明るく進化した「ミニLED」に「Google TV」新搭載でさらに使いやすくオールラウンドな4Kスマート液晶テレビTCL「C835」シリーズを全方位チェック!

世界のテレビ市場を席巻する総合エレクトロニクスメーカー「TCL」から、2022年6月に登場した4Kスマート液晶テレビのトップモデル「C835」シリーズ。TCLが得意とする量子ドットLED技術「QLED」の採用はもちろん、液晶テレビ向けの最新バックライト技術「ミニLED」が明るく進化したうえ、高性能な映像エンジン「AlgoエンジンMax」を新搭載したことで、画質面にさらなる磨きをかけている。本特集では、そんなTCLの4K液晶テレビ最新モデルの圧巻の映像美をはじめ、音質や使い勝手まで全方位でチェックしていく。

高画質技術進化した「ミニLED」と量子ドット「QLED」を採用。「AlgoエンジンMax」搭載で色鮮やかでよりリアルな映像を楽しめる

テレビを中心にオーディオ機器やスマートフォン、生活家電、スマート健康家電などを手がけ、今では世界160か所以上の国や地域で製品を展開している総合エレクトロニクスメーカーの「TCL」。なかでも同社が得意とするテレビは、パネルの製造から製品の組み立てまでを一貫して手がけることで、高品質と低価格を両立した製品を次々と発売し、液晶テレビの出荷台数シェア世界第2位※を誇るなど市場を大きくリードする存在となっている。 ※Omdia TV sets market trackerレポートに基づく

そんなTCLの最新モデルとして、2022年6月に日本市場向け4Kスマート液晶テレビのハイエンドモデル「C835」シリーズが発売された。本機は、進化した最新バックライト技術「ミニLED」や高性能な映像エンジン「AlgoエンジンMax」、コンテンツの検索性が大きく向上したテレビ向けOS「Google TV」などを新搭載したのが特徴。画質はもちろん、使い勝手も大幅にパワーアップした、TCLのトップモデルとなっているのだ。

TCL「C835」シリーズ

広東省・深セン市に本社を構え、グループ全体で約75,000人の従業員、28の研究開発センターおよび22の製造工場を擁する総合エレクトロニクスメーカー「TCL」。その最新トップモデルとして登場したのが、4Kスマート液晶テレビ「C835」シリーズだ。製品ラインアップには、写真の65V型「65C835」に加え、55V型「55C835」も用意される

TCLの最新モデルということで日本市場でも関心が集まりそうな「C835」シリーズだが、やはり最大の注目点は画質だろう。なかでも大きなポイントとなるのが、明るく進化した「ミニLED」と、高性能な映像エンジン「AlgoエンジンMax」の採用だ。

まずは、ひとつめのポイントである進化した「ミニLED」について紹介しよう。従来モデル「C825」シリーズでも、超小型な「ミニLED」をバックライトとしてディスプレイ直下に敷き詰めることで、輝度ピークを高めていたが、最新モデルである「C835」シリーズではそれが大きくパワーアップ。数千個搭載している「ミニLED」のサイズ自体を従来モデルからグッと小さくするいっぽう、発光制御をさらに高効率化したことで、従来モデル「C825」シリーズから画面全体の輝度を30%以上アップすることに成功したという。

もちろん、TCLが得意とする量子ドット技術「QLED」も引き続き採用している。これは、直径2〜10nmの超微細な半導体ドットを敷き詰めたフィルム「Quantum Dot Film」を使い、光の波長(色)を変換するという技術。この専用のフィルムに、バックライトとなる青色LEDからの光を照射することで色純度を大幅に向上させ、白色LED+カラーフィルターを組み合わせた一般的な液晶テレビよりも、鮮明かつ自然に近い色を再現できるようになっている。

「ミニLED」とは?
TCL「C835」シリーズ

今、業界で最もホットなディスプレイ技術と言えば「ミニLED」だろう。これは、従来の液晶テレビが採用しているLEDに比べて、ひとつひとつのサイズが超コンパクトな「ミニLED」をディスプレイ直下に多数配置してバックライトとすることで、エリアごとの明るさを細かく制御し、かつ輝度を飛躍的に高めるというものだ。近年、各テレビメーカーが採用しつつあるが、TCLでは2019年に導入された「65X10」から採用を始めており、それだけアドバンテージを持っているテクノロジーでもある

進化した「ミニLED」
TCL「C835」シリーズ TCL「C835」シリーズ

最新モデルである「C835」シリーズでは、これまで培ってきたノウハウやテクノロジーを生かすことで、数千個搭載した「ミニLED」のサイズをさらに小さくしながらも、今まで以上の輝度が得られるよう高効率化を実現。さらに、発光の制御力を強化したことで、一般的なサイズのLEDを搭載した従来の液晶テレビ(TCL製)と比べて4倍もの明るさと、ムラのない均一な色表現を実現している

量子ドットLED技術「QLED」
TCL「C835」シリーズ TCL「C835」シリーズ

量子ドットLED技術「QLED」は、直径2〜10nmの微細な量子ドットを敷き詰めた専用のフィルムに、光源となる青色LEDの光を照射することで、光の波長(色)を変換する仕組み。この技術を活用することで、より効率的に純度の高い光の3原色となる赤・緑・青を取り出せるので、色再現性が「QLED」非搭載の従来の液晶テレビ(TCL製)と比べて広くなる。つまり、より自然に近い色を描き出せるようになるわけだ

2つめのポイントは、進化した「ミニLED」を、より細かく制御するために新搭載された高性能な映像エンジン「AlgoエンジンMax」である。「C835」シリーズでは、画面全体をいくつかのエリアに分割して明るさを制御する「ローカルディミング」を搭載しているが、処理性能が飛躍的に高まった本エンジンの採用により、従来モデルよりも制御できる分割エリア数が80%以上も増えている。これによって、明るいところはより明るく、暗いところはより暗く表現できるようになったのだ。さらに、その高い演算性能を活用することで、4Kアップコンバートや3次元カラーマネジメント、残像感を抑える「MEMC」機能、HDR映像の解析などがより高精度に行えるため、あらゆる映像を今まで以上に美しく、リアルに映し出せるようになっている。

AlgoエンジンMax
TCL「C835」シリーズ TCL「C835」シリーズ

TCLがこれまで蓄積してきた画像解析のアルゴリズムを取り入れた映像エンジン「AlgoエンジンMax」は、地上デジタル放送や動画配信サービスが提供するコンテンツなど、ありとあらゆる映像を綿密に解析・処理し、より美しく高精細な映像へと変換してくれる

ローカルディミング
TCL「C835」シリーズ

画面を複数のエリアに分け、表示される映像の明暗に合わせてLEDの明るさを細かくコントロールする「ローカルディミング」。「C835」シリーズでは、「AlgoエンジンMax」を搭載したことで従来モデルよりも大幅に分割エリアが細分化されており、息を呑むような高コントラストな表現が行える

体験レポートTCLならではの高画質テクノロジーが実現した、色彩とコントラストの美しさに圧倒される

画面輝度をさらに高めた最先端のディスプレイ技術「ミニLED」や、純度の高い色を再現できる量子ドット技術「QLED」、高性能な映像エンジン「AlgoエンジンMax」を新搭載したことで、あらゆる映像を美しく描き出してくれる「C835」シリーズ。世界最先端のディスプレイ技術が満載されているだけあって、視聴する前からどのような映像を見せてくれるのか期待に心躍らされる。早速、さまざまな4K映像を視聴して、その実力をレポートしていこう。

TCL「C835」シリーズ

今回のレビューでは65V型の「65C835」を使い、その画質や音質を詳しくチェックしてみた

価格.comスタッフがその映像美を詳しくチェック

まず映し出したのは、さまざまな野菜や果物が並ぶ映像だ。白色LEDを使用する一般的な液晶テレビは「赤色」が苦手とされているが、色純度の高い「QLED」を採用した「65C835」では、トマトや唐辛子の濃淡や階調が非常に細やかで、その色鮮やかさとともに、色再現性の高さに驚かされた。また、渓谷に夕日が沈んでいく映像では、夕日の鮮烈なまぶしさとともにオレンジ色に染まっていく空や岩肌の表情を繊細に描くなど、明部から暗部までコントラストの高い表現をしっかりと映し出せている。これは、進化した「ミニLED」が画面全体の輝度を高めているうえ、「ローカルディミング」でエリアごとの明るさを緻密に制御しているからこそ実現できた映像なのだろう。

TCL「C835」シリーズ TCL「C835」シリーズ

次に見たのが、女性とシカが花の中でたたずむ映像だ。ここで特に注目してもらいたいのは、暗闇に飛び散るバラの花びら。一般的な通常の液晶テレビでは、花びら周辺の光が若干漏れることで白く浮いてしまうものだが、「65C835」ではそういった破綻が一切感じられない。画面全体が白っぽくなる黒浮きや色ムラもなく、奥行き感のあるリアルな映像となっていた。また、山を映し出した映像では、夕日に照らされている山肌はもちろん、影が落ちている山肌の暗部も黒潰れすることなく見事に再現されており、ダイナミックレンジの広さを感じることができた。

TCL「C835」シリーズ TCL「C835」シリーズ

このほか、地上デジタル放送や「YouTube」で配信されているアニメ映像なども視聴してみたが、「AlgoエンジンMax」による4Kアップコンバートや映像処理が巧みなためか、高精細な4Kテレビでも違和感は一切なく、明るく色鮮やかな映像が楽しめた。なお、ゲーム機器からの映像情報を検出すると、自動で低遅延な「ゲームモード」へと切り替えてくれる「ALLM(Auto Low Latency Mode)」も搭載しているため、ゲーム用途でも十分利用できるだろう。

大型のサブウーハーがもたらす、厚みのある低域を味わう

圧倒的な映像美を堪能させてくれた「65C835」だが、サウンドについてもかなりしっかりと作り込まれている。なかでも特徴的なのが、20Wでパワフルに駆動する大型のサブウーハーを本体背面に備えていること。この高性能なサブウーハーに低域を任せることで、本体下部に備わるメインステレオスピーカーは音声やBGMで使われる中高域に専念できるため、薄型テレビとは思えないほど力強く、クリアなサウンドが楽しめるわけだ。ちなみに、サウンドシステムとしては合計60W(20W+20W+20W)のアンプで、メインスピーカー2基とサブウーハーを駆動する2.1ch構成。立体的な音場を再現する「Dolby Atmos」にも対応している。

実際にそのサウンドを体感してみたが、特に心を揺さぶられたのが想像以上に量感のある低域だ。「Dolby Atmos」対応のアクション映画では、爆発音や雷鳴が分厚く鳴り響き、薄型テレビのスピーカーとはとても思えないほどの迫力。それでいて、セリフやBGMは聴き取りやすく、全体のバランスが崩れていないのも好印象だ。「Dolby Atmos」による包み込まれ感はほどほどと言ったところだが、音の広がりは十分で、厚みのある低域とともに臨場感のあるサウンドを体験できた。

TCL「C835」シリーズ TCL「C835」シリーズ

本体背面に設置された大型サブウーハーを20Wのハイパワーで駆動することで、薄型テレビとは思えないほど分厚い低域を体感させてくれる「65C835」。さらに、立体的な音場を再現する「Dolby Atmos」にも対応しており、臨場感あふれるサウンドを味わえる

TCL「C835」シリーズ

アクション映画やバンドの伝記映画、音楽PV、アニメなども視聴してみたが、低域だけが飛び抜けているわけでなく、中高域もクリアなため全体的に聴きやすい。メインスピーカーが下向きに設置されているため、レビュー前は定位感に若干の不安があったが、実際に視聴してみたところ、音声は画面の中心に定位していたため、映画やドラマのセリフも聴き取りやすかった

使い勝手横断検索が行える「Google TV」なら見たいコンテンツがすぐに見つかる!

画質面での進化が目立つ「C835」シリーズだが、使い勝手がパワーアップしている点も見逃せない。なかでも、最新のテレビ向けOS「Google TV」を搭載した点が大きい。

従来モデルで採用されていた「Android TV」は、ホーム画面に各種動画配信サービスが並び、そこから番組を探すスタイルだったので、見たいコンテンツを選び出すまでにワンクッションの操作が必要だった。その点、ユーザーインターフェイス(UI)が一新された「Google TV」では、GoogleのAIがユーザーの視聴履歴や好みを学習して、「見たいであろうコンテンツ」をジャンルごとに表示してくれるため、すぐにアクセスできる。しかも、「YouTube」や「Amazonプライム・ビデオ」など各種サービスの横断(串刺し)検索が可能になっており、見たいコンテンツを簡単に探し出せるようになっているのもポイントだ。

TCL「C835」シリーズ TCL「C835」シリーズ

視聴履歴や好みに基づいて、ユーザーにぴったりなコンテンツを複数の動画配信サービスから選び出してホーム画面上に一覧表示してくれる「Google TV」。「Google Play ストア」からはアプリのダウンロードも可能で、話題の「Disney+」や「Apple TV」なども追加もできる

もちろん、「Google TV」だけあり、音声でテレビ操作が行える「Google アシスタント」やスマートフォンの映像をテレビ画面に映し出せる「Chromecast built-in」にも対応する。さらに、スマートフォンとテレビで同じGoogleアカウントを紐づけている場合には、「観たいものリスト」との連携も行える。外出中、スマートフォンのGoogle検索で見つけた面白そうな動画を「観たいものリスト」に登録しておけば、改めて探す手間もなく、帰宅後すぐにテレビの大画面で目的の動画を見つけ出せ、すぐに楽しめるのだ。

TCL「C835」シリーズ TCL「C835」シリーズ

付属リモコンにはマイクが搭載されており、中心にある「Googleアシスタント」ボタンを長押ししながら話しかけるだけで、コンテンツの検索やテレビ操作が行える。また、スマートフォンに表示した写真やゲーム画面をテレビに簡単に映し出せる「Chromecast built-in」機能も搭載している

TCL「C835」シリーズ TCL「C835」シリーズ

ヘアライン加工が施された、スタイリッシュなセンタースタンドを採用した「C835」シリーズは、幅の狭いラックにも設置しやすい。テレビ本体の奥行きが短く、全体的にスマートな印象のため、どのようなインテリアにも溶け込んでくれそうだ

TCL「C835」シリーズ

外部インターフェイスとして、最新の「eARC」に対応したHDMI2.1ポート を含むHDMI入力ポート×3、USBポート×2(うち1基は録画用外付けHDDに対応)、ヘッドホン出力ポート、ビデオ入力ポート、光デジタル音声出力ポート、有線LANポートを搭載。チューナーは、地デジ/BS/110°CSデジタルチューナーを2基、BS 4K/CS 4K対応チューナーを2基搭載し、4K放送の裏録画にも対応している

まとめ大幅な進化を果たした、死角のないオールラウンダーな4Kスマート液晶テレビ

以上、TCLの最新4Kスマート液晶テレビ「C835」シリーズをチェックしてきたが、その進化の度合いには目を見張るものがあった。なかでも、「ミニLED」のサイズを小さくしながら高効率化したうえ、新搭載の「AlgoエンジンMax」によって緻密に制御することで、画面全体のコントラストが大きく向上し、画質はもはや別物と言って差し支えないレベルにまで引き上げられていた。もちろん画質面だけでなく、20Wのハイパワーで駆動する大型サブウーハーを備えたサウンドシステムは、臨場感のある音を体験させてくれたし、新搭載のテレビ向けOS「Google TV」によって、見たいコンテンツをすぐに探し出せるようになっているなど使い勝手も大きくパワーアップしていた。

また、国外メーカーでありながらサポート体制も充実しており、専任の日本スタッフが土日(年末年始除く)も電話対応してくれるうえ、全国どこでも修理対応に応じるなど、安心して使用できる点も見逃せない。世界的なテレビのリーディングカンパニーであるTCLから、“死角のないオールラウンダーな4Kスマート液晶テレビ”が誕生した。これが「C835」シリーズのレビューを終えた率直な感想だ。

TCL 4Kスマート液晶テレビ 2022年ラインアップ

TCL「C835」シリーズ

進化した「ミニLED」と「AlgoエンジンMax」により圧倒的な映像美を堪能できるトップモデル 4KスマートQLED液晶テレビ
「C835」シリーズ

「QLED」と「AlgoエンジンPro」の相乗効果で色鮮やかな映像が楽しめるハイエンドモデル 4KスマートQLED液晶テレビ
「C735」シリーズ

色彩描写にすぐれた量子ドットLED技術「QLED」を採用したスタンダードモデル 4Kスマート液晶テレビ
「C635」シリーズ

この記事は2022年06月13日の情報を基にしております。