.8% | |
夫婦と子供 | 60.6 | 60.2 | 0.4 | 0.7% | |
3世代同居 | 55.0 | 54.0 | 1.0 | 1.9% |
業種別:「卸売・小売業」11.8%増、「サービス業」10.3%増など、総じて増加傾向
夏のボーナス推定平均支給額を業種別に見てみた。前年に比べると、ほとんどの業種でプラスとなっており、なかでも「卸売・小売業」の11.8%増や、「サービス業」の10.3%増といった部分が突出している。これらの業種は、夏のボーナスに関してはここのところ厳しい局面が続いていたが、今夏は久々のボーナス増加に転じる模様だ。なお、アベノミクスの恩恵をもっとも受けたと思われる「製造業」もプラスとなっているが、伸び率は4.2%にとどまっている。逆に、前年より下げたのは、「医療業」(-7.0%)と「金融業」(-2.8%)。
【図1-2-2 夏のボーナス推定平均支給額 業種別(税込金額)】
2014夏(万円) | 2013夏(万円) | 増減(万円) | 前年比 | ||
---|---|---|---|---|---|
全体平均 | 55.8 | 54.4 | 1.4 | 2.6% | |
業種別 | 金融業 | 86.1 | 88.6 | -2.5 | -2.8% |
国家・地方公務員 | 64.5 | 61.2 | 3.3 | 5.4% | |
製造業 | 62.0 | 59.5 | 2.5 | 4.2% | |
ソフトウェア・情報サービス業 | 54.1 | 53.6 | 0.5 | 0.9% | |
公益法人・財団法人 | 52.3 | 52.3 | 0 | 0.0% | |
医療業 | 47.7 | 51.3 | -3.6 | -7.0% | |
卸売・小売業 | 49.2 | 44.0 | 5.2 | 11.8% | |
サービス業 | 44.1 | 40.0 | 4.1 | 10.3% |
勤務先規模別:「1000人以上5000人未満」の企業では9.1%増も。大企業を中心に増加傾向
今夏のボーナス推定平均支給額を企業の規模別に見てみた。こちらでも、ほとんどの規模で前年比よりもプラスとなっており、「1000〜5000人未満」の大企業では、9.1%ものプラスで、76.8万円の支給予想が出ているなど、大企業中心にボーナスの増加が目立つ。また、「100人未満」の中小企業でもわずかではあるが前年比プラスとなっており、さまざまな規模の企業でボーナスがプラスになっていることがわかる。
唯一マイナスだったのは「100〜300人未満」の中規模企業。前年比6.5%のマイナスとなっており、支給額ベースで3.1万円ほど下がっている。
【図1-2-3 夏のボーナス推定平均支給額 勤務先規模別(税込金額)】
2014夏(万円) | 2013夏(万円) | 増減(万円) | 前年比 | ||
---|---|---|---|---|---|
全体平均 | 55.8 | 54.4 | 1.4 | 2.6% | |
勤務先規模別 | 50人未満 | 35.1 | 34.6 | 0.5 | 1.4% |
100人未満 | 42.0 | 40.4 | 1.6 | 4.0% | |
300人未満 | 44.8 | 47.9 | -3.1 | -6.5% | |
500人未満 | 56.8 | 54.5 | 2.3 | 4.2% | |
1000人未満 | 60.6 | 59.1 | 1.5 | 2.5% | |
5000人未満 | 76.8 | 70.4 | 6.4 | 9.1% | |
5000人以上 | 80.9 | 80.5 | 0.4 | 0.5% |
【図1-2-4 2013夏のボーナス推定支給額との比較(企業規模別)】

※従業員300人未満の企業を中小企業、従業員300人以上の企業を大企業としています。