【高画質・高コスパ】「量子ドットMini LED」モデルがグンと買いやすくなった!TCLの4K液晶テレビ「C755」シリーズ徹底チェック
2024年5月に発売されたTCLの4K液晶テレビ「C755」シリーズは、スタンダードモデルでありながら、微細なLEDをバックライトに敷き詰める「Mini LED」と、量子ドット技術で色純度を高める「量子ドット Pro」に対応。そのうえ、同社のフラッグシップモデルにも採用されている高性能なAIエンジンを搭載し、クラスを超えた高画質が楽しめるモデルになっている。早速、その映像美をチェックしてみた。
高画質技術「量子ドットMini LED」と
高性能なAIエンジンが織り成す映像美
パネルの開発・製造からテレビの組み立てまでを一貫して手掛けることで、高品質で低価格なテレビを次々とリリースしている総合エレクトロニクスメーカー、TCL。2023年におけるテレビの総出荷台数は2526万台に及び、世界のテレビ市場でシェア2位(OMIDA 2023年のグローバルTVセットレポート)を獲得するなど、業界をけん引するリーディングカンパニーの1社だ。
そんなTCLがこの春、液晶テレビの新製品を発表した。圧倒的とも言える高輝度を実現した115V型のシグネチャーモデルから、98V〜43V型という幅広い画面サイズを取り揃えたエントリーモデルまで、多彩なモデルが揃うが、そのなかでも価格.comが注目したのは、画質にもコスパにもすぐれたスタンダードモデルの4K液晶テレビ「C755」シリーズだ。
2024年5月発売のTCLの4K液晶テレビ「C755」シリーズは、手ごろな価格のスタンダードモデルでありながら、「量子ドットMini LED」を採用し、高画質な映像が楽しめるモデル。写真は今回レビューした65V型だが、このほかにも85V型/75V型/55V型/50V型が用意されている
本機の最大の特徴は、ディスプレイにTCLが誇る「量子ドットMini LED」を採用している点にある。「量子ドットMini LED」とは、微細なLEDを液晶のバックライトとする「Mini LED」と、純度の高い色を取り出す「量子ドット技術」を組み合わせた高画質技術。数多くのLEDを活用する「Mini LED」はどうしてもコストが高くなりやすく、テレビメーカーの多くはフラッグシップモデルクラスの液晶テレビにしかこれを採用してこなかった。
しかしTCLは世界展開のスケールメリットを生かし、今回スタンダードモデルとなる「C755」シリーズにも「Mini LED」を採用。そのうえ、500ゾーン以上に分けてバックライトを細かくエリア制御することで、液晶テレビでありなら、高コントラストでメリハリのある映像を描き出すことが可能になったという。
また、量子ドット技術についても、光の波長を変換・制御するフィルムを2層にすることで色再現性を高めた「量子ドット Pro」へと進化させたほか、AIエンジンには同社製フラッグシップモデルにも搭載されている「AiPQ Processor 3.0」を採用。その高画質技術は上位モデルと遜色がないレベルにまで高められている。
「Mini LED」は、一般的な液晶テレビがバックライトに採用するLEDよりも小さなLEDをディスプレイ直下に敷き詰め、輝度を高める高画質技術。「C755」シリーズでは、このバックライトを500ゾーン以上に分割し、それぞれに発光制御。明るいところはより明るく、暗いところはより暗く映像を映し出せる
直径2〜10nmほどの微細な量子ドットを敷き詰めた特殊フィルムに、青色LEDのバックライト光を照射して光波長(色)変換。「C755」シリーズが搭載する「量子ドット Pro」では、特殊フィルムが2層になり、より純度の高いリアルな色再現が可能になった。なお「量子ドット Pro」はこれまで以上に耐久性の高い量子結晶材料を用いているため、長寿命なのもメリットだ
AIエンジンは、演算処理能力とAI機能がパワーアップ。豊富なデータベースを活用しつつ、地上デジタル放送や動画配信サービスなどの入力映像を細かく分析して、色彩やコントラスト、動きなどを最適化する
【インプレッション】
スタンダードモデルとは思えない、
高いコントラストと鮮やかな色彩に驚いた
まず表示してみたのは、暗闇の中で照らされるバラのHDR映像。一般的な液晶テレビでは、背景の黒がうっすらと灰色に見える「黒浮き(白浮き)」が発生しやすいコンテンツだが、「Mini LED」ときめ細かなローカルディミングを採用した「C755」シリーズではそれが確認できない。バラの周囲から光が漏れるようなこともなく、背景の黒はしっかりと沈み込み、バラは目の前に浮かび上がっているかのよう。リアルで立体感のある映像が再現されている。
また、水平線に沈む夕日の映像では、夕焼けのまぶしさを再現しながら、オレンジ色に染まっていく雲や空のグラデーションの変化を繊細に描き出している。液晶テレビとは思えないほどのコントラストの高さに驚かされた。
続いて、色の再現性能を確認するため、さまざまな色の果物や野菜の映像を表示してみたが、色鮮やかであるのはもちろん、ピーマンとキュウリの緑の違いや、トマトとリンゴの赤の違いなども細やかに描き分けており、「量子ドット Pro」ならではの色再現性の高さに感心した。ダイナミックレンジも広く、渓谷の映像では、太陽に照らされた明るい部分のグラデーションはもちろん、影となっている岩肌の陰影まで自然に再現されており、まるで実際の風景を目の前にしているかのようなリアルさだ。
これがスタンダードモデルの液晶テレビというのだから、その画質性能の高さに正直驚く。満足度の高い映像体験となった。
ゲーム機能&音質ゲーミングモニターとしても活躍!
ONKYOコラボのサウンドシステムも素晴らしい
TCLのテレビはゲーム機能に力を入れており、ゲーミングモニターとしての評価も高い。もちろん、この「C755」シリーズでもそれを感じることができた。スペックとしては、高速な4K/144Hzのリフレッシュレートに加え、低遅延モードに自動で切り替える「ALLM」や、フレームレートを可変させて映像のカクつきを抑える「VRR」に対応。「FreeSync Premium Proテクノロジー」認証も取得しており、動きの速いゲームも滑らかにプレイできる。
このほか、画質モードやレイテンシーなどを最適化する「ゲームマスター」モードや、ゲーム機からの入力信号の詳細チェックや映像モードの変更などが簡単に行える「ゲームバー」メニューも搭載。ゲームを快適に楽しむための機能も豊富に備わっていた。
「C755」シリーズは、「PlayStation 5」の最大フレームレートである120FPSをゆうにカバーする、4K/144Hzの高速なリフレッシュレートに対応。フレーム間に黒映像を差し込むことで残像感を低減する「BFI機能」にも対応しており、FPSでの照準合わせや移動がスムーズだ
「ゲームマスター」モードでは、接続したゲーム機の映像信号を検出すると低遅延で応答速度の速いモードへ自動切り替え。ゲームプレイ中にリモコンの「機能」ボタンを長押しすると、「ゲームバー」が起動し、入力信号の詳細を確認できたり、照準器を表示させたり、暗部を明るく持ち上げたりなど、ゲームをより快適に楽しめるようになる
今回、人気FPS『Call of Duty®: Modern Warfare® III』(PlayStation 5版)をプレイしてみたが、HDR映像ならではの高コントラストな映像で、思わず実写と勘違いしてしまうほどリアルなゲーム体験が味わえた。プレイ中も表示がカクつくことはなく、照準合わせなどの操作もしやすかった
迫力の映像に負けない、本格派サウンド
「C755」シリーズでは、その美しい映像にも負けない迫力のあるサウンドを楽しめるのも醍醐味のひとつだ。
その中核となるのは、老舗オーディオメーカー、ONKYOとのコラボレーションで開発されたサウンドシステムだ。本体下部のフロントスピーカーと背面のサブウーハーで構成された2.1chシステムとなっており、それらを合計50Wのアンプでパワフルに駆動させることで、薄型テレビとは思えないような厚みのあるサウンドを響かせてくれる。
立体的な音場を作り出す「Dolby Atmos」にも対応しているので、「Dolby Atmos」対応コンテンツでは、まるで映像の世界に入り込んだかのような没入感のあるサウンドを体験できた。
Hi-Fiオーディオで高名なONKYOと共同開発した2.1chサウンドシステムを搭載。本体下部のフロントスピーカーはツイーターとスコーカーを組み合わせた2Way構成で、下向き設置でありながら音の定位がよく、まるで画面中央からセリフが聴こえてくるように感じる。また、サブウーハーの鳴りっぷりもよく、ONKYOらしい量感のある低音が味わえた
スマート機能動画配信サービスのコンテンツも手軽に
楽しめる「Google TV」搭載
スマート機能が充実しているのも「C755」シリーズの特徴だ。本機は、テレビ向けOS「Google TV」を搭載しており、視聴履歴に基づいて、各種動画配信サービスのコンテンツの中からユーザーの興味のありそうなものをホーム画面に表示してリコメンド。見たいコンテンツに素早くアクセスできる。
また、スマートフォンとの親和性も高く、Android OSのキャスト機能「Chromecast built-in」に加え、iOSのキャスト機能「Apple AirPlay 2」にも対応。テレビと同一のネットワークにスマートフォンを接続すれば、スマートフォン内の写真や動画をテレビの大画面に簡単に映し出せるし、「YouTube」アプリで見ていたコンテンツをテレビ画面へキャストすることも可能。旅行の写真や動画などを家族みんなで楽しんだり、「YouTube」動画を大画面で見たり、さまざまに活用できる。
「Google TV」を搭載しているので、人気の動画配信サービスへもダイレクトにアクセスできる。「Google Play ストア」からスマートフォンのようにアプリを追加できるのもうれしいポイントだ。また、「OK, Google」とテレビに話しかければ、番組の検索や音量などが音声コントロールできる「Googleアシスタント」も利用できる
Android OS向けの「Chromecast built-in」と、iOS向けの「Apple AirPlay 2」に対応し、スマートフォンとの連携もバッチリ。スマートフォンやタブレット端末に保存していた写真や動画などもテレビの大画面に簡単に映し出せた
まとめ世界的メーカーだからこそ実現できた、
手の届きやすい「量子ドットMini LED」テレビ
微細なLEDをバックライトとして敷き詰める「Mini LED」。これを採用した液晶テレビは高画質なものの、どうしてもコストが掛かるため、各メーカーのフラッグシップモデルクラスの製品にしか採用されてこなかった。しかしTCLはそんな常識を覆し、今回スタンダードモデルのテレビにも「Mini LED」を投入してきた。
しかも、単に「Mini LED」を採用しただけでなく、フィルムを2層にして色再現性を高めた「量子ドット Pro」や、同社のフラッグシップモデルと同じAIエンジン「AiPQ Processor 3.0」、豊富なゲーム機能、高音質な2.1chサウンドシステムまで搭載しているのだ。それでいて価格は、55V型なら20万円(価格.com最安価格、2024年5月14日時点)を切っているのだから、お買い得と言えるだろう。これを実現できたのは、パネルの開発・製造を手掛けるうえ、世界160以上の国と地域で展開する世界的メーカーのTCLだからこそである。
先端の高画質技術を搭載した「量子ドットMini LED」テレビが気になっていた人はもちろん、高画質・高音質なテレビをコスパよく手に入れたい人に、本機は大注目のモデルになるだろう。
-
「量子ドットMini LED」搭載のスタンダードモデル
4K液晶テレビ「C755」シリーズレビューモデル価格.comで最安価格をチェック
-
「量子ドットMini LED」搭載のプレミアムモデル
4K液晶テレビ「C855」シリーズ価格.comで最安価格をチェック
-
98V〜50V型まで幅広いサイズ展開のエントリーモデル
4K液晶テレビ「C655」シリーズ価格.comで最安価格をチェック