デジタルカメラの選び方
コンパクトで簡単にいろいろな撮影が楽しめるのがデジタルカメラの魅力です。ですが、一口にデジタルカメラといっても、その種類は多くどれを選んでいいか迷うものです。まずはご自身がどのタイプを求めているのかを知ることから始めてみましょう。
2023/4/21 更新
今のデジタルカメラは4タイプに区分されます。ここからはそれらを解説していきます。
デジタルカメラの画質に大きく影響するのが撮像素子のサイズで、これが大きくなるほど、背景がぼかしやすくなったり、暗いところでもよりノイズの少ないきれいな写真が撮れたりします。高画質を追求したデジタルカメラは、1インチ以上の撮像素子を採用しており、中にはAPS-Cサイズ、フルサイズというレンズ交換式デジタル一眼カメラと同じサイズの撮像素子を搭載しているものもあります。ただし、高画質な分、価格も高くなります。なお、撮像素子サイズについては「撮像素子サイズへ」で詳しく説明しています。
広角から超望遠までの撮影をこなせるのが高倍率ズームモデルです。風景から運動会など撮影ポジションが限られるシーンまで、被写体を思い通りの大きさに写せるのが特長です。このタイプの中にはズーム倍率を30倍程度に抑えたボディサイズの小さなものから、100倍を超える本格大型モデルまでさまざまなバリエーションがあります。また、焦点距離やズームを詳しく知りたい人は「レンズの性能へ」で詳しく解説しています。
月のクレーターも写せる焦点距離1000mm以上の望遠カメラ
望遠端(もっとも望遠にした際)のレンズ焦点距離が1000mm相当以上のカメラになると、遠距離から小さな野鳥をアップで撮ったり、月のクレーターを写したりもできます。写真は光学125倍ズームのニコンP1000の望遠端3000mmで撮影したもので、このレベルだと、月を画面内に収めるのが大変なくらい大きく写せます。なお、高倍率ズームモデルはどれも手ブレ補正機構を搭載していますが、それでも1000mm以上となるとブレやすくなります。三脚を使うなどしてブレないように撮影しましょう。
防水機能を持つカメラは、海やプールでも水濡れを気にすることなく使用できます。海水浴で使うなら10m未満の防水性能、ダイビングで使うなら10m以上の防水性能を選ぶとよいでしょう。また、防水モデルの多くは、防塵・耐衝撃性能も有しておりアウトドアでの使用に最適です。
「どうせカメラを買うなら何でも撮れるカメラにしたい」という気持ちになりがちですが、まずはどんな場面で一番快適に使いたいか、ということを考えるようにしたほうが後悔しなくて済みます。ここからはさまざまなシーンに向いたカメラ選びを解説します。
運動会などのスポーツ撮影では望遠に強いカメラのほうが思い通りの写真が撮れます。競技中のシーンだけを撮るのであれば、400mm以上の望遠を搭載するカメラがいいでしょう。動く被写体を撮る場合、ファインダーもあると便利です。それとは別に、集合写真やグランド全体を撮りたい場合などは広角も重要になります。その場合、24mm程度の広角性能があれば十分です。静止画だけでなく動画でも撮りたい人は4K動画対応機種もチェックしましょう。
雄大な景色をそのまま広く撮るなら広角24mmくらいは必要です。ちなみに広角で写すと、邪魔なものも写ってしまったりして苦労することが意外にあります。そんなときには望遠側で風景の一部だけを切り撮るといいでしょう。400mmくらいの望遠があるとずいぶんとダイナミックな切り撮り方ができますが、一般的には200mmくらいの望遠でも大丈夫です。
風景を丸ごと撮れる360度カメラ
子供や友人をきれいに撮りたいなら明るい(開放F値の低い)レンズを搭載したカメラがいいでしょう。背景をぼかすには広角より望遠で撮影したほうがよいので、望遠端の開放F値がF3.0より小さいものにしましょう。さらに撮像素子サイズが大きいものが理想的です。明るいレンズと大きな撮像素子の組み合わせなら背景を大きくぼかすことができ、人物が浮き上がったような写真に仕上げることできます。その際、顔認識を搭載したカメラなら肌の色なども簡単にきれいに写せるでしょう。
花のアップやテーブルフォト、昆虫などをアップで印象的に撮るなら最短撮影距離が短いカメラが便利です。カメラは最短撮影距離よりも近い距離にはピントが合わせられません。ですが、最短撮影距離が3cm未満のものであれば、小さな花などをアップで撮ることもできるでしょう。ちなみに被写体を至近距離から撮影することをマクロ撮影といいますが、本格的なマクロ撮影をしたい場合は、最短撮影距離1cmというカメラもあります。
旅行に持って行くなら軽く小さいカメラが便利です。また、広角から望遠までまんべんなく撮ることを考えると、焦点距離も広角が28mm以下、望遠は300mmを超えるスペックがいいでしょう。旅行先でバッテリー充電することも踏まえ、USB充電できるものがいいでしょう。Wi-Fi機能搭載モデルなら、スマホに転送してすぐにSNSに写真をアップすることも可能です。
自撮りをするうえで一番便利なのは、背面の液晶モニターが180度回転して、液晶を見ながら自撮りできるカメラです。また、2〜3人で集まって自撮りをする場合には広角レンズでないと画面に収まりきれません。広角端が24mm以下のものをチョイスしましょう。さらに、あまり重たく大きなカメラでは片手撮りが難しくなるので、総重量は300g未満を目安に軽くてコンパクトなものだといいでしょう。
夜景はカメラの性能差が出やすい撮影シーンです。周りが暗いために高感度を使用がちで、その結果ノイズが増えるからです。ただし、手ブレを抑えるためにも高感度の使用は必須です。そのため高感度撮影に強く、かつノイズの少ないカメラを選ぶことが大切です。その見分け方ですが、一般に撮像素子が小さいと高感度撮影時のノイズは増える傾向にあるため、検討すべきは撮像素子のサイズです。撮像素子が1型以上のモデル、かつ標準感度の上限がISO12800を超えるモデルから検討しましょう。
写真にもっとこだわりたくなったら一眼カメラ
一眼カメラとはレンズ交換が可能な一眼レフカメラ、ミラーレスカメラのことです。被写体や撮影意図に応じてレンズを付け替えることで思い通りの写真を撮ることができるため、設定などにこだわった写真を撮りたい人に向いています。
APS-Cサイズの大型撮像素子を採用するPowerShot G1 X Mark IIIを筆頭にした「PowerShot」シリーズと、スタンダードコンパクトの「IXY」シリーズをラインアップ。撮像素子サイズ、ズーム倍率、ファインダーの有無など多彩なバリエーションから選べます。コンパクトなボディに40倍ズームを搭載するPowerShot SX720 HSなど魅力的なモデルが多数揃っています。
ソニーのデジタルカメラブランド「Cyber-shot」はフルサイズの撮像素子を搭載するRX1シリーズと高倍率ズームモデルRX10シリーズ、1型の撮像素子を搭載の大ヒットRX100シリーズの大きく3つのカテゴリで構成されています。RX100シリーズでは初代RX100から最新のRX100M7まであります。新モデルが発売された後も旧モデルを併売するスタイルのため、同じシリーズでも複数のモデルが存在しているのが特徴的です。超小型ボディに1型の撮像素子を搭載するRX0シリーズという変わったモデルもあります。
高倍率ズームモデルと防水モデルをラインアップ。高倍率モデルのトップモデルとなるCOOLPIX P1000では、光学125倍のズームで最大3000mm相当の超望遠撮影が可能となっています。広角24mmから超望遠2000mm相当(35mm判換算)の光学83倍ズームを備えたCOOLPIX P950も人気製品のひとつ。また、防水モデルのCOOLPIX W300では、水中ハウジングなしで水深30mまでの撮影が可能でダイビングなどにも使用できます。COOLPIX W150は水深10mまでの防水ですが、子供でも使いやすいボディデザインと平仮名表示のメニューなどが用意されています。
1.0型センサーを搭載するLUMIX DC-FZ1000M2を筆頭にプレミアムコンパクトを展開。また、高倍率ズームモデルは20mm相当という超広角からの光学60倍ズームを搭載するFZ85をはじめ、1型の大型撮像素子搭載のモデルなどをラインアップします。水深31mまでの水中撮影が可能なFT7にはファインダー(EVF)も搭載されており、通常のスタンダードコンパクトとしても使いやすいモデルに仕上がりに。多くのモデルが4K動画記録に対応している点も特徴です。
アウトドアに特化したタフシリーズとしてTG-6が用意されています。TG-6は、水深15mまでの防水に加え、防塵機能、2.1mまでの落下に耐える耐衝撃性能、耐荷重100kgfをクリアするなど、撮影環境を選ばないカメラに仕上がっています。レンズは25〜100mmの4倍ズームですが、オプションとして1.7倍のテレコンバーターや魚眼撮影ができるフィッシュアイコンバーターなどが用意されています。また、水深45mまでの防水プロテクターなども用意されます。
APS-Cサイズの撮像素子に28mm相当の単焦点レンズを組み合わせたGR IIIはスナップ撮影などに最適なモデルといえます。GR IIIの塗装をメタリックグレーに変更したモデルであるStreet Editionも登場しており、電源オフ時にはストリートをイメージした背景と専用ロゴをあしらった終了画面が表示されるなど特別仕様となっています。ほかにも、水深14mまでの防水機能、1.6mまでの耐衝撃性能を実現するWG-70などアウトドアモデルをラインアップ。さらに、360度全天球写真が楽しめるTHETAシリーズも用意するなど、他社とは一風変わった製品ラインアップが魅力です。
画質を重視するのであれば、「撮像素子のサイズ」をチェックしましょう。光を受けて画像を作り出す部品である撮像素子は、サイズの大きさに比例して高画質になり、同時に価格も高くなります。撮像素子が小さくなると、高感度撮影時にノイズ(写真に写るザラつき)が増えるなどの欠点があるので注意しましょう。
低価格帯のデジカメでもっともよく使われる撮像素子です。サイズが小さいため薄型コンパクトや高倍率ズームカメラなどバリエーション豊富で価格も手頃ですが、画質面は劣ってしまいます。
1型と1/2.3型の中間のサイズで、性能も両者の中間。1型撮像素子が出てくるまでは高級コンパクトの定番撮像素子でした。現在市場にはほとんど出回っていません。
ソニーを筆頭に多くのメーカーが採用しており、高級デジカメでは主流の撮像素子となりました。画質重視でデジカメを買いたい人はこのサイズから選ぶとよいでしょう。
大きさが4/3型なのでフォーサーズと呼びます。現在、オリンパスとパナソニックがミラーレス一眼にこの規格を採用しています。デジカメではあまり使われていません。
かつて存在したカメラ用APSフィルムと同じサイズです。フルサイズよりひと回り小さく、面積は約半分。画質と大きさのバランスがよいため、一部の高級デジカメ以外に多くのデジタル一眼カメラでも採用しています。
フィルムカメラ時代のフィルムサイズ(35mm判)と同じなのでフルサイズといいます。デジタル一眼カメラの上位機や一部の超高級デジカメで使われており、高画質ですが、高価格です。
デジカメの心臓部であり、実際に光を受けるところを撮像素子(イメージセンサー)といいますが、大きく分けて3つの種類があります。CCDとCMOSとMOSです。CMOSとMOSは親戚だと思って構いません。今は低価格モデルにCCD、それ以外はCMOSかMOS撮像素子とはっきり分かれています。
CMOSはかつて、ノイズの多さでCCDよりも画質で劣っていましたが、技術の向上でCCDを追い抜きました。現在では、高感度にも強くなり、動画や連写にも向いていることもあって主流となっています。
パナソニックが独自に開発した撮像素子MOS。同社製品を中心に採用されており、性能面ではCMOSとほぼ同等。4K動画にもいち早く対応しました。
CCDは、以前は大半のメーカーで採用されていました。しかし、高感度化が難しい点や、動画に向かないことから、現在では低価格帯の製品に使われるのみとなっています。
ソニーが開発したCMOS撮像素子で、「りめんしょうしゃがた」と読みます。そもそも、撮像素子には、光を受け取る“受光部”と、受け取った光を送る“配線層”があります。従来は、“配線層”が“受光部”の上にあったため、受け取る光の量が制限されていましたが、裏面照射型では、こうした構造を裏返して位置を逆にしています。その結果、従来よりも多くの光を取り入れることができ、とくに暗い場所でもノイズが少ない画像の撮影が可能になり、現在では主流の撮像素子となっています。
レンズの性能は「焦点距離」と「F値」で決まります。焦点距離とは、レンズから撮像素子までの距離のことで、単位は「mm」で表されます。 50mm(35mm判フィルム換算)を標準として、数字が小さいほど広角(広い範囲が写る)、大きいほど望遠(遠くのものが大きく写る)なレンズとなります。一方のF値とは、レンズを通す光の量の値のこと。この数値を調整することでピントや写真の明るさが調節できます。
光学ズームとは、焦点距離を変化させることで被写体を劣化させずに拡大するデジカメのズーム機能のこと。焦点距離を変えられるレンズは、「ズームレンズ」と呼ばれ24mm-720mmのように表記されます。なお「○倍ズーム」という表示は、レンズ焦点距離(mm)の広角端に対して望遠端の焦点距離(mm)が何倍になるかという意味です。この場合、広角端が24mm、望遠端が720mmなので、ズーム倍率が「30倍ズーム」のレンズとも表現されます。
広角(1倍/24mm)
ズーム倍率は一番広角にしたとき(画像の場合は24mm)を基準にします。広い範囲を撮れるので風景や室内での撮影、記録写真に向いています。
10倍(240mm)
約10倍までズーミングしてみました。広角端が24mmなのでこれは240mm相当となります。一般的にはここまで大きく撮れれば十分でしょう。
望遠(約29倍/700mm)
画面は700mm相当なので、約29倍となります。24mmの写真では、全く判別できなかった桜のつぼみも確認できます。なお、望遠撮影の際は手ブレを起こしやすいので、注意しましょう。
光学ズーム倍率で選ぶ
レンズを通す光の量をコントロールする機構を「絞り」といい、その値をF値(あるいは絞り値)と呼びます。絞りを調節することでピントの合う範囲やシャッタースピードを調節できます。絞りを一番開いた(F値を一番小さくした)状態を「開放絞り」といい、その数値、開放F値が小さいほど明るいレンズとなります。ズームレンズでは広角と望遠で開放F値が違うので注意しましょう。
F2.8(開く)
絞りを開くと背景がより大きくぼけるのが特徴です。開放F値が小さいほうが高性能ですが、その分レンズは大きく高価になります。広角時と望遠時で開放F値が違うので両方をチェックしましょう。
F8(絞り)
絞りを絞ると背景までくっきりと写ります。その分、レンズを通る光が少なくなるため、シャッタースピードが遅くなり、手ブレしやすくなります。慣れないうちは絞らず、開放F値での撮影がおすすめです。
F値(広角)で選ぶ
コンパクトデジカメの最短撮影距離は、レンズの先端からの距離です。ネイルや料理、雑貨といった小さなものをアップで撮るときは重要なポイントになります。こういうものの撮影を想定するなら、最短撮影距離が近いものを選びましょう。
最短撮影距離で選ぶ
撮影時の手の揺れを検知して自動で修正し、画像がブレたりぼやけたりするのを防ぐ機構。 光学式ではレンズの位置や、撮像素子を動かすことでブレを補正し、電子式では撮影された画像データを解析してブレを補正します。
デジカメの写真は撮影したデータをカメラ内で処理して、その結果をJPEG形式で保存しますが、編集ソフトで大幅に修正できません。これに対し、「RAW」と呼ばれる形式で写真が撮影できる機能を「RAW撮影」といいます。RAW形式は手を加えない“生”の状態の画像で保存するため、編集ソフトを使って自由に補正や加工を行えられ、思い通りの仕上がりにできます。ただし、圧縮しない状態で保存するため、画像サイズが非常に大きくなります。
背面モニターが回転して自分の姿を見ながら撮れる機能です。モニターを自分撮りモードにすると自動的にセルフタイマーがオンになる、表示が鏡像になる、美肌がオンになるなど各社工夫をしています。
液晶モニターを左右方向に開くことができるうえ、さらに上下方向に角度を自由に変えられるものです。高い・低い位置にカメラを構えたときに構図が確認しやすく、自分撮りにも便利です。
可動式液晶モニターの一種で、モニターが上下にチルトする機構を指します。上にだけ動くもの、上にも下にも動くもの、180度動いて自分撮りに対応するものなどがあります。構造はシンプルで便利ですが、縦位置でのローアングル撮影には未対応です。
人の顔を検出することでそこに自動的にピントを合わせる技術。ほぼ全モデルが搭載し、さらにピントのみならず肌の明るさや色合いも調整してくれるのが一般的です。横顔でも認識するか、一度に何人まで認識するかで各社の差が出ます。
指定した被写体に自動的にピントを合わせ続ける機能です。ピンボケを防げますが、被写体によってはうまく追尾してくれないこともあるため、通常のAFとうまく使い分ける必要があります。
スマホのようにUSBケーブルを使って充電できる機能です。スマホ用のUSB出力ACアダプタやモバイルバッテリーからも充電できて便利です。
デジカメとプリンターを直接つないで印刷するための規格がPictBridgeで、パソコンを介さなくてもプリントできます。USBで接続するタイプやWi-Fiを使ってプリントするタイプなどがあります。
一定間隔で連続撮影した静止画を素材に作った動画です。長時間の事象の変化を短時間で表現できるのが特徴です。
シャッターを長押しするとその間連続して撮影し続ける機能。カメラによって、連写速度や連写枚数に差があります。中には高速連写時は画像サイズが小さくなる、速いものの連続3枚しか撮れないというモデルもあるので注意が必要です。
カメラには画質安定を目的として、撮像素子の前面にローパスフィルターが配置されています。あるはずのない色が表現されてしまう「偽色」や、細かい模様を撮影したときに模様がチラつくように見える「モアレ」の発生を防ぐためのものですが、解像感が低下するというデメリットがあります。最近では、中上位機種を中心に、このフィルターを排除し、解像感を高めたモデルが登場しています。
無線LANの国際標準規格を「Wi-Fi」といいます。Wi-Fiでの接続にはアクセスポイント経由接続と、機器同士を直接つなぐWi-Fi Directの2種類があり、前者に対応しているとパソコンへの自動転送などもできます。
Wi-Fi機器同士で直接つなぐための規格。デジカメの場合、スマホと直接Wi-Fiで接続することでスマホに写真を転送したりリモート撮影を行ったりするのに使われます。Wi-Fi対応のデジカメはほぼこれに対応しています。
近距離無線通信技術の規格で、実はおサイフケータイもNFCの一種です。NFC自体は写真転送には向かないので、カメラとスマホをくっつけてWi-Fiを作動させ自動接続するのに使われます。
GPS衛星の電波を使って現在地を測位する機能を指します。GPSを搭載していると写真の撮影位置情報が緯度経度で記録されます。アウトドア用デジカメのほか、一部の高倍率ズーム機が搭載しています。
スマホのようにタッチ操作が可能なモニター。多くはボタンやダイヤルとタッチパネルの併用式で、タッチAFやタッチシャッターをメインに使われます。搭載モデルは多くありません。
撮像素子サイズが違えば同じ画素数でも画質は異なります。
画質をざっくり知りたいときは、画素数より撮像素子サイズを見ましょう。1/2.3型撮像素子の面積は1型撮像素子の1/4の面積しかありません。画素数が同じなら1画素あたりの面積に4倍の差があるわけです。その差は高感度時の画質や階調の滑らかさに出ます。画素数に大差がなければ撮像素子サイズが大きいほうが有利です。
安価なコンデジとの差はほとんどありません。
一般に、安価なコンデジとスマホでは、スマホのほうが撮像素子サイズは小さめですが、その分明るいレンズを搭載しており、画質の差はほとんどなく、スマホのほうが上回ることすらあるといっていいでしょう。両者の差は光学ズームの有無くらいです。ただ、ハイエンドコンデジは大きな撮像素子を搭載しているため、スマホとは大きな画質差があります。
撮影枚数
フル充電されたバッテリーが空になるまで何枚撮れるかを表しています。CIPA(カメラ映像機器工業会)が定めたテスト方法で調べた枚数が書かれていますが、実際には使い方によって変わるので目安程度に考えてください。
絞り
撮像素子に当てる光の量を調節する機構で、絞りを開くと一度にたくさん光が入り、絞るとその逆になります。F値という数値で表し、数字が小さいほうがより光を取り込めます。
シャッタースピード
撮像素子に光を当てる時間を決めるのがシャッタースピードです。スピードが速いと一瞬しか光が当たらないので速い動きの被写体でもブレずに撮れます。スピードを上げて全体の光量が足りないときは絞りやISO感度で調節します。一般に最高で1/2000〜1/4000秒程度ですが、電子シャッター機能を持つカメラではもっと高速にできます。
シーン自動認識オート
カメラによってiA、プレミアムオート、おまかせオート、こだわりオートなど名称に違いがありますが、総称として「シーン自動認識オート」と呼ばれています。カメラが撮影シーン(人物か、風景か、夜景かなど)を解析して、それに応じたセッティングを自動で行ってくれる機能です。
パノラマ撮影機能
カメラを横に動かしながら何枚も連写し、それをカメラ内で1枚の横長写真に合成して、パノラマ写真を生成する機能です。Cyber-shotが「スイングパノラマ」という名前で搭載して有名になりました。
フルHD
動画撮影時の画像サイズです。1280×720ピクセルの動画をHD、1920×1080ピクセルの動画をフルHDといいます。その上の3840×2160ピクセルの動画を4Kといいます。1280×720より小さいサイズはSDと呼ばれます。現在、フルHD動画を撮れる機種が一般的です。
ホワイトバランス
どんな照明下でも白いものが白く映るよう色を調節する機能で、自動調整機能をオートホワイトバランス(AWB)といいます。オート以外に、太陽光・曇天・蛍光灯・白熱灯といった光源を指定したり、白やグレーの紙を撮ってそれが無彩色になるよう設定する機能もあります。
マクロ機能
近接撮影のこと。「マクロ00p」とある場合、レンズ前何cmまでピントが合うかを意味します。なお、デジタル一眼の最短撮影距離はレンズ前ではなく、撮像素子からの距離で示すので注意が必要です。最近はシームレスマクロといって自動的に近距離までピントが合う機種が中心ですが、最短撮影距離で撮影するにはマクロモードに切り替える必要があるものもあります。
露出補正
どのくらいの明るさで撮影するかはカメラが最適になるよう自動で判断しますが(自動露出)、撮影者の意図と食い違うことがあります。それを手動で補正するのが露出補正機能。プラスで明るく、マイナスで暗くなります。使用頻度が高い機能のため、ハイエンド機では専用のダイヤルを持っている機種もあります。
HDR
ハイダイナミックレンジの略です。より明暗差が大きな状況できれいな写真を撮るために、同じ位置で明るい写真、標準の写真、暗い写真を連写して合成することで、ダイナミックレンジの広い写真を生成する機能です。逆光時や風景写真で効果的です。
ISO感度
撮像素子は光に対する「感度」を持っており、撮像素子の感度が高いと受ける光の量が少なくて済みます。その感度が感覚的にわかるよう、フィルム時代に使われていた数値に換算して表示します。それをISO感度と呼びます。デジカメの場合、信号を電気的に増幅することで見かけ上のISO感度を上げることができます。その分画質は落ちますが、より少ない光で撮れるようになります。デジタル一眼ではISO100〜200が基本感度となっています。