省エネ大賞受賞モデルがさらに進化 シャープの最新ドラム式洗濯乾燥機「ES-X12C」は独自の乾燥性能&省エネ性能がスゴイ!
従来モデルの“デキ”がよいと、その後継機に寄せられる期待値はおのずと高まるもの。たとえば、シャープのプラズマクラスタードラム式洗濯乾燥機「ES-X11B」もそのひとつ。本機は2023年度省エネ大賞の最高位となる「経済産業大臣賞」を受賞した人気モデル※1であり、2024年9月に発売された、後継機となるフラッグシップモデル「ES-X12C」にも高い期待が寄せられている。最新モデルは、そんな期待にどこまで応えてくれるのか? その進化点や完成度をじっくりチェックしていこう。
※1 ES-X11B
乾燥性能&省エネ性能独自技術で風量約25%アップ※2。しっかり乾かし、さらに省エネ
※2 シャープ実験による。標準コース(洗濯〜乾燥6kg)で実施。2024 年度モデルES-X12C/V12C:2.25m3/分、2023 年度モデルES-X11B:1.79 m3/分。
独自の乾燥技術を生かした高い省エネ性能が評価され、2023年度省エネ大賞の最高位となる「経済産業大臣賞」を受賞した、シャープのプラズマクラスタードラム式洗濯乾燥機「ES-X11B」。本機は目の肥えた価格.comユーザーからも高く支持されているが、2024年9月、その後継機となるフラッグシップモデル「ES-X12C」が発売された。「経済産業大臣賞」受賞モデルの後継機ということで、期待値はおのずと高まるが、「ES-X12C」はその期待にどこまで応えてくれるのか? じっくりとチェックしていこう。
「ES-X12C」の最大のアピールポイントは、定評のある乾燥性能や省エネ性能がさらに進化したこと。モモンガの滑空姿勢に着想し、効率よくドラム槽内に風を送り込むためにファンの羽根を改良するとともに、送風経路やドラム槽の構造も見直したことで、乾燥時の風量が2023年度モデルの「ES-X11B」比で約25%向上。衣類のシワをこれまで以上に軽減できるようになった。また、ヒートポンプ乾燥とサポートヒーターをAI制御で使い分ける「ハイブリッド乾燥NEXT」で、乾きにくいパーカーやズボンのポケットまでしっかりと乾かすことができる。
図中の赤色は風量が多い部分を表している。「消費電力を上げずに風量を上げ、乾燥性能をさらに高める」という課題解決のため、空気抵抗を抑えて気流を効率よくとらえるモモンガの滑空姿勢を応用。ドラム槽内に風を送り込むファンの羽根を改良するとともに、送風経路やドラム槽の構造も見直した
下記で紹介しているワイシャツを使った乾燥実験の写真を見てもらえば、その効果は一目瞭然だろう。ヒートポンプ乾燥タイプの従来モデルよりもさらにシワが少なく、朝、洗濯機からワイシャツを取り出し、そのまま仕事に向かっても問題なさそうな仕上がりだ。また、乾きにくいパーカーのフードやポケットの乾き具合を、従来モデルと比較してみたが、パーカーを持った瞬間、「あ、これは全然違う」と実感。従来モデルで乾燥させたパーカーは全体的に少ししっとりした感触で乾きムラを感じるのだが、「ハイブリッド乾燥NEXT」搭載の「ES-X12C」で乾かしたパーカーはカラッとしていて、フードやポケットの中までしっかり乾いている。乾燥機能に期待してドラム式洗濯乾燥機を購入する人は多いと思うが、この仕上がりなら大満足だろう。
ハイブリッド乾燥NEXT搭載モデル「ES-X12C」とヒートポンプ乾燥タイプ従来モデルでそれぞれワイシャツを乾かし、シワの伸び具合を比較してみた。結果は、ご覧の通り。従来モデルでは、袖や身ごろに細かいシワが残っているのに対し、「ES-X12C」で乾燥したワイシャツは、シワがピンと伸びている。この仕上がりなら、アイロンがけは必要なさそうだ
省エネ性能も進化していて、風をむだなく効率的にドラム槽に送り込む「モモンガファン」に加え、温度/湿度などの乾燥効率を高めるさまざまなセンシング技術により、洗濯〜乾燥(6kg)時の消費電力を600Whから590Whに低減。業界最高水準※3の省エネ性能がさらに向上している。カタログやサイトで消費電力を並べて見ると、この10Whの差が技術的にどれほど大変なことかがわかる。昨今の電気代の高騰を考えると、洗濯乾燥機には高い省エネ性能を求めたいところ。そんな消費者ニーズにもきっちりと応えてくれるというわけだ。
※3 洗濯容量12kgクラス洗濯乾燥機および乾燥容量6kgクラス洗濯乾燥機において。洗濯〜乾燥6kg:消費電力量590Wh。洗濯12kg:標準使用水量77L。洗濯〜乾燥6kg:標準使用水量 49L。2024年11月1日現在。(数値は日本電機工業会自主基準による)
洗浄力4つの洗浄方式でしつこい汚れもきっちり落とす
洗濯乾燥機の基本となる、洗浄力はどうだろう? 「ES-X12C」の洗浄方式の核となるのは、(1)微細な水滴で繊維の奥の汚れを弾き飛ばす「マイクロ高圧シャワー」と、(2)ひまわりの種の並びのように配列された凹凸でしっかりとこすり洗う「ひまわりガラス」、(3)衣類が絡みにくい「独自形状のバッフル」、(4)落下エネルギーを生かして汚れを押し出す「170度たたき洗い」という、4つの独自技術。先述した「モモンガファン」をはじめ、シャープの洗濯乾燥機には、自然の摂理に学んだ「ネイチャーテクノロジー」が数多く採用されているが、ドアの裏側に配された「ひまわりガラス」もそのひとつ。洗濯板のような働きで衣類がどの角度から当たっても、しっかりとこすり洗いできる仕様になっている。
「マイクロ高圧シャワー」は洗浄だけでなく、すずきでも存分に効果を発揮。マイクロ高圧シャワーを吹き付けながらドラム槽を高速回転させることで、節水しながら効率よくすすいで衣類の洗剤残りを抑えてくれる。これなら衣類の黒ずみの原因にもなる洗剤残りも気にならない。
水道水を毎秒100万個以上の微細な水滴にして、高圧シャワーノズルから衣類に噴射する「マイクロ高圧シャワー」は、通販番組などでおなじみの高圧洗浄機と同じ原理で汚れをすっきり落とす、従来から好評の独自機能。「ひまわりガラス」「独自形状のバッフル」「170度たたき洗い」とあわせて4つの独自技術の合わせ技で、高い洗浄力を生み出し、食べこぼしなどのしつこい汚れもしっかり洗い落としてくれる
今回のレビューでは、赤ワイン、ケチャップ、しょうゆ、ボールペン、パウダーファンデーションをワイシャツに付けて汚れ落ちを確かめてみたが、いずれの汚れもきれいに落ち、清々しいほど真っ白に。たとえ食事中や仕事中に汚れが付いたとしても、「家に帰って洗えば大丈夫」と、安心して過ごせそうだし、何より、汚れがきれいに落ち、シワがピンと伸びた衣類に袖を通すのはたまらなく気持ちがいい。
使い勝手&ボディデザイン洗濯の負担を減らす「ラク家事」。
ボディサイズはそのままに、洗濯容量12kgを実現
毎日の洗濯に負担を感じている人は多いはず。1日に何度も洗濯機を回す家庭ならなおさらだが、「ES-X12C」には、そんな洗濯の負担を軽減する「ラク家事」が随所に採用されている。乾燥運転後にドアパッキンの内側につくホコリを洗い流してくれる「ドアパッキン自動洗浄」や、お手入れの手間を省く「乾燥フィルター自動お掃除」、液体洗剤・柔軟剤自動投入機能、マンタのエラ構造を応用することで簡単にゴミが取れる「するポイフィルター」、各種設定・操作をスマートフォン上で行える充実のスマートフォン連携機能など、「ラク家事」を構成する機能は枚挙にいとまがない。
とりわけ印象的だったのは、「乾燥フィルター自動お掃除」だ。基本的に、ドラム式洗濯乾燥機は、乾燥運転後に毎回乾燥フィルターのお手入れが必要で、「後でやろう」と放っておくと、フィルターが目詰まりして、乾燥時間が延びる原因にもなってしまう。その点、「ES-X12C」は、乾燥のたびに、自動で乾燥フィルター(メインフィルター)のホコリを集めてくれるので、必要なのは、ダストボックスに集まったホコリをつまんで捨てることだけ。お手入れの負担をグッと軽減してくれるうれしい機能だ。
もちろん、シャープの代名詞とも言えるプラズマクラスターが搭載され、「槽クリーンコース」ならボタンひとつでドラム槽を水洗いして、プラズマクラスターイオンを放出。槽内を清潔に保ってくれる。乾燥時にもプラズマクラスターイオンを放出するので、これからの季節は特に気になる静電気を低減してくれるのも、うれしいポイントと言えるだろう。
内側に溜まりやすいホコリを洗い流す「抗菌ドアパッキン自動洗浄」と、乾燥フィルターに付着したホコリを自動清掃してくれる「乾燥フィルター自動お掃除」。「乾燥フィルター自動お掃除」は、ブレードが横に動いてフィルターに付いたホコリをかき集めてくれる仕組みで、ダストボックスに溜まったホコリをつまんで捨てるだけでいい。拍子抜けするほど簡単だ
ボディデザインについては、設置しやすい、596(幅)×739(奥行)×1075(高さ)mmの本体サイズはそのままに、ドラム槽の奥行きを拡大したことで、洗濯容量12kgの大容量化を実現。洗濯量が増えがちな子どものいる家庭でも、1回の運転でたっぷり洗濯できる。
ドラム槽底面の形状を見直すことで、本体サイズはそのままに、ドラム槽の奥行きを拡大。ファミリー世帯にうれしい、洗濯容量12kgの大容量化を実現した。滑らかなカーブの上にタッチキーが点灯する、カーブドガラスを採用した美しいボディデザインも印象的で、サニタリールームに高級感をもたらしてくれる
まとめ進化を実感できる、フラッグシップにふさわしい完成度
2023年度省エネ大賞「経済産業大臣賞」受賞モデルの後継機。そう聞くと、おのずと期待値は高まるが、「ES-X12C」は、そんな高いハードルをひらりと飛び越え、さらなる進化を実感させてくれた。乾燥時の風量を従来モデル比で約25%向上※2させたことにより、より満足感の高い衣類の仕上がりを実現するとともに、洗濯〜乾燥(6kg)時の消費電力を600Whから590Whに低減することに成功。業界最高水準の省エネ性能をさらに向上してみせたのだ。しつこい汚れもきっちり落とす高い洗浄力や、お手入れの簡単さ、そして、本体サイズを変えることなく、洗濯容量12kgの大容量化を実現した点も高く評価したい。汚れやシワのない真っ白なシャツに袖を通す清々しさや、電気代に神経質になることなく洗濯できるうれしさ。「ES-X12C」だからこそ得られるそんな満足感を、ぜひ多くの人に体感してもらいたい。
※2 シャープ実験による。標準コース(洗濯〜乾燥6kg)で実施。2024 年度モデルES-X12C/V12C:2.25m3/分、2023 年度モデルES-X11B:1.79 m3/分。


