冬本番。乾燥肌にお悩みの方も多いだろう。かく言う筆者もこのシーズンは台所の水仕事の際にツラいものがある。シミるのである……。近ごろは男性でも肌の手入れに気を配る人が増えており、イクメンのなかには手荒れに悩む人が多いとも聞く。こういった症状に効く薬はないかと、近所のドラッグストアに足を運んで聞いたところ、「ヒビケア軟膏」(池田模範堂)がよく売れているという。

レビューサイトのコメントを見ても、おおむね高い満足度が得られているようだ。このヒビケア軟膏、パッケージをよく見ると、小さく「ムヒ」と書かれている。実は、虫さされ・かゆみ止めでおなじみの「ムヒ」を製造する池田模範堂の商品だったのだ。2010年は約150万本(35g入り/前年比126%)を売り上げるヒット商品となっている。

手のイラストと“パックリ割れ”という表現が際立つ池田模範堂「ヒビケア軟膏」。15gと35gがある
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「ムヒ」から「MUHI」へ

池田模範堂(本社:富山県)は創業が1909年、2011年で103年目を迎える老舗企業だ。

同社は2011年にCI(コーポレート・アイデンティティ)をリニューアル。コーポレートロゴを「ムヒ」から「MUHI」へ、スローガンを「かゆみを科学する」から「肌を治すチカラ」へと一新した。「虫さされ・かゆみ以外の肌トラブルの領域にも挑戦し、数々のオンリーワン商品を届けたい」(池田嘉津弘社長)との考えからだ。

つまりこのリニューアルは、夏冬問わず肌のトラブルには「MUHI」という新しいイメージを築いていこうとする試みなのだ。2011年11月には加藤茶、仲本工事らを起用した記者発表会を行い、「冬にもMUHI」をアピールした。

しかし「ムヒ」と言えばすでに、日本の夏に欠かせないアイテムとして定着している。池田模範堂は、今後どのようにして「ムヒ」から「MUHI」への変身、つまりブランドの再構築を行おうとしているのだろうか。

「かゆみを科学する」をスローガンにした従来のコーポレートロゴ
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新ロゴでは「ムヒ」を「MUHI」とし、スローガンも「肌を治すチカラ」に一新
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加藤茶、仲本工事らを起用した記者発表会の様子。「冬にもMUHI」をアピールした
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