エントリーモデルでも“超”高画質
進化した「量子ドットMini LED」テレビ
TCL「C6K」シリーズ
実力診断

\ この製品のポイント /

  • 上位モデルと同等の高画質技術を搭載
  • 映像の迫力に負けない、2.1ch仕様のパワフルサウンド
  • 動画配信サービスも手軽に楽しめる「Google TV」搭載

TCLの新型4K液晶テレビ「C6K」シリーズは、同社のMini LEDテレビのなかではエントリーモデルに位置付けられるが、TCLが得意とする「量子ドットMini LED」を進化させるとともに、ハロー現象を抑制するための新技術を導入。上位モデルと遜色のない高画質技術を搭載している。それでいて55V型で13万円台※1という価格を実現しているのだから、注目しないわけにはいかない。今回は、そんなお買い得モデルの実力をチェックした。※1 価格.com最安価格、2025年5月12日時点

01 / 高画質技術映像の美しさを新次元へ引き上げる「量子ドットMini LED」

高画質な液晶テレビとしてすっかり市場に定着したMini LEDテレビ。一般的な液晶テレビが採用するLEDよりもさらに小さなMini LEDをバックライトに活用することで、高画質を実現する仕組みだが、そんなMini LEDテレビ作りを得意としている世界的なテレビメーカー、TCLをご存じだろうか?

同社は、2019年に世界で初めて「量子ドットMini LED」テレビを量産(TCL調べ、2019年9月発売「65X10」)したことで知られ、テレビの出荷台数シェアは世界第2位※2を誇る。日本のテレビ市場においても今、注目度急上昇中のホットなメーカーだ。※2 市場調査会社OMIDA、2023年のグローバルTVセットレポート

そんなTCLが2025年5月に新たに放つのが、同社が得意とする「量子ドットMini LED」の画質力をさらに高め、新しい高画質技術を搭載した4シリーズ(X11K/C8K/C7K/C6Kシリーズ)。なかでも価格.comが注目したのは、55V型で13万円台※1という求めやすい価格を実現したエントリーモデル「C6K」シリーズだ。

TCL「C6K」シリーズ

TCL「C6K」シリーズ。写真の55V型「55C6K」に加え、65V/75V/85V/98V型モデルをラインアップしている

上位モデルと同等の高画質技術が与えられたエントリーモデル

本機は、TCLのMini LEDテレビとしてはエントリーモデルに位置付けられるものの、搭載されている高画質技術は上位モデルと遜色がない。たとえば、本機が採用する「量子ドットMini LED」。前世代のエントリーモデルに比べてMini LEDの輝度とエネルギー効率が大きくアップしているうえ、量子ドット技術には、名称こそ従来と同じ「量子ドット Pro」だが、量子結晶の素材と構造をアップデートし、広い色域とすぐれた安定性を実現した進化版が搭載されている。与えられた画質技術は、明らかにエントリーモデルの枠を超越していると言えるだろう。

Mini LED

TCL「C6K」シリーズ

バックライトとなるMini LEDには、従来の発光チップ(右側)に比べて輝度とエネルギー効率を高めた新世代チップ(左側)を採用。輝度は53.8%、エネルギー効率は10%高まっている(TCL従来品との比較)

Mini LEDテレビの画質力の指標のひとつとなるローカルディミングの分割数は最大512ゾーンで、エントリーモデルとは思えないほどの細かさで画面の発光を制御する。また、新たに従来のゾーン制御よりも精密な「プレサイスローカルディーミング」と呼ばれる技術も投入されている。

そのうえ、Mini LEDが発した光が集光レンズを通してパネルに到達するまでの全過程を最適に制御する新技術「TCL 全領域ハロー制御テクノロジー」にも対応し、液晶テレビでは避けるのが難しいハロー現象をしっかりと抑制。映像に深みと精細感をもたらし、新次元の美しさを実現している。

TCL「C6K」シリーズ

液晶テレビはなぜローカルディミングの分割数とピーク輝度にこだわるのか。その理由のひとつはハロー現象の抑制にある。ハロー現象とは、本来は暗く表示するべき場所にバックライトの光が漏れ、明るい部分の輪郭がにじんで見える現象のこと。このハロー現象を抑えることが、画質向上につながるのだ

TCL「C6K」シリーズ

バックライトの発光をエリアごとに制御するローカルディミングの分割数が多くなるほど、ハロー現象をコントロールしやすくなる。「C6K」シリーズの分割数は最大512ゾーンとなるが、本機はそれだけ細かく画面を制御するわけだ。「C6K」シリーズはピーク輝度が高いので、表示した映像はよりリアルに再現される

TCL 全領域ハロー制御テクノロジー

TCL「C6K」シリーズ

バックライトの光がパネルに到達するまでの過程をも最適に制御。「集光マイクロレンズ」の光学的安定性を8倍にするなど、光を操る能力を向上させたことで、画面のバックライト均一性は43%、ハロー現象の抑制力は18.7%アップしたという(TCL従来品との比較)

02 / 視聴レビュー圧倒的な映像美と没入感で、映像の世界に引き込まれた

では、「C6K」シリーズの55V型モデル「55C6K」を使用して、その画質力をチェックしていこう。

コントラスト&色彩感

TCL「C6K」シリーズ TCL「C6K」シリーズ

まずは、進化した「量子ドットMini LED」の実力を確認するため、高コントラストな夕景の映像を表示してみた。ピーク輝度が高いためだろう。海の向こうに沈んでいく夕日がまぶしく、おもわず手をかざしてしまうほど。さらに、淡い水色から濃い藍色になるまでの空や海のグラデーションが見事でコントラスト表現は秀逸だ。

また、果物や野菜が並ぶ映像を表示してみたが、「量子ドット Pro」により色純度が高いためか、それぞれのツヤ感を再現しながら微細な色の違いまで描き分けており、色再現性もハイレベルだった。

ハロー現象抑制効果

TCL「C6K」シリーズ TCL「C6K」シリーズ

次に、本シリーズが力を入れているハロー現象の抑制効果をチェックするため、暗闇のバラに水滴が舞う映像を映し出してみたが、お見事。じっと目を凝らしても、画面に大きく浮かび上がったバラはもちろん、小さな水滴の周囲にも光漏れが感じられない。「TCL 全領域ハロー制御テクノロジー」の効果の高さに感心した。

女性の映像も同様の印象で、ハロー現象が確認できないうえに、有機ELテレビかと思うほど黒が深く沈み込んでおり、明るく滑らかな肌の色と背景の黒とのコントラストが鮮烈でリアルだ。本機はMini LEDテレビではあるが、13万円台※1で購入できるエントリーモデルである。その映像の美しさに、検証に立ち会ったスタッフ一同、驚かされっぱなしであった。

ゲームは滑らかに、ネット動画はよりきれいに

TCLのテレビはゲームプレイに適するのも見逃せないポイント。本機は、高速な144Hzのリフレッシュレートに加え、映像入力信号を認識して自動で低遅延モードに切り替える「ALLM」や、リフレッシュレートをフレームレートに合わせて動的に可変させて映像のカクつきを抑える「VRR」「FreeSync Premium Proテクノロジー」に対応。FPSや格闘、レースなどの動きの速いゲームも表示が滑らかだ。

また、映像エンジンには、上位モデルと同じ「AiPQ Pro プロセッサー」を採用している。AI技術が映像に合わせて画質をピクセル単位で自動調整する高度なもので、地上デジタル放送はもちろん、ネット動画の低画質な映像も高精細な4Kパネルに精細かつクッキリと映し出してくれるのがうれしい。

ゲームも

TCL「C6K」シリーズ

大画面で遊ぶレースゲームは臨場感たっぷり。「C6K」シリーズは144Hzの高リフレッシュレートに対応しているので、表示も滑らかだ。入力信号の詳細確認や画面キャプチャなどが素早く行える「ゲームバー」も備えている

ネット動画も

TCL「C6K」シリーズ

地上デジタル放送に加え、アニメやスポーツなどのネット動画を再生してみたが、AI処理のおかげか解像感が高く、色はパキッと鮮やかで動きにも違和感がない。パソコンやスマートフォンよりも断然に画面が大きく見やすいので、推しの配信を楽しむ機会も増えそうだ

03 / サウンド&使い勝手迫力のONKYOサウンドシステム。スタイリッシュな薄型ボディ

美しい映像が味わえる「C6K」シリーズだが、サウンドもそれに劣らない出来栄えだった。オーディオシステムには、AV機器メーカーとして名高いONKYOと共同開発した高音質スピーカーを採用するとともに、本体背面に低音専用のサブウーハーを備えた2.1ch仕様。エントリーモデルとは思えないほどの本格派だ。

しかも、これらのスピーカーは合計40W(10W+10W+20W)のハイパワーアンプで個別に駆動する。なるほど、映像の迫力に負けない力強いサウンドが響くわけだ。

TCL「C6K」シリーズ TCL「C6K」シリーズ

本体下部にフロントスピーカーを、本体背面にサブウーハーを搭載した2.1ch構成。世界的なオーディオメーカーであるONKYOの技術が投入されており、薄型テレビとは思えない大迫力と、キレのあるサウンドが響く

TCL「C6K」シリーズ

水平方向に加え、頭上方向からの音も再現する「Dolby Atmos」や、あらゆる音源を立体的なサウンドへと変換する「DTS VIRTUAL:X テクノロジー」に対応。映画から、音楽PVやスポーツ、ゲームまで包み込まれるようなサウンドが楽しめる

TCL「C6K」シリーズ

さまざまなコンテンツを視聴し、その音質をチェックしてみたが、薄型テレビにありがちな薄っぺらさを感じないハイクオリティなサウンドだ。メインスピーカーは下向き設置だが、音の定位がよく、ニュースやドラマのセリフが画面の中央から聴こえてきて聴き取りやすい

「Google TV」で快適操作。リビングルームになじむスタイリッシュなボディ

OSには「Google TV」を採用しており、さまざまな動画配信サービスのアプリがプリインストールされているうえ、後から登場したサービスのアプリも簡単に追加できる。また、テレビ本体にマイクが搭載されており、「Google アシスタント」を活用したハンズフリーの音声操作が行えるほか、スマートフォンで見ていた映像をテレビ画面に映し出せる「Chromecast built-in」に対応するなど、使い勝手もいい。このほか、外付けHDD録画機能も備えているので、本体側面のUSBポートに外付けHDDをつないでテレビ番組を録画できるのも便利なポイントだ。

TCL「C6K」シリーズ TCL「C6K」シリーズ

「OK Google」と話しかければ、音声で番組検索や操作が行える。付属リモコンには、プリインストールされた動画配信サービスのアプリをワンタッチで起動できる10個のボタンが備わっており、ネット動画へのアクセスもスムーズだ

TCL「C6K」シリーズ TCL「C6K」シリーズ

ベゼルが細い薄型ボディは、リビングルームに設置してもスタイリッシュ。世界的な名画やAIアートが表示できるアプリ「T-EXHIBITION」(アートギャラリー)も搭載され、テレビを視聴していないときでも部屋を彩れるのがうれしい

04 / まとめ高画質で言うことなし! 満足度◎のエントリーMini LEDテレビ

「量子ドットMini LED」を進化させ、さらなる高画質化が図られたTCLのMini LEDテレビ。そのなかでも「C6K」シリーズはエントリーモデルにあたるが、その画質力は驚くほどに高かった。コントラスト表現に長けているし、色彩表現が豊か。それでいて液晶テレビが苦手とするハロー現象の抑制力が高く、さまざまなコンテンツを非常にきれいに楽しめる。

そのうえ、ONKYOとコラボした2.1chサウンドシステムは迫力があるし、「Google TV」を搭載しているので、動画配信サービスも大画面で簡単に視聴できる。液晶テレビでありながら、ボディが薄くスタイリッシュなのもうれしいところだ。この性能で55V型が13万円台※1という価格は、まさしくバーゲンプライスと言っていいだろう。

高画質テレビを手ごろな価格で購入したい人にとって、「C6K」シリーズは魅力的な選択肢となるに違いない。

製品ラインアップ

  1. TCL「C6K」シリーズ

    「C6K」シリーズレビュー機

    高画質と高コスパを両立
    「量子ドットMini LED」テレビ エントリーモデル

  2. TCL「C7K」シリーズ

    「C7K」シリーズ

    驚異的な輝度ピークと高コントラスト
    「量子ドットMini LED」テレビ スタンダードモデル

  3. TCL「C8K」シリーズ

    「C8K」シリーズ

    Mini LEDテレビの新たな到達点
    「量子ドットMini LED」テレビ プレミアムモデル

この記事は2025年5月20日の情報を基にしております。