多くの男性が悩む「薄毛」を頭皮ケアでしっかり予防

成人男性の大きな悩みの一つが「薄毛」だろう。クロス・マーケティングが2011年9月に実施した調査によると、20〜40代男性の悩みとして「体力低下」「肥満」(それぞれ約40%)に次いで挙げられたのが、「薄毛・抜け毛」(約27%)だった。

本格的な薄毛や脱毛の場合は医院でAGA(男性型脱毛症)治療を行う方法もあるが、気になり始めたという人には育毛剤や頭皮ケアシャンプーといった手段の他に、頭皮ケア家電を使うという手もある。

医師が指南する、頭皮ケアのコツ
「育毛を促進するためには、頭皮の直接のケアに加えて、体の中からのケアも重要です。体の中の知覚神経を刺激すると、毛根で育毛を促進する物質が増えることがわかってきました」と岡嶋研二教授。そこで以下に、日常でできる体内からの頭皮ケアの方法を紹介してもらった。
岡嶋研二 05年に名古屋市立大学医学部教授に就任。12年4月からは、薄毛治療を専門に行う名古屋Kクリニックの院長に就任予定

1 育毛食材を食べる
胃腸の知覚神経を刺激する食材の代表は、唐辛子と大豆。玄米も、同様の刺激作用を持ち、育毛には効果的
2 よく噛んで食べる
唾液が少ない病気の人には薄毛が多いことが知られている。唾液には知覚神経刺激物質が多く、よく噛んで食べてほしい
3 体を温める
知覚神経は温めると刺激されやすくなる。運動、温かいものを食べる、ゆっくり入浴するなど、体を温める工夫が必要
4 睡眠を十分に取る
睡眠により成長ホルモンが増えると、育毛物質が増えます。早めに床に就き、十分な睡眠を取ることも育毛には重要です
5 青色の光を浴びる
人など多くの生物に深海の青い光が健康効果をもたらす。青色光は皮膚の知覚神経を刺激し、毛根の育毛物質を増やす

注目は「頭皮洗浄ブラシ」と「イオンドライヤー」だ。ツインバード工業の「モミダッシュFLEX」やパナソニックの「頭皮エステ」は、バスルームでリラックスしながら頭皮マッサージができるため、女性に人気となったモデルの最新機種だ。特に頭皮エステは男性向けに皮脂洗浄機能を強化したうえ、「優しく洗いたい」というニーズにも応えている。

ドライヤーはここ数年、保湿効果の高いマイナスイオンタイプが女性の人気を集めている。マイナスイオンが髪に潤いを与えるだけでなく、静電気を除去してまとわりつきをなくし、地肌の保湿にも役立つため、男性にも人気が出ている。

最近は「スカルプD」などの頭皮ケアシャンプーも人気だが、こうした家電を使いこなすことで、さらにしっかりと頭皮をケアしたい。

頭皮ケアは「頭皮洗浄ブラシ」と「イオンドライヤー」が基本

●頭皮エステ EH-HM94
(パナソニック)予想実売価格1万2800円 2012年4月21日発売。新開発の「皮脂洗浄ブラシ」を搭載した頭皮洗浄ブラシ。防水タイプで、浴室で優しくマッサージしながら皮脂を洗い流せる。刺激の強い女性向けの「サロンタッチタイプ」もある
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●IF-PB1
(シャープ)実勢価格1万5600円。静電気を抑制し、保湿効果のあるプラズマクラスターイオンを発生するヘアドライヤー。約50°Cで地肌を優しくケアする「地肌エステモード」も搭載している
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●モミダッシュ FLEX
(ツインバード工業)実勢価格7750円。2つの洗浄用ブラシに加えて、頭皮のマッサージに最適なケア用ブラシを付属する頭皮洗浄ブラシ
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●ナノケア EH-NA94
(パナソニック)予想実売価格1万9500円 2012年4月21日発売。「ナノイー」に加え、亜鉛電極とプラチナ電極から発生する「ミネラルプラチナ」が髪に浸透するヘアドライヤー。約60°Cの温風で乾燥する「スカルプモード」も備える
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担当者に聞く男性美容家電の動向
ヨドバシカメラマルチメディアAkiba理美容専門チームの横野剛リーダーは、「最近ではトリマーなどのグルーミング製品がよく売れている。パナソニックの『頭皮エステ』やイオンドライヤーなどは元々女性向けだったが、美容感度の高い男性を中心に出ている」と語る。
売れ筋の中心はシェーバーだが、ヒゲや体毛をケアできるグルーミング製品も売れているという
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(文/安蔵靖志)