10ギガ通信がこれからのスタンダード! 最新Wi-Fi 6E&クアッドバンド対応の驚速メッシュWi-Fiステム ネットギア「Orbi 9」の次世代技術を徹底解剖
アメリカ・カリフォルニア州に本拠地を構え、北米を中心に絶大な支持を獲得しているネットワーク機器メーカー、ネットギアから、Wi-Fi 6のさらに先をいく最新規格のWi-Fi 6Eに対応したメッシュWi-Fiシステム「Orbi 9(オービナイン)」が発売された。4つの通信帯域(クアッドバンド)に対応し、複数のデバイスを同時接続しても安定した通信を実現できることに加え、本体とサテライトを専用バックホールで接続するメッシュシステムにより、広い家でも隅々まで高速通信を維持できるという本機の次世代技術を、じっくりとチェックしていこう。
通信速度Wi-Fi 6E&クアッドバンド対応で
10Gbps回線のポテンシャルを最大化
自宅の中を眺めれば、パソコンやスマートフォンはもちろん、スマートテレビやロボット掃除機、スマート照明、通信型ゲーム機など、IoTデバイスがあちこちに見られるという家庭が増えてきた。これらはみなインターネットを利用して通信を行うため、多くのデバイスが同時に、ひとつのルーター、ひとつのインターネット回線にアクセスしている状況だ。加えて、人気の動画配信サービスでは4Kや8Kなどの高画質で大容量の映像コンテンツが増えてきているし、ゲームなども高精細化によってデータ量は着実に増加傾向にある。
もはや家庭でも、より高速かつ安定性の高い通信環境は必須と言っても過言ではなく、従来の1Gbps以下のインターネット回線では不足が生じるようにさえなってきた。そのため昨今では、10Gbpsの高速回線が徐々に増えてきている。回線事業者各社も10Gbps回線のキャンペーンを積極的に打ち出して普及を後押ししており、10Gbps回線がこれからのスタンダードになっていくことはほぼ間違いない。

インターネット通信を利用するデバイスは今や家庭内の至るところにある。こうした状況から、遠からず10Gbps回線がスタンダードになると考えられるため、それに対応したWi-Fiルーターの導入を検討する人も少なくないはずだ
しかし、どれだけインターネット回線自体が速くとも、多くの家庭で使われている従来規格のWi-Fi 4やWi-Fi 5に対応したルーターでは、通信帯域に限りがあるため、その速度を十分に生かせない場合が多い。そこで注目したいのが、高速な10Gbps回線のポテンシャルを最大限に生かす、次世代規格「Wi-Fi 6E」に対応したメッシュWi-Fiシステム「Orbi 9」だ。

「Orbi 9」は親機となる本体に加え、2基のサテライトがセットになったWi-Fi 6E対応のメッシュWi-Fiシステム。外観はスタイリッシュなデザインで、さまざまなインテリアとの相性もよさそう。カラーバリエーションは写真の「ホワイト」のほか、公式通販サイト「ネットギアストア」限定販売となる「ブラック」も用意されている
Wi-Fi 5や、これまで最新規格に位置づけられていたWi-Fi 6では、通信帯域に2.4GHz帯と5GHz帯の2つのバンドを利用していた。これに対し、次世代規格となるWi-Fi 6Eでは、新たに6GHz帯も使用可能となった。そんななか「Orbi 9」は、Wi-Fi 6E対応でも国内初※となる2.4GHz帯、5GHz帯×2、6GHz帯という4つの通信帯域(クアッドバンド)に対応。さらに、通信経路の数を示すストリーム数は、各帯域で4ストリームが利用可能となっている。これにより最大理論値で、2.4GHz帯では1147Mbps、5GHz帯では2402Mbps×2、 6GHz帯では4804Mbpsの通信速度を実現。全16ストリームを合計すると、理論上は最大約10Gbpsの高速通信が可能となり、10Gbps回線の速度を余すことなく生かせるのだ。 ※2022年11月時点。ネットギア調べ

親機の本体背面、黄色い10Gbps WANポートにインターネット回線を接続して使用する。そのほかに、2.5Gbps LANポート、ギガビットLANポート×3を装備。複数のデバイスを有線で接続しやすいこともポイントだ
大容量データもあっという間にダウンロード完了
では実際に、10Gbps回線に接続した「Orbi 9」とデバイスを通信させて、その通信性能をチェックしていこう。なお、検証を行った2022年11月1日時点において、ハードウェア面でWi-Fi 6Eに対応したパソコンなどはすでに発売されているが、総務省による認証の関係上、実際にWi-Fi 6Eで通信できるデバイスは確認できなかった。そこで今回は検証用に、Wi-Fi 6対応のWi-Fiモジュール、インテル「Wi-Fi 6 AX201」(帯域幅160MHz/最大2.4Gbps対応)を搭載したノートPCを使用している。
まずは、「Orbi 9」を10Gbps回線に有線接続し、「Orbi 9」本体とノートPCをWi-Fi接続。「Orbi 9」本体から2m程度離れた場所で、通信性能をテストできる代表的なサイト「Speedtest.net」を使用して、通信速度を計測してみた。その結果、下りで600Mbps超、上りで700Mbps超をマーク。Wi-Fi 6E対応デバイスならさらにすぐれた結果が出たはずだが、Wi-Fi 6対応デバイスでの通信速度としても非常に秀逸なことが証明された。この速さをより実感しやすくするため、マイクロソフトが配布している「Windows 11」のISOファイルをダウンロードしてみた。すると、約5.1GBもの大容量にもかかわらず、わずか1分35秒でダウンロードが完了。アプリやゲームなどのデータが大容量化している昨今、このダウンロード速度は実にありがたい。

「Speedtest.net」によるテストでは、下りで624Mbps、上りで725Mbpsの通信速度をマーク。Wi-Fi 6対応では通信速度が500Mbps以下に留まる製品も少なくないため、かなり高速と言ってよい
複数デバイスの同時接続にも強い
続いて、ノートPCをもう1台と、スマートフォン2台を、「Orbi 9」とWi-Fi接続。これらのデバイスでゲームやストリーミング再生を行いながら、もともと接続していたノートPCで、あらためて通信速度を計測してみた。結果は、下りで361Mbps、上りで438Mbpsという高い通信速度を維持。合計4台のデバイスを同時接続した状態とは思えない高速で安定した通信だ。合計16ストリーム(検証環境では6GHz帯の4ストリームを除く12ストリームが有効)という余裕のあるキャパシティが、これだけ安定した高速通信を可能にしているに違いない。くり返しになるが、Wi-Fi 6E対応デバイスを使用すれば、さらにすぐれた安定性を見せてくれるはずだ。
カバー範囲広い家でも隅々までカバーする、
専用バックホール搭載のメッシュシステム
Wi-Fiルーターとデバイスの接続は、電波を使用している特性上、距離が遠くなれば遠くなるほど、通信速度が落ちていくもの。製品によってはこの落差がかなり激しく、広い家では各部屋をカバーしきれない場合も少なくない。しかし、この点でも「Orbi 9」は心強い。その立役者こそ、本機に付属する2基のサテライトを使ったメッシュシステムだ。「Orbi 9」は、そもそも1基あたり約279m2もの範囲をカバーする通信性能を備えているのだが、親機となる本体とサテライトをWi-Fi接続することにより、さらに広いエリアをカバーできるようになる。実際にそこまで広い家で使用するわけでなくとも、サテライトが単体のWi-Fiルーターのように機能し、強力な電波レベルが広範囲で確保されるため、接続安定性が格段に高くなるのだ。
ここで特筆すべきは、「Orbi 9」本体とサテライトを接続するための、専用バックホールが設けられていること。たとえば、通信帯域が3つ(トライバンド)のWi-Fiルーターでは、機器どうしの接続にひとつの通信帯域を占有するため、通信速度が大きく落ちしてしまうことも少なくない。しかし、クアッドバンドの「Orbi 9」は、2つの5GHz帯のうちのひとつを専用バックホールとして使用するため、5GHz帯の電波も利用可能なままで、デバイスで使う通信帯域に影響が出にくいのだ。
また、「Orbi 9」本体とサテライトのそれぞれに装備された、独自設計の12本のアンテナにも注目したい。同社製従来モデルよりも5GHz帯のカバレッジが約30%強化され、バックホール接続などの安定性が大きく向上しているのだ。
遠く離れたサテライト経由でも速度低下は最小限
実際にサテライトを使用して、「Orbi 9」のカバー性能をチェックすることにしよう。まずは、本体から直線距離で約28m離れた場所にサテライトを設置して通信速度を計測してみたが、下りでは500Mbpsを超える高速通信がしっかりと維持されていた。続いて、カバー範囲を可視化すべく、「Orbi 9」本体と2つのサテライトを、異なる3つの部屋に設置したうえで、電波強度測定アプリ「Wi-Fiミレル」でヒートマップを作成してみた。その結果、本体から最も遠いサテライトでも十分な電波強度が保たれていることがわかり、「Orbi 9」が備えるメッシュシステムの力強さが確認できた。


本体から約28mも離れた別の部屋にサテライトを設置し、サテライトから約2mの距離でノートPCを接続したうえで通信速度をチェック。上りこそさすがに360Mbpsと速度が半減したが、下りは531Mbpsという高水準をキープした

「Wi-Fiミレル」による電波強度測定では、右の部屋に「Orbi 9」本体を、中央の部屋と左の部屋にそれぞれサテライトを設置。各部屋はそれぞれ20畳ほどの広さがあるが、本体から最も遠い左の部屋でも、電波強度が5割以上も維持されていることがわかる
サテライトでも有線接続で安定した通信が行える
サテライトが備える外部インターフェイスの豊富さも目を引く。「Orbi 9」本体と同様にサテライトも、2.5Gbps LANポートを含む4基のLANポートを装備し、有線接続による高速通信が可能となっている。さらに、「Orbi 9」本体とサテライトを有線でバックホール接続することもできる。これなら、電波を通しにくいコンクリート造りの建物などでも、サテライトを効果的に活用できるだろう。
セキュリティ「NETGEAR Armor」が
接続デバイスを台数無制限で保護
最後に、「Orbi 9」のセキュリティ面をチェックしていこう。ポイントになるのは、本機で使用できる高度なセキュリティ機能「NETGEAR Armor」(30日間のトライアルが付属。以降は年額8,990円/税込のサブスクリプションで利用可)だ。セキュリティベンダーであるBitdefenderの技術を利用したアプリで、コンピューターウイルスやスパイウェア、ランサムウェア、悪意のあるリンク、インターネット詐欺などといった幅広い脅威を、事前に検知してリアルタイムでブロックできる。スマートスピーカーやネットワークカメラなどのIoTデバイスにはウイルス対策ソフトをインストールできないものが多いため、このように保護できる意義は大きい。
しかも「NETGEAR Armor」は、こうしたIoTデバイスを含むホームネットワーク上のすべてのデバイスを、台数無制限で保護してくれる。多くのデバイスを利用している家庭では、特に重宝するはずだ。

家庭には、パソコンやスマートフォンのほか、スマートテレビやスマートスピーカーなど、さまざまなIoTデバイスがあふれているが、今後、こうしたデバイスはますます増えていくだろう。デバイスを台数無制限で保護してくれる「NETGEAR Armor」を導入しておけば、長期的に見ても安心感が強い
「Bitdefenderセキュリティ」が外出先でもデバイスを保護
「NETGEAR Armor」のサブスクリプションには、各デバイスにインストールできるセキュリティソフト「Bitdefenderセキュリティ」も含まれている。これにより、「Orbi 9」に接続していない外出先でも、しっかりとデバイスを保護。VPN接続にも対応しており、空港やショッピングモール、カフェなど、不特定多数の人が接続するオープンWi-Fiサービスで通信を暗号化できることもポイントだ。
まとめ高速・広範囲・高セキュリティの3拍子が揃った
次世代メッシュWi-Fiシステム
「Orbi 9」をチェックしてみて最も印象的だったのは、将来性を見据えた通信速度の飽くなき追求ぶりだ。従来の2.4GHz帯、5GHz帯に加えて 6GHz帯も使用可能なWi-Fi 6Eに対応しているうえ、国内初※となるクアッドバンドに対応しており、スペックへのこだわりは業界トップクラスと言っていい。各帯域で4ストリームが利用できることも手伝って、10Gbps回線の速度を余すことなく生かせるのは非常に頼もしい。今回はWi-Fi 6対応デバイスでの検証にとどまったが、約5.1GBという大容量ファイルを約1分半でダウンロードできたり、複数デバイスの同時接続でもすぐれた通信速度を維持したりと、その高いポテンシャルをまざまざと示してみせた。
また、2基のサテライトと連携するメッシュシステムにも、そのこだわりが表れていた。各帯域を最大限に生かす専用バックホールの採用や、独自設計の12本のアンテナにより、広い家でも困らないほど広大な範囲をカバー。本体から約28mも離れた場所に設置したサテライト経由でも、500Mbpsを超える通信速度を発揮したことには驚かされた。さらにセキュリティ面も、サブスクリプションで利用できる「NETGEAR Armor」がしっかりサポート。台数無制限でデバイスを保護できるうえ、外出先でもセキュリティが保たれるのは、デジタルデバイスが欠かせない現代のライフスタイルにおいて実に頼もしい。
このように「Orbi 9」は、通信速度、カバー範囲、セキュリティを総合的に突き詰めたプレミアムな1台に仕上がっていた。Wi-Fiルーターは1度導入すると、何年も使い続けることになるもの。家庭にデジタルデバイスがあふれ、10Gbps回線の時代がすぐそこまで迫っている今だからこそ、次世代技術の粋を集めた本機をぜひチェックしてほしい。 ※2022年11月時点。ネットギア調べ
ネットギア「Orbi 9」 製品紹介


- Orbi 9
- ブラックネットギアストア限定モデル
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ワイヤレス規格 | Wi-Fi 6E(IEEE 802.11ax/ac/n/a/g/b) |
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通信速度 | 6GHz 最大理論値4804Mbps 5GHz 最大理論値2402Mbps×2 2.4GHz 最大理論値1147Mbps |
ストリーム数 | 4+4+4+4 |
アンテナ数 | 12本(6GHz:4本、5GHz:4本、2.4+5GHz:4本) |
サテライト数 | 2基 |
カバー範囲 | 279u(本体とサテライト1基あたり) |
セキュリティ | 「NETGEAR Armor」(30日間のトライアルが付属) |
外部インターフェイス(本体) | 10Gbps WANポート、2.5Gbps LANポート、ギガビットLANポート×3 |
外部インターフェイス(サテライト) | 2.5Gbps LANポート、ギガビットLANポート×3 |
カラー | ホワイト/ブラック |